山口ってどんなところ?
山口県は本州の西の端に位置し、東側が広島県と島根県、西側が九州の福岡県です。古くから九州と中央とを結ぶ海上交通の要衝でした。関門海峡のシンボル・全長1,068mの「関門橋」は、1973年、最先端の技術を駆使して完成しました。
また、山口県は、日本の歴史を大きく変える転換点の重要な舞台にもなりました。平安時代、下関市で繰り広げられた源氏と平氏の戦い「壇ノ浦の戦い」、室町時代から戦国時代には、フランシスコ・サビエルや雪舟、戦乱の京都から逃れてきた公家や文化人が山口に滞在し、大内文化が花開きました。
こうして山口市は「西の京」と呼ばれるまでに発展したことから、歴史ロマンにふれる観光ができるのも魅力です。
三方を海に囲まれ、豊かな山々に抱かれていることから、大自然が育んだフォトジェニックなスポットも点在しています。また、海の幸や山の幸が豊富です。好環境と条件が揃っているからこそ作られる、おいしい地酒も名産品です。
山口旅行の見どころ
日本最大級カルスト台地と鍾乳洞で自然の神秘を体感する
秋吉台と秋芳洞は山口観光が初めてなら外せない、2大マストスポットです。
カルスト台地を一望できる「秋吉台カルスト展望台」から自然美を満喫しましょう。カルスト台地は、雨水や地下水に溶けやすい「石灰岩」でできています。その石灰岩が地下水などにより、少しずつ溶かされ、崩落を繰り返すことで、地下に大きな空間(洞窟)が生まれます。それが「鍾乳洞」です。
長い年月をかけて生み出された、日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞」は、体験ツアーに参加してガイドの説明を聞きながら巡ってみましょう。動きやすい服装とスニーカーなどの歩きやすい靴をオススメします。
ノスタルジックでロマンあふれる街並みを散策する
江戸時代の町並みが続く「萩城城下町」。加えて、「大板山たたら製鉄遺跡」「萩反射炉」「恵美須ヶ鼻造船所跡」「松下村塾」の5つの産業資産は、「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録されています。着物に着替えて、人力車で巡るのも一段と趣があります。
藩政時代には「岩国藩のお納戸」と呼ばれ賑わった柳井市の「白壁の町並み」には、江戸の商屋が立ち並んでいます。赤い金魚ちょうちんが情緒たっぷりで町家カフェでのんびり、時が流れるのを忘れてしまいそうです。
インスタ映え!橋からの絶景を満喫する
山口県には絶景を眺められる魅力的な橋があります。山口県の本土と角島を結ぶ「角島大橋」は、エメラルドグリーンからコバルトブルーへと変化する海の上を伸びる姿がとても美しく、CMや映画などのロケ地としても使用されています。
岩国市を流れる錦川に架かる、5連アーチの木造橋といえば、「錦帯橋」。橋を歩くのも風情がありますが、見逃してはいけないのが橋の裏側です。
そして、関門海峡をまたぐ「関門橋」は、まずは、その壮大な姿を遠目から眺めて、その後は、「関門トンネル人道」から海峡の海底を歩いて渡りましょう。10分程度で門司側へ到着です。
また、夜になると橋が明かりに照らされ、一段とロマンティックで幻想的です。ドライブデートにもオススメです。
非日常的な空間で癒やされる
海に囲まれているため、ちょっとした手軽さで島旅気分が楽しめるのも魅力です。瀬戸内のハワイと称される島・周防大島をはじめとした、非日常を堪能できる空間でゆったりとした時間を過ごしましょう。別名「海上アルプス」と言われる青海島の奇岩群は、スケールの大きさに圧倒されます。
また、湯田温泉や長門湯本温泉、俵山温泉など、個性あふれる名湯も点在しています。心身のリフレッシュにはもってこいです。存分にパワーチャージしましょう。
新鮮な海の幸と地酒を堪能する
山口のグルメと聞いて、真っ先に思い浮かぶのがフグでしょうか。下関では、福にちなんで「フク」と呼ばれています。ほかにもハモ、車エビ、白魚、ヒラメ、鮎などを使った料理が味わえます。
また、今や国内のみならず海外でも人気の日本酒「獺祭(だっさい)」をはじめとし、美味しい地酒が堪能できます。スパークリングタイプもあり、女性にも飲みやすくなっています。現地で味わって、お気に入りを見つけたらお土産に持って帰ってもいいですね。
島根の津和野、北九州の門司まで足を伸ばしてみる
山口県との県境に位置する盆地の町・島根県の津和野町や開門海峡を隔てて下関と向かい合う北九州の門司まで足を伸ばしてみませんか。
「山陰の小京都」と称される津和野には、城下町の歴史や文化が今も息づいています。堀割(ほりわり)に泳ぐ色とりどりの錦鯉、古い街並みをのんびり散策してみましょう。インスタ映え間違いなしの「太鼓谷稲成神社」も必見です。町内はレンタサイクルで回るのもオススメです。
歴史とロマンあふれる港町・門司は、明治の後半から横浜や神戸と並ぶ国際貿易港として栄えました。レトロな建物が数多く立ち並び、特に女子旅やデートにピッタリです。下関から全長780mの海底トンネルで歩いて渡ることもできます。
岩国・柳井・周南エリア
岩国は、静かに流れる錦川に架かる錦帯橋が街のシンボルとなっています。白壁に赤い金魚ちょうちんが映える柳井、手軽な島旅が楽しめる周防大島、幻想的な工場夜景が必見の周南と個性的かつ魅力的なスポットが点在しています。
錦帯橋(きんたいきょう)
岩国市にある日本を代表する木造橋です。1673(延宝元)年、第3代岩国藩主・吉川広嘉により創建されたもので、現在の橋は4代目にあたります。錦川の清流に架かる5連のアーチが美しく、長さ193.3m、幅5mです。木と木の組合せによって支えられ、他に例を見ない特異な形状です。日本3名橋の一つと言われています。
木組みが整然と並び美しい幾何学模様を作り出している橋の裏側は必見です。精巧さと美しさに圧倒されます。
春は桜、夏は鵜飼いや花火の夜景、秋は城山の自然林の紅葉、冬は雪化粧と、四季おりおりの色彩豊かな景観が楽しめます。4月に「錦帯橋まつり」、8月には「錦川水の祭典」のイベントが開催されます。
入橋料は、大人 310円、小学生 150円です。段差(階段)があり、雨・雪の日はすべりやすいので注意してください。「錦帯橋バスセンター」から徒歩1分です。
白壁の町並み(柳井市古市金屋地区伝統的建造物群保存地区)
