別府温泉ってどんなところ?
大分県は、温泉の源泉数、湧出量ともに日本一、しかも世界にある11種類の泉質のうち、10種類の泉質があるという温泉王国です。そんな大分県の中でも、1871(明治4)年の別府港開港以来、大分県の代表的な温泉観光地として飛躍的に発展したのが「別府温泉」です。
それぞれに違う泉質と趣きのある「別府八湯」と呼ばれる代表的な8つの温泉や、大地の凄いパワーを感じられる別府温泉名物の「地獄めぐり」、温泉熱を利用した「地獄蒸し料理」をはじめとする別府温泉でしか味わえないご当地グルメもあります。
そのほか、さまざまなレジャーまでと、まとめて体験できるのも、温泉と観光が見事にコラボしている別府温泉ならではの旅の楽しみ方と言えるでしょう。
別府温泉旅行の見どころ
8つの温泉でいやされる
別府市内には、「別府(べっぷ)温泉」「浜脇(はまわき)温泉」「亀川(かめがわ)温泉」「鉄輪(かんなわ)温泉」「観海寺(かんかいじ)温泉」「堀田(ほりた)温泉」「柴石(しばせき)温泉」「明礬(みょうばん)温泉」という代表的な8つの温泉地が点在しています。
これら8つの温泉地は、「別府八湯(べっぷはっとう)」と呼ばれていて、もともと独立した温泉郷として栄えていた歴史があり、古いものでは8世紀の初めまでに遡るほどの由緒ある温泉もあります。そのため、泉質やその景観にもそれぞれ違いがあります。
温泉の入浴形態もさまざまなので、1ヵ所でじっくりのんびりと過ごしたり、一度にいろいろな温泉をめぐって満喫するなど、旅のプランに合わせて、いろいろな温泉の楽しみ方ができます。共同温泉には安い料金で入れるところも多く、無料の足湯なども数多く点在しているのもうれしいところです。
名物「地獄めぐり」で大地のパワーを感じる
別府市の鉄輪(かんなわ)や亀川では、千年以上もの昔から源泉の噴気や熱泥、熱湯などが噴出していたとの文献も残っていて、人が近寄ることもできない土地だったと言われています。そんな理由から温泉の噴出口のことを「地獄」と呼ぶようになりました。
そんな大地のパワーを感じることができる7つの「地獄」を観光しながら一巡するのが「地獄めぐり」です。その中でも特に、多様な色彩や形態を観賞する価値とともに、名所としても学術的にも価値の高いということから、「海地獄」「血の池地獄」「龍巻地獄」「白池地獄」の4つは、国の名勝にも指定されています。
それぞれの地獄には特徴や違いがあって、テーマパークのようにいろいろな楽しみ方もできることから、別府温泉の見どころの1つといえるでしょう。7ヵ所の地獄を1つの入場券で見学できる共通観覧券もあって便利です。7つの地獄の特徴を簡単にご紹介します。
海地獄
別府の地獄のなかでも最大で、神秘的なコバルトブルーの池は、とても美しくまるで海のようですが、実は98度もの高温です。温泉熱を利用してアマゾン地域原産の植物である「大鬼蓮(オオオニバス)」や「熱帯性スイレン」の栽培もしています。
毎年5月上旬から11月下旬にかけてはキレイな花も鑑賞できます。また、8月のお盆の3日間は、体重20kg以下の小学校低学年生を対象に大鬼蓮の大きな葉の上に乗る体験もできます。無料の足湯もあって、売店では温泉熱を利用して作った饅頭や温泉卵、プリンなどを楽しむことができます。
血の池地獄
日本最古の天然の地獄で、池一面と吹き出される蒸気まで赤く染まっていて、まさに地獄という名にふさわしい景観といえるでしょう。地獄から湧き出た真っ赤な粘土で作られる「血の池軟膏」は、皮膚病に効くことから人気のお土産です。無料の足湯もあります。
龍巻地獄
30〜40分に1回の間隔で熱湯と100度を越える噴気を豪快に噴き出す「間欠泉」です。屋根が作られていて、噴き出した熱水の高さは抑えられていますが、本来なら約30メートル噴き出すパワーがあるそうで、その様子には圧倒されます。4月中旬からゴールデンウィークにかけては、斜面に咲く鮮やかなツツジが見ごろです。
白池地獄
和風庭園の中に泉温約95度の青白い池があります。噴出する熱湯は無色透明なのですが、池に落ちると温度と圧力が下がるため、自然に淡い青みがかった白色に変化するのです。ここでは、温泉熱を利用してアマゾンに生息する熱帯魚を飼育しています。「ピラルク館」では、最大4メートルもの大きさになるアマゾンの巨大魚「ピラルク」を観察できます。
鬼石(おにいし)坊主地獄
海地獄の隣にあって、灰色の熱泥がボコボコと音を立てながら沸騰している様子が坊主頭に似ていて、地名が鬼石であることから「鬼石坊主地獄」と呼ばれています。解放的な足湯もあって、地獄で蒸したプリンや饅頭なども堪能できます。また地獄の奥には、日帰り温泉が楽しめる施設「鬼石の湯」もあります。
鬼山地獄
1923(大正12)年に日本で初めて温泉熱を利用してワニの飼育をはじめたことから別名「ワニ地獄」とも呼ばれています。現在は、クロコダイルやアリゲーターなど約70頭のワニを飼育、毎週水曜日と土日には、飼育員によるワニの餌付けの時間もあって、迫力のあるワニの姿を見ることができます。
かまど地獄
泉温約90度の温泉が噴気とともに湧いていて、1丁目から6丁目までさまざまな種類の湯の池があります。昔から氏神様の竈門八幡宮(かまどはちまんぐう)の大祭に、地獄の噴気でお供えするご飯を炊いていたことから、その名がつきました。足湯や肌湯、のど湯などでくつろげたり、売店ではバニラソフトクリームに唐辛子をかけた「赤鬼ソフト」という面白いソフトクリームなども販売されています。
名物「地獄蒸し」を味わう
別府八湯の1つの「鉄輪(かんなわ)温泉」の界隈は、今もなお昔ながらの湯治場の情緒を残していて、温泉の高温の噴気を利用した「地獄蒸し釜」が使われています。この地獄蒸し釜で食材を一気に蒸し上げる調理法が「地獄蒸し」です。江戸時代からの伝統のある調理法は、鉄輪温泉の名物ともなっています。
