城崎温泉ってどんなところ?
およそ1,400年前に発見されたという古い歴史を持つ城崎温泉は、兵庫県北部の但馬地方にある温泉観光地です。温泉街を流れる大谿(おおたに)川沿いの柳並木や川にかかる古い橋、温泉情緒あふれる町並みが魅力です。
それぞれに個性豊かな7つの「外湯めぐり」は、街全体を一つのお宿とする城崎温泉のおもてなしの心を表していて、名物となっています。温泉街の各旅館には、お客様用のゆかたや下駄も準備されていて、城崎温泉に着いたら、ゆかたに着がえて町に出かけることができます。
風情ある温泉の町並みにはゆかたがよく映えます。
また城崎温泉では日本海が近いことから、豊富な海の幸を堪能することができます。特に冬の味覚「松葉ガニ」は絶品で、新鮮なカニをいろいろな料理で楽しめるのも産地ならではの醍醐味ではないでしょうか。
最上級の牛肉「但馬牛」の産地もすぐそばなので、但馬牛を使った様々なグルメも味わえます。
また、少し足を伸ばせば、日本海の海岸線をはじめ、大自然の絶景を楽しめるスポットも数多くあります。但馬の小京都と呼ばれる城下町「出石(いずし)」での観光も合わせて楽しめます。
城崎温泉旅行の見どころ
7つの外湯をめぐる
城崎温泉には、各宿泊施設で入ることのできる内湯のほか、温泉街の各所に共同浴場である「外湯」が7つあります。それが「さとの湯」「地蔵湯」「柳湯」「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「鴻(こう)の湯」です。
それぞれの外湯の歴史は古く、城崎の人たちは昔から、宿を客間、そして道を廊下として、温泉街を訪れた湯治客を町全体でおもてなししてきました。この思いは今もなお変わらず続いていて、多くの宿泊施設で外湯の無料券と、外湯を訪れる時にも着られる浴衣(ゆかた)と下駄を準備しています。
このことから「外湯めぐり」は城崎温泉の名物にもなっています。
「薬師公園ポケットパーク」にある泉源の「元湯」から7つの外湯に温泉が引かれています。神経痛や筋肉痛、うちみ、慢性消化器病、疲労回復などの効能があるナトリウム・カルシウム-塩化物泉で約42℃のお湯です。
泉源は1つですが、それぞれの温泉に歴史があって、その趣きも違います。また、1つ1つのお湯には呼び名があり、色々な効能・ご利益があるそうなので、ぜひ、7つの外湯を制覇してみてください。
ゆかたに下駄で湯の町を散策する
城崎温泉には『ゆかたにあらざれば、装いにあらず』といった「城崎ゆかた憲章」があるほどで、町を散策するのもゆかたや和服に下駄が正装とされています。
各旅館も昔ながらの柄からカラフルなものまで、それぞれ個性のあるゆかたを準備しています。宿泊をしない場合には、浴衣専門店でレンタルすることもできます。
初めての方でもちゃんと着付けをしてもらえますし、着こなしに自信がなかったり、万が一着くずれしても「ゆかたご意見番」が城崎温泉内には約30軒あります。
簡単な着付けのポイントが分かるリーフレット「ゆかた辞典」がもらえるほか、手直しもしてくれますので、ゆかたで困ることがあっても安心ですね。
ゆかた姿に下駄の音を鳴らしながら、大谿(おおたに)川の柳並木や温泉街の情緒ある町並みを見ながら散策したり、美味しいグルメを食べ歩きしたり、もちろん外湯めぐりもして、日常とは違う城崎温泉の旅の醍醐味を味わってみてはいかがでしょう。
城崎温泉の歴史を知る
およそ1,400年前に、コウノトリが怪我を癒していたことから発見されたのが、城崎温泉と言われています。これが「鴻(こう)の湯」の由来です。
その後、717年にはこの地を訪れていた道智(どうち)上人が、病気の人々を救いたいと1,000日間祈ったところ、湧き出たのが「まんだら湯」の始まりと言われており、その後、城崎温泉は湯治場として整備されていきました。
また、道智上人が開山した「温泉寺」や、南北朝時代に時の天皇の姉君が訪れたという「御所の湯」、戦後の黒部ダム建設の技術を用いて造られた「城崎ロープウェイ」など、町のいたるところに城崎温泉の歴史を知ることができるスポットがあります。
そして、城崎温泉といえば志賀直哉の小説「城の崎にて」が有名です。文学との関わりも深い場所で、多くの文人が城崎を訪れていることから、「城崎文芸館」をはじめ、町内にも文学碑も多く建てられています。
歴史を知るスポットをめぐって、城崎温泉の新たな魅力を発見してみてください。
名物グルメを堪能する
城崎温泉の名物グルメといえば、まずは「松葉ガニ」ではないでしょうか。城崎は兵庫県豊岡市の日本海に近い場所にあることから、冬季の11月から3月の松葉ガニ漁の解禁期間には、専門店や宿泊施設で産地ならではの色々な「カニ料理」が堪能できます。
城崎温泉から車で5分ほどの場所には「津居山(ついやま)港」もあり、松葉ガニの中でも最上級の品質の「津居山かに」をはじめ、豊富な海の幸も水揚げされていて、城崎温泉で味わうことができます。
また、近くには「但馬牛」の産地もあり、但馬牛ステーキから肉まんまで、様々な但馬牛グルメを楽しめるのも城崎温泉ならではです。
ほかにも、海の幸を使った作りたての揚げ餅や、フレッシュジュースなどのドリンク、プリンやジェラートと行ったスイーツ、自分で作る温泉たまごなど、外湯めぐりや温泉街散策の途中に楽しめる食べ歩きグルメもたくさんです。
老舗旅館に泊まる
城崎温泉は古い歴史を持つ温泉街ですが、数々の旅館の中でも江戸時代安政年間創業と150年余りの歴史と伝統を今に伝えている老舗の「西村屋本館」は、数多くの偉人や文人に愛されてきたお宿です。落ち着いた和風の客室からは見事な庭園を眺めることができます。
別棟「平田館」は1960(昭和35)年に数寄屋建築の巨匠、平田雅哉氏による建築で、いたるところに見事な調度品や展示品が配置されていて、まるで小さな美術館のようです。もちろん、宿泊することができます。
館内には湯船から天井、壁に至るまで贅沢にヒノキを使った大浴場「吉の湯」や中国の趣向をうつした空間の「福の湯」があって、それぞれに開放的な露天風呂もあります。
一般客室のほか、それぞれに趣向を凝らした露天風呂付き客室もあります。「松葉ガニ」「但馬牛」をはじめとする地元の食材を使ったこだわりの料理も自慢です。
海岸エリアで楽しむ
城崎温泉から車を走らせると10〜20分ほどで、日本海を望める海岸エリア行くことができます。波で浸食されてできた入り組んだ海岸線はとても美しく、絶景スポットも多くあります。日本海に沈む夕日で海が赤く染まるとまた一段と美しく映えます。
円山川河口には、日本海の豊富な海の幸が水揚げされてにぎわう「津居山(ついやま)港」があって、但馬漁協直営の「フィッシャーマンズ・ビレッジ」では旬の新鮮な魚介を手に入れることができます。
また、日和山海岸そばの「城崎マリンワールド」では、一般の水族館ではなかなか得ることのできない体験もできます。
白砂と抜群の透明度が美しい「竹野浜」や奇岩の「はさかり岩」のある竹野町は、城崎温泉から車で20分ほどです。夏には「竹野浜海水浴場」で、海水浴などのレジャーも楽しめます。
但馬の小京都「出石」を散策する
「但馬の小京都」とも呼ばれている「出石(いずし)」は、江戸時代の城下町の風情を今に残している町で、城崎温泉から車で40分ほどで行くことができます。町のシンボルともいえる「辰鼓楼(しんころう)」は、明治時代から変わらず、町に時を知らせています。
「出石城跡」やたくあん漬けを考案した沢庵和尚ゆかりの「宗鏡寺(沢庵寺)」をはじめ、出石の歴史を知ることができるスポットが数多くあって、古い街並みとともにめぐることができます。
また、本場信州から伝わったそばを出石独自のスタイルでいただく「出石皿そば」もあります。散策と一緒に、伝統のご当地グルメを味わうことができます。