山口県東部に位置する柳井市は、瀬戸内海の室津半島のつけ根部分に拓けた港町です。柳井市古市・金屋地区には、約200mの街路に面した両側に妻入型式で本瓦葺、入母屋型の屋根をもつ江戸時代の商家の家並みが続きます。藩政時代には「岩国藩のお納戸」と呼ばれ、商都として賑わった町筋です。1984(昭和59)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
今なお、往時の面影を残す白壁の町並みや細い路地は、訪れる人に歴史の流れを感じさせてくれます。柳井の「甘露醤油」を見学したり、伝統織物「柳井縞」の織物体験なども楽しめます。
柳井の民芸品である「金魚ちょうちん」は、赤と白の胴体に、パッチリと黒い目を開いたおどけた表情が特徴です。毎年、夏のお祭りの頃、会場各所に約4,000個の金魚ちょうちんが飾られます。高さ約3mの「金魚ねぶた」や「金魚ちょうちん踊り」も見ものです。
花岡八幡宮
古くから旧山陽道の門前宿場町として大いに栄えてきた花岡には、藤原鎌足が創建したと伝えられる多宝塔(たほうとう)や、歴史を物語る貴重な文化財が数多く残っています。
特に709(和同2)年に創建された花岡八幡宮は、武将・大内義隆や、天下統一の偉業をなした、かの豊臣秀吉など、多くの武将の崇拝を集めた由緒ある神社です。現在もその周辺には、格子窓や漆喰の民家など、旧街道の面影が色濃く残っており、かつてのにぎわいが今なお息づいています。
漢陽寺
1374年に創設された、山口県周南市鹿野上にある臨済宗南禅寺派の寺院です。開基は左京大夫であった26代当主・大内盛見公ですが、大内16代弘世が創建したといわれています。計7つの庭園があり、特に枯山遺水式の優雅な名園「曲水の庭」が魅力です。紅葉の名所にもなっています。
旭酒造株式会社 獺祭ストア 本社蔵
「獺祭(だっさい)」は今や国内外で人気の日本酒です。その蔵元が岩国市周東町にある「旭酒造」で、純米大吟醸酒のみを醸造しています。
蔵見学も可能で、事前申込みが必要となります。1日2回、所要時間は約1時間です。白衣での見学はなかなか機会がなく、また、見学者のみ試飲(300円)が可能という特典もあります。酒粕使用のアイスも販売していますのでアルコールより甘いものが好きという人は是非。
スタイリッシュな外観の「獺祭ストア」は、新国立競技場などのデザインで知られる建築家・隈研吾氏により設計されました。
周南コンビナートの工場(夜景)
川崎・四日市と並ぶ大規模なコンビナートを有する周南市。市の臨海部には、石油化学をはじめ、無機化学、鉄鋼、セメントなどの多彩な基礎素材型産業が集積し、全国有数のコンビナート群が広がっています。JR徳山駅からのアクセスがよく、徒歩で気軽に行くことができるビュースポットが点在しています。
近年では、工場群の幻想的な夜景を見て楽しむ工場夜景鑑賞ツアーが人気です。「日本11大工場夜景都市」に数えられ、晴海親水公園から眺める工場夜景が日本夜景遺産の認定を受けるなど、全国的にも高い評価を得ています。近い距離から見ることのできる工場や煙突、クレーンは、昼間とはまた違った表情の景色は、幻想的です。
周防大島(すおうおおしま)(屋代島)
瀬戸内海に浮かぶ「ミカンの島」として知られる自然美の島。瀬戸内海で3番目に大きく、約4,000人がハワイ移民したことからハワイとのつながりが強く、かつ、温暖な気候から「瀬戸内のハワイ」とも呼ばれています。正式名称は「屋代島(やしろじま)」です。
ハワイ移民の歴史が展示されている「日本ハワイ移民資料館」へ立ち寄って歴史を学んでから観光するのもいいかもしれません。
ヤシの木が並び、潮風に揺れるロケーションは日本ではないよう。フラのワークショップが行われたり、ハワイ料理を食べることができたり。ハワイ直輸入のお菓子、定番のアロハシャツやフラのパウスカートなども揃っています。日本にいることを忘れてしまいそうです。
真宮島(しんぐうじま)の、干潮時にだけ現れる島と島をつなぐ道は神秘的で、恋のパワースポットとして人気です。
大島大橋
周防大島と柳井市をつなぐ橋です。古くから亥の子歌にうたわれ、大島郡民の悲願であった橋で、5年の歳月と99億円の巨費を投じ1976(昭和51)年に完成しました。ポモナグリーンに塗られた全長1,020mのトラス橋です。
最大流速10ノットの急流で、橋脚に受ける潮流抵抗をさけるため、世界でも初めての試みである、多柱式基礎の上に連続トラスで構成されています。歩道から、潮風に吹かれながら、眼下に渦潮の激流を眺めてみるのもオススメです。
山口・防府(ほうふ)エリア
「西の京」と呼ばれる山口市周辺と古刹の多い防府は歴史を感じることのできるスポットがたくさんあります。菅原道真公ゆかりのご利益スポット「防府天満宮」、国宝にもなっている「瑠璃光寺五重塔」は必見です。
また、中心部には、観光の合間に気軽に立ち寄れる「湯田温泉」もあります。散策疲れの足を休められる、足湯もいいですね。
国宝 瑠璃光寺五重塔(るりこうじごじゅうのとう)
瑠璃光は曹洞宗の寺院で、1399(応永6)年の応永の乱で命を落とした大内義弘の菩提を弔うために、弟の盛見が建立を計画、1442(嘉吉2)年に完成したといわれてるのが五重塔です。山口観光の代表的なスポットです。
塔は、高さが31.2m、建築様式はおおむね和様式で一部に唐様式が見られます。屋根の反り返った檜皮葺(ひわだぶき)が特徴で、塔身部は上層部に向かって細くなっています。檜皮葺屋根造りのものは瑠璃光寺の他に、奈良県の室生寺と長谷寺、そして広島県の厳島神社にもあります。
室町時代中期におけるすぐれた建築の一つで、その美しさはトップクラスです。大内文化の最高傑作であり、日本三名塔の一つにも数えられています。また、夜間は日没から22:00までライトアップされ、夜も見どころの一つです。周辺には桜や紅葉が囲み、夏は緑の木々、そして冬は雪と四季を通じて楽しめます。
防府天満宮
904年(延喜4)年創建。学問の神様としてあがめられている菅原道真を祀った「日本最初の天満宮」で、京都の北野天満宮、福岡の太宰府天満宮とともに日本の三天神といわれています。
本殿をはじめ、境内の建造物の多くは国の登録有形文化財、県の有形文化財、県の史跡などに指定されています。菅公を崇敬した高杉晋作辞世の句があります。
正月の初詣、早春の梅まつり、11月には西日本屈指の荒祭りとして知られる「御神幸祭 裸坊祭(ごじんこうさい はだかぼうまつり)」など、1年を通じて多くの参拝者で賑わいます。
山口サビエル記念聖堂
1952(昭和27)年にサビエルが山口を訪れてから400年を記念して建てられたカトリック教会です。惜しくも1991(平成3)年9月に火災により焼失してしまいましたが、1998(平成10)年4月に再建されました。
