スペインツアー選びのポイント
スペインツアーの特徴
スペインの二大都市「マドリッド」「バルセロナ」を中心にいずれかの都市に連泊のツアーか、またはマドリッド・バルセロナの両方の都市を周遊するツアーが多いようです。
日本からの場合、現在直行便は成田・マドリッド間のイベリア航空がありますが、中継地となるヨーロッパの各都市(パリやローマなど)や中東(ドバイやカタール)などの都市と、スペインを組み合わせたツアーも二か国回れて移動時間が有効に使えるためおすすめです。
もし初めてスペインを訪れるなら、住んでいるような気分で連泊してじっくり一都市を楽しむツアーや、ピックアップした都市を周遊する、一都市に宿を取って近郊を見て回るなど、その時の旅行日程と目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
最近では、グルメなバスク地方や「白い村」などが見れるアンダルシア地方なども日程にオプションで組み込めるものも見かけるようになりましたので、もっと深くスペインを堪能できるチャンスでもあります。
スペインまでの中継地で選ぶ
マドリッド・バルセロナと途中降機する中継地点都市を選ぶ場合は、利用するツアーの航空会社によって変わってきます。
例えばエミレーツ航空やカタール航空のツアーなら、ドバイやドーハの「アラブ文化圏」とスペインのマドリッドかバルセロナをその旅行で一緒に見ることができます。全く違う文化が一度の旅行で見られるのも大変面白い経験となるでしょう。
パリやローマなどのヨーロッパの別都市と組み合わせてマドリッドやバルセロナを見た時には、一概に「ヨーロッパ」だけではくくれない違った一面も感じられるかもしれません。
天候は、スペインは南に位置するため比較的温かいほうです。特にバルセロナは地中海性気候のため、スペイン国内でも温暖な気候に位置しています。
旅行の目的に合わせて季節を選ぶ
スペイン旅行はどの時期も何かと楽しみがありますが、旅の目的に合わせて季節を選ぶこともできます。
例えば有名な「闘牛」ですが、闘牛が行われる期間はバレンシアの火祭り(3月中盤~後半)から始まって サラゴサのピラール祭(10月)までの間、カタルーニア州(闘牛廃止)を除き、スペインの各地でローカルのお祭りに合わせて行われています。
実は闘牛にも「剣を刺して仕留める」意外にも「馬で牛を追う」「牛の背を飛び越える」といった様々なスタイルがあるため、事前に知っておくと面白いかもしれません。
また、「トマト投げ祭り」(ブニョール村)や「牛追い祭り」(パンプローナ)など、スペインには色々な祭りが多いので、お祭りに合わせて旅行予定を組むのも面白いでしょう。ただ近年は世界中に知れ渡った祭りは参加者が多くなったため、参加するためには事前の予約が必要な場合も多くなってきています。
スペインはヨーロッパでも上位を争うほど素晴らしいビーチが有名で、サマーリゾート地として人気です。地中海では初夏から真夏が最盛期ですが、マラガなどのアンダルシア地方南部では春から秋近くまでビーチで泳ぐ人が見られます。スペインの太陽と海を味わいたいなら、場所と季節のタイミングで行ける海岸を探してみるのも面白いでしょう。
そして世界有数のワイン産地であるスペインは、近年ワインツーリズムが注目を集めています。特に、ブドウの収穫期(9月~)には試飲と昼食を兼ねたワイナリーツアーなどが頻繁に行われるようになり、宿泊施設を備えたワイナリーも少なくありません。有名なリヨハだけではなく、実はスペインの全ての州で様々なワインが生産され楽しめます。
スペインには世界遺産や歴史的遺跡、昔ながらの雰囲気がそのままの小さな村、そして世界でも有数のレストランが多く存在しています。そういった特色をオプションとして旅行に加えて行くことで、今まで知らなかったスペインが見えてくるかもしれません。
スペインでホテルを選ぶ時のポイント
スペインでのホテル選びのポイントは、都市部では交通の便の良さを重視すると市内観光には動きやすいです。
マドリッドは電車やメトロ・バスもありますが、行きたい場所や方向に合わせてアクセスを考えてホテルを選ぶと、観光も便利でしょう。トレドやエル・エスコリアル、セゴビアなどに行く際には電車や近郊バスが便利です。
バルセロナも電車やメトロ・バスも走っていますが、市内観光が中心であれば、できれば中心部で治安が安全な地域を選ぶことを特におすすめします。
もし夜間到着便でスペインに着く場合は、ホテルの送迎オプションなどを利用するのが安心で確実です。昼間の到着なら公共交通機関などを利用しても良いですが、夜間は知らない場所で無駄な危険を拾わないためにも、確実な方法でホテルに到着するように旅程をご検討ください。
またスペインならではのホテルの一つに、「パラドール」があります。
これはスペインの国営ホテルで、中には実際の中世の城や貴族の邸宅・修道院などが改装されてホテルになっているものも含まれます。普通では泊まれない歴史的な建築物や絶景な場所など、日常とかけ離れた空間に泊まれるのでチャンスがあればおすすめします。
スペイン時間に注意!
スペインで効率的に観光するには、「スペインの時間帯」を意識することがポイントです。スペインはサマータイムを採用しているため、日本との時差は通常マイナス8時間、サマータイム期間(4月~10月)はマイナス7時間となっています。
例えば、スペインの一般的なランチタイムは14:00頃がピークとなるため、多くのレストランは12:00前後にお店をオープンするところが多いでしょう。人気有名レストランなどは、やはり席予約をしたほうが確実です。
また年間を通して14:00〜17:00の間には通常のお店や施設は休憩で閉まるところが多いため、滞在中の時間を有効に使えるようなスケジュールを考えると良いでしょう。
例えば14:00〜17:00の時間帯を「閉店時間のない大型デパートに行く」「閉園時間のない公園に行く」、もしくは「ホテルに戻ってスペイン人のようにシエスタを楽しむ」というのもアリです。
17:00から再び開いたお店は夏場なら21:00〜22:00ぐらいまで開いています。(冬場や小さな村では早々に閉まります。)
一方、夜の一般的なディナータイムは22:00頃にピークを迎えるため、通常レストランは19:00〜20:00にオープンするところが多いです。
また、バーはほぼ終日開いているところも多く、カフェだけではなく朝食から夕食まで軽食や一品料理などで取ることも可能です。クラブはディナータイム後からがピーク時間となるため、週末は23:00から朝まで賑わう所も多いでしょう。
そもそもスペインってどんなところ?