人気の観光エリア
城崎温泉駅周辺エリア
城崎温泉の玄関口である「JR城崎温泉駅」に降り立てば、すぐ横には「さとの湯」があって、すぐに温泉街の雰囲気を感じることができます。駅通り沿いには、ご当地グルメの「但馬牛」や「松葉ガニ」など様々なグルメが楽しめる飲食店が数多く集まっています。
柳並木があって特徴的な形の橋がかかる大谿川(おおたにがわ)沿いにも外湯や飲食店があり、また、文学の街としても有名な城崎温泉ならではの施設「城崎文芸館」もあります。
さとの湯
JR城崎温泉駅のすぐそばにある「さとの湯」は、別名「駅舎温泉」とも呼ばれています。1,400年前から温泉が湧き続けている歴史ある城崎温泉に現代性をプラスした施設内はエキゾチックな雰囲気で、ハーブの香りが漂い滝の音が聞こえるなど、さまざまな工夫が凝らされています。
そばを流れている円山川や自然を眺めながらゆっくりと過ごすことができます。城崎温泉7つの外湯のうち「ふれあいの湯」といわれています。
創作料理 響
JR城崎温泉の目の前にある「創作料理 響」は、目利きの店主こだわりの食材を使った本格和食料理が味わえるお店です。地元兵庫のブランド食材の「但馬牛」や「八鹿(ようか)豚」、山陰産の「水タコ」や黒毛和牛や「国産鷄」といった食材を鉄板焼きや鍋料理などで楽しめます。
お店のおすすめは「但馬牛ロースステーキ鉄板焼御膳」で、ご当地グルメの但馬牛の鉄板焼きとご飯、お味噌汁、漬物と小鉢が4品を1つの御膳で味わえます。鍋料理であれば、「八鹿豚とまと鍋定食」もおすすめです。鍋の後にはトマトリゾットにして、お好みでチーズを加えることもできます。
また、ランチタイムの「鉄板焼セレクトメニュー」は、牛たん・鶏肉・牛フィレ肉の中からお好みのお肉をチョイスできて、四季の小鉢3品とご飯、味噌汁、漬物がセットです。ぜいたくな鉄板焼きのランチが1,000円台とお手頃価格で楽しめます。
但馬牛 デリカ茶屋
城崎温泉駅から駅通りを大谿川(おおたにがわ)に向かって歩いて約4分の場所にある「但馬牛 デリカ茶屋」は、高級ブランド牛の「但馬牛(たじまうし)」をカジュアルなデリカで楽しめるお店です。
本場但馬牛を使用した肉のうまみがぎっしり詰まった具を、ほんのり甘みのある生地で包み込んだ「但馬牛まん」をはじめ「但馬牛コロッケ」「但馬牛メンチカツ」「但馬牛ハンバーグ」といったデリが販売されています。
そして冬になると、日本海で獲れたカニの身をぜいたくに使った城崎ならではの「城崎蟹まん」も登場します。
蒸したて、揚げたてを購入できるので、食べ歩きにもぴったりです。城崎名物のご当地グルメを気軽に味わってみてください。
地蔵湯
城崎温泉駅から駅通りを大谿川(おおたにがわ)に向かって5分ほど歩くと、地蔵湯橋を渡ってすぐ「地蔵湯」があります。城崎温泉の7つの外湯の1つで「家内安全・水子供養、衆生救いの湯」とも言われています。
かつて「地蔵湯」の源泉から地蔵尊が出土したという伝説からこの名が付けられたそうです。庭にもお地蔵様がまつられています。
外湯の中でも一番モダンな建物で、外観は「和風とうろう」、並んで配置された六角形の窓は城崎温泉近くにある「玄武洞」をイメージしています。施設内にはジェット風呂や打たせ湯、人気の家族風呂もあります。
城崎文芸館
城崎温泉といえば、志賀直哉(しがなおや)が湯治のために訪れた城崎温泉での出来事を書いた短編小説「城の崎にて」が有名ではないでしょうか。この作品は、1917年に発刊されてから今も多くの人に読み継がれている彼の代表作です。このため城崎温泉は文学とも縁の深い街と言えるのです。
JR城崎温泉駅から歩いて5分ほどの温泉街の中心にある「城崎文芸館」は、城崎を訪れる旅行者や地元の人たちに、より一層文学に親しんでもらえるよう建てられました。城崎温泉の歴史を知ることができる資料なども合わせて展示されています。
常設展では、志賀直哉とともに「白樺派」として近代文学をになってきた作家たちとの城崎温泉との関わりを本や書簡を通じて紹介しているほか、富岡鉄斎や桂小五郎など城崎ゆかりの文人の作品も所蔵・展示しています。
また、年に二度のペースで、城崎と本に関する今を知ってもらおうという企画展も開催しています。2017年には小説家の湊かなえさんを紹介した企画展が開催されました。
文芸館内には「城崎温泉観光協会」もあります。城崎温泉の情報収集ができて、パンフレットも色々そろっています。城崎温泉旅行をお得に楽しめる割引クーポンの「ゆかたとかに王国」パスポートもこちらで購入できます。
そのほか、1階のショップでは、オリジナル商品や城崎にゆかりのある作家の本をはじめ、ドリンクの販売もされています。入り口横の足湯につかってゆったりとした時間を過ごすこともできます。文学ファンや本好きの人だけでなく、観光情報をゲットするためにも、ぜひ一度訪れてみてください。
柳湯
「地蔵湯」から大谿川(おおたにがわ)沿いを湯の里通りに向かっているいていくと約3分で「柳湯」に着きます。大正ロマン風の建物で、ヒノキをふんだんにつかっています。大浴場のほか、足湯も併設されています。
その昔、中国の名勝である「西湖」から移植されたという柳の木下からお湯が湧き出たと伝えられていて、名前の由来にもなっています。「子授安産、子授けの湯」と言われています。
グビガブ
大谿川(おおたにがわ)沿いの「柳湯」横にある、地ビールレストラン「gubigabu(グビガブ)」は、外湯をめぐった後に浴衣で気軽に訪れることができます。麦芽100%の地ビールと季節や旬にこだわった地元の食材を使った本格的な料理が楽しめます。
ビールはもちろんソフトドリンクからアラカルト、パスタやピザ、但馬牛・八鹿豚などを使った肉料理、デザートまで、バラエティ豊かなメニューがそろっています。自家燻製のベーコン、地ビールを使った煮込みやカレー、地ビールを使ったパンケーキなどもありますよ。
木のぬくもりが感じられる店内には、カウンターバーや和室もあります。夜になると大谿川沿いの柳並木が外灯に照らされて、風情ある城崎温泉の夜の町並みを楽しむこともできます。お店で飲める「城崎地ビール」はお持ち帰りもできるので、お土産としてもいいですね。
きのさきジュース菜果
大谿川沿いの地ビールレストラン「グビガブ」の横にある「きのさきジュース菜果」は、厳選したくだものや野菜で作ったフレッシュジュースとスムージーの専門店です。注文を受けてから作るので、フレッシュで栄養もたっぷりです。
外湯めぐりの途中や街を散策しながら、ヘルシーなフレッシュジュースやスムージーを味わえます。お店オリジナルのフルーツジュース「きのさきジュース」は瓶詰めされたものが販売されています。こちらはお土産としてもぴったりです。
いなば鮮魚
城崎温泉駅から大谿川に向かって歩いていくと約150メートルほどで大きなカニの看板が目印の「いなば鮮魚」が見えてきます。地元の津居山港で水揚げされた松葉ガニや香住(かすみ)カニのほか、新鮮な海の幸を扱う鮮魚店です。
獲れたてのカニなどを購入できるほか、お土産やギフトとして発送もしてくれます。
2階に併設されている「お食事処いなば」では、地元のプロが厳選したカニ料理やお店名物の海鮮丼、天ぷらやカニクリームコロッケなどの揚げ物、焼きガニや焼きイカなど、魚介を色々なメニューで堪能できます。
贅沢なカニ料理がリーズナブルな価格で楽しめるのも魅力です。
一の湯
大谿川にかかる「王橋」のたもとにある「一の湯」は、歌舞伎座を思わせるような桃山様式のレトロな雰囲気の建物で、淡い黄色の外壁が特徴的です。温泉街の中央に位置することから、町のシンボルともなっています。
