カンボジアってどんなところ?
カンボジアは、東南アジアの国の1つで、正式名称はカンボジア王国です。インドシナ半島南部に位置し、西側はタイ、東側はベトナム、北側はラオスと国境を接しています。隣国へ1日に何便も飛行機が運行しているため、東南アジアを周遊するプランも人気です。
気温が30度を超える暑さのカンボジアは、年間を通して日本の夏のような気候が続きます。1年は大きく分けて雨季と乾季になり乾季は11月~5月頃、雨季は6月~10月です。観光のベストシーズンは、11月~1月頃です。
最高気温30度前後と暑すぎず、雨もほとんど降らないのでカラッとした空気が続きます。ただし、日差しは強いので帽子やサングラスなどの日焼け対策は必須です。
カンボジアの首都はプノンペン、共通言語はクメール語(カンボジア語)ですが、英語が話せる人が多いため、不便を感じることは少ないでしょう。観光地、ホテル、商業施設はもちろん、タクシーやトゥクトゥクでも英語が通じます。
また、カンボジアの通貨は「リエル(Riel)」で、紙幣は50、100、200、500、1,000、2,000、5,000、1万、2万、5万、10万の11種類です。
カンボジア国内では米ドルが一般的に流通しているため、米ドルがあれば事前にリエルへの両替は必要ありませんが、小さな露店などではおつりを用意していない場合もあるので、小額の米ドル紙幣を用意しておくと良いでしょう。
最後にカンボジア国内での移動手段についてですが、基本的に公共交通機関があまり整備されていません。鉄道は一路線だけ運行しているものの、長距離移動用です。都市部や観光地では、乗り合いタクシー・メータータクシー・トゥクトゥクを利用しましょう。
カンボジアの歴史
カンボジアは、とても複雑な歴史的背景を持つ国です。現在のカンボジア王国は1993年に成立した、とても新しい国です。
その昔、9世紀から13世紀にかけて、現在のカンボジアはクメール王朝として東南アジアで大きな勢力を誇りました。19世紀中頃からは、フランスによるインドシナ半島の植民地化が始まり、カンボジアも100年近くフランスの支配下にありました。
そして、ノロドム・シアヌーク王による独立運動の結果、1953年に独立します。しかし、ベトナム戦争の勃発とともに国内でクーデターが起こり、カンボジア内戦に至ります。
内戦下の1975年、カンボジア国内ではポル・ポトが率いるクメール・ルージュ政権が誕生し、都市住民の農村入植と強制労働という極端な原始共産主義への回帰政策を実施しました。そして、役人、学者、富裕層の人々や留学生など、知識人を中心とした大量虐殺を行います。
この期間に約300万人のカンボジア人が命を落としたと言われています。そのため、現在のカンボジアの平均年齢は25歳と世界的に見ても非常に若いです。
1993年に行われた総選挙でシハヌーク政権が復活し、現在のカンボジア王国が始まりました。
未だ東南アジアの中では最貧国と位置付けられているものの、現在は政治情勢・治安ともに安定しています。都市部では、高層ビルや商業施設などの開発が進み、著しい経済成長を遂げています。
カンボジアの宗教と民族性
カンボジアの人口の約9割を占めるクメール人は仏教徒です。国王はカンボジア仏教の頂点とされていて、カンボジア仏教が生活の一部となっています。国中の至るところに寺院があり、仏教関連の祭事や祝日も多いです。
これは東南アジアの仏教国共通ですが、人の頭に触れることは、とても失礼な行為にあたります。なぜなら、人の頭には精霊が宿っていると考えられているためです。可愛い子供などを見たら、思わず日本式に頭をなでてしまいそうですが、決してしないよう注意が必要です。
また、女性は僧侶に触れてはいけないという決まりがあります。お寺では男女ともに肌の露出は極力避けましょう。短いズボンやスカートでは寺院内に立ち入ることができません。
場所によっては、巻く布を貸してくれるところもありますが、寺院に行く際は肌の露出が少ない服装で行くほうが安心です。また、頭を隠すことも禁じられているため、帽子やサングラス、マスクも外しましょう。
初めて行くなら外せない!カンボジアの定番スポット10選
アンコールワット
アンコール・ワットは、北西部のシェムリアップにある「アンコール遺跡」のうちのひとつです。アンコール遺跡は、クメール王朝時代の遺跡群で、1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。
アンコール・ワットは、アンコール遺跡群の中でも最大の規模を誇る宗教寺院で、その建物面積およそ200ha(東京ドーム約15個分)と広大です。
1113年に即位し、絶大な勢力を誇った、クメール王朝の国王・スールヤヴァルマン2世が、約30年間かけて建造し、この地で栄華を誇りました。建設当時はヒンドゥー教寺院として作られましたが、16世紀後半に仏教寺院に改修され、現在も上座部仏教寺院として多くの参拝客や観光客が訪れています。
アンコール・ワット観光で特に人気なのが、朝日鑑賞です。地平線から昇ってくる太陽が、アンコール・ワットを包み込み、遺跡全体がオレンジ色に輝く光景は圧巻。
また、蓮のつぼみの形をした仏塔が、オレンジの空の色と一緒に池に映り込む光景は、言葉にできないほど幻想的です。早朝の神秘的なアンコール・ワットは、カンボジアを訪れたら必見です。
また、アンコール・ワットと周辺遺跡へ行く際は「アンコール・パス」の購入が必要です。このチケットは、シェムリアップ市内からアンコール・ワットへ向かう途中にあるチケットオフィスで購入できます。
チケットは有効日数によって料金が異なり、1日券が37ドル、 3日券が62ドル、7日券が72ドルなので、旅程に合わせて購入しましょう。
タ・プローム寺院
タ・プローム寺院は、アンコール・ワット遺跡群のひとつです。ほかのアンコール遺跡群の建物とは異なり、建物のほとんどが崩壊し、そのままの形で残されている希有な遺跡です。
