室内で宇治・伏見の文化に触れる
宇治市源氏物語ミュージアム
宇治は源氏物語の最後「宇治十帖」の舞台でもあります。源氏物語ファンの方はもちろん、源氏物語の内容がぼんやりとしか思い出せない方でも外が雨だということを忘れて楽しむことができるのが「宇治市源氏物語ミュージアム」です。こちらは主人公の光源氏や「宇治十帖」の世界、平安の文化の魅力に触れることができるミュージアムとなっています。
常設の展示室では実物大の牛車や平安時代の調度品のレプリカ、源氏物語の中でも登場した平安時代の代表的な建築様式である寝殿造の六条院の縮小模型が展示されています。さらには2018年夏に2ヶ月ほどかけてリニューアルを行い、「垣間見」などの源氏物語に登場した文化が疑似体験できる展示やモニターと同じポーズを決めると物語について詳しく学ぶことのできるパネルなど新しく楽しめるコンテンツも用意されました。源氏物語に詳しくなくてもわかりやすいように工夫されているので、雨の日の宇治観光の際には気軽に足を運んでみてください。
平等院
世界文化遺産にも登録されている平等院は、中でも十円硬貨にデザインされている鳳凰堂が有名な人気の観光スポットです。他の寺院の建物とは全く異なった魅力がある鳳凰堂は、極楽浄土を再現したとして創建当時から今まで多くの人々に感動を与えています。2014年に改修されたため、さらに金具や塗装などを創建された平安時代に近い形で楽しめるようになりました。十円硬貨を持って鳳凰堂と写真を撮るのもおすすめです。
阿字池に映る鳳凰堂の様子はまるで極楽の宝池に浮かぶ宮殿のよう。境内に咲く季節の花々や紅葉も美しく、季節を変えて何度も訪れたくなる場所となっています。
敷地内には平等院ミュージアム鳳翔館もあり、平等院の寺宝や敷地で発掘された平安時代の瓦や土器などが展示されています。屋外での観光が多くなりがちな宇治・伏見エリアですが、定番の平等院の敷地内で国宝や重要文化財の数々と出会う雨の日ならではの観光をぜひ楽しんでみてください。
福寿園 宇治工房 福寿茶寮
ただ提供された宇治茶の味を楽しむだけでなく、自分で体験することによってより一層思い出深い宇治旅行となるのではないでしょうか。雨の日で時間にゆとりもある中での観光にぴったりなのが福寿園です。福寿園の宇治工房は、お茶の手もみや宇治茶・抹茶・ほうじ茶作りが体験できる宇治ならではの伝統が感じられる工房となっています。さらに茶に関わる、器作りや器の絵付け体験、茶道のマナー講座といった体験もできるので、気になるものや時間・予算に合わせて選ぶことができます。
宇治工房の中には福寿茶寮という茶寮スペースも用意されています。茶そばや抹茶を贅沢に使ったあんみつ、パフェなど宇治茶づくしのゆったりとした時間を過ごせる茶寮です。玉露や煎茶は、スタッフが茶器を使って美味しい淹れ方を説明してくれるので、より一層宇治茶の伝統を味わうことができる特別な体験となるでしょう。耳を澄ませば聞こえてくる宇治川の川音や雨音の響きがさらに茶寮の雰囲気を良いものにしてくれます。
梅雨の季節にぴったりな散策
藤森神社
皇室との縁もあるこの藤森神社は勝運・学問、さらには馬の神様が祀られています。菖蒲の節句の発祥の地として有名ですが、祀られている神様の特徴から競馬ファンが多く訪れるスポットとしても知られています。近年は刀剣が奉納されていることから刀剣女子も訪れる、様々な魅力のある神社です。
境内には約3,500株もの種類豊富な紫陽花を集めたあじさい苑があり、毎年6月上旬から7月上旬にかけて多くの人々があじさいを見に訪れます。迷路のような細い道に溢れんばかりのあじさいが咲き乱れている様子は圧巻です。また毎年6月15日にはあじさい祭も開催され、前後の土日には様々な伝統芸能が執り行われます。美しい紫陽花とともに伝統芸能も楽しんでみてはいかがでしょうか。
eight
「eight」は藤森神社を参拝した後に訪れるのにぴったりなベーカリーです。工房と売り場が繋がったオープンキッチンスタイルのスタイリッシュな店内には、商品に合わせて使い分けられている小麦や天然酵母の味わいが豊かで食べ応えのあるハード系のパンを中心として毎日50種類ほどの商品が並びます。普段ハード系をあまり購入しない方でも楽しみやすい食事パンも種類豊富に揃えられています。
ライ麦入りのハードパンに甘さを抑えたつぶ餡とよつ葉バターをサンドした「あんパーニュ」や季節のフルーツを使った自家製のジャムなど、eightのパンとの相性を考えられた甘いものもこだわりを持って作られています。