城崎温泉の7つの外湯の1つで「合格祈願、交通安全、開運招福の湯」とも言われています。
江戸時代中期の医師・香川修徳(かがわしゅうとく)が書いた「薬選」という文献に、当時「新湯」と呼ばれていた一の湯を天下一と記されていることから、名付けられました。
自慢の「洞窟風呂」のほか家族湯もあって、足湯も併設されています。また、施設前には「飲湯場」が設置されています。
湯の里通り・木屋町通り周辺エリア
老舗旅館やお土産店が多く立ち並ぶ「湯の里通り」は城崎温泉街のメインストリートです。「御所湯」「まんだら湯」といった外湯もこちらのエリアにあります。また、湯の里通りの裏通りとなる「木屋町通り」は大谿川沿いに桜並木が続きます。
春になると、川の流れに桜の花が映えて、絶好のフォトスポットです。
御所の湯
湯の里通り沿いにある「御所の湯」は、外見は京都御所を彷彿とさせます。1267年に後堀河天皇の姉君の安嘉門院が入湯されたという記録が、南北朝時代の「増鏡(ますかがみ)」という歴史物語の中に出てくることから、この名前がつけられたそうです。
「火伏防災、良縁成就、美人の湯」とも言われています。内湯の大浴場は天井がガラス張りで、また、滝が眺められる「野天風呂」もあります。すぐ隣には、温泉守護の神様「湯山守神」と水の神さま「宗像三女神」の四柱(四所)がまつられている「四所神社」が建っています。
浴衣専門店いろは
「御所の湯」の横にある「浴衣専門店いろは」は、浴衣の販売とレンタルのお店です。宿泊施設の浴衣もいいですが、日帰り旅行の方や好みの浴衣でおしゃれして城崎温泉散策に出掛けたいのであれば、こちらのお店で浴衣をレンタルしてはいかがでしょう。
手ぶらで訪れても、浴衣が初めてでも、約200種類の浴衣の中からお気に入りの一着をプロの着付け師がスタイリングやコーディネートしてくれるので安心です。女子旅、男子旅、カップルはもちろん、小学生以上(※身長130センチメートル以上なら年齢制限なし)であればレンタルできるので、家族でも気軽に楽しめます。
妊婦さんも安心して浴衣が楽しめる「マタニティープラン」や、自分の浴衣を持ち込んで着付けをしてくれるプランもあります。朝10時から夜22時までと、ほぼ1日借りることができるのもうれしいですね。
木屋町小路
湯の里通りの御所の湯そばから木屋町通りにぬける道沿いにあるのが「木屋町小路」です。
「和のにぎわい」をテーマにした観光スポットで、但馬牛や温泉たまごプディング、海鮮せんべい、おかき、お酢などのグルメスポットをはじめ、麦わら細工、木彫製品、エステのお店など、バラエティー豊かなお店が集まっています。
休憩スペース「三十三間広場」には、「火伏壁(ひぶせかべ)」という防火壁があります。これは1925(明治35)年に起きた北但大震災から復興したという歴史を持つ、城崎温泉の新たなシンボルとして、設置されたそうです。
また敷地内には、志賀直哉の小説「城の崎にて」に登場する小動物のモチーフがあちこちに隠れているので、ぜひ探してみてください。
城崎ビネガー
「木屋町小路」にある「城崎ビネガー」は、城崎温泉近郊の美作郡香美町香住にある1912(大正元)年創業の酢や醤油、だしなどの発酵調味料を製造販売している「トキワ」の直営店です。ジュース感覚で体に良いとされるお酢をジュース感覚で楽しめる濃縮タイプの果実酢「城崎ビネガー」を販売しています。
試飲もできるので、お好みの味をお土産やプレゼントに選べます。また、お好みのジュースとお酢をブレンドして飲むことができる店頭販売限定のお酢ドリンクもあります。湯上がりに美容と健康にもうれしいお酢ドリンクを味わってみてください。
城崎麦わら細工伝承館
日本で唯一、城崎だけで作られている「麦わら細工」は、鮮やかな色彩に染めた麦わらを使って、小箱やこけし、ハガキなどの小物に細かい細工を施していく伝統工芸品です。
かつて、シーボルトコレクションの1つにも麦わら細工があって、1902(明治35)年の万国博覧会では最高名誉賞牌を受賞したそうです。
木屋町通りの入り口の「桜橋」を渡ってすぐの「城崎麦わら細工伝承館」では、麦わら細工の現代の職人の作品約40点をはじめ、明治から大正・昭和初期までの約200点の作品も展示されています。
また、施設内には麦わら細工の製作体験コーナーもあって、ハガキや小さな額、うちわ、竹とんぼ、風鈴などを作ることができます。体験にかかる時間は15〜30分程度なので気軽にチャレンジして、旅の思い出作りとしてぜひ体験してみてください。
センター遊技場
温泉街で楽しめてどこか懐かしさを感じさせる娯楽といえば、まず思い浮かぶのが「射的」ではないでしょうか。「センター遊技場」は、城崎温泉にある3つの遊技場の1つで、射的やパチンコ台が横になったような「スマートボール」などで遊ぶができます。
レトロな雰囲気の中、仲間やカップル、家族で盛り上がりながら楽しんでください。
まんだら湯
JR城崎温泉から大谿川沿いの木屋町通りを大師山方向に歩いていくと、通りの終わりに「曼荼羅橋」がかかっています。橋を渡った山すそにあるのが、お寺のような屋根と外観が特徴の「まんだら湯」です。
717年に温泉寺を開いた道智(どうち)上人が、難病の人々を救うために名湯を発見したいと祈ったところ、夢の中に白髪の老人が現れました。そして、老人の教えのとおり、今のまんだら湯の場所で八曼陀羅経(はちまんだらきょう)というお経をあげながら千日間祈り続けたそうです。
するとちょうど千日目に温泉が湧き出たといわれています。
城崎温泉の中で浴槽を設けたのはこちらが最初といわれています。また、それから800年後、突然熱湯となった時には、ちょうどこの地を訪れていた京都の僧日真上人が書いた曼荼羅を源泉の底に沈めて祈祷を行ったところ、数日で適温に戻ったとも伝えられています。
前庭には、このまんだら湯の由来を書き記した碑が立っています。城崎温泉の外湯の1つで「商売繁盛、五穀豊穣、一生一願の湯」とも言われています。桶の形をした露天風呂や気泡風呂があります。
極楽寺
「まんだら湯」から更に奥まった一角にある「極楽寺」は、出石(いずし)の高僧・沢庵(たくあん)和尚が再興した古い禅寺です。お寺は自然に囲まれていて静寂な雰囲気が漂います。境内には美しい石庭の「清閑庭」があります。
また、極楽寺裏の墓地を通り過ぎると、岩かげから清水が湧き出ていて、「独鈷(どっこ)水」と呼ばれています。
かつて道智上人が「まんだら湯」を発見するために千日間祈願を行いましたが、手に持っていた仏具の「独鈷(どっこ)」で岩壁をつついたところ、清水が湧き出たことから名付けられました。
この独鈷水は真夏に日照りが続いても絶えず湧き出していて、極楽寺の山門をくぐった場所におかれている手を洗うための「蹲(つくばい)」に引かれています。無病長寿のご利益があるそうです。
薬師公園ポケットパーク周辺〜大師山エリア
城崎温泉の源泉である「元湯」をはじめ、城崎温泉発祥のお湯とされる「鴻(こう)の湯」、そして、城崎温泉を湯治場として整備した道智(どうち)上人が開いた「温泉寺」や温泉寺の宝物や町内の埋蔵文化財を展示している「城崎美術館」など、城崎温泉の歴史を身近に知ることができるスポットが数多くあるエリアです。
「城崎温泉ロープウェイ」に乗って大師山山頂まで登れば、城崎を遠くまで一望でき、四季によって変わる自然の絶景を楽しむこともできます。町を散策しながら、足湯や自分で作る温泉たまご、スイーツなどの食べ歩きも楽しめます。
薬師公園ポケットパーク足湯
JR城崎温泉駅から歩いて約15分の「薬師温泉ポケットパーク」は、城崎温泉の泉源である「元湯」を中心に整備された公園です。「元湯」のそばには足湯もあって、町歩きの途中に気軽に温泉気分を味わえます。歩き疲れた足をお湯につけて、ホッと一息ついてみてはいかがでしょう。