12世紀末に、クメール人の王朝ジャヤバルマン7世が母を弔うために建設しました。仏教寺院として建てられ、当初は5,000人もの僧侶がここで暮らしていましたが、のちにヒンドゥー寺院として改修されます。
この遺跡が発見された当初、ガジュマル等の巨木による浸食が進んでおり、遺跡は崩壊寸前でした。しかし「熱帯で人の手による遺跡の管理を行わないとどうなるのか」というコンセプトの下、あえて修復せず、発見当初の姿のまま保存されることになりました。
遺跡内では、樹齢300年にもなるガジュマルの木が、回廊に覆い被さり、今も成長を続けている姿を見ることができます。長い年月をかけて成長してきた樹木と、それに負けずに立っている遺跡の姿を見れば、神秘的なエネルギーを感じることができるでしょう。
バイヨン寺院
バイヨン寺院は、都市遺跡「アンコールトム」の中にあるメインの遺跡です。アンコールトムは、アンコール遺跡群の一部で、その中には、バイヨン寺院のほか、南大門や象のテラスなどの多くの遺跡があります。これらの遺跡はすべて世界遺産に登録されています。
アンコール王朝時代のジャヤバルマン7世が、12世紀末から徐々に建設したと言われています。建設には多大な時間が費やされ、後世何代かに渡って建設されたそうです。美しい彫刻の壁画が施された仏教とヒンドゥー教が融合した寺院で、その堂々たる岩山のような威容は迫力満点です。
この寺院の見どころは、不思議なほほえみを浮かべる四面像です。これは、観世音菩薩像を模していると言われており、通称「クメールの微笑」といいます。寺院内には、大きな四面像が彫られた塔があちこちにありますが、高さ2mほどの大きな「クメールの微笑」は、すぐに見つけることができます。
寺院周辺では、象に乗って高い位置から遺跡周辺を観光することもできます。象の背中に揺られながら遺跡を見学すれば、かつての王様のような気分を味わうことができるかもしれません。ただし、バイヨン周辺の象乗り体験は午前中のみなので、注意が必要です。
カンボジア王宮
カンボジア王宮は、首都プノンペンにあります。国王の住まいとして、また外国の来賓をもてなす場所として使われています。この王宮は1870年に建築が開始され、1919年にフランス人の建築家によって手が加えられ、現在の姿に至ります。
王宮の一部は一般公開されており、実際に中に入って内部を見学することができます。王宮へ入れる時間帯は午前と午後で分かれており、午前は7:30〜11:00午後は14:00〜17:00の時間帯です。王宮を訪れる際は、この時間帯を目指しましょう。
王宮前には、大きな広場があり、昼夜を問わず多くの人が行き交います。入り口で入場料10米ドルを支払い、王宮内へ入りましょう。
すぐに目に入るのが、金色の瓦屋根を持つ高さ59mのクメール様式「即位殿」です。戴冠式や国王の誕生日など、カンボジア王室の重要な行事が執り行われる場所で、中を見学することはできませんが、開かれた窓から中の様子を見ることができます。奥には戴冠式に使用される黄金の玉座を見ることができます。
王宮の一番の見どころは、Throne Hallと呼ばれる「玉座のある広間」です。建物の内部は、豪華絢爛で、まばゆく光り輝く装飾が建物の内側にちりばめられています。建物の内部は写真撮影禁止なので、美しい装飾をじっくりとご自分の目で見学しましょう。
なお、王宮見学の際は、寺院と同様、服装や持ち物に注意が必要です。肩の見える服装や短パン、ミニスカートでは入場ができません。また、王宮内では帽子を脱がなくてはなりません。大きなバックパックなども持ち込みが禁止されているので、注意が必要です。
シルバーパゴダ
シルバーパゴダは、カンボジア王宮敷地内にある、王室の菩提寺です。王宮よりも少し小さい建物で、王室の仏教行事が執り行われる際に利用されています。この建物の見どころは、何と言っても豪華絢爛な宝飾の数々。王宮観光の際は、セットで訪れると良いでしょう。
シルバーパゴダは内部の見学が可能になっています。寺院内の床は、寺院の名前の由来となっている銀のタイルが敷き詰められています。その数は5,000枚を超え、まさに贅を尽くした寺院と言えます。通常は床の上にカーペットが敷かれているため、床全体は見ることができませんが、入口近くの一部分は、見学用にカーペットが外されています。
シルバーパゴダ内には、約1,650点もの宝物が所蔵されています。金銀、宝石がふんだんに埋め込まれた宝物級のものばかりで、その美しさや輝きは見る人を魅了します。中でも、エメラルド仏像と、約9,500個のダイヤモンドがちりばめられている純金の大仏は必見です。
また、シルバーパゴダ内部の回廊の壁画も、見どころのひとつです。東南アジア最大と言われる壁画は、なんと600m以上の長さ。ゆっくりと歩きながら壁画を鑑賞してみましょう。
カンボジア国立博物館
カンボジア国立博物館は、王宮の北側にあるため、王宮を訪れる際には是非立ち寄ってみたい施設です。館内には、アンコール遺跡から発見された、5,000点以上の歴史的価値の高い芸術品が数多く展示されています。特に保存状態の良い彫刻は必見です。
博物館内の展示品は、直接展示されているため、間近で細部を見ることができます。「横たわるヴィシュヌ神」や、アンコールトムを建築したとされる12世紀末アンコール王朝の国王「ジャヤバルマン7世」の像は、特に人気の展示物です。展示物は年代順に並べられているので、クメール芸術のスタイルがどのように変化していったのかを、時系列で学ぶことができます。
入り口でオーディオガイドを借りることができるので、展示物の詳しい説明を聞きながら見学すると、より理解が深まりそうですね。
キリング・フィールド
カンボジアでは、1977年から1979年頃にかけて、ポル・ポト率いる共産主義政権の「クメール・ルージュ」によって、約300万人の人々が亡くなりました。