三室戸寺
梅雨の時期を狙って訪れておきたい「三室戸寺」はあじさいの名所です。西国三十三ヶ所巡礼の十番札所として多くの方が訪れる三室戸寺は、豊かな自然がみせる四季折々の日本の美しさが感じられるスポットです。ツツジ、あじさい、そしてハスが咲く花の寺としても有名で、別名「あじさい寺」とも呼ばれています。
そんなあじさい寺の50種・1万株あるあじさいの中でもハート形のものが近年注目を集めています。場所を教えてもらうことのできないハートマークあじさいは見つけると恋愛成就にご利益があると言われているため、若い女子を中心に境内では多くの人がハートマークのあじさいを探しています。ハートマークのあじさいを探す時間は、子どもの頃に宝探しをしていた時のようなドキドキ感が味わえるかもしれません。
また古来より「三室戸の紅楓」と称され、宇治十二景の一つにも数えられている紅葉の名所でもあります。紅楓の評判通りの真っ赤な紅葉は、梅雨の時期に限らず、秋にも宇治・伏見に訪れたいと感じさせてくれるでしょう。
恵心院
恵心院は宇治川にかかる朝霧橋のたもとに位置するお寺で、境内に植えられた多くの花々が訪れた人の心を和ませてくれる「花の寺」として知られています。梅雨の時期には、恵心院に咲く花々の中でも評判の高い山吹やアジサイが見頃を迎え、多くの観光客が足を運ぶ人気のスポットです。
源氏物語宇治十帖のヒロインである浮舟が宇治川に入水した際に、新たな道を歩ませてくれることとなった横川の僧都のモデルともいわれている恵心僧都源信が再興した時に恵心院と名付けられたお寺だと言われています。雨が降る静かなお寺の中で可愛らしい花々を楽しみながら、宇治十帖の縁を感じてみてはいかがでしょうか。
しっとり楽しむ京の風景
稲荷茶寮
伏見稲荷大社の境内に新しく出来た無料休憩所「啼鳥菴」からは、ゆったりと八島ヶ池の様子を眺めることができます。その「啼鳥菴」の中にオープンした稲荷茶寮は、伏見稲荷大社御用達として多くの人に愛されている、明治時代から続く老舗「椿堂茶舗」の新店舗です。
椿堂茶舗が手がけるこだわりのメニューの中で多くの人々が注文しているのは、赤い鳥居や狐、稲穂といった可愛らしいデコレーションが写真映えすること間違いなしの「稲荷パフェ」です。椿堂の抹茶を使うだけでなく、白玉やお米を使ったお菓子も入った日本の甘味を、眺めの良い池のほとりで楽しむことができます。定番の観光スポットである伏見稲荷大社に訪れるついでだけでなく、雨の日だからこそ室内から京都らしい風景を味わいたいという方にもおすすめなスポットです。
伏見稲荷大社
トリップアドバイザーによる「外国人に人気の日本の観光スポット」に毎年選ばれている人気の観光名所です。稲荷山を登る道へと続いていく千本鳥居の美しさには誰もが圧倒されるでしょう。早朝に訪れると、まだ人もそれほど多くないので神秘的な静けさが感じられる写真を撮ることができます。道が整備されているため、傘をさしながらでも大きな鳥居の間は通ることができるので雨の日でも予定を変えることなく、伏見稲荷大社を訪れる人が多いです。
多くの方が千本鳥居をくぐった先にある奥社奉拝所で引き返してしまいますが、稲荷山を四つ辻まで登った人だけが見ることのできる市内を一望できる景色もまた違った魅力があります。歩いている間に雨が止みそうであれば、人混みを気にせずに伏見稲荷大社を満喫することのできる稲荷山まで進んでみてください。
伏見十石舟
雨の日でも屋根のついた舟で伏見の自然と伝統を感じることができます。十石舟は、江戸時代からの面影が残る酒蔵や水辺をゆったりと楽しむことのできる遊覧船です。もともとこの十石舟は、伏見から大坂まで酒や米、旅客を乗せて行き来した宇治川・淀川の輸送船として、江戸時代にはじまり明治時代まで利用されてきました。
雨の中を進む舟の上で、柳の並木やどこか懐かしい日本の風景を眺める時間はなかなか味わうことのできない特別なものです。途中で下船し、三栖閘門資料館にて伏見港の歴史に触れることができます。
花見や紅葉の季節はより一層風情がありますが、まだそこまで知られていない穴場の観光プランなので、周りを気にすることも少なく美しい景色に没頭することができます。十石舟よりも大きく30人ほど乗ることができる三十石船もありますが、静けさを楽しむのであれば三十石船よりも十石舟がおすすめです。三十石船よりも頻繁に運行しているので利用しやすいというのも魅力的です。
東福寺