城崎ジェラートカフェChaya
薬師公園ポケットパークにある「城崎ジェラートカフェChaya」は、厳選した天然素材を使ったジェラートのお店です。ジェラートは手作りにこだわっていて、1つ1つ丁寧に作っています。定番商品のほか季節限定の味なども楽しめます。
また、城崎温泉の源泉から引いた「温泉たまご場」が設置されていて、こちらで購入したたまごを使って自分で「温泉たまご」を作ることができます。ジェラートや温泉たまごを食べながら、ポケットパークの足湯に入ったり、街歩きを楽しんでください。
鴻の湯
今から約1,400年前、舒明(じょめい)天皇の時代に、コウノトリが足の傷をいやしたことで発見されたのが城崎温泉の起源とされていますが、それが「鴻(こう)の湯」です。「夫婦円満、不老長寿、しあわせを招く湯」とも言われています。
温泉街の通りから少し離れている閑静な場所にある外湯で、庭園露天風呂があります。
城崎温泉ロープウェイ
「城崎温泉ロープウェイ」は「薬師公園ポケットパーク」の近くにある「山麓駅」から「温泉寺駅」を経由して、大師山山頂の「山頂駅」までの最大高低差約200メートルを約7分で結んでいます。
城崎出身で富山県にある「黒部第四ダム」を完成させた関西電力初代社長の太田垣士郎(おおたがきしろう)氏の発案で、ダム建設の技術も用いて完成させたものです。1963(昭和38)年から営業を開始し、長年、城崎温泉の観光スポットとして人気を集めています。
コンクリート造りの3つの駅舎はそのデザイン性と歴史的背景から2017年には国の登録有形文化財にも認定されています。温泉寺駅で降りると「温泉寺」や「城崎美術館」、また、山頂まで上がると「温泉寺奥の院」など、観光スポットが数多くあります。
山頂駅にある展望台からは城崎温泉をはじめ遠くまで見渡すことができます。春には桜がきれいです。山頂には「みはらしテラスカフェ」もあってのんびり過ごせます。
また、的に当たれば一願成就のご利益があるという「かわらけ投げ」ができるスポットもありますので、ぜひ運だめしにチャレンジしてみてください。
温泉寺
717年に城崎を訪れた道智(どうち)上人は、難病の人々を救うために一千日間の祈願の末、「まんだら湯」を発見しました。
そして737年には、現在の城崎町「観音浦」に漂着した「十一面観音像」をご本尊としてお寺を開き、翌年の738年には聖武天皇から「末代山温泉寺」の名前を賜りました。
城崎温泉を守護するお寺として地元の方たちに信仰されています。ご本尊の「十一面観音像」は国の重要文化財にも指定されていて、4月24日に行われる「開山忌」の年1回と、33年に一度のご開帳の期間にのみ公開されている「秘仏」です。ほかにも「温泉寺縁起帳」など城崎温泉の歴史を知ることができる宝物を数多く所蔵しています。
自然豊かな大師山の中腹にあることから、春は桜、初夏のあじさい、夏の花火、秋の紅葉、そして冬は雪景色と、温泉寺の古い建物とともに四季折々の景色を楽しむことができます。
城崎美術館
「温泉寺」本堂の東側にある「城崎美術館」では、温泉寺に伝わる古い仏教美術品を一同に展示しているほか、城崎町内で遺跡の発掘調査した際に発見された埋蔵品を展示しています。温泉だけではない城崎の歴史や魅力を知ることができるスポットです。
城崎珈琲 みはらしテラスカフェ
「城崎温泉ロープウェイ」で大師山山頂まで登ると、自家焙煎コーヒーと軽食を楽しみながら、城崎温泉を一望できる「城崎珈琲 みはらしテラスカフェ」があります。店内は、木製家具が配置されていて、落ち着いた雰囲気です。
コーヒーは生豆から厳選したものを自家焙煎や自家ブレンドにこだわっています。そして、店内では専門スタッフが専用のエスプレッソマシンで丁寧に抽出した香り高いスペシャルティーコーヒーを堪能できます。
但馬牛と八鹿豚(ようかぶた)を使ったオリジナルソーセージを自家製パンで挟んだ「ホットドッグ」や、無農薬米を使った「みたらし団子」や「玄米ソフトクリーム」、厳選の本わらび粉で作った「わらび餅」やパフェといったスイーツと、コーヒーを合わせて、景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごしてください。
城崎温泉その他のエリア
城崎温泉は温泉街だけでなく、その周辺には太古の昔の地球の活動を感じることができる「玄武洞」をはじめ、自然を感じながら楽しめるスポットが点在しています。城崎温泉の中心からはレンタサイクルや車・タクシーなどで行くことができます。
玄武洞公園
城崎温泉からタクシーで約7分の場所にある「玄武洞公園」は、160万年もの太古の昔に起こった火山活動で流れ出した溶岩が冷え固まる時に、規則正しい六角柱の割れ目ができた岩盤の「柱状節理」が見られる一帯を整備した公園です。「山陰海岸ジオパーク」に含まれていて、世界的にみても貴重な地形を観察することができます。
公園名にもなっている「玄武洞」は、今から約6000年前、波に洗われて姿を現したもので、その後、採石が行われたために洞となりました。「玄武洞」という名前は、江戸時代の1807年に幕府の儒学者「柴野栗山(しばのりつざん)」によって名付けられました。
その後、明治時代になって岩石の日本名を決めるときに、この辺りで見られる岩石を「玄武岩」と命名しました。
公園内には、玄武洞のほかにも青龍洞、白虎洞、北朱雀洞、南朱雀洞と5つの洞があります。例年9月中旬〜11月上旬まで、玄武洞と青龍洞のライトアップも行われて、また違う幻想的な雰囲気が楽しめます。
あじさいの名所でもあることから、毎年6月下旬の開花の時期には「あじさいまつり」も開催されています。
玄武洞ミュージアム
玄武洞公園の入り口、豊岡市内を流れる円山川そばにある「玄武洞ミュージアム」では、玄武洞の紹介とともに、山陰海岸でゾウの足跡が多く発見されていることから、全長7.6メートルの巨大なアジアゾウ(ステゴドン)、迫力あるティラノザウルスなどの化石を展示しています。
ほかにも美しい宝石や鉱石なども合わせると約2,500点を常設展示している石の博物館です。また、国の伝統的工芸品にも指定されている「豊岡杞柳(きりゅう)細工」の歴史や製造工程、作品などを紹介しているほか、杞柳細工の原料の「コリヤナギ」と藤を使って、コースターやかご作りの体験もできます。
但馬牛や但馬鶏を使った料理やスイーツなどを味わえるレストランや、豊岡杞柳細工のバッグや石のアクセサリー、豊岡や城崎のお土産などが並ぶショップも併設されています。地元の素材を使っている玄武洞に因んで作られたお菓子も販売しています。
鼻かけ地蔵
円山川をはさんで城崎温泉の向かい岸には、氷河期の頃の谷だった楽々浦(ささうら)という入江があります。昔から景勝地として知られていて、特に紅葉の時期には湾の水面とのコントラストが美しいスポットです。
そのほとりに「鼻かけ地蔵」の小さなお社があります。昔、村の漁師が見た夢のお告げどおりに楽々浦からお地蔵さまを引き揚げておまつりしたところ、お地蔵様の鼻から必要な時だけお米が出てくるようになったそうです。
この話を伝え聞いた欲張りな村人がたくさんのお米が出てくるようにと鼻の穴をノミで大きくしたところ、お米が出なくなってしまったそうです。この昔話から、1つの願いごとのみを叶えてくれると言われています。毎年6月には「鼻かけ地蔵祭り」が開催されます。
円山川公苑
「円山川公苑」は円山川の下流にあって、円山川の自然を活かしたカヌーやカヤック、夏季のプールやインラインスケート、冬季のアイススケートといった様々なアウトドアスポーツやレジャー、美術鑑賞が楽しめる施設です。