季節の野菜や地元産の魚介類やお肉などを蒸しあげれば、旨味を逃さず余分な油を落とし、また温泉の滋味も加えられるという、素材の美味しさを引き出したヘルシーでシンプルな料理が出来上がります。自炊しながら湯治をする昔ながらの宿泊施設での宿泊でも体験できますし、最近では、ホテルや旅館で味わえる贅沢な地獄蒸しの会席料理などもあります。
また、市営の「地獄蒸し工房鉄輪」や「里の駅かんなわ」でも手軽に地獄蒸し料理を体験することができます。温泉めぐりや町歩きをしながら、「地獄蒸し卵」「地獄蒸しプリン」や蒸しまんじゅう、豚まんなどのグルメも楽しめます。
伝統工芸「竹細工」に触れる
「別府市竹細工」は、大分県で唯一、経済産業省から「伝統的工芸品」に指定されています。全てが手作業で行われていて、伝統文化の美しさを備えつつ、テーブルウェアなどの日用品から美術工芸品まで幅広い用途で愛用されている、別府の代表的な工芸品です。
その起源については、「日本書紀」に記述が残されているほどその歴史は古く、室町時代には行商用のかごの生産販売がされて、本格的に市場に出回るようになりました。江戸時代になると、別府温泉を訪れる湯治客のための竹製の生活用品やお土産としても竹細工が好評となって、別府の産業の1つとして定着してきました。そして、明治以降になると、日用品やお土産品の領域を超えて、美術工芸品として発展していきます。
近年は、花器やオブジェなどが美術工芸品として、デザイン性の高さが評価されていて、海外でも人気が広がっています。日本で唯一の竹細工訓練校の「大分県立竹工芸訓練センター」もあって、若手の職人さんを育てています。
「別府市竹細工伝統産業会館」では、別府市竹細工の歴史や技法について学んだり、人間国宝に選ばれた「生野祥雲斎」をはじめとする名匠の作品鑑賞ができます。予約をすれば竹細工作り体験も楽しめます。
レトロな遊園地「別府ラクテンチ」で遊ぶ
「別府ラクテンチ」は、1929(昭和4)年に創業した老舗の遊園地です。赤い屋根にクリーム色の壁、お城の形をしたレトロで懐かしい雰囲気のメインゲートが出迎えてくれます。30度という日本屈指の急勾配を誇るケーブルカーに乗り、山の上の遊園地に向かいます。
日本でここだけの二重式観覧車「フラワーかんらん車」からは、別府湾や別府市街地の眺望が楽しめます。ほかにも小さいお子さんからお年寄りの方まで安心して楽しめる乗り物や、「どうぶつコーナー」では、小動物と触れ合うこともでき、三世代で楽しめます。
「あひるの競走」は1950(昭和25)年から続くラクテンチ名物で人気があります。また、全長150メートルの「大吊り橋」からは美しい別府湾や園内の景色が一望できます。桜の名所としても知られていて、園内では四季折々の景色が楽しめます。
そして遊園地で温泉も楽しめるのも、別府温泉ならではと言えるのではないでしょうか。園内の「絶景の湯」は、別府湾を眼下に望む眺望の良さが自慢です。入園者は無料で入浴できるのもうれしいですね。また、気軽に入れる足湯(夏季は足水)もあります。
人気の観光エリア
JR別府駅周辺・別府温泉
「JR別府駅」は、北九州市の小倉駅から大分駅、宮崎駅を経由して、鹿児島市の鹿児島中央駅までを結ぶJR九州在来線・日豊本線の駅の1つで、別府温泉旅行の際は最寄駅となります。別府市内を走る私営の「杉の井バス」や「大分交通バス」、空港特急バスも発着しています。
そして、「別府八湯(はっとう)」の1つ「別府温泉」は、そのJR別府駅を中心とした繁華街に広がる温泉地で、別府八湯の中心です。温泉としては、江戸時代に脚光を浴びて以降、大正から昭和にかけて発展してきました。日帰り入浴もできるホテルなどの宿泊施設だけでなく、地元の人たちが集まる共同温泉も数多くあります。
竹瓦温泉
「竹瓦(たけがわら)温泉」は、1879(明治12)年に開業した温泉です。当初は竹瓦葺きの建物だったことから、その名前がつけられたとのことです。1938(昭和13)年に建設された現在の建物は、唐破風造(からはふづくり)の屋根が目を引く豪華な外観で、別府温泉のシンボルとなっています。
温泉のロビーは、天井が高く昭和初期の雰囲気を残していて情緒があります。名物の「砂湯」では、浴衣を着て砂の上に仰向けに寝た状態になると、「砂かけさん」が体の上に温泉であたためられた砂をかけてくれます。
別府市内で毎年4月に行われる、別府市民が総参加するお祭りの「別府八湯温泉まつり」は、竹瓦温泉の界隈を中心に開催されます。
別府タワー
JR別府駅から海岸線に向かった別府市北浜に建つ、高さ約90メートルの「別府タワー」は、1954(昭和32)年に完成した別府温泉のランドマークです。建設から50年を迎えた2007年には、国の登録有形文化財にも指定されました。設計は「塔博士」と呼ばれる早稲田大学名誉教授の内藤多仲(たちゅう)博士です。
名古屋市の「名古屋テレビ塔」、大阪市の「通天閣」、札幌市の「さっぽろテレビ塔」、東京都の「東京タワー」、福岡市の「博多ポートタワー」は、いずれも内藤博士が設計したもので、通称「タワー6兄弟」と呼ばれていて、別府タワーは3番目に完成しました。
17階にある展望台からは、別府市街や別府湾を360度のパノラマで一望することができます。また、別府タワーの歴史がわかる展示もあり、キャラクターグッズやお土産を買うこともできます。
Bamboo bamboo(バンブー バンブー)
「Bamboo bamboo(バンブーバンブー)」では、10人ほどの竹細工職人が製作した、お箸、竹かご、ざる、キッチン道具、バッグ、アクセサリー、インテリアなど、さまざまな竹製品を販売しています。別府温泉の伝統工芸である「別府市竹細工」の技を身近に感じられるような製品が並ぶ、数少ない別府市竹細工の専門店です。
不老泉
別府市営温泉の「不老泉」は、別府駅や中心市街地に近いことから、市民だけでなく観光客にも多く利用されています。明治の初めからあったと言われていて、2014(平成26)年にリニューアルした施設は、歴史ある温泉にふさわしく風格のある外観です。
