紅葉が堪能できるおすすめスポット10選
龍安寺
世界遺産にも登録されている龍安寺には枯山水の石庭を見に、多くの観光客が訪れています。イギリスのエリザベス2世が京都を訪れた際に龍安寺の石庭を絶賛したことから世界的にも有名となりました。秋の龍安寺は、方丈から石庭を眺める際に目に映るモミジやカエデの美しさで、さらに人々を惹きつけます。また境内のほぼ半分を占める鏡容池の周りも美しい赤が彩りを添えます。
その有名な石庭は「虎の子渡しの庭」「七五三の庭」とも呼ばれる大小合わせて15個の石を全て同時に見ることはできない不完全さや石庭の作り手の意図が明確ではない点においてミステリアスな魅力を感じさせます。
桃山時代に朝鮮から持ち込まれ、千利休などの茶人たちに愛された「侘助椿」の日本最古のものが龍安寺にはあります。秋には花は咲いていませんが、秀吉も賞賛したという龍安寺の侘助椿も是非銭の形をした蹲踞などと合わせて方丈から覗いてみてください。
金閣寺(鹿苑寺)
京都と聞いて真っ先に思い浮かべる方も多いほどに、国内外問わず京都のイメージを形作っている金閣寺。舎利殿である「金閣」が有名なため、金閣寺と呼ばれることが多いですが、正式には「鹿苑寺」といい、足利義満によって建立した北山殿が義満の死後に金閣を残して禅寺とされたものです。
黄金色に輝く金閣と赤く染まる紅葉の美しいコラボレーションを、絨毯のように境内を彩る散り紅葉の上を歩きながら眺めることができ、秋はさらに多くの人が訪れます。四季折々の美しさや鏡湖池に映る「逆さ金閣」、周りを囲む池泉回遊式庭園などいつ訪れても新しい金閣の魅力に気づくことができます。
仁和寺
仁和寺は世界遺産に指定されているだけでなく、皇室との結びつきも強いために、御室御所とも呼ばれています。広い敷地の中には訪れてすぐ目に入る二王門や、五重塔、国宝の金堂に限らず、見どころが数多くあり、限られた時間では回りきれないほどです。
京都一遅咲きとされる御室桜で有名な仁和寺ですが、秋には金堂へと続く参道や五重塔を彩る紅葉が人々を魅了します。また、かつて宇多天皇が住んでいた襖絵や庭が美しい御殿の庭も紅葉が見事で、庭園越しに五重塔を眺めることもできます。桜ほど仁和寺の紅葉は有名ではないので、比較的ゆったりと鑑賞することができる穴場スポットです。
北野天満宮
北野天満宮は、学問の神様として知られている菅原道真公をご祭神として祀っている全国の天満宮、天神社の総本社で、「天神信仰」の発祥の地でもあります。
そんな北野天満宮は季節の楽しみとして、北野天満宮は梅と紅葉が有名です。豊臣秀吉が洛中洛外の境界として築いた「御土居」という土塁の一部が残る場所は現在、約350本もの紅葉が色づく「もみじ苑」となっています。
紙屋川にかかる朱塗りの太鼓橋「鶯橋」を紅葉とあわせて写真におさめたり、展望所から国宝である本殿と紅葉の景色を眺めたりと北野天満宮ならではの紅葉の楽しみ方ができます。また紅葉の時期には茶席での茶菓子やライトアップなど、また普段とは違った北野天満宮の魅力が味わえるので今までに訪れたことがあるという方にもおすすめです。
今宮神社
今宮神社には「玉の輿神社」という別名があります。八百屋に生まれながら、三代将軍である家光公に見初められたことから大奥で権勢をふるうまでになった、徳川の五代目将軍・綱吉公の母である桂昌院が「お玉」と呼ばれていたことが玉の輿の由来となっています。その桂昌院が今宮神社の再興に尽くしたことが玉の輿神社の由縁です。今宮神社の境内で販売されている「玉の輿守」は加茂茄子・聖護院大根・金時人参といった京野菜のデザインが可愛らしく、若い女性に人気があります。
