感性を磨く!哲学の道の歩き方
熊野若王子神社
哲学の道を南側から北へ向かうコースで最初に訪れたいのは「熊野若王子神社」です。京都三熊野の一つとしても数えられています。古くから花見の名所としても知られ、室町時代には足利家の将軍たちも桜を見に訪れたとされています。
御神木であるナギの木は京都市内で最も古いナギの木で、「あらゆる苦難をナギ倒す」ご利益が期待できます。その御神木であるナギの木の葉で作られたお守りを参拝の記念に購入するのがおすすめです。
安楽寺
鎌倉時代に念仏道場「鹿ヶ谷草庵」として造られた安楽寺は、後鳥羽上皇の女官として仕えていた松虫姫と鈴虫姫が念仏に感銘を受け、密かに出家をしたことで上皇の怒りをかってしまう悲劇の舞台でもあることから松虫鈴虫寺という名前でも知られています。
普段は非公開となっていて春と秋の特別公開日のみしか拝観できませんが、参道の石段とかやぶきの山門の美しい組み合わせを見に行くだけでも哲学の道散策を彩ってくれます。秋に訪れる際には石段と山門を赤く染める散りモミジを求めて多くの観光客が集まるスポットとなっていますが、開門する前や閉門後に訪れると、比較的混雑がひどくない状態で見ることができるのでおすすめです。
Pomme
哲学の道の通り沿いにある赤いリンゴの看板が目印のカフェ。どこかヨーロッパの街並みに足を踏み入れたような京都であることを忘れさせる外観や店内が目立ちます。フランスでリンゴを表す店名のこのカフェはその見た目や名前の通り、リンゴを使ったスイーツが人気のお店です。
一番人気のアップル&シナモンケーキは生のリンゴを贅沢に使っているもの。身体も心もほっと温まるオリジナルアップルティーなどのドリンクと一緒に味わってみてください。天気の良い日には哲学の道に面したテラス席に座るとより一層ヨーロッパのような気分に浸れます。
法然院
哲学の道を散策している途中に辿り着く法然ゆかりの地です。普段は本堂の前までの参道のみが公開され、本堂内を見ることはできませんが、春と秋には伽藍内が特別に公開されます。
心身を清めるとされている白い盛り砂「白砂壇」や講演会やコンサートにも用いられている講堂は普段から見ることができるスポットです。白砂壇に描かれる模様は時期によって異なり、訪れるごとに新たな魅力を感じさせます。本堂、方丈庭園を見るのも公開時期に合わせて足を運んでみてください。
銀閣寺(慈照寺)
哲学の道を北へ進み続けると一際賑わいを見せる銀閣寺の参道に出ます。金閣寺と対をなすようにして京都を代表する観光スポットとなっている世界文化遺産「銀閣寺」。室町幕府の8代目将軍足利義政によって金閣寺(鹿苑寺金閣舎利殿)を模して造られたものです。
銀閣として知られる観音殿に限らず、向月台や銀沙灘といった白砂を立体的に盛り上げて造られているアート、国宝に指定されている東求堂、さらには豊かな自然で彩られた紅葉の時期にも評判の高い錦鏡池など見どころは境内に数多くあります。また、銀閣寺境内を一望することができる、月待山の高台からの眺めもおすすめです。
私設図書館
哲学の道を銀閣寺の方まで歩いていった先にあるのが、1973年に開館して以来、多くの学生たちに利用されてきた「私設図書館」です。学生運動の余波が残る時代に本好きの溜まり場としてオープンしたこの私設図書館は、現在お菓子や飲み物を自由に持ち込むことができる有料自習室のようなスポットとなっています。
静かにすることだけがルールとなっているこちらでは、日曜や祝日も深夜12時まで開館し、パソコンの電源も設置されているだけでなく、コーヒーを飲むこともできます。哲学の道を散策して疲れた足を癒しながら、ガヤガヤとした観光地の中でつかの間の自分一人の時間を楽しみ、集中するのにぴったりの哲学の道コース終着点です。
ツアーやレンタカーも探す
考えごとをしたくなる“おひとりさま”カフェ
アカツキコーヒー
一乗寺の一角にある落ち着いた雰囲気の小さなコーヒー専門カフェです。エスプレッソ用とカプチーノ用とでグラインダーを使い分けるほどのこだわりのある、柔らかな甘みをもつエスプレッソとコーヒーが人気となっています。
美味しいコーヒーは京都で人気の高いナカガワ小麦店のパンを使ったサンドイッチやトーストによく合います。スイーツの中では季節ごとに味も見た目も変化する可愛らしいパフェの人気が非常に高く、SNSなどでも度々話題となっています。一人で利用する方が多く、考えごとをしたり、読書をしたりと自分自身の時間を過ごすのにぴったりの“おひとりさま”カフェです。
茂庵
森の小径を抜けながら吉田山を登って行くと辿り着くことのできる古民家風のカフェです。大正時代に数奇者である谷川茂次郎によって建てられたこの茂庵は茶道を嗜んでいた谷川らしさを今もなお残し続けています。