市営温泉でも最も広い浴槽があって、お湯の温度もお好みに合わせて入浴できるよう「あつ湯」と「ぬる湯」があります。
浜脇温泉
「浜脇(はまわき)温泉」は、別府市の南に位置していて朝見川の河口のあたりにある温泉街です。鉄輪(かんなわ)温泉と並んで別府温泉発祥の地とも伝えられていて歴史が古く、鎌倉時代初期には温泉町として急速に発展しました。海岸線のいたるところから温泉が沸く様子から、その地名「浜わき」が付いたとも言われています。
今でも昔風の旅館が並んでいて、明治、大正時代にあった花街の雰囲気を残しています。その一方、平成に入って再開発事業の一環で、ヨーロッパのクアハウスをモデルにしていて、温泉を利用した健康管理のための多目的温泉保養館「湯都ピア浜脇」も建てられていて、いろいろな温泉を満喫できます。
八幡朝見神社
「八幡朝見(はちまんあさみ)神社」は、鎌倉時代の1196年に豊前・豊後守護職の大友能直公によって創建された神社です。戦後、別の場所にあった「温泉神社」と一緒にまつられたことから、名実ともに別府温泉の総鎮守となりました。
現在、毎年4月に開催される「別府八湯温泉まつり」は、この温泉神社で行われた「豊年祭り」がルーツのお祭りで、開会奉告祭と温泉神社おみこしの御神幸祭は、八幡朝見神社で行われます。
ご神木は、樹齢1,000年を超える「大くすの木」で、境内に葉を茂らせています。また、拝殿前には京都の清水の舞台を思わせるような大舞台も広がっていて、そこから別府市街をはじめ別府湾や、国東半島(くにさきはんとう)、四国まで一望することができます。
表参道の階段を登ると、境内に入るところにまるで門のような2本の杉の巨木が、真っ直ぐ並んでそびえ立っています。「夫婦杉」と呼ばれ、二人でこの杉の間を通り抜けると結ばれるという言い伝えもあります。
参道の敷石の中には盃(さかずき)の形をした「盃石」、そしてひょうたんの形をした「瓢箪(ひょうたん)石」があります。この2つの石を踏むと縁起が良いとされていますので、ぜひ、探してみてください。
亀川温泉
1276年、一遍上人が上陸したと伝えられている「上人ヶ浜(しょうにんがはま)」に沿って発展した、別府市の北に位置する温泉地が「亀川(かめがわ)温泉」です。海岸沿いには豊富な温泉が湧き出していて、温泉で温まった砂を利用した「天然砂湯」が名物で、江戸時代の文献にもその名が記されています。その頃は、別府市の北の玄関口として豊前小倉(現在の北九州市小倉)へ向かう旅人の疲れをいやす湯治場として栄えていました。
現在は、上人ヶ浜にある市営温泉の「別府海浜砂湯」をはじめ、共同浴場、温泉を活用した病院や療養施設、保養所などが多く建っています。
別府海浜砂湯
「別府海浜砂湯」は、別府国際観光港の隣に位置していて、砂の浜辺が今も残っている上人ヶ浜(しょうにんがはま)の一角にある市営の施設です。温泉熱で温まった砂を「砂かけさん」から全身にかけてもらって、海風を感じながら天然の砂湯を楽しめます。
1度に10名以上が入浴できるので、グループで訪れても一緒に楽しむことができます。また、雨天時でも砂湯に入れるよう可動式屋根が設置されていて、休憩所もあります。
浜田温泉
亀川エリアにある「浜田温泉」は、1897(明治30)年ごろに発見されたという文献も残っている由緒ある温泉です。現在の建物は、2002(平成14)年に以前の温泉だった建物の向かい側にリニューアルしたもので、平屋建ての和風な外観です。
高齢者の方たちにも利用しやすいように配慮された設計で、車椅子での出入りができるよう、広くて段差のない通路になっています。また、浴槽や脱衣場にも手すりを設置するなどの工夫がされています。
そして、以前の建物は、1935(昭和10)年に建てられ、1階は温泉、2階は公民館として長く利用されてきましたが、現在は「浜田温泉資料館」になっていて、見学もできます。正面玄関は唐破風造(からはふづくり)の趣きがある外観で、また館内には古い蛇口や湯船も残されていて、その歴史を感じることができます。
鉄輪温泉
JR九州別府駅からバスで30分ほどの「鉄輪(かんなわ)温泉」では、街のあちこちから無数に立ちのぼる湯けむりを見ることができ、湯のまち別府温泉ならではの景観を楽しめます。鎌倉時代、この地を訪れた一遍上人が「玖倍理湯の井(くべりゆのい)」といわれた高温の温泉地帯「地獄」を開発してできた温泉地と言われています。
その一遍上人が創設したとされる「鉄輪むし湯」が温泉街の中心地で、狭い道沿いには旅館やお土産屋さん、共同浴場などが数多く軒を連ねていて、昔ながらの風情を今に残しています。
また、鉄輪温泉独自の貸間旅館(自炊ができる湯治宿)が健在していて、遠方からの湯治客も多く訪れる場所となっています。温泉の噴気の熱を利用した「地獄蒸し釜」で蒸し上げる「地獄蒸し」料理も名物となっています。
鉄輪むし湯
市営の共同浴場「鉄輪むし湯」は、鎌倉時代の1276年に一遍上人が開いた歴史ある温泉です。湯船ももちろんあるのですが、特徴は温泉の蒸気で体を蒸す「むし湯」にあります。鉄輪むし湯では、清流沿いにのみ群生する石菖(せきしょう)という珍しい薬草を、温泉で熱した床の上に敷きつめて、その上に人が横たわって体を蒸すという独特の形式なのです。
石菖は、とても良い香りのする薬草で、詩人の野口雨情(のぐちうじょう)が、「豊後鉄輪、むし湯の帰り、肌に石菖の香が残る」と詠んでいるほどです。10分ほど横になっていると、サウナのようにたくさん汗が出てくるので、その香りとともにリフレッシュできます。敷地内では、無料の「足蒸し」も楽しめます。
熱の湯
鉄輪温泉では「鉄輪むし湯」とならんで一番古い共同浴場で、「熱の湯(ねつのゆ)」という名前は、身熱を取り除く効果があることから名づけられたと言われています。そして、その名の通り、熱いお湯です。以前は、飲泉場や調理場、洗濯場としても利用されていました。飲泉場は跡地として残されています。
入浴料金は無料で、地元の方はもちろん観光客も温泉を楽しむことができます。
地獄蒸し工房 鉄輪