紅葉の名所というわけではありませんが、境内の各所にある紅葉は参拝客の心を癒してくれます。中でも東門の近くの紅葉は趣深く、晩秋には境内の散りもみじも楽しめます。また今宮神社の参道には「本家 根元かざりや」と「一文字屋和輔(一和)」という今宮神社の名物であるあぶり餅で有名なお店が二軒も店を構えています。きな粉と白味噌の優しい甘さが魅力のあぶり餅、二軒を食べ比べてみてもいいですね。秋の味覚と紅葉、そして神社のご利益を贅沢に味わえるスポットとなっています。
源光庵
丸い「悟りの窓」と四角い「迷いの窓」が印象的な源光庵ですが、秋になるとその二つの窓から見える風景が紅葉でさらに美しく変化します。四角い「迷いの窓」は「人間の生涯」を表し、自分の人生を見つめるきっかけを与えてくれます。そして隣りにある丸い「悟りの窓」は「禅と円通」の心と「大宇宙」を表しているので眺めていると新たな気づきや悟りが得られると言われています。
本堂の血天井は伏見城の遺構と言われていて、徳川家の家臣たちが自刃した歴史を今に残しているものです。くっきりと残る足跡も見つけることができます。窓越しの紅葉だけでなく、北山を借景とした美しい枯山水の「鶴亀の庭」を縁側からゆったりと眺めることもできるので、時間に捉われることなく、じっくりと秋の京都を楽しんでみてください。
光悦寺
江戸初期の文化人である本阿弥光悦が、徳川家康に与えられた鷹峰の地に草庵を結んだものが光悦の死後にお寺となりました。この光悦寺にある7つの茶室の周りには、菱形の模様に組まれた竹の垣根があり、「光悦垣」の起源とされています。
光悦寺や源光庵、常照寺のある鷹峰は京都の中でも紅葉が美しいことで人気の高いエリアで、赤や黄に染まる鷹峰三山を光悦寺の本阿弥庵や徳友庵といった茶室の付近からも眺めることができます。もちろん境内の紅葉も美しく、道幅の狭い参道の両側に紅葉が続いてトンネルのようになっている様子は圧巻です。苔と紅葉のコントラストも至るところで感じることができます。
晴明神社
晴明神社は平安時代に陰陽道を確立した安倍晴明公を祀る「魔除け」「厄除け」にご利益がある神社です。社紋である「晴明桔梗」が鳥居や晴明井など境内の各所に散りばめられています。「五芒星」とも呼ばれる晴明桔梗は陰陽道に用いられる祈祷呪符の一つです。他の神社とは全く異なるデザインの境内は歩いていると面白い発見が出来そうです。フィギュアスケートで活躍している羽生結弦選手が「SEIMEI」というプログラムを演じるにあたって参拝していたことから羽生選手のファンも多く訪れています。
その社紋である晴明桔梗が掲げられた特徴のある鳥居の周りには秋になるとイロハモミジが色づき、参拝客の目を楽しませてくれます。また、11月中旬から12月中旬の時期限定で温かな色合いが可愛らしい「もみじ守」も販売されます。もみじの花言葉である「自制」「遠慮」が心を穏やかにしてくれる日本らしいお守りとなっています。
上賀茂神社
上賀茂神社は、神代の頃から京都を見守り続けてきた京都で最も古い神社で、世界遺産にも登録されてます。桓武天皇の時代に平安京として都が京都に移されて以来、歴代の天皇が行幸していたほどの歴史ある神社です。
正式名称は「賀茂別雷神社」ですが、下鴨神社とともに賀茂氏の氏神を祀る神社として地元の人からも愛されています。賀茂別雷大神を祭神として厄除けや開運のご利益があるとされているパワースポットです。
広い境内では、楼門や二ノ鳥居付近など各所で美しい紅葉が見られますが、境内を流れる小川沿いのカエデが赤いトンネルのように見事に色づく様子が秋の見どころとなっています。
等持院
足利将軍家に縁のあるお寺です。嵐山にある天龍寺派の寺院であることから、庭園の造りも天龍寺のようだと人気があります。