1階にはお茶室があり、2階のカフェでは靴を脱いで入店します。窓の外には美しい緑や大文字山などの景色が広がり、ゆったりとした時間を過ごすことができる店内が特徴です。月替りのスイーツやランチメニューと居心地の良い空間を求めて決してアクセスが良いとは言えないにも関わらず、多くの人々が訪れます。
旅の音
2017年にオープンした美術学校をリノベーションしたTHE SITEの中にある雰囲気の良い珈琲焙煎所です。ドライフラワーやウォールアートがおしゃれな店内でコーヒーを選ぶ際には、メニューに書かれている説明だけで決めるのではなく、試験管のような瓶に入った豆の香りを実際に試して選ぶところから楽しめるという魅力があります。
人気を集めるのは、「コーヒーゼリーパフェ」にビスケットとマシュマロを追加したフォトジェニックなスイーツ。宝石のように美しいコーヒーゼリーはラズベリーやミルクゼリー、グラノーラとのバランスを考え、すっきりとした味わいになっています。
進々堂 京大北門前
1930年に本格的フランス風カフェとしてオープンして以来、京都の落ち着きのある喫茶文化を形作ってきた「進々堂」。日本においてフランスパンを普及させたのはこの進々堂です。人気の「カレーのパンセット」をはじめとしたモーニングを静かな喫茶店の雰囲気とともに味わうことが出来るとファンの多いお店です。
京大の近くに店を構えていることもあり、学生が勉学に励めるようにとレトロな店内には長机が置かれています。この長机や長椅子は漆芸・木工の作家で人間国宝の黒田辰秋によるもので、創業者やこれまでの利用者、京大生たちの想いの詰まった重厚感のあるものとなっています。京都とパリどちらの良さも感じさせる喫茶で、美味しいパンとレトロな雰囲気に癒される朝になるでしょう。
旅の思い出やお土産に買いたいスポット
出町ふたば
明治時代から続く出町柳の老舗和菓子店「出町ふたば」。看板商品である「名代 豆餅」を求めて毎日列ができている人気店です。もち米を二度に分けてつくことによりきめ細やかな生地となる羽二重餅に、こだわりの詰まった食感のアクセントとなる赤えんどうを練りこみ、熟練の職人があんを詰めていきます。
日持ちが当日中と短いにも関わらず、地元の方が手土産としても利用する不動の人気を誇る定番のお店なので、京都旅行の最終日に並んででも買っておきたいですね。
吉田パン工房
早く起きた休日には、美味しいパンを買いに早くから出かけてみるのはいかがでしょうか。元々は人気レストランなどへの卸専門でパンを作っていた吉田パンが直接購入することができるようになったと、営業日には開店前から行列ができる人気店です。
卸を営んでいる頃からの定番であるハード系のパンはもちろん、工房としてオープンするにあたって販売された菓子パンも味わい深さが人気を集めています。土日のみの営業で、さらに午前中には売り切れてしまうことが多いので、購入できたら一日幸せに過ごせそうですね。
恵文社 一乗寺店
本好きなら一度は聞いたことのあるほどに有名で国内外問わず多くの読書家たちが訪れる書店です。イギリスのガーディアン紙が選ぶ「世界で一番美しい本屋10」に選ばれたほどの恵文社一乗寺店は、スタッフたちの手によって一つ一つ選び抜かれた本が、ジャンル別ではなく、テーマや相関性を考えて「編集する」ように並べられています。
目当ての本を探しているうちに次々と普段は手に取らない新たな本の魅力に気づいていく、自分にとって特別な本との出会いが体感できるような書店です。一人の時間をたっぷりと使って誰かに気兼ねすることなく、旅行の記念になるような本を見つけてみてください。
下鴨デリ
下鴨神社のそばにある、自然の恵みをたっぷり取り入れた種類豊富なお惣菜が魅力のデリカテッセンです。毎日20種類以上の季節野菜たっぷりのデリが並ぶショーケースはどのデリにするか次々に目移りしてしまうほどに魅力的です。ランチセットはパスタやカレー、キッシュといったお好きなメインに3種のデリが選べて非常にお得なものとなっています。
店内でランチやスイーツを食べることもできますが、デリやランチはテイクアウトする方も多いです。好きなデリを少しずつ持ち帰ることのできるデリボックスはテイクアウトして家に帰ってからも京都を感じさせるおかずの足しにするのにもぴったりです。
緑寿庵清水
1847年創業という長い歴史を誇る日本唯一の金平糖専門店です。1種類16日以上かけて丁寧に作り出される金平糖は手作りならではの優しい甘さが特徴となっています。
約60種とフレーバーの種類も豊富な金平糖の中でも、年に一度しか販売されない「究極の金平糖」は毎年キャンセル待ちが出るほどの人気があります。また、すいかやかぼちゃといった期間限定のフレーバーはパッケージも可愛らしく、喜ばれるお土産となるでしょう。