公苑ではカヌーやカヤックなどの体験イベントなども開催しています。冬季だけのアイススケートリンクは北近畿では唯一の屋外リンクです。
施設内には美術館もあって、但馬ゆかりの芸術家の作品を約130点所蔵しています。これらのコレクション展や、但馬地域で創作活動をしている芸術家を紹介する企画展などを開催しています。
来日岳
「来日岳(くるひだけ)」は、城崎町にある標高約567メートルの秀峰です。登山道が整備されていて、道中では、様々な植物や野鳥が見られます。山頂からは、眼下に山陰海岸国立公園を一望できます。秋には、気象条件がそろった早朝に見られる雲海が有名な絶景スポットです。
来日岳の中腹には「紅葉平」と呼ばれる紅葉スポットもあります。例年10月下旬から11月上旬にかけて紅葉の見頃をむかえます。東屋やトイレも設置されているので、登山途中の休憩場所としてもピッタリです。
海岸エリア
城崎温泉からは車で約10〜20分と、少しだけ足を伸ばせば、ユネスコ世界ジオパークに認定された「山陰海岸ジオパーク」にも含まれていて、入り組んだリアス海岸の続く素晴らしい景観を楽しめる海岸エリアに行くことができます。
海沿いの美しい眺めはもちろんですが、海辺のレジャーや海の動物とのふれあい、また、新鮮な海の幸グルメなど海岸エリアならではの楽しみ方ができるスポットがあります。
城崎マリンワールド
JR城崎温泉駅からバスで約10分の「日和山(ひよりやま)」バス停で下車してすぐの「城崎マリンワールド」は、「水族館以上であること」をテーマに、誰もが持っている水族館のイメージを超えて、面白いこと、楽しいこと、素敵なことを提供してくれる体験型の施設です。
海岸の入り江にある「シーランドミュージアム」で開催されている「イルカ・アシカショー」は、毎年ショーの内容が変わります。途中、バージョンアップすることもあって、何度出掛けても新しい魅力を発見できます。プール、ステージと観客席が近いので臨場感たっぷりのショーが楽しめます。
イルカにタッチ、ペンギンとお散歩、といった海の動物とのふれあいや、ショーも観るだけではなく参加できたり、磯遊びで実際にヒトデやウニに触れることもできます。「バックヤードツアー」に参加して水族館の裏側を見学することもできます。
そして、なんと水族館で「アジ釣り」ができるんです。そして釣れたアジは天ぷらにして食べられます。
施設の目の前には日本海が広がっているので、海岸でお弁当を広げたり、旅の記念に写真をとったりと、いろいろな楽しみ方もできます。施設内には、日本海が一望できるカフェ&レストランやオリジナルグッズやお土産を販売しているショップもあって、家族やカップルで1日楽しめます。
日和山海岸
「日和山(ひよりやま)海岸」は円山川の河口に位置しています。波の浸食によって入り組んだ海岸線には、大きな入り江や岩石が数多く並んでいて、景観が美しいのが魅力です。海岸沖に浮かぶ「後ヶ島(のちがしま)」は昔話「浦島太郎」の伝説がある場所で、島には竜宮城が建っています。
入り江にある津居山(ついやま)港は大型の漁船が出入りして、日本海の豊富な海の幸が水揚げされます。冬には松葉ガニの高級ブランド「津居山かに」の水揚げで更に活気づきます。
津居山港漁協フィッシャーマンズビレッジ
城崎温泉から車で約5分の津居山(ついやま)港の市場から近い場所にある「津居山港漁協フィッシャーマンズビレッジ」は、但馬漁業協同組合の直営店です。
日本海で獲れたばかりの新鮮な海の幸を次々と競り落として、どのお店よりもいち早く店頭に並べることができるのは、その立地と漁協直営ならではですね。
春はホタルイカ、夏は一夜干ししたスルメ、秋にはカレイやハタハタ、そして冬は鮮度抜群のブランド松葉ガニの「津居山かに」といった、旬の海の幸が店頭に並びます。産地ならではの水槽で泳ぐ生きたカニも見ることができます。わかめ本来の食感や香りが楽しめる、但馬産「天然乾燥わかめ」もおすすめです。
竹野浜海水浴場
城崎温泉から車で約20分の「竹野浜海水浴場」は日本海に飛び出た「猫崎半島」を西側に眺められる海水浴場です。遠浅で泳ぎやすいことから、子どもと一緒に海水浴が楽しめると人気のスポットです。
サラサラの白砂のビーチが約1キロメートルも続く山陰海岸の景勝地としても知られていて、「快水浴場100選」や「日本の渚100選」にも選ばれています。
また、海水の水質や透明度も関西屈指の素晴らしさで、2015(平成27)年には、環境省の海水浴場の水質調査で最高ランクの「水質AA」と認められました。
夏季の海水浴シーズンには、潮風が通るゴザの座敷が素朴な雰囲気の「浜茶屋」がオープンします。カレーや丼、飲み物がお手頃価格で販売されて、日差しを避けて涼しく、くつろぐことができます。
はさかり岩
竹野町の海岸線を走ると、海から突き出したように立つ2つの大きな岩に丸い巨岩が挟まれた「はさかり岩」が見られます。ダイナミックの奇岩は世界ジオパークにも認められた「山陰海岸ジオパーク」の見どころの1つです。
「はさかり」は「挟まる」の方言だそうです。落ちそうで落ちない岩ということから、「合格祈願」や「就活成就」のご利益があると人気のスポットです。城崎温泉からは車で20分ほどで行ける場所なので、ぜひ訪れて雄大な景色を楽しんでください。
出石エリア
「出石(いずし)」は、「但馬の小京都」とも呼ばれている城下町です。「古事記」や「日本書紀」にもその名が記されているほどその歴史は古く、室町時代には山名家が此隅山(このすみやま)城を建ててこの地を治めていました。
戦国時代に織田信長軍によって山名家が滅んだ後、江戸時代になると城が山の麓に移されて城下町が整備されました。今も、その歴史を伝える様々なスポットが、古い町並みの中に数多く点在しています。
城崎温泉からは車で約40分で行くことができるので、城崎温泉とはまた趣きの違う小京都「出石」まで足を伸ばせば、さらに充実した旅となること間違いなしです。
辰鼓楼
「辰鼓楼(しんころう)」は、1871(明治4)年、出石城の旧三の丸大手門脇にあるやぐら台に建てられました。
建設当時は、太鼓を鳴らして時を知らせていましたが、1881(明治14)年に城下町で開業していた医師の池口忠恕(ちゅうじょ)氏によってオランダ製の機械式大時計が寄贈されてからは、時計台として親しまれています。
現在の大時計は3代目で、町のシンボルとして今もなお活躍しています。
出石城跡
江戸時代の初め1604年、出石城はそれまで有子山山頂にあった城をふもとに移して築城し、今もその面影が残る城下町を形成しました。1868(明治元)年、江戸幕府の終わりとともに出石城も取り壊されましたが、1967(昭和43)年に、かつての本丸跡を活かして隅櫓(すみやぐら)が再現されました。
その後、1994(平成6)年には登城門とその前にかかる登城橋も再建されています。春は桜の名所としても有名なスポットです。また、有子山の山頂近くには37基の朱塗りの鳥居が美しい「有子山稲荷神社」もあります。
出石永楽館
「出石永楽館」は1901(明治34)年に開かれた近畿で最も古い芝居小屋です。その当時、歌舞伎をはじめ、新派劇や寄席などが上演されて、但馬の大衆文化の中心として賑わっていたそうです。時代の変化とともに1964(昭和39)年に閉館しましたが、永楽館を懐かしむ声が上がるようになりました。
そして2008(平成20)年、大改修の末44年ぶりに復活しました。現在、定期的な歌舞伎公演のほか、落語、演劇、狂言などさまざまなジャンルの芸能が楽しめます。公演のない日には館内見学も開催されていて、廻り舞台・奈落・花道といった大正時代の舞台を復元した現在の永楽館の舞台裏を見ることができます。
豊岡市立美術館 伊藤清永記念館