いでゆ坂の途中にある「地獄蒸し工房鉄輪」は、鉄輪温泉の名物で伝統的な調理法「地獄蒸し料理」を実際に体験できる施設です。食材をざるに乗せて、高温の温泉の噴気を利用した「地獄蒸し釜」の中に入れて蒸し上げたものをその場で味わうことができます。
食材は、施設内で購入することができます。野菜から蒸しまんじゅう、お肉や海鮮類まで、バラエティに富んだ食材が選べるので、手ぶらで訪れて、気軽に体験できます。
そのほか、温泉冷却装置のモニュメント「湯冷滝(ゆれいだき)」や鉄輪の歴史、温泉、地獄などの情報を集めた「展示コーナー」もあります。隣接するポケットパークには、「足蒸し」や車椅子の方にも対応した「足湯」、体に良いといわれる「飲泉場」もあります。
観海寺温泉
JR別府駅の西側出口から、真っすぐ山に向かって進んだ斜面の旧街道沿いに点在する温泉地で、海抜150メートルの位置にあるのが「観海寺(かんかいじ)温泉」です。その見晴らしの良さは、別府八湯でも一番です。別府湾を眼下に見下ろし、天気が良い日には四国が見えるほどの眺望は、まさに絶景といえるでしょう。
鎌倉時代に発見された温泉場で、江戸時代の文献にもその素晴らしい眺望と人気ぶりが記されています。現在は、別府温泉を代表する大型リゾートホテルが数多く集まっていて、レジャーの殿堂となっています。照明や暖房などに地熱を利用している宿泊施設もあります。海外からの観光客にも人気のエリアです。
ザアクアガーデン
観海寺温泉に建つ「杉乃井ホテル」は、温泉だけでなくアミューズメント施設も充実した大型リゾートホテルです。ホテル内にある「ザアクアガーデン」は、800トンもの温泉を使用している水着着用で楽しめる屋外型温泉で、家族やカップルにも人気のスポットです。宿泊客は、無料で入場できます。
別府湾を一望できる「展望スパ」をはじめ、約30種類の世界各地から集めた高級塩を選べる「ソルティーサウナ」、高い塩分濃度のお湯に浮かんでゆったりリラックスできる「フロートヒーリングバス」、温泉泥を全身に塗ってパックする「ファンゴセラピー(※別途料金が必要)」など、いろいろな温泉が体験できます。
夜になると、フランスのベルサイユ宮殿の噴水ショーも手がけたデザイナー「Michel Amann(ミッシェル・アマン)」が演出する、水と光と音が織りなす幻想的な噴水ショーも開催されています。
堀田温泉
「堀田(ほりた)温泉」は、別府市の西の玄関口で、別府インターチェンジの近くに位置します。古くから湯布院や日田、太宰府などに通じる交通の要衝だった場所で、江戸時代から湯治場として旅人の疲れを癒してきました。
湯量が豊富で、今でも田んぼや谷あいからは硫気が吹き出す様子を見ることができます。その豊富な温泉は市内に給湯されています。
市営堀田温泉
「市営堀田温泉」は、地元の方たちにも親しまれている温泉です。内湯のほか、植栽や岩組が季節感を感じさせる露天風呂もあります。入浴後にくつろげる休憩室も備えています。また、高齢者や身障者の方たちも利用しやすいよう、浴槽や脱衣場には手すりを設置、オストメイト対応のトイレも設置するなどの工夫もされています。
夢幻の里春夏秋冬
立ち寄り湯「夢幻の里春夏秋冬」は、四季の素晴らしい景色を楽しめる自然豊かな山の中の温泉です。大浴場と3つの貸切風呂の全てが、露天風呂で開放感があります。貸切風呂の「滝の湯」は、自然の滝を眺めながら入浴できて、施設内でも人気No.1のお風呂です。
柴石(しばせき)温泉
「柴石(しばせき)温泉」は、JR別府駅から車で約20分ほどの亀川から鉄輪(かんなわ)に向かう途中の山あいにあって、平安時代の895年には醍醐天皇(だいごてんのう)、1044年には後冷泉天皇(ごれいぜいてんのう)が病気療養のための湯治に訪れたとも伝わる、由緒ある温泉地です。「傷治しの湯」としても知られています。
江戸時代に柴の化石が発見されて、「柴石」と呼ばれるようになりました。ホテルなどの施設はなく、日帰り入浴のできる市営の共同浴場のみですが、地元の人たちが多く訪れ、素朴で静かな雰囲気のエリアです。鉄輪(かんなわ)温泉や明礬(みょうばん)温泉と共に、国民温泉保養地にも指定されています。
市営柴石温泉
「市営柴石温泉」は、柴石温泉エリアで唯一の共同温泉です。温度の違う「あつ湯」と「ぬる湯」2つの湯船のほか、蒸し湯や開放感あふれる露天風呂、家族湯もあって、日帰り入浴が楽しめます。近隣には森林遊歩道もあります。
明礬温泉
「明礬(みょうばん)温泉」は標高350メートルの高台にあって、別府明礬橋や遠くに別府湾や高崎山など美しい景色が望める山の上の温泉地です。戦国大名で豊後国(現在の大分県)を治めていた大友宗麟(おおともそうりん)が、湯治場として開発、発展させたと伝えられていています。温泉地一帯には、独特の硫黄の香りがただよっていて、お湯に入れば肌もつるつるになると評判です。
急傾斜の温泉地には、別府石の石垣の上にわらぶき屋根の「湯の花小屋」が建ち並んでいて、小屋からは白い煙がのぼっています。別府明礬温泉の「湯の花製造技術」は、国の重要無形民俗文化財にも指定された江戸時代から続く技術で、そこで作られた「湯の花」は薬や入浴剤として利用されてきた名産品です。
明礬温泉 鶴寿泉
明礬温泉の一角にある市営温泉の「鶴寿泉(かくじゅせん)」は、古くは「下の湯」「鶴亀泉」とも呼ばれていました。旧藩時代、時の領主が日本一の良質な明礬の産地として有名だったこの地を訪れた際、村人が新たに浴室を作ってもてなしたところ、入浴した領主がとても喜んで「鶴寿泉」と名付けたそうです。
現在の温泉は、1996(平成8年)に建てられたもので、男湯女湯それぞれに1つずつの内湯は、無料で入ることができます。殺菌性と酸性の強い乳白色の温泉です。
明礬 湯の里
敷地内に明礬温泉のシンボルとも言える「湯の花小屋」が立ち並ぶ「明礬 湯の里」では、天然の入浴剤「薬用 湯の花」の製造工程が無料で見学できます。内湯はもちろん、明礬大橋・高崎山などの景色が楽しめる「大露天岩風呂」、風情ある湯の花小屋を模した「家族湯」で、温泉を楽しむこともできます。