スペインの基本情報
スペインの公用語はスペイン語です。バスク語のみスペイン語とは別系統になりますが、スペイン各地で話される言語はスペイン語と同じ語源の方言的なものや、その地方のアクセントといったものですので、基本はスペイン語が通じます。
ホテルや大きな観光施設など観光客の多く訪れる場所では英語も通じるようになりましたが、ローカルなお店や市内バスなどは、スペイン語が中心となります。最近では多種言語対応の券売機も多くなってきたので、メトロのチケットなどは窓口よりも分かりやすいかもしれません。
スペインは、EU圏内ですのでユーロが使われています。大型デパートやブランド店以外のお店では、50ユーロ紙幣以下しか受け取ってもらえないため、日本円から両替する際は高額紙幣を避け、50ユーロ紙幣以下で換金することをおすすめします。
また、クレジットカードは日本同様スーパーマーケットから小さなお店・屋台の一部まで使えますが、お店によって高額使用の際にID(パスポートなどの身分証明書)を求められることもあることを覚えておくと良いでしょう。
スペインの気候と服装
温かいイメージのあるスペインですが、訪れる場所や季節によって温度がかなり違います。
春と秋は少し短めですが、日中は暑くても日射しは夏より和らぎ、朝晩が過ごしやすい涼しさになるイメージです。
夏はマドリッドなどの内陸もバルセロナなどの地中海沿いでもかなり暑く、日射しも大変強いです。暑さのピークの8月ではマドリッドやバルセロナでも30~35度が終日続き、南のアンダルシア地方では連日の40度を超え、ピーク時間の午後はまさに「シエスタ(昼食後の休憩)」するしかない場合もあります。
冬場のマドリッドは日中気温が10度前後と肌寒く、地中海沿いのバルセロナではそれよりも温暖ですが日中気温は12~15度前後でやはり冬場の温かいコートは必須です。旅行前に、週間天気予報などで大体の温度を把握して服装を選ぶと良いでしょう。
実はスペインでもグラナダ(シェラネバダ山脈)やフランスとの国境沿い(ピレネー山脈)、内陸の山沿いなどでは冬場に雪が降り、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツも楽しめます。
スペインの治安
近年のヨーロッパではどこでもそうですが、観光客を狙ったスリや盗難事件が頻発しています。楽しく旅行するには、身の回り品や服装、優し気に声をかけられても気を許さないなどの注意が必要です。
もし誰かが何かを押し付けてこようとした時には、絶対触らず受け取らないようにしてください。万が一触ったり受け取ってしまうと、後で法外な値段を要求されたりする場合もあるので、できるだけ関わらないようにしましょう。
よくあるのが、観光名所でジプシー風の女性がハーブや花を渡そうとしたり、電車内で座席の手すりにティッシュなどを置いたりする例です。どちらも受け取るとお金を要求され、もの自体を返しても怒ったり脅されたりする例があります。
また、日本領事館の「たびレジ」などに登録しておくと、スリや強盗などの情報と対処法などの他にも、公共交通機関のスト情報なども随時知ることができるのでおすすめです。
スペイン国内での移動手段
スペイン国内の移動手段は、陸路では電車・高速鉄道(レンフェ)・国内線航空・バス、もしくはレンタカーがあります。
【電車・高速鉄道を使った移動時間目安】
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マドリッド~バルセロナ(高速鉄道AVEで2時間半~3時間)
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マドリッドから近郊・主要都市へ
トレド(45分~1時間)、エル・エスコリアル(1時間)、バリャドリッド(約1時間前後)、サラマンカ、セゴビア、レオン、バレンシア、サラゴザ(約2時間前後)、セビリア(約3時間)、マラガ(約3時間半)など -
バルセロナから近郊・主要都市へ
シッチェス(35分)、ジローナ(40分)、タラゴナ(1時間~2時間)、サラゴサ(1時間半~2時間)、バレンシア(3時間半)、ログローニョ(3時間半~4時間)、など
※上記の目安時間には、駅までの移動や駅内での待機時間を含みません。
【空路を使った移動時間目安】
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マドリッド~バルセロナ(1時間15分)
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マドリッド~ビルバオ、サンタンデール、バレンシア(1時間)、グラナダ、アリカンテ(1時間5分)、サンティアゴ・デ・コンポステーラ、マラガ、アルメリア(1時間10分)、マヨルカ島(1時間20分)、カナリア諸島テネリフェ島(2時間50分)、など
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バルセロナ~マヨルカ島(45分)、ビルバオ、ヒホン(1時間15分)、グラナダ(1時間半)、ア・コルーニャ、セビリア(1時間45分)、カナリア諸島テネリフェ島(3時間半)、など
※上記の目安時間には、空港までの移動や空港内での待機時間を含みません。
スペイン各州の特徴
首都マドリッド州の特徴
マドリッドはスペインの首都であり、有数の観光都市でもあります。スペイン語はもちろんですが、多くの観光客が世界中から訪れるため、比較的英語も通じる場所が多いです。
1561年に当時のスペイン国王フェリペ2世によって首都となって以降ずっと、スペインの政治・経済・文化の中心地として長く繁栄してきました。
市内には王宮や古い教会などの歴史的建造物や現在までの首都としての史跡、プラド美術館やソフィア王妃芸術センターなどの多くの美術館や博物館、多くのブランド店やスペインらしいお店、バラエティに富んだカフェやバル、そしてミシュランの星を持つ有名レストランなども多いため、街歩きに困りません。
市民の憩いの場となる「レティ―ロ公園」と、スペインでもっとも有名なデパート「エル・コルテ・イングレス」は他のお店が閉まるシエスタの時間も開いています。
マドリッドの中心部と呼べる「プラザ・マヨール(マヨール広場)」では、伝統的なカフェやバル、昔ながらの老舗のお店も充実しているため、スペインらしさ・マドリッドらしさを堪能できるでしょう。
またマドリッドは「リアル・マドリッド」「アスレティコ・デ・マドリッド」という有名二大フットボールクラブを抱えており、サッカー好きにはたまらない「聖地」でもあります。
マドリッドはスペイン全土へ向かう交通網の中心にもなっているため、スペイン国内各地を旅行する場合も比較的移動に便利です。
カタルーニア州の特徴
地中海沿岸に面したスペインの北東部に位置します。サグラダファミリア教会やガウディの建築がランドマークとなる、そして言わずと知れた「FCバルセロナ」の本拠地としての観光都市バルセロナのある州です。
フランス国境に近く、この地域では主に地元の人はカタルーニア語が話しますが、スペイン語はもちろん、観光都市のため大概の施設では比較的に英語も通じるところが多いでしょう。