「豊岡市立美術館 伊藤清永記念館」は、裸婦像で知られる出石出身の洋画家「伊藤清永(きよなが)」画伯の数多くの作品や愛用していた画材などのほか、地元豊岡出身の画家の作品を多く収蔵しています。
収蔵作品を展示する常設展のほか、年2〜3回の特別展も開催しています。また、館内ではオリジナルグッズや書籍などを販売しています。特別展期間中には限定グッズも販売しています。美術鑑賞の思い出に、旅のお土産として選んでみてはいかがでしょう。
出石史料館
「出石史料館」は、近世の出石藩時代の史料などが展示されている施設で、明治時代の生糸商人の旧屋敷を建物として使っています。主屋の間取りからは当時の町家の雰囲気を感じられます。展示資料はもちろんですが、屋敷内の様子からも出石の歴史を知ることができます。
出石明治館
水色でレトロな雰囲気の洋風な外観が特徴的な「出石明治館」は、1887(明治20)年に建てられた旧郡役所です。明治時代の政治家で「気象予報の父」とも呼ばれる「桜井勉」をはじめとした、出石出身の偉人を紹介する展示を常設で行っています。
宗鏡寺(沢庵寺)
出石町の入佐山にある「宗鏡寺(すきょうじ)」は、1392年、当時の出石城主だった山名氏清公によって創建されました。
戦国時代になると織田信長によって山名家が滅ぼされたことで、寺も一度荒廃してしまいましたが、江戸時代の1616年に出石出身の沢庵(たくあん)和尚によって再興されました。
そのため「沢庵寺」とも呼ばれています。「たくあん」と言えば、お漬物が頭に浮かびますが、沢庵和尚が考案したことから、この名前がつきました。
宗鏡寺では、沢庵和尚伝承の作り方で、地元の子どもたちと一緒に、減農薬の原材料で化学調味料無添加のたくあん漬けを作っています。
また、たくあん漬けは元々「貯え漬け」とも呼ばれていたことから、幸を貯えてくれるという「貯え守り」や、身代わりになって厄を払ってくれるという大根の形をした手作りのお守り「身代わり大根」もお寺の受付で授与してもらえます。
松下幸之助氏によって寄進された禅堂では、坐禅や写経、写仏といった「禅体験」もできます。体験の後は、沢庵漬けの由来となった御膳を味わえます。日常とは違った旅の思い出に「禅」の体験をプラスしてみてはいかがでしょう。
体験は完全予約制なので、詳細はホームページをご覧ください。
宗鏡寺HP
出石家老屋敷
「出石家老屋敷」は、出石城内に唯一残っている江戸時代の建物で、かつては家老級の上級武士の住居でした。外観からは平屋建ての建物のように見えますが、実は内部には隠し階段があって、二階建てです。
襲撃に備えて作られたと考えられ、二階部分の天井は刀が使いづらいようにするためか低くなっていて、屋根の上へ行ける通路もあります。
江戸時代の三大お家騒動の1つ「仙石騒動」の中心人物だった仙石左京の屋敷跡に立っていることから「左京屋敷」とも呼ばれています。屋敷内には仙石騒動をはじめとする出石藩に関する資料や、大名行列の道具などが展示されています。
城崎温泉の人気グルメスポット
松葉ガニ
日本海の冬の味覚である「ズワイガニ」は、水深200〜400メートルの深海の、特に能登半島沖から若狭湾、隠岐島周辺にかけての海域に多く生息しています。
その土地によって呼び名が変わるのも特徴で、兵庫・鳥取地方ではオスのズワイガニは「松葉ガニ」と呼ばれています。また、メスは「セコガニ(またはセイコガニ)」、脱皮直後の甲羅の柔らかいオスは「水ガニ」とも呼ばれます。
「松葉ガニ」は資源保護のため、漁獲期間は11月から3月の決められた期間のみとなっています。一般に市場に多く出回るオスに比べて、はるかに小ぶりなメスのカニは更に美味しいのですが、漁獲期間が2ヵ月間と短く稀少なことから、「カニの王様」とも言われ人気があります。
城崎温泉からほど近い丸山川河口にある津居山(ついやま)港で水揚げされるものは特別で、「津居山かに」と呼ばれていて、日本随一の品質が自慢です。「津居山かに」には、その証として漁船名入りの青いタグがつけられています。
毎年、初競りには1杯5〜6万円もの高値がつくほどで、だしではなくシンプルにお湯にくぐらせただけの「カニしゃぶ」でもおいしいという品質の高さです。
城崎温泉でも冬になると専門の飲食店や宿泊施設などで、刺身や茹でガニ、焼きガニ、カニすきなど、産地ならではの様々なカニ料理を楽しめます。また、新鮮なカニをお土産として持ち帰ることもできるのです。
「おけしょう鮮魚」は、JR城崎温泉駅から歩いて3分ほどの駅通り沿いにある老舗の鮮魚店で、近くの津居山港直送の新鮮な魚介類はもちろん「松葉ガニ」のプロフェッショナルです。こだわりの仕入れで地元の方はもちろん、城崎温泉の旅館や飲食店などにも幅広く利用されています。
「おけしょう鮮魚」の2階にあるレストラン「海中苑」では、1階の鮮魚店で仕入れた魚介類を全てお好みで料理してくれます。「松葉ガニ」は11〜3月の漁獲期間に堪能できます。1杯のかにの半分は「かに刺し」で、あと半分は「焼がに」でといった要望にもこたえてもらえるのも鮮魚店ならではですね。
通年で楽しめるような「かにメニュー」や揚げ物、お造りの定食、季節や日によって変わる11種盛の「海鮮丼」などもおすすめです。旅行の際のお食事としてはもちろんですが、宅配での配送にも対応してくれるので、日本海の新鮮な魚介類をお土産として選んでもよいですね。
但馬牛
兵庫県北部の但馬地域で生産されている「但馬牛」は、他の県の牛との交配をしない「閉鎖育種」という方法でその血統を守っています。但馬地域の山間部は、雨が多いことから綺麗な水に恵まれ、豊かな自然に囲まれた、静かでストレスを感じない環境で、良質の牛を育てるのにぴったりの場所です。
「神戸牛」や「松坂牛」、「近江牛」といった有名なブランドビーフも、実は牛の品種ではなくて、但馬牛が各地の生産者に大切に育てられて高い評価を得て、それがブランドとなっているのです。
赤身にバランスよく「サシ」と呼ばれる霜降りになった脂肪が入っているのが特長のお肉で、肉そのものとしての味の良さはもちろんですが、そこに良質な脂肪の甘みが加わった但馬牛の「サシ」によって、まさしく『とろけるような味わい』となります。
城崎温泉の飲食店や宿泊施設などでも、生産地に近いことから但馬牛を使ったいろいろなグルメを堪能できます。
JR城崎温泉駅近くの「いろりダイニング三國」では、兵庫県香美町にあって数々の品評会にチャンピオン牛を出してきた「上田畜産」から、月2~3頭しか出荷されないという稀少な但馬牛「但馬玄(たじまぐろ)」を半頭買いしています。
塩や米、野菜も地元産にこだわっていて但馬の味を楽しめる、但馬牛専門のダイニングレストランです。
但馬玄のステーキはもちろん、牛骨スープにこだわった「但馬ビーフカレー」や赤ワインでじっくり煮込んだ「但馬ビーフシチュー」、限られた部位のみを使っていて限定メニューの「但馬牛カツレツ」、塩コショウのシンプルな味わいの「但馬牛ローストビーフ丼」まで、いろいろな但馬牛のメニューがあります。
またステーキの薬味として、地元産の「わさび」を添えてあります。300年続く地元のわさび農家から仕入れていて、但馬牛にのせて食べるとわさびが「甘く」感じられるほどです。地元産のお米をこだわりの土鍋で炊いたご飯も注文できますので、ご当地食材を存分に味わってください。
湯あがりぷりん
「湯あがりぷりん」は、城崎温泉名物となっている7つの外湯めぐりにちなんで作られた、かりんとう専門店「円山菓寮」の城崎店限定スイーツです。
毎朝、新鮮なうちに運んでもらった地元産の低温殺菌牛乳と生クリーム、新鮮な卵といったこだわりの材料を使っていて、オーブンでじっくり焼き上げて作ります。