ポル・ポトの掲げる理想の共産主義を実現するため、知識人と言われる人々の多くが、残虐な方法で命を奪われました。「キリング・フィールド」と「トゥール・スレン博物館」では、その暗黒の時代のカンボジアを知ることができる施設です。
キリング・フィールドはプノンペンの市街から南方へ数キロ行った場所にあります。現在は公園として整備されていますが、当時は処刑場として使用されていた場所です。その痕跡は、公園内の随所に現在も残っており、展示されています。
トゥール・スレン博物館
トゥール・スレン博物館は、クメール・ルージュによって拷問施設として使用された施設です。もともと高校の校舎だった場所は、暗黒の時代を経て、現在博物館として公開されています。
カンボジアの歴史を知らなくとも、ここでの展示物を見れば、その残虐さに目をつぶりたくなるかもしれません。
わずか40年ほど前のカンボジア国内で起こった現実を知るには、避けては通れない場所です。日本語の音声ガイドも借りることができるので、訪れた際には歴史に耳を傾けてみましょう。
セントラル・マーケット
セントラル・マーケットは、プノンペンを代表する大きな市場です。中央にフランス人の建築家が設計したドーム状の建物があり、そこから四方へ建物が伸びるユニークな市場は、毎日多くの人で賑わっています。
市場内にある店舗数はなんと3,000以上と言われ「頭からつま先まで、何でも必要なものがそろう」と言われるほどの充実した品ぞろえが魅力です。食品、電化製品や日用雑貨、衣類、宝飾品まで、ありとあらゆる物を売る店が市場内にひしめき合います。
市場内には美容サロンや占いコーナーまであるというユニークなスポットです。
地元の人のみならず、観光客も多く訪れるため、お土産物店が多いのも大きな特徴です。市場の正面にあたる東側〜北側に多く集まり、お土産にぴったりのTシャツやスカーフ、小物や雑貨などがそろいます。
また、西側は食品売り場と屋台の食べ物系、南側には台所用品などの日用品のお店が並びます。
広大なマーケットなので、見たい場所を絞って効率よく回りましょう。日中は気温が高く、日差しも強いので、暑さ対策も必須です。
オールド・マーケット
シェムリアップ観光の際、是非立ち寄りたいオールド・マーケット。
古くからある歴史あるマーケットで、食品や衣類などの日常品から観光客用のお土産まで、なんでも揃います。終日、地元民や観光客で賑わうオールド・マーケットは、観光客向けの衣料品やお土産ものを販売するエリアと、地元の人向けの生鮮食品エリアに分かれています。
観光客はまずお土産を物色したいところですが、その前に生鮮食品エリアものぞいてみましょう。魚や肉、野菜は充実の品揃えで、日本では見ることのできない珍しい種類の魚や野菜、果物を見ることができます。
お土産ものエリアでは、Tシャツやズボンなどの衣料品、カンボジアの小物雑貨から置物まで、お土産に最適なものがお手ごろな価格で手に入ります。特にカンボジアは織物文化が盛んで、マーケットには布地を扱うお店も多くあります。
気に入った布があれば、その場で服に仕立ててもらうことも可能なので、旅の記念品に良いかもしれません。
また、オールド・マーケット内には食事ができるローカル食堂があります。定番のカンボジア料理がそろっているので、お買い物の途中に立ち寄ってみるのもおすすめです。
絶景の夕日を楽しめるスポット3選
プノンバケン
プノンバケンは、シェムリアップで一番有名な夕日鑑賞スポットです。アンコールワットとアンコールトムのちょうど中間に位置し、「プノンクロム」「プノンボック」と合わせてアンコール三聖山の一つと呼ばれています。小高い山の山頂まで登ると、頂上に大きな遺跡があるので、そこから夕陽を鑑賞します。
この遺跡には入場制限があり、一度に登れるのは300人までです。そのため、ハイシーズンには、16時ころにはかなり混雑してきます。確実に夕日鑑賞をするには、15時半ころには山のふもとに到着し、15分ほどかけて山を登るプランがおすすめです。またプノンバケンでは、象に乗って登るサービスもあります。
山頂からは、シェムリアップの街を360度のパノラマで見渡すことができ、開放感のある気分に浸ることができます。遺跡の上から遠くに沈みゆく夕日を眺めることができるのは、カンボジアならではの体験です。是非、夕日鑑賞に訪れてみてくださいね。
トンレサップ湖
トンレサップ湖は東南アジア最大の湖で、乾季の水量の少ない時期でも琵琶湖の3倍ほどの大きさです。
乾季と雨季で水量が変化し、雨季には湖の大きさが乾季の3倍ほどになります。この湖の水上生活者の数も世界最大で、その数は100万人とも言われています。水上に点在するいくつもの村をボートで見学できることから、シェムリアップの観光名所のひとつになっています。
人々のユニークな生活様式が見られる観光スポットとして有名ですが、ここでは、湖上からの夕日鑑賞もおすすめです。
ボートでの見学ツアーは、チョンクニアとコンポンプルックという2ヵ所から乗船することができます。夕日鑑賞用のボートツアーもあるので、どちらかの船着場から乗船しましょう。
夕日鑑賞用の船に乗ると、水上の観光施設の展望台まで連れて行ってくれます。湖の水面線に沈みゆく夕日が、湖面に映って幻想的な景色を見ることができます。乾季の方が夕日鑑賞の天気には恵まれやすいですが、水量が多い雨季は、湖面に映る夕日がよりきれいに見えるという利点もあります。
プノンクロム
プノンクロムは、トンレサップ湖のすぐ近くにあります。プノンバケンほど夕日鑑賞で有名なスポットではないため人が少なく、また入場制限もないので、時間を気にすることなく夕日鑑賞をすることができます。
プノンクロムの入り口から階段を上り、山道を15分ほど歩くと、山頂に到着します。山頂には3つの祠堂があり、夕日鑑賞スポットはこの三つの祠堂を奥に進んだ場所です。普通の山の斜面に座って鑑賞することになるので、安全には気を付けましょう。