その他にも地中海沿岸には、ダリの愛した小さな港町カダケシュ、夏にはゲイイベントで盛り上がるシッチェス、水道橋やコロッセオ遺跡が残る古代ローマ帝国の植民地州都だったタラゴナなど、バルセロナからちょっと足を延ばせば、まだまだ興味深い町や村も沢山あります。
カタルーニアならではの一品は、パンにトマトとニンニクをこすりつけた「パン・コン・トマテ」、そして「フィデワ」というショートパスタのパエリアです。デザートには本場の「クレマ・カタラーナ(カタルーニア風クレームブリュレ)」をぜひ試してみてください。
バレンシア州の特徴
地中海沿いのカタルーニアから南に位置するこの州は、歴史的な史跡や古城が多いのも特徴です。バレンシアではバレンシア語が話されていますが、母国語としてのスペイン語ももちろん通じます。
スペイン料理として有名な「パエリア」の元祖である州都バレンシアは、お米の産地としても有名です。銘柄米としては「アロス・ボンバ」というお米が特に有名です。
「コスタ・ブランカ」ブームの拠点であったアリカンテ、先史時代につくられたらしいミステリアスな「ダマ・デ・エルチェ(謎の美女像)」が発見されたエルチェ、映画や海外ドラマのロケ地としても有名な城塞都市ペニスコラ、老舗リゾート地ベニドームなどは、今も国内外から多くの観光客が押し寄せています。
年間を通して地中海性の温暖な気候のため、フルーツや野菜も豊富で、日本でも有名なバレンシアオレンジの産地でもあります。
ムルシア州
地中海沿岸の、バレンシア州のさらに南に位置するムルシア州は、「夏は灼熱・冬は温暖」で一年中暖かい地方です。
「エンティエロ・デ・ラ・サルディナ(イワシの埋葬行列)」のお祭りで有名な州都ムルシア、歴史的にはローマを恐れさせたハンニバル将軍が拠点とした有名なカルタヘナ、独特なセマナサンタ行列で有名なロルカ、などがあります。
冬場でも海で泳げるほどの常夏地域です。そのため、スペイン以北に住む「ヨーロッパの隠れ別荘」的地域でもあります。
昔ムーア(イスラム系アフリカ)人が多く入植していた地域でもあり、アラブ文化の影響を受けた城跡やローマ時代の史跡なども多い地域です。この「ムルシア」という名前自体も、当時のアラブ文化の名残なのだそうです。
アンダルシア州
スペインの南を占めるアンダルシアは、フラメンコや闘牛、白い建物だけの「白い村」、広大なオリーブ畑など、まさにスペインらしいイメージが満載の地方です。もちろんスペイン語を話しますが、アンダルシア独特の軽快なアクセントがあります。
歴史的にはイスラム系アフリカ人の支配が長く続いた場所でもあることから、イスラム教徒によって建てられたアルハンブラ宮殿のあるグラナダ、赤と白が象徴的なイスラム教徒のモスクだったメスキータやユダヤ人街などの旧市街地が趣のあるコルドバでは、歴史的町並みそのままの建物が今でも見ることができます。
また、スペインが世界へ進出するための玄関口だった港町カディス、フラメンコと闘牛が本場のセビリアも、このアンダルシア州にあります。
エクストレマドゥーラ州
マドリッドから南西に位置するエクストレマドゥーラ州は、歴史的にはローマ時代から栄え、当時の重要拠点が置かれた地域でした。
ローマ時代は超大都市だったメリダ、旧市街は世界遺産に登録されている古都カセレス、壮大な修道院を要するグアダルーペなど、昔から内陸に位置していて南からマドリッドに向かう要所ともなっていました。
因みにこの地方から多くの人が南アメリカに入植したため、南アメリカにはエクストレマドゥーラ州の村や都市と同じ名前がよく見かけられるそうです。
このエクストレマドゥーラ州は、なんといっても生ハム「ハモン・イベリコ」の名産地として有名です。特に、なだらかな丘陵の森で自由にどんぐりを食べて育った豚の生ハム「ハモン・デ・ベジョタ」は、スペインの生ハムでも最高峰品質を誇っています。
カスティーリア・ラ・マンチャ州
マドリッドから南東部、東側をバレンシア・ムルシア州に接する内陸に位置するカスティーリア・ラ・マンチャは、世界の名作の一つとも挙げられる「ドン・キホーテ」の舞台となった地方です。
乾いた平原で強い風に吹かれる風車小屋、一面が黄色に彩られたひまわり畑など、スペインの原風景とも呼べる景色が広がります。
街全体が博物館の古都トレド、最近ではアニメのロケ地にもなったクエンカ、伝説の城のあるシグエンサなど、この地域にある小さな村はそれぞれが独自の歴史と特色が盛りだくさんで、同じスペインの村でも違った印象を持つかもしれません。
カスティーリア・イ・レオン州
スペイン王国の歴史的中心地とも呼べるのがこのカスティーリア・イ・レオン州です。この地域のスペイン語は一番「標準的」と言われています。
イザベル女王の足跡やフェリペ2世とも縁が深い史跡が多く集まるこの地域には、大学や教会・修道院などが多く集まり、小さな村々にも多くの古城が点在するなどまさに「カスティーリア(城)」が集まった地域です。
スペインの旧首都で州都のバリャドリッド、元々はレオン王国の首都だったレオン、大聖堂の街ブルゴス、今も昔も学生であふれる大学の街サラマンカ、ローマ時代の水道橋や有名なディズニーの白雪姫のお城のモデルとなったと言われているセゴビア、イザベル女王の最期の地となったメディナ・デル・カンポなど、その一つ一つが歴史的エピソードに事欠きません。
ガリシア州
スペイン北西部に位置するガリシア州は、年間通して温暖ですが、スペインでは珍しく雨の多い地域として有名です。大西洋に面している海岸の複雑な入江の形状は印象的で、実は「リアス式海岸」の語源(ガリシア語で「リア=入江」)でもあるそうです。ポルトガル語に近いガリシア語も存在しますが、歌うような「ガリシアアクセント」のあるスペイン語を話します。
フランスから続くサンティアゴ巡礼のゴールである州都サンティアゴ・デ・コンポステーラ、ローマ時代の温泉地でもあったオウレンセ、日本でもおなじみの「ザラ」の生誕地ア・コルーニャ、石鹸で有名なスパ・リゾート島のラ・トハなど、様々なトピックにも溢れた地域でもあります。
サンティアゴ・デ・コンポステーラから40km程離れたところにあるサブセド村では、毎年7月初旬頃に「ラパ・ダス・べスタス(野馬追い祭り)」というちょっと独特なお祭りがあります。近くの山林から野生馬を柵囲いの中に追い込み、体毛を刈って焼印を押す、というちょっと荒々しいこのお祭りでは、野生の馬と大人たちの真剣勝負が見られます。
アストゥリアス州
ガリシア州の東隣に位置し、スペイン北部の州となります。アストゥリアス地方のスペイン語も独特のアクセントがありますが、比較的聞き取りやすいものです。
8世紀初頭にイスラム教勢力にイベリア半島が征服されつつある中、「コバドンガの戦い」で初代アストゥリアス王ペライヨが初めて勝利したことから来ており、現在まで続くスペイン王国の源泉とも考えられている地域でもあり、スペイン王国の王位継承者の名称「デ・アストゥリアス」の元ともなっています。
平地の多いスペイン中央・南部に比べ、起伏に富んで緑豊かなアストゥリアス州は、サイクリング競技のコースなどとしても有名で、近年はスペイン国内だけでなく世界中のハイカーの注目も集めています。
入り組んだ海岸線や独特の海岸洞窟などは、ドラマや映画のロケ地としても多く採用されているようです。