売店では、「薬用 湯の花」や湯の花を使ったコスメなどのオリジナル商品、大分県産のお酒やお土産なども販売されています。また、大分の郷土料理を味わえるレストランや、温泉の蒸気で蒸した卵やおまんじゅう、ソフトクリームなどを楽しめるコーナーもあって、明礬温泉を一日ゆっくり満喫できるスポットです。
別府温泉保養ランド
明礬温泉エリアの「紺屋地獄」にある「別府温泉保養ランド」は、別府温泉でも珍しい泥湯がある温泉宿泊施設で、立ち寄り湯もできます。屋内の泥湯のほか、素晴らしい景色も楽しめる大きな露天泥湯もあります。露天泥湯は混浴です。
濃厚なクリームのような泥湯は、「紺屋鉱泥(こうでい)」という成分が濃厚で稀少な泥で、美肌効果も抜群です。普通の温泉より浮力が大きいので湯船の中には掴まり棒があります。しっかりつかまって浮遊感を楽しんでください。保温力も高いのですが、湯あたりしないよう、長湯は禁物です。10〜15分くらいで、他のお風呂に移るようにしましょう。
岡本屋売店
1875(明治8)年に創業した「岡本屋」は、明礬温泉でも最も古い旅館の1つです。そんな老舗旅館の名物スイーツ「地獄蒸しプリン」を味わえるのが、岡本屋直営の「岡本屋売店」です。苦味が効いたカラメルと濃厚な味わいのプリンは、職人さんが一つ一つ手作業で作っています。
味も定番のカスタードのほか、バナナ、おいも、コーヒー、抹茶キャラメル、季節限定のいちごがあります。また、地獄蒸しプリンを使った「地獄パフェ」や「地獄蒸しプリンアイス」などのスイーツも楽しめます。
甘味以外にも、香川から仕入れている手打ちの生麺を使った「讃岐うどん」や郷土料理「とり天」をのせた「とり天カレーライス」、ボリュームのある「地獄蒸したまごサンドイッチ」をはじめとする食事メニューも充実していて、明礬温泉のおすすめグルメスポットです。
その他のエリア
別府温泉では、「別府八湯」の温泉地エリア以外にも楽しめる観光スポットが数多くあります。温泉だけではなく、自然や眺望、レジャーなど、いろいろ組み合わせて、旅行プランを更に充実させてみてはいかがでしょうか。
大分香りの博物館
「大分香りの博物館」は別府大学に隣接していて、大学の創立100周年事業として旧「大分香りの森博物館」より貸与された貴重な収蔵品をもとに開館しました。「香り」がテーマの世界でも珍しい博物館です。館内では、天然の香料原料や世界中の有名な膨大な数の香水コレクションの展示をはじめ、香りの歴史、人と香りとの関わりについての解説や展示などを見ることができます。
オリジナルの香水作り体験では、自分好みの香水を作って香水瓶に入れてお持ち帰りできます。また、アロマルームではリラックスしていろいろな香りを楽しめるアロマ体験もできます。オリジナル商品を販売しているショップやカフェテリアも併設されています。
博物館の庭はハーブガーデンで、湯のまち別府ならではの「足湯」もあります。ハーブに囲まれてリラックスできる時間を過ごせます。入館者や、ショップ、カフェの利用をすれば入ることができます。料金は無料で、タオルも無料で貸し出してくれますので、博物館を訪れたら、ぜひ足湯も体験してみてください。
別府ロープウェイ
大分自動車道の別府インターチェンジから県道11号線を湯布院方面へ車で約5分、阿蘇くじゅう国立公園の東に位置する、標高1,375メートルの「鶴見岳」の山上からは、別府市街はもとより、由布岳、くじゅう連山、遠く中国地方や四国まで一望できます。
鶴見岳山上へは「別府ロープウェイ」に乗って向かいます。標高500メートルの「別府高原駅」からロープウェイに乗って、約10分で標高1,300メートルの「鶴見山上駅」に到着です。西日本最大級の101人乗りの大型ゴンドラで、高低差約800メートル、全長1,816メートルの空中散歩が楽しめます。
鶴見岳山上は、遊歩道が整備されています。数ヶ所の展望所のほか、駅前の「鶴見山上権現一の宮」から遊歩道沿いにさまざまな神様がまつられていて、眺めを楽しみながら「札所めぐり」「七福神めぐり」もできます。
自然も豊かで、春は山麓の桜や山上のミヤマキリシマの咲き誇る風景、夏は避暑や夜景、秋は樹々の紅葉、冬は九州では珍しい「霧氷」の銀世界、といった季節によっていろいろ変化する絶景が楽しめます。
城島高原パーク
「城島高原(きじまこうげん)」は、大分を代表する別府や湯布院といった観光地から、車で15分の場所にある高原リゾートです。「城島高原パーク」はその一角の25ヘクタールという広大な敷地をほこる施設で、さまざまなアトラクションで子どもから大人まで楽しめます。
人気No.1のアトラクションは、日本初の木製コースター「ジュピター」です。木製ならではの「きしみ」や「振動」は、ほかのコースターとはまた違ったスリルと快感を味わえます。6万本の米松で組み上げた壮大なコースターは見た目も美しく、日暮れ時や夜間営業の際にライトアップされると、そのシルエットも幻想的な美しさです。
3才から小学6年生までのお子さまには「キッズドライビングスクール」がおすすめです。このアトラクションは、こども専用の自動車学校で、交通ルールや車の仕組みを学んだ後に、実際にキッズカーを運転します。合格すると、なんと写真入りの運転免許証まで発行してもらえます。
ほかにも「絶叫系アトラクション」、家族で楽しめる「ほのぼの系アトラクション」など、充実しています。いろいろなジャンルのレストランや、オリジナル商品やお土産も買えるショップもあります。無料の「足湯」もあって、高原の風景を眺めながらリラックスできます。
また、城島高原は、パークのほか、ホテルやゴルフクラブも併設されています。ホテル内の天然温泉は、宿泊客はもちろん日帰り入浴でも利用できます。ゆっくり滞在しながら、いろいろな楽しみ方ができるスポットです。
別府温泉のご当地グルメ
別府冷麺