十字架と鐘を含め高さ約53mの2本の高い塔を背負う斬新な形は、「水」「光」「テント」を全体テーマに建築されています。
礼拝堂内部にはたくさんのステンドグラスが施され、パイプオルガンも設置されています。1時間おきに時を告げる鐘の音が厳かな雰囲気を醸し出します。
ちなみに、サビエル記念碑も建てられている「ザビエル公園」もありますが、同じ場所ではありませんのでご注意ください。
毛利氏庭園
旧毛利家本邸にあり、1996(平成8)年に国指定名勝に指定されました。明治・大正時代の技術の粋を集め、自然の美に人工の妙をつくした壮大華麗な庭園です。
面積84,000平方mにおよぶ、ひょうたん池を巡る回遊式の庭園で、四季折々の景観を楽しむことができます。
3月下旬~4月上旬には庭園内の桜が見頃を迎え、5月中旬~6月上旬には表門から本邸に向かう道筋にサツキが整然と咲き並びます。
この道筋は通称もみじ谷と呼ばれ、3月下旬から初夏にかけては青もみじ、11月中旬から12月上旬は赤や黄色に色づいたもみじが楽しめます。
なお、庭園と毛利博物館のチケットがあり、旧毛利家本邸(本館)からも庭園を眺めるためには博物館のチケットが必要となります。入場料は、庭園のみであれば大人400円、小・中学生200円です。
湯田(ゆだ)温泉
その昔、けがをした白狐が傷をいやしていたという「白狐伝説」が伝わる温泉です。JR山陽新幹線・新山口駅から車で約20分、山口宇部空港からは車で約40分という交通アクセスしやすく、観光の拠点に最適です。
湯田温泉はアルカリ性単純温泉で、肌によく馴染むやわらかい湯が特徴です。神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、ぢ疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進に効能があるため、昔から多くの人々に親しまれ、愛されてきました。
しかし、1番の特徴は豊富な湯量、1日になんと2,000tもの天然温泉が湧き出ているのです。
「湯田温泉駅」前には、高さ8mの白狐がお出迎えしてくれます。温泉界隈も維新の志士や詩人・中原中也にまつわるスポットが点在しているのでぜひ散策を。また、マスコットキャラ・白狐の「ゆう太」くんもオブジェやマンホールのふたなどあちこちに見られますので歩きながら探してみるのも楽しいです。
山口県立美術館
亀山公園に隣接し、雪舟、狩野芳崖など山口県ゆかりの作家の作品を中心に展示されてあります。1979(昭和54)年に開館しました。
彫刻が点在する芝生エリアの背後に「県美の森」が広がっています。中庭に設置された遊歩道を歩きながら、美術館の四季折々の表情を楽しめます。
また、鑑賞後の余韻をより心地よく感じることができる「ミュージアム・カフェ」で、ゆっくりした時間を過ごすのもいいですね。
下関・秋吉台・宇部エリア
観光の2大スポットともいえる、秋吉台と秋芳洞のあるエリアです。
下関では、関門橋のかかる美しい海峡を眺めたり、予算に合わせて、本場のフグを堪能してみたいものです。少し足を伸ばせば、門司港までたどり着くことができます。
また、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の地・巌流島では、ゆかりのスポットの歴史散策を楽しみましょう。
関門海峡
本州の下関市(山口県)と九州の北九州市(福岡県)を隔てる海峡です。日本海と瀬戸内海を結ぶ海上交通の大動脈には、大小さまざまな船舶が1日中ひっきりなしに行き交います。船でのみならず、車や電車、また、歩くこともでき、渡り方はさまざまです。下関観光の際、北九州まで足を伸ばしてみてはいかがでしょう。
- 関門トンネル人道
海の下海底トンネルを歩いて渡れる。人道入口には、エレベーターがあり、下関側は地下約55m、門司側は地下約60m降りる。通行料は無料。 - 関門橋(高速道路)
関門海峡のシンボルともいえる関門橋。1973(昭和48)年に開通し、全長1,068m、海面からの高さ61m。壇之浦パーキングエリア(下り線)とめかりパーキングエリア(上り線)での休憩もオススメ。 - 関門連絡船
1989年の運航より下関市民・門司区民にとって、生活の足を支える交通機関のひとつ。下関市唐戸桟橋~北九州市門司港を運航し、所要時間は約5分で、料金は大人400円、小人200円。日中20分間隔。夜はデートにオススメ。 - JR山陽本線
世界初の海底鉄道トンネル「関門鉄道トンネル」を通り、本州・下関駅と九州・門司駅を結ぶ。単線トンネルで上り用と下り用の2本ある。料金は大人230円、小人110円、所要時間は約6分。
角島(つのしま)大橋
下関市豊北町の沖に浮かぶ面積約3.93平方kmの玄武岩台地の島が角島です。2000(平成12)年に開通した角島大橋は、離島に架かる橋のうち、無料で渡れる一般道路としては、日本屈指の長さ1,780mを誇ります。角島観光のシンボル的な存在で、CMのロケ地にも使用されています。
当地特有のコバルトブルーの海士ヶ瀬(あまがせ)をまたぎ、景観と調和した雄姿は、北長門海岸地域随一の景勝地となる実力は十分です。
通年、日没~日の出(夜間、自動点灯)までライトアップが行われます。星に照らされた幻想的な海の上で光の道が走り、昼間とは違った姿を見せてくれます。
秋吉台
美祢市の中・東部に広がる日本最大のカルスト台地です。500~600m級の山脈に囲まれて盆地状の台地を形成しています。「カルスト台地」とは、石灰岩などで構成された大地が雨水や地下水によって侵食されてできた地形で、まさに自然が作り出した造形美を体感することができます。
台地面の標高180~420m、主として古生代の石灰岩からなり、台地の地下には雨水によって侵食された鍾乳洞が多数散在しています。
1955年に国定公園(秋吉台国定公園)に、1964年に特別天然記念物に指定されています。小高い丘に建つ円形の「秋吉台カルスト展望台」は、360度の絶景が楽しめる人気スポットです。
秋芳洞(あきよしどう)
秋吉台の山麓にある日本屈指の大鍾乳洞です。洞口の高さ24m、横巾8mに達し、洞内の最も広いところが200m、天井の高いところが40m、最も高いところは80mに達しています。延長は約10kmといわれていますが、一般観光ルートは約1kmまでです。
洞内の観光コースは約1km(総延長は10.7kmを越え国内第2位)で所要時間は約1時間ほどです。温度は四季を通じて17℃で一定し、夏涼しく冬は温かく、快適に観光できます。