境内の庭園には心字池と芙蓉池という二つの池があり、それぞれの違いとともに楽しめるスポットとなっています。心字池の周りには赤く色づく紅葉が多く、池に映ってより幻想的な美しさとなります。また衣笠山を借景とした芙蓉池は、茶室である清漣亭とあわせて穏やかな魅力を伝えています。芙蓉池を眺めながら書院で味わうお抹茶や茶菓子は格別です。
食欲の秋にぴったりな旬グルメ
knot café
北野天満宮の近くにある「京都とニューヨークをつなぐカフェ」です。"knot"という店名の通り『ヒトとヒト』『モノとモノ』『コトとコト』を結ぶことをコンセプトとし、北野の老舗の和菓子屋や有名なパン屋とコラボレーション商品も多く販売しています。
そんな中でも、京都を代表するベーカリー「ル・プチメック」のパンを使っただし巻き玉子サンドとあんバターサンドは、インパクトのあるビジュアルがフォトジェニックなだけでなく味もしっかりと美味しいと話題のメニューとなっています。ブルックリンのロースターからセレクトしたコーヒーとの相性も最高です。
粟餅所・澤屋
北野天満宮の門前に店を構える「粟餅所・澤屋」は江戸時代から続く、粟餅ひとすじの老舗和菓子屋です。注文を受けてから職人が仕上げる出来立ての粟餅は、ほんのりと温かい美味しさが魅力となっています。
甘さを抑えたこしあんに丁寧に包まれた粟餅と、香ばしいきな粉がたっぷりとまぶされた粟餅の二つの味の違いやプチプチとした粟の食感を楽しむことができる粟餅はボリュームがありながらも、1人前の5つも軽く食べてしまう味わいと喉越しです。
おむらはうす 金閣寺店
おむらはうすは金閣寺の参拝のついでに立ち寄りたいオムライス専門店で、出町柳にも店があります。手作りのソースや具材にこだわった京風の創作オムライスはオムライス好きの店主が自分好みの味を求めて作り上げたものです。
一番人気はとろとろの生湯葉とお出汁をたっぷりとかけた「とろ湯葉オムライス」です。大きな卵を3個使用したふわふわのたまごの中にヒジキごはんが入った和風系のオムライスで、ほんのり香るわさびがアクセントとなっています。他にも定番のチキンやハヤシ、豆腐やサラダといった他では食べられないオムライスなど豊富なメニューが揃います。
嘯月
グルメ漫画として知られる「美味しんぼ」でも日本最高峰だと紹介されている上生菓子屋「嘯月」です。来店時間までを指定する完全予約制で、一つ500円ほどとお高めなのも、一度こちらの上生菓子を味わえば納得できるはずです。
京都らしい季節感のある美しい見た目の生菓子はまさに芸術品。予約客の来店時間に合わせて用意された作りたての和菓子は、他では味わうことの出来ない繊細な魅力が詰まっています。
季節ごと・月ごと・日ごとによって作るものが変わるので個数だけ指定するお任せの注文がおすすめですが、ほぼ毎日販売している名物の「きんとん」はわざわざオーダーしてみるのも良いでしょう。
器とごはん 賀茂窯
「器とごはん 賀茂窯」は陶芸教室と食堂、雑貨店、さらには二階にレンタルスペースも用意された個性的なスポットです。
こちらの食堂では店舗を持たない旅する食堂として始めたcaravan diner Pan Booが提供するマクロビオティック料理や素材にこだわった料理を味わうことが出来ます。週替わりの定食ランチや地元で採れた野菜を使った優しい甘さのパウンドケーキなど、旬の食材をたっぷりと使ったメニューが特徴です。
目の前には賀茂川が流れていて、大きな窓から四季折々の癒しを与えてくれます。さらに食堂で使われている器は全て賀茂窯のスタッフが作ったもので、より一層食事を楽しいものにしてくれます。