プノンクロムからの夕日鑑賞のみどころは、雨季と乾季で異なるトレンサップ湖の景色です。水量が多い雨季には、プノンクロムの周辺はトレンサップ湖の水に覆われます。見渡す限りの水面を見ながら、夕日が沈む風景は絶景です。
また、乾季は水量が少ないので、トレンサップ湖の草原が周囲を覆いつくします。草原のかなたに沈みゆく夕日も、また風光明媚で美しい景色です。
日没後は暗くなり、足元が危険になるので、早めに下山しましょう。
一生に一度は行きたい!ディープなカンボジア遺跡5選
プレア・ヴィヒア寺院
カンボジア国内にある3つの世界遺産のうちのひとつが、プレア・ヴィヒア寺院です。
この寺院は別名「天空の寺院」と呼ばれており、シェムリアップから北東へ約120km。タイとの国境付近にあります。標高657mの山の上にある寺院で、観光時にはカンボジア随一と言われる絶景を楽しむことができます。
プレア・ヴィヒア寺院は、クメール王朝時代の王様ヤショヴァルマン1世によって建設され、その後歴代の王によって増築されてきました。タイとの国境にあることから、長期間にわたり、その領有権争いが続いていましたが、現在は収束しています。
見どころは、何と言っても保存状態の良い多くの彫刻です。アンコール・ワットよりも古い時代に建設されたにも関わらず、ほぼ当時の状態を保っています。観光の際は、繊細で美しい彫刻をじっくり見学してみましょう。
コー・ケー遺跡群
コー・ケー遺跡群は、シェムリアップから北東へ100kmほどのところにある遺跡群です。30ほどの遺跡が点在しているこの遺跡群は、長い間、修復や管理がされなかったため、幻の遺跡とも呼ばれてます。
この遺跡群は、アンコール遺跡の郊外遺跡の中でも特に奥の方にあるため、人の手があまり加わっていない状態で保存されています。階段状のピラミッド型をしているプラサットトム寺院遺跡は、以前は昇ることができませんでしたが、現在は手すりが整備されて上のほうまで登ることが可能になりました。階段を上がった寺院の上から見下ろす景色は、まさに絶景です。
コー・ケー遺跡群は、プレヴィヒア寺院・ベン・メリア遺跡とセットで観光するのがおすすめです。
バンテアイ・チュマール
バンテアイ・チュマールは、バイヨン寺院やアンコールトムを建設したジャヤヴァルマン7世が建てた寺院です。息子を弔うために造ったと言われており、タイとの国境近くの密林の中にあります。
バンテアイ・チュマール周辺は、長い間、観光客の立ち入りが禁止されているエリアでした。地中に埋められていた地雷の撤去や、道路の整備が進み、現在はシェムリアップから2時間前後でアクセスが可能になりました。
特に有名な見どころは、回廊に施された観世音菩薩の彫刻です。22本の手を持つ菩薩の緻密で繊細な彫刻は、長年雨風にさらされていたとは思えないほど美しい状態で残されています。
大プリア・カン
大プリア・カン遺跡は、シェムリアップから車で約5時間ほど要する場所にあります。その名の通り、アンコール・ワットの4倍の規模を持つ大きな寺院です。長い間、周辺道路の整備や遺跡の管理がなされておらず、訪問が困難な遺跡でした。最近になってようやく交通事情が改善されたため、多くの観光客が訪れるようになりました。
大プリア・カン遺跡は、約5km四方の外周壁に囲まれており、これはクメール時代の遺跡の中で最大と言われています。寺院内には、中央寺院、四面仏の塔、美しいガルーダの彫刻など多くの見どころがあります。
訪れる価値の高い遺跡ですが、シャムリアップからのアクセスに時間を要する上、周辺には地雷が埋まっている地域もあるので、観光を希望する場合は現地のツアーに申し込みましょう。
サンボープレイクック遺跡群
サンボープレイクック遺跡群は、アンコール・ワット遺跡・プレアヴィヒア遺跡に並び、カンボジア国内で3番目に世界遺産に登録された遺跡です。シェムリアップとプノンペンの中間に位置し、遺跡観光の拠点であるシェムリアップから、車で3時間ほどです。
この遺跡の歴史は、アンコール遺跡よりも古く、 1300年ほど前に建設されたと言われています。この遺跡内には、大きな3つの遺跡群「プラサット・サンボー」「プラサット・タオ」「プラサット・イエイ・ポアン」、その周囲に散在する150以上の遺跡があります。特に、ここでしか見ることができない、レンガ造りの八角形の祠堂「プラサット・イエイ・ポアン」は必見です。
サンボー・プレイ・クック遺跡群の建物は、カンボジア国内で建設された最初の寺院建築と言われています。観光客もまだまだ少なく、密林の中に眠り続けているような神秘的な遺跡です。
カンボジアでしかできない体験スポット4選
ジンベイカジノ
シアヌークビルは近年、中国人向けのカジノが急増していることから、カジノタウンとして有名になっています。夜にはネオンが輝き、カジノ特有の賑やかさがあります。
「ジンベイカジノ」はシアヌークビル市内の中心地にあるカジノです。エントランスには、トランプ模様のマークがモチーフとして施されていて、カジノらしい外観の建物となっています。館内では、ブラックジャックやバカラ、ルーレットなどを楽しむことができます。24時間営業なので、夕方までビーチで楽しんだ後に、カジノをのぞいてみるのも良いかもしれません。
アプサラダンス鑑賞スポット
アプサラダンスは、カンボジアに古くから伝わる宮廷舞踊のひとつです。「アプサラ」は、古代インドの神話に登場する天女で、「アプサラダンス」は「天女のダンス」という意味です。きらびやかで美しい衣装に身を包んだ女性たちが、独特の手の動きとともに踊る姿は、見入ってしまう妖艶さです。
シェムリアップには、このアプサラダンスをみることができる施設がいくつかあります。老舗として有名な「クーレン2」や「クリスタル・アンコール・レストラン」がおすすめです。いずれもビュッフェ形式の食事が含まれたディナーショーで、毎日19時ころから鑑賞可能です。