「地蔵湯」や「柳湯」のすぐ近く、大谿(おおたに)川沿いにお店はあります。温泉に入った後に店内でゆっくり座って食べても、また温泉街を食べながら散策したりするのもいいですね。
海鮮せんべい
城崎温泉といえばカニをはじめ日本海の豊かな海鮮グルメが名物ですが、なかでも水揚げされる海老の種類は豊富です。JR城崎温泉駅から歩いて約10分、湯の里通り沿いにある「海老のや」は、日本海で獲れる海の幸を使ったおせんべいを販売しています。
海老と様々な味を合わせた「海老せんべい」は約50種類もあります。ご当地グルメの「カニ」や「但馬牛」の海老せんべいもあって、パッケージもカラフルな小袋入りなのでお土産としてもぴったりです。
また店頭では、「海老入り揚げたて餅」も販売しています。短冊状に切ったお餅を高温の米油でカラッと揚げたものに、お店オリジナルのブレンド塩をまぶしてあります。揚げたてを食べながら温泉街を散策してもいいですね。
出石そば
出石(いずし)のご当地グルメ「出石そば」は、出石焼の小皿に盛り付けた「皿そば」を5枚一組で一人前として食べるという独特のスタイルです。たまごやとろろ、ねぎ、大根おろし、わさびなどの薬味と徳利に入ったダシで味わいます。
江戸時代中期に出石藩の藩主に国替えとなった仙石氏が、もともとの領地だった今の長野県の信州上田藩からそば職人を一緒に連れてきたのが、出石そばの始まりといわれています。
現在、約50軒ものそば屋さんがが並ぶ出石は、関西屈指のそば処として知られています。各店が工夫を凝らして、お店独自の味を作り上げているほか、自分で打ったそばを食べることができる「そば打ち体験」を行なっているお店も数件あります。
「入佐屋(いるさや」は、出石の古い町並みに合う和風の建物で、お店は夫婦で切り盛りしています。北海道産の粉を使った手打ちそばで、そばのコシと食感にこだわっていることから、暖かいそばのメニューはありませんが、お好みでダシは温めてもらえます。
そば打ち体験もできます(※要予約)。
城崎温泉への主要エリアからのアクセス・所要時間
兵庫県北部の日本海側にある豊岡市内の城崎温泉へのアクセスは、出発エリアによっては移動手段を組み合わせての旅行となります。予算とスケジュールによって最適なものを選んでください。乗り継ぎ時間もありますので、時間に余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。
大阪から
- 飛行機+バス:約1時間15分(35分+40分)
伊丹空港→(JAC)→コウノトリ但馬空港→(但馬空港連絡バス)→城崎温泉駅 - 鉄道(特急「こうのとり(福知山経由)」・「はまかぜ(三ノ宮経由)」):2時間40分〜3時間
大阪駅→城崎温泉駅 - 高速バス(全但バス):3時間〜3時間15分
大阪(阪急三番街高速バス乗り場)→城崎温泉駅 - 車:約3時間30分
大阪方面→(中国自動車道)→吉川JCT→(舞鶴若狭自動車道)→春日JCT→(北近畿豊岡自動車道)→日高神鍋高原IC→(国道312号線)→豊岡→城崎温泉
神戸から
- 鉄道(特急「はまかぜ」):約2時間30分
JR三ノ宮駅→城崎温泉駅 - 高速バス:3時間10〜20分
神姫バス神戸三宮バスターミナル→城崎温泉駅 - 車:約3時間
三ノ宮→(新神戸トンネル有料道路)→箕谷IC→(阪神高速7号北神戸線)→唐櫃南IC→(六甲有料道路)→(六甲北有料道路)→神戸三田IC→(中国自動車道)→吉川JCT→(舞鶴若狭自動車道)→春日JCT→(北近畿豊岡自動車道)→日高神鍋高原IC→国道312号線)→豊岡→城崎温泉
東京から
- 飛行機+バス:約2時間40分(2時間+40分)
羽田空港→(JAL)→伊丹空港→(JAC)→コウノトリ但馬空港→(但馬空港連絡バス)→城崎温泉駅 - 鉄道(新幹線+特急「きのさき」):5時間〜5時間20分
東京駅→(新幹線)→京都駅→(特急「きのさき」)→城崎温泉駅 - 夜行バス:12時間40分
東京駅鍛冶橋駐車場→城崎温泉駅
名古屋から
- 鉄道(新幹線+特急「きのさき」):約3時間20分
名古屋駅→(新幹線)→京都駅→(特急「きのさき」)→城崎温泉駅
福岡から
- 飛行機+バス:約3時間5分(2時間25分+40分)
福岡空港→(JAL・ANA)→伊丹空港→(JAC)→コウノトリ但馬空港→(但馬空港連絡バス)→城崎温泉駅
コウノトリ但馬空港・JR城崎温泉駅を紹介
コウノトリ但馬空港
城崎温泉のある兵庫県豊岡市の「コウノトリ但馬空港」は、大阪国際(伊丹)空港から1日2便のみの短距離航空路線の空港で、城崎温泉の最寄り空港となります。大阪・伊丹からは約35分、東京からは伊丹乗り継ぎで最短約2時間で到着です。JR城崎温泉駅までは但馬空港連絡バスで約40分です。
2階建てのターミナルビルは、1階に出発・到着ロビーと喫茶、売店があります。屋上は展望デッキになっていて、離発着する飛行機の様子を眺めることができます。
JR城崎温泉駅
「城崎温泉駅」は、JR西日本在来線「山陰本線」の停車駅です。電車を降りれば、そこはもう城崎温泉です。駅前には「飲湯場」や、城崎温泉の各宿泊施設が奉納した下駄が並ぶ「下駄奉納板」もあります。下駄を利用されるお客様の足元の無事を祈願して奉納されているそうです。
改札前には、売店の「おみやげ街道 但馬・丹後いいものショップ」があります。但馬・丹後地区のお土産が並んでいるので、旅の終わりにお土産を買い足したり、帰りの電車の中で食べる駅弁を買ってもいいですね。
城崎温泉の年間イベント情報
4月
温泉祭り
城崎温泉の中でも最も古いお祭りといわれています。正式には「開山忌」といって、温泉寺を開山し、城崎温泉の開祖とも言える道智上人に感謝をする町民総出の大きな祭りです。例年4月23・24日の2日間、温泉寺をはじめ、温泉街の各所でにぎやかに開催されます。
5月
しょうぶ湯祭り
中国では古くから5月5日に病気や厄を払う行事が行われていて、これが日本に伝わって薬草の「しょうぶ」や「よもぎ」を飾って厄除けをするようになりました。江戸時代になると「しょうぶ」が「勝負」に通じるとして、武家の間で男子誕生を祝う日となっていったそうです。城崎温泉でもこの日の前後には、外湯や各宿泊施設の湯船に「しょうぶ」を浮かべて、季節の香りを楽しみながら無病息災を祈願します。
6月
鼻かけ地蔵尊祭り
例年6月第1日曜日に、楽々浦のほとりの「鼻かけ地蔵」で行われる例祭です。祭り当日は柴燈(さいとう)護摩供養をはじめ、地域の方たちによる餅つきやお餅の振る舞い、福引き、ヨーヨーすくいなどが行われます。
7月
薬師祭り(祇園さん)
4月の温泉祭りと並んで、城崎温泉のお祭りの中では最も古くから行われているお祭りで、通称「祇園さん」とも呼ばれています。「温泉寺」山門を入ってすぐの場所にある「薬師堂」にまつられている「薬師如来」は医学の仏さまで温泉を守護しているといえます。
例年、7月8日に開催されていて、薬師如来と温泉の恵みに感謝します。当日は、全国的にも珍しい浴室安全のお札が授与されますので、ぜひお参りして自宅に持ち帰って貼りましょう。
8月
ふるさと祭り
地元の人たちと観光客が一緒に楽しめる催しを目的として開催される「ふるさと祭り」では、町民手作りの屋台が並びます。いろいろなイベントも行われて、打ち上げ花火も華やかです。
10月
四所神社秋季大祭(秋祭り・だんじり祭り)
200年以上も前から続く、温泉の繁栄を祈願する四所神社(ししょじんじゃ)の祭りで、通称「秋祭り」「だんじり祭り」と呼ばれています。毎年10月14日(宵宮)、15日(本宮)に行われている地元総出のお祭りです。絢爛豪華なだんじりが町を練り歩き、太鼓と鐘の音が響き渡ります。「一の湯」前の「王橋」で三つ巴の競り合いをするお祭りのクライマックスは迫力満点です。