世界遺産となっているアストゥリア王国時代の教会が残る州都オビエド、海岸線の長い遊歩道が象徴的な街ヒホン、イスラムとの戦いでスペインの最後の砦だったと言われるサントゥアリオ・デ・コバドンガなどの代表的な場所だけでなく、海沿いや山間の小さな村々もそれぞれに趣があります。
カンタブリア州
東にアンダルシア州、西にバスク州に挟まれた、スペイン北東部でカンタブリア海に面した地方になります。歴史的には、ローマ時代には「カンタブリ族の地」としてその名前が既に出現しているという、古い歴史を持っています。
カンタブリア地方のスペイン語もアクセントがありますが、バスク地方が近いことから似た発音や共通の単語も多く残っているようです。
海と険しい山に挟まれた自然環境から、年間降水量が多く緑が多く生い茂っており、自然公園が7つもあるなど植物や動物の宝庫ともいわれています。
カンタブリア州には、銀行の街としても世界的に有名な州都サンタンデール、小さいながらも趣のある漁港カストロ・ウルディアレス、そして先史時代の壁画で有名なアルタミラ洞窟などもあります。
カンタブリアの名物は、アンチョア(カタクチイワシの塩蔵)、サルディナ(鰯)などの鮮魚や、「カルネ・デ・カンタブリア」という独自のブランド牛も有名です。またこの地の新鮮な牛乳や卵で作られた素朴な味の「ソバオ」はカステラより軽く、味わい深いです。
バスク州
バスク地方は、スペインバスク・フランスバスクと、二国にまたがって存在しています。スペインのバスク州はフランス国境に接して、ピレネー山脈のスペイン側の麓に位置しています。独特のバスク語を話しますがスペイン語も通じ、道路標識や看板などはスペイン語と両方が表記されています。
海と山に囲まれたこの地方は「天気がいい日は数えるほど」と言われるほど気候が変わりやすいことで有名です。
国際映画祭などで有名なサン・セバスチャン、グッデンハイム美術館のあるビルバオ、夏にはジャンルが別の国際的音楽祭が三つも開かれるビトリア(バスク名ガステイス)などがこの地域では有名な都市です。
バスク人は「スペインで一番食べ物にうるさい」と言われているだけあって、どのバルでも魅力的な「ピンチョス(おつまみ)」が整列してショーケースに並んでいるさまには、ワクワクすることでしょう。
ナバラ州
バスク州に接しバスク人も多く住んでいる地域ではありますが、中世にはフランス王家やスペイン王家ともつながりの深い「ナバラ王国」があった地域です。
一年間の気温差は激しく、降水量もかなりあるため農産物が大変豊かな場所です。ここでしか食べられない野菜として、「ボラハス(小松菜に似ている)」や「カルド(アザミのような花が咲き、フキに似ている)」があり、両方とも冬が旬でナバラ地方でのみ栽培されています。
ヘミングウェイの小説「日はまた昇る」の舞台にもなったパンプローナ、スペインにおける最後のユダヤ人コミュニティがあったトゥデラ、三角屋根の珍しいお城のあるオリテなど、その他の町や村にも一つ一つ特色があり興味深いです。
因みにナバラ州のハビエル町にある「ザビエル城」は日本にも来たフランシスコ・ザビエルの生まれ故郷であり、ザビエルはナバラの守護聖人でもあるのです。
世界的にも有名になった「パンプローナのサン・フェルミン(牛追い祭り)」は、この期間はスペイン公営放送で毎朝「サン・フェルミン」の牛追いを解説付きでテレビ中継します。
ラ・リヨハ州
北はバスク州とナバラ州、南はアラゴン州に挟まれた州です。リヨハワインの産地として有名な地域で、住民のほとんどがワイン産業と関わっています。リヨハのワインの歴史は古く、遡るとローマ時代から既にこの地方でワイン作りが行われていたという文献も残っているそうです。
この地域には大小含めて500を超えるワイナリーがあり、そういった地元のワイナリーを訪ねて試飲をするツアーも人気です。収穫時期にはスペイン各地だけではなく世界中からも観光客が訪れています。
リヨハらしく、リヨハワインと様々なタパスで飲み歩きに最適な「カジェ・ローレル」で有名なログローニョ、世界遺産「サン・ミジャンのユソ修道院・スソ修道院」などがあります。
アラゴン州
北はフランス国境に接し、東にカタルーニア、西はカスティーリア・イ・レオン州に隣接する位置にあるアラゴン州は、元は「アラゴン王国」という王国でした。
歴史的にはナバラ王国やカタルーニア地方、一時はイタリアのナポリやサルディーニアまでも治めていた大変勢力が強い国でもありました。実はそれ以前にはイスラム統治下におかれていたため、様々な場所でイスラム文化の名残を今も見ることができます。
現在サラゴサでアラゴン州議会が置かれる「アルファフェリア宮殿」もその一つで、実は「アランブラ宮殿」建設に影響を与えた建物と言われています。
ピラール祭りで有名な州都サラゴサ、ヨーロッパのチョコレート発祥の地といわれているカラタユッド、世界遺産にも登録されたアラゴンのムデハル様式(キリスト教とイスラム教が混ざったデザイン)で有名なテルエル、などがアラゴンの代表的な街として挙げられますが、近隣の地位様村でも様々な城跡を見ることができ、美しい小さな村を見て回るのも興味深い地域です。
バレアレス諸島州
スペイン沿岸の、地中海に浮かぶマヨルカ島(大島)、メノルカ島(小島)、そしてイビザ島・ファルメンテラ島・カブレーラ島などの他にも周囲に点在する小島や岩礁で構成されています。州都はマヨルカ島のパルマ・デ・マヨルカです。
歴史的には先史時代から人類が住んでいた痕跡があり、ローマ時代にもその名が広く知られていました。中世以降はアラゴン王国・スペイン王国が領有していましたが、その地理的利点からイギリスやフランスに占拠されたりと様々な局面もあった地域でもありました。
スペイン語とマヨルキン(マヨルカアクセントのカタルーニア語)が主に話されていますが、世界中からの観光客が多いため、地元住民の中では英語・イタリア語・ドイツ語などが話せる人も多いようです。
現在は美しいリゾート地として、スペインだけではなく世界中から観光客が訪れる場所となっています。州都としての美しい町並みはさることながら「マヨルカパール」という工芸品レベルの人工真珠で有名なマヨルカ島、のどかな別荘地が多いメノルカ島、島自体が世界遺産に登録されているイビザ島など、島によっても様々な特徴があります。
ちなみにイビザ島は「パーティーアイランド」とも呼ばれ、夏には世界中からパーティー目当てに観光客が訪れ、人気DJがクラブでプレイするのが有名です。
カナリア諸島州
アフリカ沖の島として点在するカナリア諸島は、スペイン本土からマイナス1時間の時差があります。年間を通して温暖なため、リゾート地としても有名で、ヨーロッパでは羨望のバケーション地です。
名前の通り、鳥のカナリアの原産地でもあります。また、州都はテネリフェ島のサンタ・クルス・デ・テネリフェと、グラン・カナリア島のラス・パルマス・デ・グラン・カナリアの共同州都となっています。
一番大きいテネリフェ島から、グラン・カナリア島、ランサローテ島、ラ・パルマ島、ラ・ゴメラ島、エル・イエロ島、フェルテベントゥーラ島の7島で構成されています。
大陸から隔絶された島々のため、独特の固有生物種が多いので他の地域では見たことのない植物なども見ることができます。火山島のため、火山風景や砂地が広がる砂丘などもスペインの他の地域では目にしたことのない光景でしょう。リゾート地として日光浴に最適なビーチ、そしてマリンスポーツも盛んです。