時間が凍結したような不思議な自然の造形の数々は変化に富み、私たちの心に大きな感動を呼び起こさせてくれます。
入洞料は、大人・高校生 1,300円、中学生 1,050円、小学生 700円です。
下関市立しものせき水族館・海響館(かいきょうかん)
総水量2,400t、65の水槽に約500種20,000点の海や川の生物たちが展示されています。関門海峡を再現した「瀬戸内海水槽」はトンネル状で海底散策気分が味わえ、迫力満点です。
日本唯一のシロナガスクジラの全身骨格標本や、世界のフグ100種類以上など下関らしい展示も特徴の一つです。目の前に関門海峡が広がる「アクアシアター」では、イルカとアシカの共演によるパフォーマンスが開催されます。ペンギンやイルカとふれあえる体験型イベントも人気です。
また、イルカの水槽を眺めながらイタリア料理が楽しめるレストランもあります。JR下関駅からバスで約7分です。
唐戸市場(からといちば)
フクをはじめ、タイやハマチの水揚げでも有名な下関市。「関門の台所」と呼ばれています。関門地区では歴史ある市場で、水産物が豊富。小売も行っているので朝早く出かければ新鮮な魚を安く手に入れることができます。
また、市場内の様子を一望できる見学デッキや屋上芝生広場、水産加工品の小売店、食堂、喫茶店もあります。日曜・祝日も営業しているのも嬉しいですね。下関市自慢の海の幸を寿司や海鮮丼で味わってみましょう。
【営業時間】
平日・土曜日5:00〜15:00(店舗により異なる)、日曜日・祝日8:00〜15:00(店舗により異なる)
ときわ公園
緑と花と彫刻に彩られた総合公園で1日中楽しめるスポットとして人気です。
広さ189haという広大な敷地を誇る園内には、子供に大人気の「ときわ遊園地」や「ときわ動物園」のほか、2017年4月には、「ときわミュージアム 世界を旅する植物館」もオープンし、子どもから大人まで楽しめます。また、園内各所で年間を通じて様々なイベントを実施しているのも魅力です。
3,500本のサクラや80,000本のショウブ、アジサイ、ツツジなど四季ごとに様々な花が楽しめ、また、「花いっぱい運動記念ガーデン」では、バラやハーブなどが癒しの空間を演出しています。
UBEビエンナーレ彫刻の丘では、世界で最も歴史のある野外彫刻の国際コンクール「UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」を隔年で開催しています。常設展示されている作品はいつでも見ることができます。
別府弁天池
カルスト地帯特有の湧水の水温は14度と冷たく、コバルトブルーに染まった神秘と伝説の湧水池です。透明度が高く清冷な水は、日本名水百選に選定されています。併設されている美祢市養鱒場釣り堀でニジマス釣りや料理が楽しめます。
また、ここは別府厳島神社の境内でもあり、その昔、辺りを開墾したものの水不足に悩む長者が、夢のお告げ通りに弁財天を勧請すると水が湧きだしたという伝説があり、毎年秋にはこの神与の水に感謝の気持ちをこめ、念仏踊りが奉納されています。
「1杯飲めば1年、2杯飲めば2年長生き」と長寿が保たれ、財宝が授かるとも言い伝えがあり、湧水を飲むことも可能で、専用の給水所も設置されています。
赤間神宮
源平壇ノ浦(だんのうら)の合戦において、二位の尼に抱かれて入水された幼帝安徳天皇を祀った神社です。関門海峡を臨み、白壁に朱塗の水天門があります。
境内には、平家一門の墓、小泉八雲の怪談で有名な耳なし芳一の芳一堂や、貴重な資料を展示した宝物殿などもあります。
毎年5月3日には、上臈参拝で有名な先帝祭のメイン会場となります。また、夜はライトアップされ、朱塗りの水天門が、一層鮮やかに照らし出されます。
巌流島(がんりゅうじま)
関門海峡に浮かぶ面積10haほどの平坦な小島です。下関市の彦島江の浦東岸250mにあり、現在は無人島です。1612(慶長17)年、剣豪・宮本武蔵と秘剣「燕返し」の佐々木小次郎が決闘した舞台として知られています。正式名称は「船島」ですが、敗れた小次郎の流派名をとって巌流島と呼ばれています。
展望広場にある、対峙する「武蔵・小次郎像」が有名で、武蔵像は2003年4月、小次郎像は2002年12月に建立されました。そのほか、船着場から最初に出会うモニュメント「巌流島文学碑」、島の少し奥まった所には「佐々木巌流之碑」がひっそりと佇んでいます。
また、島の大部分は公園として整備され、人工海浜や多目的広場があります。さまざまな船が行き交う関門海峡の雄大な景観も魅力です。潮風に吹かれながら、はるか昔の決闘に想いを馳せてみましょう。島は小さいので、徒歩約1時間ほどで回れます。
巌流島には連絡船(直行便)が1日約10便運行しています。片道10分で、料金は往復で大人900円、小人450円です。
萩・長門エリア
2015年に世界遺産として登録された「萩城城下町」や「松下村塾」などが点在しています。
日本海と朱色の鳥居のコントラストが実に映える「元乃隅神社」をはじめとし、夕日が美しい棚田「東後畑棚田」、高台の草原からの大パノラマを楽しめる「千畳敷」などフォトジェニックな美しい光景はぜひ写真に収めたいものです。
萩城城下町
1604年に毛利輝元が萩城を築いて以来、260年間にわたって36万石の城下町として栄えた萩市は日本有数の史跡都市です。重厚な武家屋敷、特産品の夏みかんがのぞく土塀やなまこ壁、鍵曲など、町並みには今なお城下町の風情が色濃く残っています。
周辺には、萩焼を扱うお店がたくさん並んでおり、土産物店や古民家を改装したカフェなど、散策の途中に立ち寄りたいスポットがたくさんあります。着物をレンタルして、城下町のそぞろ歩きも一段と風情が増して楽しいです。
萩の5資産を含む「明治日本の産業革命遺産」が2015(平成27)年7月、世界遺産に登録されました。
松下村塾(しょうかそんじゅく)
松陰神社の境内にある瓦ぶき平家建て8畳・10畳半の2室の家で、吉田松陰が1857(安政3)年から2年半の間、下級武士や庶民の子弟を教育した私塾です。当時、この地域が松本村と呼ばれていたことから名付けられました。
身分や階級にとらわれず塾生として受け入れ、わずか1年余りの間で、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文など、明治維新期に活躍した多くの人材がこの塾から輩出されました。
萩の5資産を含む「明治日本の産業革命遺産」が2015(平成27)年7月、世界遺産に登録されました。