予約なしでも行くことはできますが、訪問日が決まっていれば事前に現地の旅行会社やインターネットでの予約がおすすめです。割引価格で入場ができるだけでなく、座席も前方が手配されるので、ステージを間近で見ることができます。美味しいクメール料理と美しいダンスを楽しんでみてはいかがですか。
ロン島
ロン島は、シアヌークビル沖にある離島です。真っ白な砂浜と透明度の高い美しい海が人気のビーチリゾートです。全長7kmの白い砂浜が続くロングビーチは、ロン島の東側に位置し、カンボジア随一の美しさと言われています。
海の透明度の高さから、ダイビング・シュノーケリング・シーカヤックなどのマリンアクティビティも楽しむことができます。運が良ければ、ダイビング中にはウミガメ、ジンベイザメを見ることもできます。特にマリンアクティビティを楽しみたい場合は、海がきれいな乾季に訪れるのがおすすめです。
また、ロン島は、パーティーアイランドとしても有名です。特に欧米人からの人気が高く、ビーチ沿いには多くのバーが立ち並び、夜な夜なパーティーが開催されます。バーはトーイビーチ沿いに多いので、賑やかさを楽しみたい時は、トーイビーチ周辺に宿泊すると良いでしょう。
世界でも多くはないパーティーアイランド、時には、賑やかな夜を思い切り楽しむ体験もおすすめです。
地雷博物館
地雷博物館は、シェムリアップ郊外にある地雷専門の博物館です。地雷除去の活動をしているカンボジア人のアキ・ラー氏が、自分の手で撤去した地雷・不発弾などを展示しています。アキ・ラー氏は、ポルポト政権時代の元軍人で、ポルポト政権崩壊後、地雷撤去を始めました。
館内には、5,000個以上の地雷が展示されていますが、それはアキ・ラー氏が撤去した地雷は、その10倍にも上る50,000個と言われています。また、撤去した兵器だけでなく、地雷によって体の一部を失った人たちの義足や義手も展示してあり、地雷の恐ろしさを学ぶことができる貴重な施設となっています。
世界的にも珍しい、地雷博物館。シェムリアップ観光の際には、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
インスタ映えまちがいなし!カンボジアのおしゃれカフェ5選
テンプル・コーヒー&ベーカリー
シェムリアップで人気のカフェのひとつが、テンプル・コーヒー&ベーカリーです。パブストリート方面からシェムリアップ川を渡ったところにあります。
このカフェの特徴は、何と言っても開放的でおしゃれな店内。カフェの中心部分は吹き抜けになっていて、建物を取り囲む大きな窓からは、緑いっぱいの景色を眺めることができます。店内は、アンティーク家電や家具で統一されており、様々なタイプの席が用意されています。
くつろげるソファ席が人気で、観光の途中に休憩に立ち寄るにはぴったりのお店です。メニューは、スイーツやドリンクだけでなく、クメール料理を中心としたフードメニューが豊富なのも嬉しいポイントです。
早朝から夜中の2時まで営業しているので、朝食から夜食まで、様々な使い方ができます。
ブルーパンプキン
ブルーパンプキンは、2000年にシェムリアップ開業し、現在はカンボジア国内に20店舗以上を構えるカフェチェーンです。地元客だけでなく、観光客を中心に絶大な人気を誇っています。
このカフェで人気なのが、フレンチテイストの自家製ベーカリーとケーキです。レジ前のテーブルに並べられたベーカリーは、クロワッサンやデニッシュなど、どれも本格派。コーヒーはもちろんのこと、フルーツ100%のフレッシュジュースやアイスクリームも人気です。
ハンバーガーやパスタなどのウェスタンフードの品ぞろえも豊富で、休憩にも夕食にも使えるカフェとして、観光ガイドブックにも掲載されています。地元では「ブルパン」の愛称で親しまれているカフェ、是非訪れてみたいですね。
カフェ・セントラル
カフェ・セントラルは、ショッピングや街歩きの拠点となる、オールドマーケットの近くにあります。レンガ造りでオシャレな雰囲気のカフェです。欧米からの観光客に特に人気で、石釜で焼くピザやパスタ、ハンバーガーなどの食事メニューも充実しています。
店内はオープンエアーなので、通り抜ける風を感じながら、冷たいドリンクで休憩するにはぴったりのお店です。店内はWi-Fiも使用可能で、ついつい長居してしまいそう。窓越しにローカルな風景を眺めながら、コーヒーでほっと一息つきたい時におすすめです。
ル・エクスプロラトゥール
ル・エクスプロラトゥールは、女性に人気のリゾートホテル「ビクトリア・アンコール・リゾート & スパ」に内にあります。高級ホテル内と言うだけあって、ラグジュアリーな時間を楽しむことができます。
ふかふかのソファから、庭園のプールを眺めていると、時間を忘れてしまいそうな贅沢な気分を味わうことができます。午後の時間帯に提供されるアフタヌーンティーもおすすめ。5つ星ホテルのパティシエによる、軽食・スイーツをリーズナブルな価格で楽しめます。
街中の喧騒を忘れ、優雅なひと時を過ごしたい時には、是非 ル・エクスプロラトゥールを訪れてみましょう。
ブラウンコーヒー
近年、カンボジアには多くのオシャレなカフェが開業していますが、ブラウンコーヒーは、その中でも代表的な存在です。2009年の創業後、次々と新店舗をオープン。今ではプノンペンとシェムリアップに20店舗近くを構えるコーヒーチェーンになっています。
6人の創業者それぞれが、経営・建築・空間設計・メニュー開発・マーケティングの役割を担い、各部門で妥協のない店づくりをしているブラウンコーヒー。店舗デザインやクオリティの高い食事メニュー、スイーツやコーヒーまで、そのこだわりは随所にあふれています。
特に、プノンペンのトゥールコーク地区にあるお店「Roastery TK」店は、おしゃれな店舗デザインが人気のお店です。伝統的なクメール木造家屋を現代的にアレンジし、梁のある高い天井のある店内は開放感も抜群。
コーヒーもこだわりの自家焙煎の豆を使用しているので、その風味の良さを味わうだけでも、訪れる価値のあるカフェです。