カナリア諸島の名物は「プラタノ」。一見バナナですが、絶対バナナと呼んではいけません。カナリア諸島でしか採れないフルーツとして島の人が誇りに思っている名産品です。
スペイン旅行の見どころ
スペインにはたくさんの世界遺産が集中
スペインには「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」といった、全ての種類の世界遺産が登録されています。2019年現在で、42の遺跡や街並みなどの文化遺産、3つの自然遺産、2つの複合遺産、そして2つの無形文化遺産、そして1つの記憶遺産の登録があります。
スペインの景観や遺跡、そして地方都市の旧市街地の多くが文化遺産として登録されているため、それらの町や村を回る観光ツアーも年々充実して増えてきています。
こうしたスペインの世界遺産は、見学のために保存されているのではなく「現役」として機能しているところも多いのが特徴の一つです。
例えば、カスティーリア・イ・レオン州のサラマンカは、古代ローマに建設された植民都市のひとつでしたが、古代ギリシャローマの学問やイスラム統治時代の学問が集積されたのち、キリスト教復帰後この地に「サラマンカ大学」が設立されて以降、学問の街として現在までも多くの学生が世界中から集っています。
この「サラマンカの旧市街」は1988年に世界遺産に登録されていますが、学生たちは世界遺産に囲まれて今も勉強しています。
有名なグルメの国、スペイン
スペインで有名な「パエリア」や「生ハム」も、実は元々地方料理や名物の一つでした。スペインは場所の特色が名物料理にも反映されています。その季節やその土地でしか食べられないものも多いため、もし出会ったら確実に試してみて欲しいものばかりです。
そしてスペインは、地元バルでのタパス(おつまみ)などカジュアルなものから、「アルタ・ガストロノミア」と呼ばれるミシュランの星を持つレストランまで、幅広く楽しめる環境にあります。
イギリスの雑誌主催「世界のベストレストラン50」で、スペインはいつも多くノミネートされ、2018年は最多の7軒がランクインしています。
例えば、そのうちの一つで2位に輝いた「カン・ロカ」(カタルーニア州・ジローナ)は三人兄弟がそれぞれワイン・料理・デザートを担当し、それぞれが各界でトップクラスであることも有名です。
ワインも美味しいスペイン
スペインは世界的にもワインの生産量が多く、ワイン用のブドウの作付面積は世界一でもあります。世界的に有名なリヨハはもちろん、スペインのほぼすべての州でそれぞれのワインが生産されています。
その土地の料理と一緒にワインも気軽に楽しむことができる方法としては、バルでグラスワインとその土地の特徴的なタパスを試すことです。バルによっては、ハウスワイン以外のワインをグラスで試すことができる場合もあるので、興味があれば遠慮せず訪ねてみましょう。
バル巡りに最適な街の代表格は、ラ・リヨハ州のログローニョです。「カジェ・ローレル(ローレル通り)」という道沿いでは、道に面して両脇に全てバルが並び、それぞれのバル自慢のオリジナルタパスと美味しいリヨハワインの飲み食べ歩きが存分にできます。
スペインの本当の魅力は「村」にある!
スペインと言えば、マドリッドやバルセロナなどの大都市にインパクトがあるようですが、実はスペインの本当の魅力は「村」にこそあると思っているスペイン人が多いようです。
多くのスペイン人は自分たちの「村」を誇りに思っており、自己紹介の時には思わず「村の名前」が最初に来る場合が多いのです。
そしてスペインの村は、世界遺産になっている多くの旧市街地同様に、ドラマや映画のロケ地としてもよく選ばれています。
例えば、古くは西部劇のロケ地だったアルメリア(アンダルシア州)やサント・ドミンゴ・デ・シロス(カスティーリア・イ・レオン州)、「エル・シド」のペニスコラ(バレンシア州)、オーランド・ブルーム主演の映画「キング・オブ・ヘブン」のロアレ城(アラゴン州)、最近ではドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」にはスペイン各地の多くの村やお城・旧市街が採用されたため、世界中からのファンのロケ地巡礼も人気です。
近年では、スペインで「マス・ボニート・プエブロ・デル・エスパニャ(スペイン一美しい村)」という、美しい村を決めるコンテストが行われています。
昔ながらの美しい石畳の道や独特な家の造りが生む村の景観など、「映える」ポイントなどを重要視した試みは、SNSの流行にも相まって、近年ではスペインだけではなくアメリカやヨーロッパ諸国など海外からの注目も高まっています。
スペインの村はそれぞれ特色を持っているところも少なくありません。
例えばガリシア州カンバロ村はこじんまりとした漁港を持つ小さな村ですが、前述の「美しい村コンテスト」にノミネートされたうちの一つです。ガリシア地方独特の「オレオ」と呼ばれる小さな高床式の倉庫が並ぶ海沿いの小径は、多くの人の郷愁をかき立て「ただその村を見るためだけ」に車を走らせる人が増えたとのことです。
最近では国際的なチーズコンテストなどでも、スペインの小さな村のチーズが注目を集めたりという快挙もあり、スペインの村々はこれからもより注目を集めそうです。
スペイン定番スポット10選
マドリッド王宮(マドリッド)
マドリッド市内にある、公的行事に主に使われるスペイン王の宮殿です。実はスペイン国王ご一家はマドリッド郊外にあるサルスエラ宮殿で生活しているので、普段マドリッド王宮は一般公開され見ることができます。
市内中央部ともいえる場所にありますが、広い庭園に囲まれ、内部はベラスケスやゴヤなどによる美術品や工芸品・歴代スペイン王が集めた収集品などで飾られており、豪華な家具も見応えがあります。
因みに現国王のフェリペ6世と民間出身のレティシア王妃の婚礼はこの王宮の中庭で挙げられました。
プラド美術館&ソフィア王妃芸術センター(マドリッド)
スペイン・マドリッドでの見どころの一つであるこの二大美術館は、世界中からも多くの観光客が集まる注目のスポットです。
プラド美術館は、フェリペ2世とフェリペ4世によってコレクションの基礎をなす収蔵品が集められ、とくに有名なのはゴヤやベラスケス、エル・グレコといったスペインを代表する作品や、多くの精密な宗教画、そのほかにもこれまでのスペイン王家が持つ歴史的なコレクションの多くが収蔵されています。
ソフィア王妃芸術センターは、スペイン前国王のファン・カルロス1世のソフィア王妃の名前を取った、20世紀の近代芸術作品を中心に展示している、プラド美術館と双肩をなす美術館です。スペインを代表するダリやピカソの作品も収蔵しており、ピカソの「ゲルニカ」はとくに有名です。プラド美術館とソフィア王妃芸術センターはどちらも近く、徒歩圏内で移動ができます。
エル・エスコリアル(マドリッド近郊)
マドリッド郊外のサン・ロレンソ・エル・エスコリアル町にある、宮殿・教会・修道院・王室墓所・博物館そして図書館がある複合施設です。
「太陽が沈まない王国」の時代のフェリペ2世によって建てられました。現在はユネスコ世界遺産にもなっておりますが、この壮大な施設の見どころは、その素晴らしい芸術性もさることながら、歴史的遺産価値も認められている点です。