青海島(あおみじま)
「北長門海岸国定公園」の代表的な景勝地で、別名「海上アルプス」と呼ばれています。東西北の三面は日本海の荒波を浴び、波浪に侵食されて断がい絶壁、洞門、石柱、岩礁などが16kmにわたって変化に富む豪壮雄大な景勝をつくり出しています。
海上からであれば、青海島観光遊覧船に乗って周囲約40kmの島を1周したり、陸上からは約1.9kmの遊歩道「青海島自然研究路」を散策しながら花々や草木も楽しむことができます。
また、海中は透明度が高く、水中洞窟など多彩な水中地形を楽しめるとともに、日本海ならではの魚から熱帯系の魚まで多様な生き物を観察できるため、多くのダイバーが訪れる人気のスポットです。
千畳敷
向津具(むかつく)半島の頂上、標高333mの高台に広がる草原です。眼下には日本海に浮かぶ島々、果てしなく広がる海と空の一大パノラマが広がる絶景です。
内観がカントリー調のおしゃれなカフェではランチも楽しめ、日本海や青海島を見渡すことができます。また、キャンプ場としても人気です。
須佐ホルンフェルス
海食海岸で第三紀層の砂岩、頁岩の互層が熱作用によりホルンフェルス(変成岩の一種)化したもので、黒色と淡灰色の岩が互層をなしている美しい断崖です。国指定名勝地「須佐湾」に位置しています。
灰白色と黒色の縞模様をなす雄大な様子は、自然のパワーと迫力に圧倒されます。極めて学術的価値の高い場所として重要視されています。
金子みすゞ記念館
長門市仙崎生まれの童謡詩人・金子みすゞの生誕100年に当たる2003(平成15)年4月、みすゞが幼少期を過ごした書店「金子文英堂跡地」にオープンしました。「わたしと小鳥とすずと」の「みんなちがって、みんないい」と聞けば知っている方も多いのでは。
遺稿集や着物などの遺品を展示した常設展示室、みすゞの詩の世界を音と光で体感できるみすゞギャラリーなどを備え、みすゞの生涯や生きてきた時代を偲ぶことができます。26歳という若さでこの世を去った、短すぎる人生の中でしたためられた作品にふれることができます。
菊ヶ浜
北浦有数の白砂青松の海水浴場(砂浜)で、「快水浴場百選」にも選ばれています。海水の透明度が高く、海水浴シーズンはファミリーなどで大いに賑わいます。萩城跡のある指月山(しづきやま)や、沖合に見える島々を背景にしたサンセットの美しさも必見です。
雲林寺(うんりんじ)
萩市街地から車で30分ほどのむつみ地域にある、「千体地蔵」が有名なお寺です。萩藩開祖である毛利輝元とその夫人、殉死者・長井治郎左衛門元房の墓がある天樹院(萩市堀内)の末寺です。また、ネコ好きにたまらない「猫寺」として知られています。
長井元房は殉死しましたが、とても可愛がっている猫がいて、その猫は元房の死をたいそう悲しんで墓のそばから離れませんでした。そして、舌を噛み切って亡き主人の後を追ったといいます。夜な夜なその辺りに猫の鳴き声がするようになり、これを哀れに思った僧が供養すると鳴き声は止んだと言われています。
大小さまざまな600ほどの猫の置物をはじめ、「猫みくじ」や猫の御守、猫の絵馬などがあり、まさにネコ尽くしです。他ではなかなか見られない、インスタ映え写真も撮れる人気スポットです。
元乃隅神社(もとのすみじんじゃ)
1955(昭和30)年に地域の網元であった岡村斉(おかむらひとし)さんの枕元に白狐が現れ、「これまで漁をしてこられたのは誰のおかげか。」と過去からの関わりを詳細に述べた後、「吾をこの地に鎮祭せよ。」というお告げがあったことにより建てられた神社です。
商売繁盛、大漁、海上安全は元より、良縁、子宝、開運厄除、福徳円満、交通安全、学業成就、願望成就の大神です。
神社敷地内にある高さ約6mの大鳥居の上部に賽銭箱が設置されている珍しいスタイルです。見事、賽銭を投げ入れることができたら願い事が叶うと言われています。ぜひ、トライしてみてください。
龍宮の潮吹側から100m以上にわたって並ぶ123基の鮮やかな鳥居のトンネルが見事で、周りの木々、広がる海とのコラボは圧巻です。その様を写真に収めると運気をもらえそうなパワースポットです。
東後畑棚田(ひがしうしろばたたなだ)
長門市油谷地区に広がる一大棚田地帯です。眼下に日本海を望め、優美な景観をつくりだしています。特に5~6月のイカ釣り漁船の漁り火と水田のコントラストが素晴らしく、絶好のフォトスポットとなります。
長門湯本(ながとゆもと)温泉
湯田温泉と並ぶ、山口県下屈指の温泉です。今からおよそ600年前の1427(応永34)年、大寧寺の「定庵禅師」が座禅のなか、住吉大明神からのお告げによって発見されたと伝えられています。県内では、もっとも古い歴史をもつ温泉で、江戸時代には藩主も度々、湯治に訪れていました。
泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明です。アルカリ度はかなり高く、肌にやわらかな湯で、化粧水成分に近く「美肌の湯」ともよばれています。湯温はぬるめですが、身体の芯から温もり、冬でも湯冷めをしにくいのが特徴です。神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、健康増進などの効能があるといわれています。
名湯もさることながら、全国で10ヵ所ある「ホタルの天然記念物指定地」のうちの一つで「音信川ゲンジボタル発生地」です。毎年5月下旬〜6月中旬頃、湯上り、浴衣に下駄履きで、自然に生息する天然のホタル観賞。音信川のせせらぎや澄んだ空気を肌で感じ、情緒あふれるさまを楽しめます。
長門市と星野リゾートが結束し、「長門湯本温泉観光まちづくり計画」のプロジェクトをスタート、2021年に完成予定です。川床や散策路など、ますます魅力的な温泉街へと進化を続けています。
俵山(たわらやま)温泉
俵山温泉は約1,100年前の平安初期916(延喜16)年に発見された古湯です。江戸時代には長州藩・毛利家直営の湯治場となり、明治期以降は、「町の湯」はリウマチや神経痛、「川の湯」(現在の白猿の湯)は皮膚病や火傷、「正の湯」は胃腸病の名湯として知られてきました。
極めて還元力が強く、抗酸化作用があること、お湯が老化しづらく効果が持続すること、豊富な要素の溶存があることが特徴です。病気療養の名湯として知られ、生活習慣病予防や老化抑制(アンチエイジング)、美肌づくりに効果が期待できます。
入浴方法は、基本的には、15~20分(高齢者、虚弱等はこれより短め)汗が出るまでお湯につかりましょう。湯上り後、汗がでなくなったら早めに衣服を着け、湯、お茶などで十分に水分を補給し、湯上り後、30分位安静にして入浴の疲れを取ります。