失敗なしのカンボジア定番お土産8選
アンコールクッキー
アンコールワットの形を模して作られているアンコールクッキーは、アンコールワットの人気のお土産です。原材料はすべてカンボジア国内で調達されたもので、クッキー生地には、カンボジア産のカシューナッツの粉末がふんだんに練りこまれています。サクサクとした触感とともに、鼻にぬけるスパイスが隠し味で使用されており、美味しいと大人気です。
このクッキーを製造・販売をしているのは日本人が経営する会社で、日本人の口にも合うような甘さ控えめのクッキーです。オリジナル・カシューナッツ、バナナ&シナモン、パイナップルの3つの味があり、箱の中は便利な個包装になっています。会社や学校などで複数人で分けるとき用のお土産にはぴったりですね。
アンコールクッキーは、アンコールワット側のアンコールクッキー ショップで購入できます。また、市内の免税店や空港でも購入が可能なので、お土産を買い忘れたという場合にもおすすめです。
オーガニック石けん
カンボジア国内で無農薬栽培されたハーブで作られた、オーガニック石鹸は、女性に人気のお土産です。様々なハーブが用いられており、その種類によって香りや効能も様々。パッケージもおしゃれなものが多いので、選ぶだけでも楽しくなります。
観光客に人気なのが、「クメールラビット石鹸」です。ジャングルの奥に生息する、オオミツバチの巣から採取した貴重なハチミツや、古くからカンボジアでは万能薬とされてきた、神秘の木「スダウ」など、原材料にとてもこだわっています。天然素材なので、敏感肌の方も安心なのも嬉しいポイントです。
ひとつひとつがハンドメイドで、伝統的な製法で丁寧に作られた石鹸は、自分用にもお土産にもおすすめです。
胡椒
「カンボジアの胡椒は、世界一美味しい」と言われるほど、カンボジアでは高品質の胡椒が栽培されています。本来のコショウのフルーティーな味わいで、カンボジアでクメール料理を食し、使われている胡椒のファンになる人も多いとか。
カンボジアでの胡椒栽培の歴史は古く、盛んに栽培されていましたが、激しい内戦の後に作り手が激減。胡椒の苗木や栽培地も荒廃しました。そんな中、ひとりの日本人が奮起して、わずかに残った胡椒の苗木から、カンボジア胡椒を復活させました。
カンボジア胡椒の中でも、最高級品とされるのが「カンポットペッパー」です。カンポットペッパーは、カンボジアのカンポット州で栽培されている胡椒で、在来種の苗からオーガニック農法でで作られています。ほかの胡椒に比べると値が張るのですが、香りと風味は抜群と言われています。自分用やお料理が好きな方へのお土産にぴったりです。
カンボジア国内のお土産物屋や、スーパーマーケットで様々な種類の胡椒が手に入るので、いくつか購入して食べ比べしてみるのも面白いかもしれません。
カンボジアコーヒー
カンボジアは、世界的に有名なコーヒーの産地です。国内で多くのコーヒー豆が生産されていますが、カンボジアは標高がそれほど高くないため、「ロブスタ種」の豆が多く栽培されています。
カンボジアコーヒーは、マイルドな口当たりで苦みが少ないという特徴があります。コーヒー好きの人はもちろん、コーヒーの苦みが苦手な人にも飲みやすいコーヒーなので、お土産におすすめです。スーパーで気軽に購入でき、価格も安いので、何種類か購入してみてはいかがでしょうか。
パームシュガー
パームシュガーは、ヤシの木から作られた砂糖で。東南アジアでは一般的に使われている調味料です。とても濃厚な味で、砂糖の代わりに料理に使用すると、風味が格段に良くなると評判です。砂糖よりも体に良いということから、健康志向の人には喜ばれること間違いなしのお土産です。
そのままコーヒーに入れたり、料理に使ったりと、様々な使い道があるパームシュガーですが、固形・粉末など形状が様々なので、使いやすいタイプを選びましょう。
ドライフルーツ
ドライフルーツは、東南アジア諸国のお土産の定番ですが、カンボジアでも気軽に購入することができます。マンゴー・パパイヤ・イチゴなど様々な種類のドライフルーツが売られており、容量も少ないものから大袋まであります。多くのお土産物屋で取り扱っていますが、試食させてくれるところもあるので、好みのものを選ぶと良いでしょう。
価格もリーズナブルで、保存ができるので、予備のお土産としても最適です。お土産用は小分けのパッケージがたくさん入っているタイプもあるので、スーパーマーケットやお土産物屋でチェックしてみましょう。
アンコールバーム
女性へのお土産に最もおすすめなのが、アンコールバームです。東南アジア諸国ではタイガーバームが有名ですが、アンコールバームが女性へのお土産に最適な理由が、その容器のかわいらしさ。カンボジアらしいデザインの小さな容器に、ミツロウやワセリンなどの自然素材をベースに作られたバームが入っています。
香りもメンソールではなく、バナナ、ココナッツ、ロータスフラワーなどが使われたものもあり、女性が喜ぶこと間違いなしです。空港や免税店でも購入可能ですが、ローカルのお店では、まとめて購入すると少し値引きしてくれる場合もあります。
クロマー
クロマーはカンボジアでは代表的なお土産物で、日本でいうスカーフやストールのような大判の布製品です。肌に優しいとコットンで作られており、デザインやサイズも様々。カンボジアらしいデザインのクロマーは観光客に人気で、市場やお土産品店で気軽に購入できます。
大きなクロマーはストールとしてはもちろん、ベッドやソファのアクセントにもぴったりです。吸水性が良いので、小さめのものは、首に巻いて汗をぬぐうストールにしたり、髪の毛を束ねてバンダナ風にしたり、タオルとして使用することもできます。
コットンだけでなく、シルクを使用したものもあり、日本よりずっと手ごろな価格で購入できます。性別や年齢に関係なく喜ばれるお土産で、用途も多彩なので、多めに買いだめしておくのも良いですね。