スペイン最古ともいわれている図書館は、学術的価値が高くヨーロッパでも有数の歴史的書物の宝庫としても有名です。フェリペ2世が最も好きだった場所と呼ばれており、宮殿内にも多くの「足跡」を見つけることができます。
館内のツアーに参加すると、自分では回れないような場所にも行けるのでおすすめです。エル・エスコリアル周辺は落ち着いた街並みで、小さなカフェやレストランなどもあり散策も楽しいでしょう。
サグラダファミリア聖堂(バルセロナ)
バルセロナの象徴とも呼べるサグラダファミリア。予定では2026年に完成を目指して、今も建築中です。既に2010年にはローマ法王によるミサが行われ、正式に教会と認定されている現役の教会です。
1882年に着工、1883年から建築家ガウディによって進められてきたこの教会は、現在その教会建築の過程を見ることができるという貴重な存在でもあります。現在、サグラダファミリアの地階部分には工房の一部も見ることができ、様々な興味も掻き立てられるでしょう。
エレベータに上るとバルセロナ市内を一望でき、さらに屋根の細かい細工や模様などもすぐ近くで見ることができます。
グエル公園(バルセロナ)
こちらも、バルセロナ観光では是非訪れたい場所として挙げられる公園です。バルセロナ市を見下ろすような高台にある、サグラダファミリアと同じく建築家ガウディが携わった公園で、波を打つようなフォルムのモザイクベンチやドラゴンの像など、広い敷地内にバルセロナらしい写真が撮れるスポットが沢山あることで有名です。
公園内にはガウディがデザインした家具なども展示されている「ガウディ博物館」もあるため、興味のある人は立ち寄ってみるのも良いでしょう。
セゴビア(カスティーリア・レオン)
小高くそびえる丘の上に位置するセゴビアの旧市街の入口にそびえ立つ、ローマ時代に築かれた水道橋は、訪れる人にとって圧巻の光景です。そして、水道橋から広がる旧市街地は中世の雰囲気を残したロマンティックな街並みです。
この町は、スペイン王国の基礎を築いたイザベル女王が即位した街としても有名です。
尖塔が美しいセゴビアのカテドラルはスペイン最後のゴシック建築物とも言われその優美な姿から「カテドラルの貴婦人」とも呼ばれています。また、一番奥にあるセゴビアのお城「アルカサル」はディズニーの白雪姫のお城のモデルとなったことでも知られています。
セゴビアはこうした様々な歴史的建造物が詰まった中世の「城塞都市」として世界遺産に登録され、今も世界中から多くの観光客がやってきます。
グラナダのアルハンブラ宮殿(アンダルシア)
9世紀ごろからこの地に建てられた、グラナダの小高い丘の上に立つ、イスラム様式の宮殿・城塞です。
イスラム統治下でも増改築を何度も繰り返し、その後レコンキスタによってキリスト教的に手を入れられた部分や周辺に教会や修道院になった部分もありますが、今も破壊されることなくイスラム様式を残したまま世界遺産として現存しています。
アルハンブラ宮殿を楽しむポイントは、宮殿内と庭園を実際に見て歩くのはもちろんですが、「サン・ニコラス教会」のあるサン・ニコラス広場から眺める、というのもおすすめです。この広場からはアルハンブラ宮殿が一望できます。
そして、アルハンブラ宮殿内にある国営ホテル「パラドール」に泊まる、というのもまたもう一つの別の楽しみ方です。
グラナダ市内にはその他にも今もイスラム時代を思わせるイスラム街や、アルハンブラ宮殿を陥落させた「レイエス・カトリコ(カトリック両王)」のイザベル女王とフェルナンド王が眠る「王室礼拝堂」などもあります。
コルドバのメスキータ(アンダルシア)
イスラム統治下時代にコルドバに建てられたイスラム教の教会(モスク)です。「メスキータ」はモスクのスペイン語となっており、この「コルドバのメスキータ」はスペイン国内に唯一残る大モスクです。
元々この場所には紀元前2世紀にはローマ神殿があったと伝えられており、その後西ゴート王国によって聖ビセンテ教会が建てられていたという、神聖な場所だったようです。
イスラム統治下でも何度か増改築され、キリスト教によって征服された後はカトリックの礼拝堂として更に改築されて使われてきました。この「聖マリア大聖堂」は世界遺産として登録されています。
象徴的なアーチが赤と白で彩色されて多くの円柱が森のように連なる内部や、オレンジの木が植えられた中庭、壁の細工の細部まで装飾されている精密さは、実際に見る価値が十分にあります。
トレドの旧市街(カスティーリア・ラ・マンチャ)
古都トレドはカスティーリア・ラ・マンチャの州都であると同時に、スペインの歴史的な重要な都市として、現在は旧市街全域が世界遺産に登録されています。また、ギリシャ人画家の「エル・グレコ」の街としても知られています。
古く以前からケルト・イベリア人が住んでいたと言われており、古代ローマ時代の記録にも登場しています。西ゴート王国建国時に首都として発展し、キリスト教会議などでも重要な位置を担ってきました。
後にイスラム教統治下の中で「トレド王国」の中心としても栄えましたが、その後カスティーリア王国によってキリスト教に再復帰後は、幾度のイスラム勢力にも抵抗する「レコンキスタの砦」的な役割を果たしました。
経済を支配していたユダヤ人の存在も大きく、12世紀にはその三宗教が共同作業する「トレド翻訳学派」が活躍し、そのためトレドはキリスト・イスラム・ユダヤのそれぞれの文化が混ざり合う交流の場でした。
1561年までスペインの首都として政治・文化・経済の中心として繁栄してきましたが、宮廷がマドリッドに移転後はその時間を止めたように当時そのままの姿を残していました。
現在も旧市街ではキリスト教はもちろん、イスラム教・ユダヤ教の建物などの歴史の痕跡も見ることができ、スペインの複雑な歴史を感じるのに最適な、まさに「街全体が博物館」と呼ばれるに値する街です。
ペニスコラ(バレンシア)
地中海に突き出た岩の丘に建てられたペニスコラは、テンプル騎士団によって作られた城を中心に、街全体が城壁で囲まれた中世の要塞都市でした。「エル・パパ・ルナ」と呼ばれた教皇が住んでいたことでも有名ですが、現在は周囲をビーチで囲まれたサマーリゾートとして人気の場所でもあり、ヨーロッパ中から多くの観光客が訪れています。
城壁で囲まれた旧市街内にある建物は、歴史や時代を感じさせつつも、今も華やかな雰囲気を醸し出しています。現在は多くのショップやバル・レストランなどがあり、絶景を楽しみながら様々に時間を過ごすことができます。
ヤシの木が並ぶ海岸沿いの砂浜はその美しさやエキゾチックさから、映画やドラマの舞台に使われることも多いポイントのようです。
スペインのおすすめホテル10選
11th プリンシペ バイ スレンドム スイーツ
基本情報
【住所】calle del Principe 11, 市内中心部, マドリード, スペイン, 28012
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
ホテル メディオディア
基本情報
【住所】Plaza del Emperador Carlos V, 8, 市内中心部, マドリード, スペイン