第二次世界大戦中に空襲を受けなかった別府には、戦後、大陸から引き上げてきた人たちが多く移り住んだという歴史があります。その中でも中国東北部(旧満州)から引き揚げてきた人たちが、朝鮮民族が食べていた冷麺を別府に広めたのが、「別府冷麺」のはじまりと言われています。
屋台からはじまりましたが、別府の人たちに受け入れられるよう改良を重ねたそうです。麺は小麦粉の配分を増やして、スープは和風だしに変えて、チャーシューは牛肉、キムチはキャベツのキムチと、独自の変化を遂げて出来上がったのが、現在の「別府冷麺」です。
地元の人は冬でも「別府冷麺」を頼む人も多いことから、夏だけでなく、冬でも食べられるお店も少なくありません。冷麺専門店のほか、焼肉店、ラーメン店、食堂など、さまざまなお店で食べることができます。それぞれのお店独自の味で提供してくれるので、韓国の冷麺とは、また違った、別府温泉ならではのご当地グルメを、ぜひ食べ比べながら味わってみてください。
とり天
今や、大分県を代表する郷土料理となっている「とり天」は、昭和初期、別府の老舗レストランの料理人が作り出したのが最初と言われる、別府温泉発祥のご当地グルメです。食べやすい大きさに切った鶏肉に天ぷらの衣をつけてカラッと揚げたとり天に、ポン酢と練り辛子をお好みでつけて食べるシンプルな料理です。
別府市では「とり天発祥の地」であることを活かして、観光客に別府でとり天を楽しんでもらえるようなキャンペーンを観光の柱の1つとしているほど、愛されています。
別府温泉へのアクセス・所要時間
飛行機で別府温泉へ行く
関東・中部・近畿エリアから別府温泉へ旅行に行く際には飛行機が最も便利です。別府温泉最寄りの空港は大分空港です。JAL、ANAのほか、便数は少ないですが格安航空会社(LCC)も運航しているので、予算や旅行プランに合わせて航空会社や出発時間を選べます。所要時間も短いので、観光に時間をたっぷり使いたいのであれば、飛行機がおすすめです。
また、大分空港から別府温泉までは、空港特急バスまたは車(タクシー)で約40分の所要時間です。
大分空港までの所要時間
※( )内は利用可能な航空会社です。詳細は大分空港HP
- 東京・羽田空港からの場合:約1時間40分(ソラシドエア・ANA共同運行/JAL)
- 東京・成田空港からの場合:約1時間55分(Jetstar)
- 名古屋・中部空港からの場合:約1時間10分(IBEX・ANA共同運行)
- 大阪・伊丹空港からの場合:約1時間(ANA/IBEX・ANA共同運行/JAL)
フェリーで別府温泉へ行く
中国・四国エリアから別府温泉に旅行に行く際にはフェリーを利用するのが便利です。近畿エリアからはフェリーでの船旅を楽しみながら別府温泉を訪れることもできます。フェリーには車も乗船できますので、別府温泉を自家用車で旅行したいのであれば、フェリーを利用するのもおすすめです。出発地によって到着港が異なります。
各地から別府温泉までの所要時間
※( )内はフェリー運航会社です。
-
大阪からの場合:大阪さんふらわあターミナル第1から約11時間50分
大阪さんふらわあターミナル第1(大阪南港コスモフェリーターミナル)-別府観光港
(フェリーさんふらわあ) -
神戸からの場合:神戸港から大分港までフェリーで約11時間20分、大分港から別府温泉まで車で約20分
神戸港(六甲アイランド)-大分港
(フェリーさんふらわあ)
※詳細はフェリーさんふらわあHP -
愛媛県八幡浜港からの場合:約2時間50分
愛媛県八幡浜港-別府港
(宇和島運輸フェリー)
※詳細は宇和島運輸フェリーHP -
愛媛県三崎港からの場合:三崎港から大分市佐賀関港まで約1時間10分、佐賀関港から別府温泉まで車で約1時間
愛媛県三崎港-佐賀関港
(国道九四フェリー)
※詳細は国道九四フェリーHP -
山口県周防市徳山港からの場合:徳山港から国東市竹田津港までフェリーで約2時間、竹田津港から別府温泉まで車で約1時間30分
徳山港-竹田津港
(スオーナダフェリー)
※詳細はスオーナダフェリーHP
JRで別府温泉に行く
九州各地からは別府温泉まではJRを利用するのが便利です。また、本州からもJRを乗り継ぎしながら電車に乗って旅行するのも、ゆっくりと旅行したい方にはおすすめです。
所要時間
- 東京からの場合:約6時間30分
- 名古屋からの場合:約5時間
- 新大阪からの場合:約4時間
- 博多からの場合:約2時間
- 熊本からの場合:約3時間
- 鹿児島中央からの場合:約3時間
夜行バス・高速バスで別府温泉に行く
近畿エリアから別府温泉までは夜行バスを使って、夜遅くに出発して、寝ている間に移動する方法もあります。時間がかなりかかりますが、値段は飛行機やJRと比べると安いです。別府市北浜までの直行便なので、到着したらすぐに別府温泉観光を楽しむこともできます。
また、九州各地からは、旅費を節約したいのであれば、高速バスを利用するのがおすすめです。
所要時間
- 京都駅八条口からの場合:約12時間2分
- 大阪駅前(東梅田)からの場合:約10時間7分
- 神戸三宮からの場合:約9時間12分
- 博多バスターミナルからの場合:約2時間44分
- 長崎駅前からの場合:約3時間22分
- 宮崎駅前からの場合:約4時間
大分空港・別府温泉への最寄り駅JR別府駅を紹介
大分空港
別府温泉の最寄り空港は「大分空港」です。大分県国東市にあって別府温泉まで車で約40分ほどの場所にあります。1階は出発カウンターと到着ロビー、2階は出発ロビー・待合室とお土産物フロア、3階は展望デッキとレストラン街となっています。
3階にある「スカイレストラン」は、空港内でも市番の席数があって、ご当地グルメを味わえます。大分の食材をふんだんに使ったメニュー、特産のカボスを使ったオリジナルスイーツ、大分特産の麦焼酎やおつまみなど、バラエティー豊かです。飛行機の離発着を眺めながら食事が楽しめる空港ならではのスポットです。
JR別府駅
えきまち1丁目別府