カンボジアへのアクセス・所要時間
【成田・羽田ープノンペン・シェムリアップ】
日本からカンボジア国内への直行便は、成田国際空港とプノンペン国際空港を結ぶ全日空のみで、所要時間は、約6時間30分ほどです。アンコール遺跡群のあるシェムリアップへは、乗り継ぎが必須となります。
乗り継ぎ便は、日本航空(バンコク乗り換え)、ベトナム航空(ホーチミン乗り換え)、フィリピン航空(マニラ乗り換え)、キャセイパシフィック航空(香港乗り換え)、タイ国際航空(バンコク乗り換え)、エアアジア航空(クアラルンプール乗り換え)などを利用し、およそ9時間30分~12時間です。
乗り継ぎのタイミングのよっては、所要時間が長くなる場合があるので、旅程に余裕のない場合は、乗り換え時間の短いものを利用しましょう。
【関西・伊丹ープノンペン・シェムリアップ】
関西エリアの空港からは、カンボジア国内への直行便は就航していません。そのため、プノンペン・シェムリアップいずれに行くにしても乗り継ぎが必要となります。
日本航空(バンコク・上海乗り換え)、ベトナム航空(ホーチミン乗り換え)、フィリピン航空(マニラ乗り換え)、キャセイパシフィック航空(香港乗り換え)、中国南方航空(広州乗り換え)、タイ国際航空(バンコク乗り換え)などが就航しており、カンボジアまで9時間30分~13時間の所要時間です。
カンボジアの主要空港を紹介
プノンペン国際空港
カンボジアの首都、プノンペンにあるプノンペン国際空港は、カンボジア最大の空港です。各国からの国際線、カンボジア国内線が就航しています。プノンペン中心部から約7kmと近く、空港までは国道が通っているため非常に利便性の高い空港です。
プノンペン国際空港は2001年に建設された、新しい空港です。コンパクトながら、カフェやレストラン、ラウンジ、土産物店は一通り揃っています。日本食のチェーン店もあり、日本と同じ味を楽しむこともできます。
出発前にゆっくりコーヒーを飲んだり、お土産を探したり、ラウンジでくつろいだりと、様々な楽しみ方が可能です。
プノンペン国際空港と市内の往来には、いくつかの方法があります。
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エアポートエクスプレスバス
プノンペン国際空港から市内までの直通バスです。午前9時から夕方5時半まで運航しており、運賃は片道5米ドルです。 -
シャトルトレイン
プノンペン国際空港からプノンペン駅(鉄道)までの直通電車です。所要時間は約30分で、運賃は2.5米ドルです。 -
タクシー
プノンペン国際空港のタクシー乗り場は、出口の正面にあります。市内までの料金は一律で一律料金で、基本的に市内までは15米ドルです。市内までは通常30分ですが、朝夕の渋滞時には1時間以上見込んでおきましょう。 -
トゥクトゥク
トゥクトゥクの乗り場もタクシー乗り場と同じ場所です。行き先までの距離により料金が変動し、概ね7米ドル、9米ドル、12米ドルの3種類です。タクシーよりも手ごろな価格で利用しやすい利点がありますが、あまり多くの荷物を積めないことと、安全面はタクシーより劣るので、できるだけ他の交通手段を利用するのがおすすめです。
ホテルによっては、送迎サービスがある場合があります。予約の際に確認して事前に申し込みが必要ですが、空港の出口付近で送迎ドライバーが待機していてくれるため、安心して利用できます。
シェムリアップ国際空港
シェムリアップ国際空港は、アンコール・ワット等の遺跡観光の際に必ず利用する空港です。カンボジア観光の拠点であり、観光客も多く利用することから、レストランや土産物店も充実しています。
国内線側には商業施設が少ないものの、国際線側は、日本食からファストフード、カフェまで多くのお店が軒を連ねます。カンボジアらしい小物やドライフルーツ等のお土産もバラエティ豊かに揃っています。市内で購入するより割高ですが、パッケージもおしゃれで高級感があるものが多くあります。
出国検査後には免税店もあるので、早めに出国してショッピングを楽しむのも良いですね。
シェムリアップ国際空港から市内へのアクセスですが、2点を結ぶ公共交通機関はありません。そのため、個人で手配する場合は、タクシーかトゥクトゥクを利用することになります。しかし、プノンペンのように事前に価格が決まっているわけではなく、個別に交渉が必要となるので、ホテルの送迎サービスがある場合はそちらを利用したほうが安心です。
カンボジア観光でお得なフリーパス
アンコール・パス
アンコール・パスは、アンコール遺跡群共通のフリーパスチケットです。アンコール・ワットをはじめ、周辺のほとんどのアンコール遺跡に入場が可能です。ただし、ベン・メリアなどの郊外遺跡は除外されているので、対象外の遺跡を観光する際は、その都度入場料を支払いましょう。
チケットは有効日数によって料金が異なり、観光日数によって選択することが可能です。
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1日券(購入日のみ有効な1日フリーパスチケット)
37米ドル -
3日券(購入日から10日以内、3日間使用可能なフリーパスチケット)
62米ドル -
7日券(購入日から30日以内、7日間使用可能なフリーパスチケット)
72米ドル
11歳以下は入場無料ですが、年齢確認のためパスポートの提示を求められる場合があるので、パスポートを持参しましょう。
この「アンコール・パス」が購入できるチケットオフィスは、シェムリアップに1ヵ所しかありません。また、遺跡からも離れた場所に位置しているため、遺跡観光の際は、事前に購入しておく必要があります。
「アンコール・パス」を購入しないまま遺跡に向かうと、途中のチケット検査場で止められてしまいます。万が一通過できたとしても、チケットを持たずに遺跡を観光すると、最大で300米ドルの罰金を課せられる場合があるので、必ず事前に購入しましょう。