また、飲み湯は便秘、胃酸過多、無胃酸症、糖尿病、肥満症等の症状に対して有効です。 特にリウマチは体内の硫黄分が欠乏するので、温泉の硫黄分を飲み湯で体内に取り入れることができると言われています。
山口のご当地グルメ
下関のふく
「ふく」は下関市最大のブランドで、下関では「ふぐ」といわず「ふく」と言います。
下関はふくの好漁場である玄界灘、瀬戸内海、関門海峡に面しています。昔からふくを食べる文化があり、有毒部位を除毒する技術が蓄積されました。1888(明治21)年に初代総理大臣の伊藤博文により、山口県のふく食が解禁されると、多くのふく料理店ができ、ふく料理が考え出されました。
1月の「南風泊市場初競り」に始まり、「祈願祭」や「下関ふくの日まつり」、4月に「下関ふく供養祭」、9月には「ふく延縄漁船出航式」「秋のふくまつり」など行われています。
ふく料理の醍醐味は何といってもふく刺しです。大皿の上に菊の花のように盛り付ける「菊盛」や、牡丹の花に見たてて盛り付ける「牡丹盛」など、盛り付け方にも種類があります。添えてある「ふくねぎ」を1〜2本をふく刺し2〜3枚で巻き、お好みの薬味を入れたポン酢につけていただきます。
そのほかには、ふくの皮を食べやすく調理した「てっぴ(鉄皮)」、ふくちり(ふく鍋)、唐揚げ、ふく白子(しらこ)、ひれ酒など楽しみ方はいろいろです。高級なイメージが先行しますが、リーズナブルに食べられるお店もありますので、本場で味わってみましょう。
天神鱧(てんじんはも)
日本三天神のひとつ防府天満宮にちなんで名付けられた「天神鱧」は、5〜9月が旬の防府の名物料理です。地元の天然鱧を新鮮なうちに地元で食べてもらおうと、防府市内の飲食店有志による「はも塾」で技術を磨いた職人たちが調理した鱧料理のことを言います。
防府市内を流れる1級河川「佐波川(さばがわ)」から豊かな栄養が流れ込む防府沖の海は遠浅で、鱧の産卵地に適していて、古くから鱧漁の盛んな地でした。
生命力が強く、荒々しい性格からは想像できないくらい、真っ白な鱧の身は、繊細で上品な味です。特に、梅雨の後が脂がのって骨がやわらかくなり最高と言われています。
鱧には1,200本以上も小骨があることから、「骨切り」という伝統の技で細かく切り目を入れていかなければなりません。まさに職人の腕に味が左右される食材なのです。「鱧そうめん」、「鱧の南蛮漬け」、「鱧フライ」などアレンジも多様、まさに現地でしか味わえない鮮度バツグンの逸品です。
みかん鍋
「みかんの島」が誇る周防大島の冬の名物です。温州みかんと瀬戸内海の新鮮な魚介類を鍋で煮込むという、一見聞いただけでは斬新な感じがしますね。
- 体に優しい橘皮が香る「鍋奉行御用達」の焼きみかん
- 爽やかな柑橘の香りを練り込んだ地魚のつみれ
- 薬味としてピリリと辛いみかん胡椒
- お鍋の最後はふわふわメレンゲによる淡雪みかん雑炊
主役級のインパクト大の、ぷかぷか浮かぶ「鍋用みかん」は、魚介の生臭さの緩和や香り付け、更には栄養価などメリットがいっぱいです。実は果皮にこそ高い栄養価が含まれており、ヘスペリジン等に代表される有効成分の多くは、果肉でなく皮より摂取することができます。シメの雑炊前のお口直しに、パクリと皮ごと食べるのが正しい食べ方です。
「みかん雑炊」は、卵白を泡立てたふわふわのメレンゲに、卵黄をとろりとかけてネギや水菜を添えます。淡雪の食感がスイーツのようにも感じられて最後まで飽きずに食べられます。姉妹鍋の大人気メニュー「蜜柑しゃぶしゃぶ」もあります。
瓦そば
熱した瓦の上に茶そばを乗せ、その上に卵や肉が乗ったもののことをいいます。山口県内ではごく普通に「蒸した茶そば+汁」のセットが販売されているほど、とてもポピュラーです。家庭ではホットプレートで作ります。
居酒屋でもメニューに取り入れている店が多く、県民に愛されている定番メニューとなっています。それゆえ、バラエティ番組の「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されました。また、近年ではテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも話題を集めました。
1877(明治10)年、西南の役の際に熊本城を包囲した兵士たちが、合間に焼いた瓦の上で肉や野菜を焼いて食べたという言い伝えから考案されたと言われています。
わざわざ瓦の上に乗せる意味があるのか?と思いがちですが、瓦は遠赤外線効果と保温性に優れており、時間が経っても熱々の状態で食べることができます。さらに、瓦に接した部分がまるでおこげのようにパリパリに仕上がるのが特徴です。瓦に乗ったそばは想像以上のインパクトです。
山口ばりそば
パリっと揚がった麺の上に具沢山のあんかけが乗っていて、「長崎の皿うどん」のようです。名前の由来は2つほどあり、かた揚げた麺でバリバリ食べると言う意味と山口の方言で「バリ」は「すごい」と言う意味合いがあるようです。
山口県のばりそばの麺は中太麺を使用していていることと、スープが鶏がらベースのスープになっています。何と言ってもとてもボリュームがあるにも関わらず意外にもあっさりと食べることができます。大人気のB級グルメです。
山口外郎(ういろう)
山口を代表する銘菓「山口外郎(ういろう)」は、山口旅行のお土産としても人気です。
主な材料はわらび粉で、わらびの根からとれるデンプンは糊(のり)としても使われていたこともあり、食感、風味など、名古屋や京都、宮崎の青島などの「外郎」とは一線を画しています。みずみずしさとぷるぷるとした食感が特徴です。
真空パックされたものと、そうでない「生外郎」があります。特に、蒸してつくられたばかりの外郎を常温まで冷まし、軽く包まれただけの「生外郎」。消費期限が極端に短く、最大でも3日間ほどです。現地で見かけたら味わっておきたいものです。
県内に名店が揃いますが、中でも老舗「御堀堂(みほりどう)」の白外郎、黒外郎、抹茶外郎、「豆子郎(とうしろう)」の生絹(すずし)豆子郎、豆子郎が人気です。
山口への主要エリアからのアクセス・所要時間
飛行機
- 東京から山口宇部空港まで約1時間30分(ANA/JAL/SFJ)
- 東京から岩国錦帯橋空港まで約1時間35分(ANA)
- 沖縄から岩国錦帯橋空港まで約2時間(ANA)
山口宇部空港から新山口までバスで約35分
山口宇部空港から下関までバスで約80分