JR別府駅コンコースの両側にある「B-Passage」と「BIS南館」の2つの施設が、「えきまち1丁目別府」です。別府温泉のお土産やグルメなど40を超えるショップが集まっています。旅の最後にまとめてお土産は駅で、というのも身軽に旅をするのにはいいかもしれませんね。食べきれなかったご当地グルメをこちらで堪能して、旅行のシメにするのもおすすめです。
主要エリアからのアクセス
東京から
- 羽田空港から飛行機の場合:大分空港まで約1時間40分、大分空港から別府温泉まで車で約40分
- JRの場合:約6時間30分
大阪から
- 伊丹空港から飛行機の場合:大分空港まで約1時間、大分空港から別府温泉まで車で約40分
- 新幹線の場合:約4時間
- フェリーの場合:大阪南港より別府観光港まで約11時間50分
名古屋から
- 飛行機の場合:中部国際空港から大分空港まで約1時間10分、大分空港から別府温泉まで車で約40分
- JRの場合:約5時間
札幌から
飛行機で新千歳空港から、東京(羽田)、大阪(伊丹)での乗り継ぎになります。いずれも空港での乗り継ぎ時間がかかります。
- 羽田空港経由:新千歳空港から羽田空港まで約1時間40分、羽田空港から大分空港まで約1時間40分、大分空港から別府温泉まで車で約40分
- 伊丹空港経由:新千歳空港から伊丹空港まで約1時間55分、伊丹空港から大分空港まで約1時間、大分空港から別府温泉まで車で約40分
福岡から
- JRの場合:JR別府駅まで約2時間
- 高速バスの場合:約2時間44分
別府温泉の年間イベント情報
2月
別府大分毎日マラソン
「びわ湖毎日マラソン」「福岡国際マラソン」(当時は朝日マラソン)と共に、日本三大クラシックレースと呼ばれ、全国的にも有名なマラソン大会が「別府大分毎日マラソン」です。五輪代表選考の足がかりともなるような大きなレースです。
大分市高崎山にある水族館「うみたまご」をスタートして、別府市の海岸沿いを横目に、大分市営陸上競技場までランナーが駆け抜けます。海外や国内の有名選手が招待されるほか、一般のランナーも参加できます。
4月
別府八湯温泉まつり・扇山火まつり
「別府八湯温泉まつり(べっぷはっとうおんせんまつり)」は、別府八湯の豊かな温泉の恵みに感謝する別府市民総出のお祭りです。例年、4月1日から第1週末をメインに開催されます。温泉神社のおみこしが商店街に繰り出して、お祭りムードを盛り上げてくれます。
2日のメインイベント「扇山火まつり」では、夜の大平山に浮かび上がる炎が華やかです。また、まつり期間中は数多くの共同温泉が無料開放されます。
5月
別府アルゲリッチ音楽祭
「別府アルゲリッチ音楽祭」は、世界的なピアニスト「マルタ・アルゲリッチ」女史総監督による音楽祭です。例年、5月から約1ヶ月間に渡って開催されています。「育む」「アジア」「創造と発信」の3つをコンセプトに、別府に根付きつつ、音楽文化を世界に発信しています。国内外の有名な音楽家も出演者として名を連ねています。
6月
神楽女湖花しょうぶ観賞会
鶴見岳の山合いにある「神楽女湖(かぐらめこ)」は、平安時代に鶴見岳社の歌舞女が住んでいたという伝説が今に残る神秘的な湖です。6月になると80種類、約15,000株もの淡い紫色の花しょうぶが湖面を彩り、観賞会が開催されます。期間中は、音楽演奏やお茶や神楽女だんごの無料サービスなども行われます。
7月
べっぷ火の海まつり
例年7月下旬に開催される「べっぷ火の海まつり」は、別府の夏最大のイベントです。たくさんの屋台や露店が軒を連ね、さまざまなイベントも開催されます。そして最終日には、色とりどりの浴衣を着た参加者でにぎわう「納涼音頭大会」、別府湾をバックにダイナミックな花火のショーが夜空をいろどる「納涼花火大会」が開催されます。
8月 夏祭り・花火大会
8月には別府市内各地で、夏祭りや花火大会が開催されます。
亀川夏まつり
亀川漁港の周辺で例年8月上旬に開催されている「亀川夏まつり」では、花火が約5,000発打ち上げられ、別府湾の夏の夜空をいろどります。そのほか、吹奏楽、鼓笛隊の演奏や、約200年の歴史を持つ伝統芸能の「地踊り」も披露されます。
山の納涼音頭大会
陸上自衛隊別府駐屯地で、例年8月上旬に開催されている地域密着型の夏祭りです。納涼踊りのほか、模擬店が並び音楽演奏も開催されます。また、駐屯地からは花火を打ち上げられます。
下旬 志高湖夏まつり
鶴見岳の山あいにある「志高湖(しだかこ)」で例年8月下旬に開催されていて、夜になると、花火や松明が松志高湖を照らします。源流太鼓演奏やアヒルの競争なども行われます。
下旬 べっぷ浜脇薬師祭り
別府八湯の1つ「浜脇温泉」で例年8月下旬に開催されるお祭りで、温泉の恵に感謝するともに浜脇温泉に安置されている薬師如来の法要を行います。期間中はおばけ屋敷が立ち、花魁道中や薬師音頭大会なども開催されます。
9月
ベップ・アート・マンス
「ベップ・アート・マンス」は、毎年秋に別府市内のさまざまな場所で行われるイベントを集めた市民文化祭で、例年9月下旬頃から11月下旬かけて開かれています。「混浴温泉世界実行委員会」が主催となって文化や芸術にまつわる活動を幅広く募っていて、温泉地別府の街を盛り上げています。
10月
竹と月夜の調べ
別府温泉の伝統工芸「別府竹細工」のオブジェを使った幻想的な「竹あかり」を、「別府市竹細工伝統産業会館」の庭で月明かりとともに楽しめるイベントが「竹と月夜の調べ」です。別府温泉の秋の風物詩となっています。
11月
油屋熊八翁碑前祭
毎年11月1日、別府市の中心地に位置する別府公園内の油屋熊八翁(あぶらやくまはちおう)記念碑前で行われます。油屋熊八翁は、別府観光の生みの親と言われていて、別府温泉名物「地獄めぐり」や日本初のバスガイドの採用、そして温泉マークも油屋氏のアイデアなのです。そんな多大なる功績を残した油屋熊八翁の遺徳を偲ぶ行事です。
12月
23、24日 べっぷクリスマスファンタジア