カンボジアの年間イベント情報
1月
解放の日
1月7日は、カンボジアがポル・ポト率いるクメール・ルージュの政権から解放された記念日です。
1979年の同日、ベトナムの支援を受けた現政権のカンボジア国民党により、クメール・ルージュ政権が崩壊しました。そして、カンボジア国民党はプノンペンを取り戻ししたその日を、「解放の日」に制定しました。
「解放の日」は、カンボジア国民にとって平和と自由を再認識する祝日として、重要な日とされています。そのため、1月7日は国民の祝日となっており、与党人民党が党本部に各国大使を招いて厳かな式典を行います。街中でも盛大にお祝いイベントが行われ、お祭りムードに包まれます。
4月
カンボジア正月
カンボジアには1年の間に3回も正月があります。西暦による正月(1月1日)・中華暦の正月(2月)・そしてクメール正月(4月)の3つです。中でも最も盛り上がるのがカンボジアの正月であるクメール正月です。
カンボジアでは、毎年4月頃に天から女神が降りてくると信じられており、この時期をお正月としてお祝いをします。 各家庭では、祭壇とお供え物を用意して女神を迎え入れるのが伝統的な儀式です。
一般的にはカンボジア人は故郷へ帰り、家族と一緒に過ごす人が多いです。そのため、クメール正月期間は、商業施設も休業するところが少なくありません。シェムリアップなどの観光地ではさほど影響ありませんが、この期間に観光地から離れた場所に行く場合は、お店が閉まっている場所もあるので注意が必要です。
5月
王室始耕祭(農耕祭)
カンボジアでは、毎年5月のちょうど雨季に入る時期に、農民達が田植えのための農耕を始めます。「王室始耕祭」は農耕祭とも呼ばれ、農業国カンボジアにとって、とても重要な行事のひとつです。毎年、王室前の広場にて開催され、国王や政府高官、僧侶も参加します。
この儀式は、代々王室が飼育している牛2頭を7種類の食べ物(米・トウモロコシ・豆・ゴマ・草・水・お酒)を並べたところに連れて行き、牛が食べるものによって、その年の農業や社会全体の吉凶を占うというもの。
毎年、日本のゴールデンウィークに当たる時期に行われる行事なので、その時期にカンボジアへ行く際は是非見学してみると良いですね。また、王室農耕祭は、多くの人が見学に来るため、渋滞や一時的な道路の閉鎖などの措置が取られることもあるため、王室周辺の道路事情には注意が必要です。
9月
プチュンバン
プチュンバンは、カンボジアのお盆で、クメール正月と並んで特に大切な行事のひとつとされています。毎年9月中旬から下旬にかけての約2週間が、プチュンバンにあたります。カンボジアでは、プチュンバンの期間、ご先祖の魂が自由に行き来していると考えられています。
カンボジア人の9割以上は仏教徒で、その多くはプチュンバン期間の祝日に故郷へ帰り、家族とともにお寺に行きます。お寺で僧侶に喜捨をすることで、間接的にご先祖に供物を捧げることになると考えられています。
カンボジアでは、ご先祖と再会するためには、プチュンバン期間中に7ヵ所以上のお寺を巡る必要があると言われています。しかし近年では、家庭や個人によってその慣習も異なり、1つのお寺だけで済ませ、残りの時間は家族と過ごすという場合も多いようです。
10月
カテン
カテンは、カンボジアの仏教行事のひとつです。長く寺院にこもっていた僧侶の修業の終わりを祝うもので、カンボジア人は、カテンの時に寺院に行き、僧侶に新しい法衣などを捧げます。 このカテンは、毎年11月初めの満月の日まで約1ヵ月間続きます。
カンボジア国内には4,000ヵ所以上の寺院がありますが、各寺院、カテンは期間中に1度しか執り行うことができません。そのため、仏教への信仰心が深いカンボジアの人たちにとって、この日はとても重要な日とされており、必ず寺院に参拝します。
カテンの日には、黄色の仏教旗を掲げた車列が、地方のお寺に向かう様子を見ることができます。
11月
水祭り
カンボジアの水祭りは、毎年11月の満月の前後3日間に渡り行われる、カンボジアで最も賑やかなお祭りです。
水祭りの起源は、12世紀のクメール王朝時代というものや、15世紀のカンボジア王国時代など諸説ありますが、正確なものはわかっていません。現在では、乾季の到来と農作物の収穫を祝う目的が主流となっています。
水祭りの期間中は、首都プノンペンやアンコール遺跡観光の拠点となる街シェムリアップには、国中から多くの人々が集まります。プノンペン市内を流れるトンレサップ川沿いにはたくさんの露店が立ち並び、野外コンサートや花火大会が行われ、昼夜を通して盛大なイベントが続きます。
そして、この水祭りのメインイベントは、トンレサップ川で開催されるボートレース大会です。
「ドラゴンボート」と呼ばれる木製の手漕ぎボートに数十人のボート選手が乗り込み、タイムを競います。出場するボートは300艇、ボートにぎっしりと乗り込んだ選手たちの数は20,000人にも及ぶという盛大なイベントです。
大変な賑わいを見せるイベントなので、期間中にカンボジアを訪れる際は、是非ボートレースの熱気を感じに会場へ足を運んでみると良いですね。しかし、開催地であるトンレサップ川の周辺は多くの人が集まり、大混雑・大混乱になる場合もあるので、特に旅行者は注意が必要です。
独立記念日
カンボジアは、1953年11月9日(月)に、シハヌークビル国王が統治下にあったフランスからの独立を宣言しました。毎年独立記念日には首相や政府高官が集まり、首都プノンペンの独立記念塔にてセレモニーが行われます。
この独立記念塔は、1958年に建てられたもので、蛇の姿をした守り神「ナーガ」が取り囲むデザインは、アンコール・ワットの塔を模したとも言われています。
塔の周辺の広場は公園へと続いていて、プノンペン市民の憩いの場として多くの人が利用します。夜はライトアップされてきれいな景色が楽しめるので、写真撮影のスポットとしても人気です。