11月〜3月 城崎かに王国
城崎温泉は日本海が漁場の松葉ガニの水揚げ港が近く、古くから「かに料理」が湯治客の舌を楽しませています。毎年、松葉ガニ漁の解禁に合わせて「城崎かに王国」が開国して、カニのシーズンを楽しみます。
初日の開国式では開国宣言の後、かにのヘルメットとハッピ姿でマイクの前で叫ぶ、名物の「カニサンアリガトウ」絶叫大会を実施しています。良い結果を残した人には「松葉ガニ」が贈られます。ほかにもカニ雑炊などがふるまわれます。
城崎温泉観光の移動手段
徒歩
城崎温泉の玄関口「JR城崎温泉駅」から一番遠い城崎温泉の源泉「元湯」がある「薬師公園ポケットパーク」や「城崎温泉ロープウェイ」乗り場までは、歩いて約20分ほどで行くことができます。比較的狭く起伏のあまりない地域に温泉街がありますので、ゆっくり外湯めぐり散策を楽しむのであれば徒歩がおすすめです。
レンタサイクル
自転車が好きだったり、体力に自信があるのであれば、レンタサイクルもあります。温泉街から少し離れた「楽々浦(ささうら)」や「円山川公苑」、「玄武洞公園」まで足を伸ばすのであれば自転車で行くのもおすすめです。
レンタサイクルは城崎温泉駅前にある「城崎温泉旅館案内所」で借りられます。普通自転車(ママチャリ)で2時間500円、1日1,000円と手軽なお値段です。スポーツタイプや電動アシスト付き自転車もあるので、お好みで選んでください。
城崎温泉旅館案内所(城崎温泉旅館協同組合)HP
お得なフリーチケット
「ゆかたとかに王国」パスポート
城崎温泉の旅をお得に楽しんでいただくために城崎温泉観光協会で販売している割引クーポンです。協賛している観光施設や飲食店、旅館などでクーポンを提示すると、様々なサービスが受けられます。
【料金】
1冊200円
【発売場所】
城崎文芸館(城崎温泉観光協会)
【有効期限】
購入から1年間
1日ぐるっと、入り放題 外湯めぐり券
城崎温泉の7つの外湯「さとの湯」「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「地蔵湯」「鴻の湯」「柳湯」に1日入り放題のフリーチケットです。通常料金は、1つの外湯で大人800円または600円、小人400円または300円なので、日帰りで1日2カ所以上めぐるのであれば、こちらをぜひ利用してください。
【料金】
- 大人1,200円(中学生以上)
- 子ども600円(3歳以上小学生以下)
【発売場所】
各外湯の窓口
【有効期限】
1日
【公式サイト】
http://www.kinosaki-spa.gr.jp/information/yumeguri/4.html
バス旅ひょうご「城崎温泉・湯村温泉・但馬バス乗り放題きっぷ」
神戸三宮または大阪駅近くの阪急三番街(阪急梅田駅直結)から城崎温泉への往復高速バスに加えて、但馬エリアの路線バス(全但バス・コミュニティバス)が乗り放題のフリーチケットです。高速バスで神戸、大阪方面から城崎温泉へ向かって、城崎温泉と城崎マリンワールドや出石など、城崎温泉街近郊まで足を伸ばしてのバスでめぐる旅行プランであれば、こちらがお得です。
【料金】
- 大人7,900円
- 子ども3,950円
【発売場所】
- 神戸地区:神戸三宮ターミナル[神姫バス]
- 大阪地区:大阪梅田ターミナル(阪急三番街)、新大阪ターミナル[阪急バス]
【有効期限】
連続する2日間(押印日から2日間に限り有効)
【乗車できる高速バス】
高速バスは2回まで乗車できます(乗車する路線が行きと帰りで異なっても可)。また、高速バス利用には予約が必要です。
- 城崎・豊岡-神戸線 神戸三宮〜城崎温泉駅
※神戸三宮では、乗車は「神姫バス・神戸三宮バスターミナル」、降車は「阪急三宮」になります。 - 城崎・豊岡-大阪線 大阪(阪急三番街)〜城崎温泉駅・マリンワールド
【城崎温泉・湯村温泉・但馬エリアで乗り放題になるバス】
- 全但バス
一般路線バス全線/竹田城跡周遊バス「天空バス」/夢但馬周遊バス「たじまわる」 - コミュニティバス
豊岡市「市街地循環バス コバス」/養父市「八鹿コミュニティバス」「関宮ふれあいバス」 「わいわいバス」/朝来市「アコバス」/新温泉町「新温泉町民バス 夢つばめ」/香美町「香美町民バス」
※豊岡市「イナカー」は乗車不可
【公式サイト】
http://www.hyogobus.or.jp/bustabi/tajima
全但バス「城崎マリンきっぷ」
神戸・大阪と城崎温泉・城崎マリンワールド(日和山)を結ぶ全但特急バスの往復乗車券と海岸エリアにある水族館「城崎マリンワールド」の入場券が一緒になったきっぷです。それぞれに購入するよりかなりお得ですよ。
【神戸発(三宮)料金】
- 大人(大学生以上7,000円(通常:9,690円)
- 高校生6,500円(通常:9,690円)
- 中学生5,500円(通常:8,450円)
- 小学生3,500円(通常:4,850円)
【大阪発(大阪・新大阪・千里ニュータウン)料金】
- 大人(大学生以上7,500円(通常:10,490円)
- 高校生7,000円(通常:10,490円)
- 中学生6,000円(通常:9,250円)
- 小学生3,750円(通常:5,250円)
【発売場所】
- 神戸地区:神戸三宮ターミナル[神姫バス]
- 大阪地区:大阪梅田ターミナル(阪急三番街)、新大阪ターミナル[阪急バス]
【有効期限】
往路乗車日を含む7日間
【きっぷの内容】
①特急バス往復乗車券
- 神戸発 神戸三宮~城崎温泉駅
- 大阪発 大阪(梅田)・新大阪・千里ニュータウン~城崎温泉駅・マリンワールド(日和山)間
②路線バス往復乗車券
城崎温泉駅~日和山間
※マリンワールド発着の特急バスをご利用の場合は一部制限があります。
③城崎マリンワールド入場券
【公式サイト】
https://www.zentanbus.co.jp/information/16496/
出石皿そば巡り巾着セット
関西でも屈指のそば処と言われている出石で、独特のスタイルで食べる「出石皿そば」のお店を巡るなら「出石皿そば巡り巾着セット」がお得です。提携した38店舗のそば店のうち3軒で皿そばを楽しめます。巾着に入った永楽通宝が3枚をそれぞれのお店に渡すという遊び心あふれたセットです。また、巾着の提示で、定型観光施設の入場料割引サービスなども受けられます。巾着は出石の特産品「出石ちりめん」で作られているので、小物入れにも使えます。
【料金】
1,800円
【発売場所】
いずしトラベルサービス(出石まちづくり公社(いずし観光センター)内)
【有効期限】
発売より3カ月
【公式サイト】
https://www.izushi.co.jp/sobameguri/
城崎温泉のおすすめ旅行プラン10選
よくある質問Q&A
飛行機でどのくらいかかりますか?
東京からは飛行機で大阪・伊丹空港で乗り継ぎをして約2時間で最寄り空港の豊岡市「コウノトリ但馬空港」に到着します。そこからはバスで約40分で城崎温泉です。
城崎温泉の気候はどうですか?
城崎温泉の位置する兵庫県北部の但馬地方は、日本海に面していて、夏は暑く冬は寒いという、1年間の気温差の大きい気候が特徴です。そして冬には大量の雪が降ります。また豊岡盆地では霧が多く発生することで有名で、秋になると来日岳から望む雲海は幻想的な美しさです。
何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
城崎温泉街の主な観光名所を見て回るだけであれば1泊2日でいいでしょう。ただし、城崎温泉に到着する時間や出発時間によっては、2泊3日と日程に余裕を持ってプランを立てることをおすすめします。