山口宇部空港から萩まで乗合タクシーで約80分
岩国錦帯橋空港から岩国駅までバスで約15分
鉄道
東京から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約4時間30分
名古屋から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約2時間45分
大阪から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約1時間55分
広島から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約30分
福岡から
山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約35分
鹿児島から
山陽・九州新幹線「さくら」で新山口まで2時間20分
新山口から山口まで「山口線」で約25分
新山口から徳山まで「山陽本線」で約45分
新山口から下関まで「山陽本線」で約1時間10分
フェリー
- 門司港(福岡)から唐戸港(下関)まで関門汽船で約5分
- 竹田津港(大分)から徳山港まで周防灘フェリーで約2時間
- 三津浜港(愛媛)から柳井港まで防予フェリーで約2時間35分
- 伊保田(周防大島)から柳井港まで周防大島松山フェリーで約2時間35分
バス
広島から
- 岩国までバスで約1時間20分
- 柳井までバスで約1時間30分
- 徳山までバスで約1時間50分
- 防府・湯田温泉までバスで約2時間30分〜3時間30分
福岡から
- 防府までバスで約2時間45分
- 徳山まで約3時間35分
- 新山口まで約3時間30分
- 下関まで約1時間40分
山口宇部空港・岩国錦帯橋空港・新幹線の停車駅 新山口駅を紹介
山口宇部空港
山口県の空の玄関口で、海に見立ててデザインされた建物が印象的な空港です。また、空港東側には「ふれあい公園」や飛行機を間近に見られる遊歩道などがあり、市民の憩いの場となっています。
山口外郎で有名な「豆子郎 宇部空港店」、「宇部蒲鉾 山口宇部空港直売店」のほか、地酒などお土産店も揃っています。
空港のターミナルビル周辺に、バラを中心とした植栽があり、見頃は5月中旬から下旬までとなっています。最寄り駅は、JR宇部線・草江駅で徒歩10分です。
岩国錦帯橋空港
山口県岩国市にあり、山口県東部、広島県西部、広島市からのフライトに便利です。岩国・羽田間を片道約90分で1日4往復しています。
また、1日1便で沖縄を往復していて、搭乗者に限り、駐車場が5日間無料です。JR岩国駅からバス10分とアクセスも良好です。わかりやすく使いやすいコンパクトなつくりのため、ターミナルビル入口から迷うことなく約30秒で搭乗手続きができます。また、飛行機がすぐ近くで見られる展望デッキも魅力です。
新山口駅
山口県の玄関口ともいえ、山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」「さくら」「ひかり」「こだま」の停車駅になっています。島根県の津和野とを結ぶSL「やまぐち」号の発着駅にもなっています。2014年からリニューアル、移設などが随時行われています。開放的なデッキや自由通路などに注目です。また、北口と南口に観光案内所があります。
山口の年間イベント情報
2月
高倉荒神祭
豊穣の神として、農家になじみの深い高倉荒神に1年の五穀豊穣を願う、春季の大祭です。苗木や農具の店が並び、毎年たくさんの人で賑わいます。「荒神様」の愛称で親しまれている「高倉荒神社」で行われます。
4月
湯田温泉白狐(びゃっこ)まつり
「白狐が見つけた温泉」という言い伝えをもつ「湯田温泉」の春のお祭りです。白狐のお面をつけて松明をもった子供たちが練り歩く「松明行列」やステージイベント、福引き、もちまき、旅館の内湯開放など、温泉街一帯で2日間にわたり、様々なイベントが催されます。
5月
しものせき海峡まつり
毎年、初夏の訪れを告げる5月2・3・4日の3日間、下関の三大祭りのひとつで盛大な祭りです。
2日には、安徳天皇の御陵前祭や平家一門追悼祭など、3日には、安徳天皇や平家一門をしのぶ「先帝祭」や、海上パレード「源平船合戦」、勇壮な「武者行列」などが行われます。4日には、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の島「巌流島」で「巌流島フェスティバル」が開催され、決闘の再現のほか、ピクニックコンサートなどが行われます。
また、郷土ブランドとなっている「ふく」を巨大な鍋で調理した「ジャンボふく鍋」など絢爛豪華なイベントが行われ多くの観光客で賑わっています。
8月
山口七夕ちょうちんまつり
約600年前、室町時代の守護大名・大内盛見(おおうちもりはる)によって始められたまつりで、竹につけたちょうちん飾りが、山口の街を紅く染め、幻想的な光景が見ものです。また、ちょうちん山笠の巡業等が行われ、山口の夏の風物詩になっています。
柳井金魚ちょうちんまつり
柳井市の郷土民芸品「金魚ちょうちん」を使った柳井市で最大の夏祭りです。市街地や古市・金屋の白壁の町並みを会場として「金魚ちょうちん踊り」や高さ約3mの「金魚ねぶたの練り歩き」などさまざまなイベントが開催され、多くの人で賑わいます。
夜には、金魚ちょうちんに灯りが灯され、一帯はとても幻想的な雰囲気に包まれます。
WILD BUNCH FEST(ワイルド・バンチ・フェス)
山口きらら博記念公園で開催される、中国地方最大規模の野外音楽イベントです。2013年に初めて開催されました。
「WILD BUNCH LOUNGE」ブースでは、専用CAFE・エアコン付きトイレ・喫煙所・充電ブースを完備したラウンジで特別な空間が楽しめます。ワークショップ、限定アイテムや企画が盛りだくさんの、熱い3日間です。
12月
日本のクリスマスは山口から
1551年、フランシスコ・サビエルによりキリスト教の布教活動が行われた山口市。その翌年の12月9日(陽暦の12月24日)に、当時山口で布教活動を行っていた宣教師「コスメ・デ・トルレス」らが、司祭館に日本人信徒を招き、宣教師らによって賛美歌が歌われ、クリスマスが祝われました。これが、日本で最初のクリスマスとされています。
日本のクリスマス発祥の地として、約1ヵ月にわたり、イルミネーションをはじめとし、市内各地で様々なイベントが行われクリスマスを祝います。
山口観光の移動手段