例年12月23、24日に別府湾沿いの「的ヶ浜公園・スパビーチ」で開催されるクリスマスイベントです。冬の夜空を彩る華やかな打ち上げ花火や、子供たちによるクリスマスソングの合唱などが、クリスマスムードを一層盛り上げてくれます。郷土料理のお店やアジアン屋台も開かれて、いろいろなことが楽しめるイベントです。
別府温泉観光の移動手段
路線バス
別府市内を走る私営路線バスの「亀の井バス」、もしくは「大分交通」があります。目的地までの足として使っても、「亀の井バス」のフリー乗車券を利用して、別府温泉の観光名所を効率よく観てまわってもいいですね。スイカやパスモ、イコカなどの交通系ICカードも相互利用ができます。
タクシー
小さな子どもさんと一緒だったり、荷物が多いとか、天候、路線バスが通っていない、など目的地までバスでの移動が難しいと感じるのであれば、多少値段がかかりますがタクシーが便利です。また、タクシーをチャーターして観光案内をしてくれる観光タクシーや、別府温泉名物「地獄めぐり」をドライバーが簡単なガイドをしてくれるといった、観光プランなどもあります。
レンタカー
長距離の移動を予定している場合や、路線バスの通っていないところにも行きたいのであれば、レンタカーを利用するという手段もあります。カーナビやスマートフォンの地図アプリがあって、運転することが好きで家族や少人数の旅行などであれば、気を使わずに移動することができるレンタカーはとても便利です。
高速道路を走るなら、ETC車載器付のレンタカーもあります。また、JR別府駅付近のレンタカー店や、到着するJR別府駅や別府観光港・別府港への送迎に対応してくれるレンタカー会社もあるので、旅行のプランに合わせて選んでみてください。
旅行前にインターネットなどで予約をしておくとスムーズです。運転免許証は忘れずにお持ちください。レンタカーは必ずガソリンを満タンにしての返却になりますので、その時間まで含めて旅行の計画を立てましょう。
レンタサイクル
自転車が好きだったり、体力に自信があるのであれば、レンタサイクルもあります。JR別府駅や別府タワーなどにレンタルできるスポットがあります。マウンテンバイクや電動サイクル、ママチャリなど、目的地や用途に応じて選べます。
自転車の種類によっても変わりますが、1時間500円程度からレンタルできます。自転車で汗を流して、温泉でゆっくり汗を流してリラックスするのもいいですね。旅行プランが決まれば予約がおすすめです。また、レンタルする時は、身分証明書等が必要になるので、忘れずにお持ちください。
お得なフリーチケット
亀の井バス フリー乗車券「MyべっぷFree]
亀の井バスのフリー乗車券は、別府温泉や湯布院の観光に便利な路線で使えるフリー乗車券で、市内の亀の井バスのすべての路線バスが乗り放題になります。「ミニ」と「ワイド」でエリアが選べます。
【料金】
- 1日ミニフリー乗車券
大人900円
学生700円
小人450円 - 2日ミニフリー乗車券
大人1,500円
小人750円 - 1日ワイドフリー乗車券
大人1,600円
小人800円 - 2日ワイドフリー乗車券
大人2,400円
小人1,200円
【有効期間】
1日または2日
【発売場所】 - 亀の井バス北浜バスセンター
- 亀の井バス鉄輪待合所
- 亀の井バス湯布院駅前バスセンター
- 別府駅総合観光案内所
- 別府交通センター
-フェリーさんふらわあ窓口
【対象エリア】 - ミニフリー乗車券
別府市内全線
内成棚田
城島高原 - ワイドフリー乗車券
別府市内全線
内成棚田
城島高原
湯布院
アフリカンサファリ
【公式サイト】
http://www.kamenoibus.com/otoku.php
亀の井バス「神様体験チケットinべっぷ」
亀の井バスの「神様体験チケットinべっぷ」は、別府市内の亀の井バスのすべての路線バスと内成棚田・城島高原エリアの路線が乗り放題の「フリー乗車券」と別府ならではの楽しい体験ができる4枚綴りの「体験チケット」のセットになります。
「デトックス効果のある『機能温泉浴』体験」「別府ならではの食『地獄蒸し』体験」「別府ならではの『手作り&感動』体験」「地元住民ガイドと『ディープなまちあるき』体験」「はんなり『日本文化』体験」など、12の体験からお好みのものを選べて、別府温泉をお得に観光できます。
【料金】
- 1日ミニフリー乗車券
大人2,700円
【有効期間】
1日
【発売場所】 - えきマチ1丁目 別府インフォメーション(JR別府駅B-Passage内)
- 別府駅総合観光案内所
- 亀の井バス北浜バスセンター
- 亀の井バス鉄輪待合所
【公式サイト】
http://www.kamenoibus.com/otoku.php
別府温泉のおすすめ旅行プラン10選
よくある質問Q&A
飛行機でどのくらいかかりますか?
東京(羽田・成田)から大分空港までは約2時間20~35分、名古屋(中部)から大分空港までは約1時間10分、大阪(伊丹)から大分空港までは約1時間かかります。また、大分空港から別府温泉までは、空港特急バスまたは車(タクシー)で約40分程度かかります。
別府温泉の気候はどうですか?
別府温泉は、本州と気候に大きな違いはありません。ただし、山間部など標高が高いところでは、気温が平地に比べて低くなりますので、気温の変化に備えて、羽織るものを持っていくことをお勧めします。
何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
2泊3日であれば、主要な観光地をめぐることができ、また温泉をゆったり堪能できます。
春/夏/秋/冬はどのように楽しむのがおすすめですか?
別府温泉は1年中楽しめる観光地です。自然に囲まれている別府温泉では、春の花々、秋の紅葉などの観賞ができます。夏は、温泉を利用したプールなどがあるアミューズメント施設でのレジャーや高地での避暑などが楽しめます。そして、晩秋から冬にかけての寒い時期は、別府温泉の熱いお湯を楽しむのに一番良い時期です。