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
ザ ハット ホステル マドリッド
基本情報
【住所】9 Imperial Street, 市内中心部, マドリード, スペイン, 28012
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
オスタル オペラランブラス
基本情報
【住所】Sant Pau, 20, ランブラス通り, バルセロナ, スペイン, 08001
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
カーサ ケスラー バルセロナ ホステル
基本情報
【住所】30th Enric Granados street , Mezzanine, アシャンプラ, バルセロナ, スペイン, 08008
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
ホテル アンビット バルセロナ
基本情報
【住所】Carrer de Roger de Llúria, アシャンプラ, バルセロナ, スペイン, 08010
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
La Alcoba de Palacio
基本情報
【住所】Calle Miguel Mañara 8, カスコアンティグオ, セビリア, スペイン, 41004
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
セビリア センター ホテル
基本情報
【住所】24 Avda. de la Buhaira, S/N, ネブリオン, セビリア, スペイン, 41018
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
エグゼ セビリア マカレナ
基本情報
【住所】Calle San Juan de Ribera, マカレナ, セビリア, スペイン, 41009
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
イベロスター セレクション プラヤ デ パルマ
基本情報
【住所】Marbella 36, パルマ デ マジョルカ, マヨルカ, スペイン, 07610
【Wi-Fi】利用可
【ペット】不可
【子供連れ】0歳から可能
スペインの年間イベント情報
12月24日 ラ・ノチェ・ブエナ(クリスマスイブ)
スペインのクリスマスシーズンは12月24日の「ラ・ノチェ・ブエナ」から始まり、翌1月6日の「レイエス・マゴス(公現祭)」までとなっています。12月24日は「キリストの生まれた夜」という意味合いなので、教会でのミサの後は家族や親族と共に夕食に御馳走を食べ、カヴァ(スペインのスパークリングワイン)を飲み、家族で静かに祝うのが通例です。
12月25日 ナビダッド(クリスマス)
クリスマス当日である「ナビダッド(クリスマス)」はそれぞれの教会にミサに行き、お昼には再びそれぞれの家族で御馳走を食べることが多いようです。本来、スペインではクリスマスの日に贈り物を送り合う習慣はありませんでしたが、近年は様々な影響からクリスマスプレゼントも渡し合うこともあるようです。
12月28日 エル・ディア・デ・ラ・イノセンテ(スペインの“エイプリルフール”)
スペインでは、この日だけ「とてつもない嘘をついても良い日」になっています。家庭や職場などでは、背中に「紙で作った人型」をこっそり貼ったりするちょっとしたいたずらをします。
12月31日 ラ・ノチェ・ビアハ(大晦日)
スペインの大晦日は、友人達と食事会をしたり、多くの若者は友人達と新年を祝うためにバルに繰り出して過ごす人が多いようです。有名なのは、マドリッドの「プエルタ・デル・ソル」に集まって、州庁舎で12時に鳴る鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べカヴァで乾杯するイベントです。新年のあいさつはこの深夜に行われます。
1月1日 アニョ・ヌエボ(元旦)
新年となりましたが、スペインでは前日のパーティーなどで酔っぱらった人が休息する一日になっているようです。
1月6日 レイエス・マゴス(公現祭・東方三賢人からのプレゼント日)
スペインでは、子供たちが待ちに待っている「プレゼントがもらえる日」です。子供たちは事前に「親愛なるレイエス・マゴス(東方三賢人)へ」と、去年良い子であったことと希望のプレゼントを手紙に綴ります。
各都市で趣向は変わりますが、「東方三賢人」が各都市にやってくる様子はニュースとして大々的に取り上げられます。マドリッドには飛行機で東方三賢人がやってきますが、バルセロナには船でやってきます。
その街に着いた東方三賢人は「今晩プレゼントを配る大仕事をするので、良い子は早くベッドに入るように」といった旨の会見を開き、街中をきらびやかな山車でパレードしキャンディを配ったりします。
良い子は、翌朝自分の靴の傍に欲しかったプレゼントが置かれていますが、悪い子には「カルボノ(黒炭飴)」が置かれます。
1月7日 〜 春のレバハス(大バーゲン)
「レイエス・マゴス」のイベントが終わった翌日から、デパートでは大バーゲンが行われます。一年で一番値引き率が高いと言われているため、大勢の人がデパートやお店に詰めかけます。
3月12〜 19日 ラス・ファジャス・デ・サン・ホセ(バレンシアの火祭り)
バレンシア州都バレンシアで、毎年行われるスペイン三大祭りの一つです。バレンシア市内の至る所に趣向を凝らした巨大なオブジェが競い合い、道では盛大な爆竹の音と煙で盛り上がり、最終日にオブジェは全て盛大に燃やされてしまうというお祭りです。お祭りの間に街中で見かける、可憐で豪華なバレンシアの民族衣装も見ものです。
3月後半~4月前半 セマナ・サンタ(聖週間)
スペインで最も重要なお祭りです。スペインでの宗教イベントはこの日を軸に開催日を決定するという移動祝日で、「春分の日の後の最初の満月の次日曜日」とされています。(英語圏では復活祭・イースターと呼ばれています。)
スペイン中の全ての地方・すべての都市で一斉に行われるこのお祭りは、それぞれの町が自分たちのセマナ・サンタに誇りを持っています。実はスペイン人を表わす「パッション(情熱)」はこの熱心な宗教心を指す、と言われています。
セマナ・サンタでは「プロセシオン」と呼ばれる行列が一番のイベントです。
行列にはそれぞれの教会のカラーのおそろいの衣装をまとった人たちが、楽団を引き連れ「キリストの受難の物語」に沿った山車を引きながら街中を練り歩きます。目出しの三角帽子を被った衣装が特徴的です。行列の中には、「キリストと共に受難を受ける」と志願した信者が、裸足で十字架を背負って歩く例もあります。
一年の中で一番盛り上がるスペインのセマナ・サンタが見たい場合は、この行列のある日曜日を日程に確実に入れると良いでしょう。
4月 フェリア・デ・アブリル(アンダルシアの春祭り)
スペイン三大祭りの一つ、セビリアで行われる「春祭り」です。