県内の移動は、車があると時間を気にせず、時間を有効に使えることもメリットです。しかし、そのほかにも複数の移動手段がありますので、組み合わせて効率よく周りましょう。
新幹線
都市間の移動であれば、新幹線が早いです。停車駅は、新下関、厚狭、新山口、徳山、新岩国です。新下関から新岩国間は、新幹線こだまで約1時間となります。
電車
○○のはなし(まるまるのはなし)
新下関駅~東萩駅間を走る新観光列車です。2017年8月から運行開始しました。心奪われる美しい海岸美が続く山陰線の景色を眺めながら列車の旅を楽しむことができるほか、こだわりのお弁当やおつまみセット等も用意されています。
【料金】
座席指定券 大人:530円、子供:260円(※別途乗車券が必要です。)
【所要時間】
新下関〜東荻 約3時間
【公式サイト】
○○のはなし
SL「やまぐち」号
新山口から津和野(島根)までの約62.9kmを運行するSLです。美しい姿から「貴婦人」と呼ばれる「C57型1号機」のほか、「デゴイチ」の愛称で親しまれる「D51型200号機」の2種類があります。車窓からの景色もさることながら、SLならではの振動や迫力を体感できます。
【料金】
- 下り:新山口〜津和野(所要時間 約2時間)
普通指定席:大人 1,700円、子供 840円 - 上り:津和野〜新山口(所要時間 約1時間50分)
普通指定席:大人 1,700円、子供 840円
【公式サイト】
SL「やまぐち」号
錦川鉄道とことこトレイン
錦川清流線錦町駅から雙津(そうづ)峡温泉までの約6km間を、鉄道が走る予定だった跡地を利用して走る観光用のトロッコ遊覧車です。光る蛍光石で装飾がされたトンネル「きらら夢トンネル」内は、幻想的な世界が楽しめます。
見た目もインパクトのある、てんとう虫に見立てたボディで、約40分間、時速約10kmのゆっくりとした速度で走行します。ひと味違った車窓から自然の景色を堪能してみてはいかがでしょう。
- 所要時間: 約40~50分(片道)
- 料金
片道 大人 650円、小人 300円
往復 大人 1,200円、小人 600円 - 販売場所:錦町駅
【公式サイト】
錦川鉄道とことこトレイン
バス
路線バスがエリアごとに運行しています。旅のプランによって、最寄りのバス停を事前に確認しておきましょう。特に電車とバスのみでの移動であれば、間違って、時間のロスをしないよう気をつけましょう。フリーチケットを有効活用するのもお得ですね。
レンタサイクル
県内では各所にレンタサイクルが設置されています。バスや自動車とはまた違った自転車だからこそ体感できる景色を感じましょう。
【公式サイト】
サイクル県山口
お得なフリーチケット
宇部市内
宇部市営バス1日乗車券
宇部市内を運行する宇部市営バスが1日間乗り降り自由となるフリー切符です。
【料金】
大人 600円、中学生以下300円
【販売場所】
- バス車内
- 宇部市交通局
- 新川営業所
- ゆめタウン宇部
【利用区間】
宇部市内の宇部市営バス路線(特急便・新山口線・阿知須線:小野線・小野田線は利用不可)
【公式サイト】
宇部市営バス1日乗車券
萩市内
萩循環まぁ~るバス乗車券
萩市内を運行する「萩循環まぁーるバス」と「防長バス」の対象路線が乗り降り自由となるフリー切符で1日券と2日券があります。
【料金】
1日券 700円、2日券 500円
【販売場所】
- バス車内
- 市役所総合案内
- 萩市観光協会
- 萩バスセンター など
【公式サイト】
萩循環まぁ~るバス
下関エリア
休日おでかけ1dayパス&2dayパス
下関を中心に運行しているサンデンバス全線が土曜・日曜・祝日と年末年始(12/31,1/2,1/3)の1日間または2日間乗り降り自由となるフリーきっぷです。
【料金】
- 1day
大人 1,020円、小児 510円 - 2day
大人 1,730円、小児 870円
【公式サイト】
休日おでかけ1dayパス&2dayパス
しものせき観光1日フリー乗車券
下関を中心に運行しているサンデンバスの路線バスで下関駅・関門海峡周辺が1日間乗り降り自由となるフリーきっぷです。
平日や温泉街を除いた関門海峡周辺の下関主要観光スポットに絞るならば、「しものせき観光1日フリー乗車券」がおススメです。
【料金】
大人 730円、小児 370円
【公式サイト】
しものせき観光1日フリー乗車券
関門”ノスタルジック”海峡バスチケット
下関を中心に運行しているサンデンバスの路線バスで日本遺産「関門“ノスタルジック”海峡~時の停車場、近代化の記憶~」の構成文化財を巡るのにぴったりのきっぷです。
【料金】
大人 510円、小児 260円
【公式サイト】
関門”ノスタルジック”海峡バスチケット
山口のおすすめ旅行プラン10選
よくある質問Q&A
飛行機でどのくらいかかりますか?
-
東京から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約4時間30分 -
名古屋から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約2時間45分 -
大阪から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約1時間55分 -
広島から
東海道・山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約30分 -
福岡から
山陽新幹線「のぞみ」で新山口まで約35分 -
鹿児島から
山陽・九州新幹線「さくら」で新山口まで2時間20分
新山口から山口まで「山口線」で約25分
新山口から徳山まで「山陽本線」で約45分
新山口から下関まで「山陽本線」で約1時間10分
山口の気候はどうですか?
おおむね温暖な気候です。夏は蒸し暑く、冬は、寒く風が強いのが特徴です。1年を通して、気温が1〜 30度に変化しますが、氷点下になることは稀です。観光に適しているといえる時期は、8月下旬から11月頃までで、秋であれば紅葉も存分に楽しむこともできます。
何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
1つのエリアだけであれば1泊2日でも回れますが、2泊3日がちょうどよい行程となるでしょう。移動には車が便利ですが、公共交通機関を利用するのであればその分時間がかかりますので余裕をもって計画しましょう。
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