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紅葉の名所としても非常に有名な東福寺は、毎年秋になると多くの人々が訪れています。洗玉澗が紅葉の時期になると赤や黄に色づき、臥雲橋の回廊から洗玉澗越しに通天橋までを眺めたり、通天橋の中央にある張り出し舞台からまるでカエデの雲海の上を歩いているように感じられる景色を楽しんだりすることができます。
秋の季節以外にも、市松模様が印象的な北庭や星座を表現した東庭など個性豊かな庭園が東西南北にあり、雨の日であったとしても見るものを楽しませてくれます。相次いだ火災によって本堂や方丈は明治以降と新しい建物ではありますが、禅寺の三門としては日本最古と言われている国宝の三門など中世の建物が現存しているところもあります。
敷地内の美しい渓谷「洗玉澗」に架かる「偃月橋」や境内で一番高いところに位置する「通天橋」、入り口からすぐのところにある「臥雲橋」といったいくつかの橋からはそれぞれ異なった魅力ある景色が眺められ、ゆったりと京都が満喫できるでしょう。
ゆったり過ごしたいカフェ
伊藤久右衛門 宇治本店
伊藤久右衛門の茶房では宇治抹茶を使った贅沢なパフェを味わうことができます。「宇治抹茶パフェ」は上質の茶葉のみで作られているからこその豊かでまろやかな味わいが特徴です。さらに伊藤久右衛門の宇治抹茶を堪能したい方には宇治抹茶のお団子やわらび餅、コーンフレークなどをのせた盛りだくさんの「よくばり抹茶パフェ」もおすすめとなっています。
また梅雨の時期には、期間限定で見た目も可愛らしい紫陽花をモチーフとしたパフェやパンナコッタ、きんとんも販売されます。雨の日にも気分が晴れるようなスイーツが豊富です。さらに嬉しいことに、パフェやあんみつを注文すると、宇治抹茶の粉が付いてきます。自分の好みにあわせた量の高級な抹茶を堪能できる魅力的なサービスです。
江戸時代後期から作られ続けてきた伝統ある伊藤久右衛門のお茶は、現代においても気軽に訪れることのできる茶房やネットでの販売を通して宇治茶の魅力を日本中に伝えています。宇治茶そのものはもちろん、抹茶そばやうどん、にしんそばなどご飯系のメニューも京都らしく抹茶を楽しめるものが揃っているので、甘いものが苦手な方でも入りやすいお店となっています。
辻利兵衛本店
辻利兵衛の抹茶スイーツを茶寮で味わうことができるのは辻利兵衛の店舗の中でもこの京都宇治本店のみです。美しい中庭を眺めながら贅沢に過ごすことのできる花見席やくつろげるソファが並ぶ喫茶スペースなど落ち着ける空間づくりもこだわりを感じさせます。雨に濡れた庭も室内からのんびりと眺めるのには素敵です。
店内では、石臼で丹念に挽いた宇治抹茶やグラスに入った薫り豊かな玉茶をシンプルに味わうことも、宇治抹茶ぱふぇや抹茶とマロンの相性の良いモンブランで和洋の良いとこ取りをしたスイーツを味わうこともできます。見た目の可愛らしさも格別のパフェはさつまいも、大粒の苺や焙じ茶などその時期にしか味わえない季節限定の商品も人気です。
5月頃から梅雨にかけては新茶を使ったみずみずしいまろやかな味わいの「初摘み」というパフェも登場します。他にも季節限定のメニューは大福やかき氷など種類豊富に揃い、どれを食べるか迷ってしまいます。
中村藤吉本店 宇治本店
JR宇治駅の近くにある中村藤吉本店の宇治本店は、贅沢なカフェ時間を過ごしたいカップルにおすすめのお店です。重要文化財にも指定されている建築や黒松が見事な日本庭園が特徴で、重厚感のある最高の雰囲気の中で抹茶スイーツが味わえると多くの観光客が足を運びます。
豊富なメニューの中で特に人気が高いのは、涼しげな竹の器に入った可愛らしい見た目が印象的な「生茶ゼリイ」です。ほうじ茶と抹茶から選べるツヤツヤとしたゼリーや白玉の透明感と食感は一度食べたら忘れられない美味しさです。雨の日には、抹茶のほろ苦さも感じるすっきりとしたゼリイがより一層美味しく感じられるでしょう。
生茶ゼリイや、宇治のふきよせというデザートプレート、茶そばなどの人気メニューは相性の良いドリンクとあわせてお得に楽しめるセットも用意されています。お土産として「生茶ゼリイ」はもちろん、「フィナンシェ」や「濃いめのチョコレート」などのお茶にこだわった商品を店内で購入することもできます。パフェや暖簾などにも描かれている「まると」と呼ばれているロゴが入った商品も思い出として残すのにおすすめです。
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