聖週間の1~2週間後からスタートするこのお祭りは、聖週間とあわせてアンダルシアで最も華やかな期間と呼べるでしょう。女性は大きな水玉のマーメイドラインの衣装、男性は白いゆったりとしたブラウスに細身のパンタロネスに包まれ、ツバの広い帽子を合わせたスタイルの、アンダルシア地方の民族衣装はまさにスペインのイメージです。
地域のグループなどでカセタ(テント)を作り、その中では「セビリアーノ」と呼ばれる歌と音楽や踊り、そしてワインやシェリー酒と地元の料理でみんなで楽しみます。旅行者は、誰でも入れるカセタのみで楽しむことになりますが、もし地元の人と仲良くなれれば彼らのカセタに招待されるかもしれません。
7月1日 〜 夏のレバハス(大バーゲン)
各学校の学期が6月で終わり夏季休暇に入るタイミングで、スペイン中で大バーゲンが行われます。夏のバーゲン期間は長く8月近くまで続きます。スペインを訪れる夏の観光客が楽しみにしているバーゲンでもあります。
7月6日 サン・フェルミン
ナバラ州のパンプローナで行われるスペイン三大祭りの一つです。この「サン・フェルミン」は、7月6日から14日まで行われ、今ではすっかり世界的にも有名なお祭りになりました。参加者は、斬首されたパンプローナの守護聖人「聖フェルミン」の受難を思い、全身真っ白の服装に首に赤いスカーフを巻くのだそうです。
7月6日にパンプローナの市庁舎前で開会が宣言された後、7日から14日まで毎朝8時にパンプローナ市内の決まったルートを通り闘牛場までの道のりを、参加者は牛に追われます。毎年けが人が出ることで有名です。
この牛追いに参加者には「18歳以上の男性のみ」「お祭りにふさわしい服装」「走り出す30分前に指定場所にいること」などの条件が市から決められています。
8月28日 トマティーナ(トマト投げ祭・バレンシア州ブニョール)
現在は世界的にも知られるようになった「トマティーナ」は、バレンシア州ブニョール(Bunol)村で行われるお祭りです。
元々は隣人とのちょっとしたふざけ合いの喧嘩からトマトを投げたのが楽しかった、というのが始まりだったと言われています。現在は世界中から多くの参加者が集まるまでになったため、現在の参加は登録制となり有料となりました。この日に合わせてバルセロナやバレンシアからのツアーも組まれています。
9月~10月 フィエスタ・デ・ベンディミア(収穫祭)
農村などで昔から行われる、ブドウの収穫期に合わせた収穫祭があります。収穫祭のある村では、ワインの試飲会や地元料理の屋台など、それぞれの村の特色が出たお祭りです。好きな村の収穫祭に合わせて毎年リピートして訪れる外国人観光客も少なくないそうです。
例えば、近年ワイン市場でも名前の挙がるカスティーリアレオン州トロ村ではこの収穫祭は10月12日に行われ、街を練り歩く「デスフィレ・デ・カロ(荷車の行進)」がとくに有名です。昔ながらのワイン製造の道具や古い農具などをいっぱいに積んだ荷車に、クスっと笑える仮装などが毎年好評を呼んでいるようです。
12月13日 ノチェビアハ・ウニベルシタリア(大学生の大晦日)
サラマンカ大学のクリスマス休暇帰省前の12月の第2木曜には「ノチェビアハ・ウニベルシタリア(大学生の大晦日)」として、一足早く「大晦日」を同級生と祝っています。歴史的建造物であるマヨール広場いっぱいに大勢の学生が集まり、ブドウのグミを12粒食べるというイベントが毎年行われています。このイベントのために、グミ会社は12粒入りのグミ製品まで開発したとのことです。
※上記以外のお祭りは、それぞれの地方の4月から10月ぐらいまでで行われていることが多いです。
スペインへの主要エリアからのアクセス・所要時間
直行便の目安時間
成田~マドリッド 約14時間~13.5 時間
乗継便
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イスタンブールで乗継の目安時間
日本から12~13時間前後、マドリッドまで4~5時間前後、バルセロナまで3~4時間 -
ドバイまたはカタール(ドーハ)で乗継の目安時間
日本から10~11時間前後、マドリッドまで6時間半~7時間半前後、バルセロナまで5~6時間前後 -
ヘルシンキで乗継の目安時間
日本から9~10時間半前後、マドリッドまで4時間半~5時間半前後、バルセロナまで3~4時間前後
就航している航空会社
直行便
イベリア航空(成田~マドリッド) ※2016年10月就航
乗継便
ターキッシュエアラインズ(イスタンブールで乗継)、エミレーツ航空(ドバイで乗継)、カタール航空(ドーハで乗継)、フィンエアー(ヘルシンキで乗継)
※その他、ANA・JALと各種ヨーロッパ系航空会社やロシア・中国系などもヨーロッパ中継地を経由して運航しています。
スペインツアーを選ぶときのTips集
「何日ぐらいのツアーが一番楽しめますか?」
何が見たいか・何がやりたいかの目的によっても変わりますが、初めてのスペインで「マドリッドだけ見たい」「バルセロナだけ見たい」という場合は往復の機内滞在を含めて2泊5日ぐらいの短い日程でも何とか可能です。ただ、やはり日本から長い旅行時間をかけてくるので、できれば一都市に一週間ぐらい滞在できると体調に負担なく効率的に観光ができそうです。
また一週間滞在できれば、各地域の週間予定も体験できます。例えば、地元で決まった曜日に開かれるスペインらしい「メルカディージョ(蚤の市)」を見たりなどの地域イベントを垣間見るチャンスもできるでしょう。
「スペインの気候は?行くのによい季節はありますか?」
スペインは、どの季節に来ても何か楽しむことができる国です。スペインで過ごす日程や目的に合わせて旅行する季節を選んだり、お祭りなどのイベントに合わせて旅程を組むのも良いと思います。
例えば、世界中の観光客が集まるピークは夏に多いため、沢山の人でにぎわうビーチリゾートや夏のイベントを楽しみたい場合は、夏のオンシーズンを選ぶと良いでしょう。ただ、スペインの夏は暑く日射しが強いことを忘れずに。
ワインツーリズムを楽しみたい場合は、ブドウ収穫期の9月~10月頃が最適です。この時期のワイナリーでは見学ツアーや試飲会なども頻繁に開催しているので参加しやすいと思います。
一方、「できれば観光客が一番少ない時期を狙いたい」場合には、秋口からクリスマス前などのオフシーズンは観光客も比較的少ないため、人気の美術館や博物館などもゆっくり自分のタイミングで回れるでしょう。クリスマス前には、都市によってクリスマスマーケットも開かれます。
ただオフシーズン期間は、サマーリゾートなどで夏に開いていた施設やお店が閉店期間になっていることもあるので、事前確認をしたほうがよいでしょう。
「スペイン語はもちろん、英語も苦手ですが、日本語は通じますか?」
残念ながら、スペインではスペイン語がメインで英語も観光客の多いところが通じる程度です。日本語は、日本人店員のいるお店なら通じるかもしれませんが、それ以外の場所ではちょっと難しいかもしれません。
「ブエノス・ディアス(こんにちは)」「グラシアス(ありがとう)」「シ(はい)」「ノ(いいえ)」ぐらいの簡単な単語を覚えておくとちょっとしたコミュニケーションが取れます。
買い物などの時には、レジの価格表示やレシートをもらうなど数字は目で見て確認できるようにしたほうがよいでしょう。