バレー・オブ・ファイアー州立公園ってどんなところ?
ネバダ州最初の国立公園です。モハベ砂漠の一角に、赤い砂岩が侵食された不思議な谷は「火の谷」とも呼ばれます。車道沿いに、ユニークな形をした奇岩や赤い屋根が連なり、無数の穴が開いた滑らかな岩などが次々に現れます。赤く染まった広大な地は圧倒する風景です。
ネバダ州ラスベガスの北東約60km、オバートン(Overton)の近くに位置しています。車では、まず「Interstate15」を北へ約50km走り、モアパ・インディアン保留地で「Route169」に乗り換えて東へ走ります。ラスベガスのストリップから1時間足らずの距離です。レンタカーなどで、ラスベガスから半日で観光も可能です。
最も古い地層は、およそ2億5,000万年前に堆積したと考えられています。それは想像もし難い、遥か昔、長年の堆積と隆起、雨と風による侵食によって生まれたものです。この砂漠の奇観を成すのは、種類も色合いもさまざまな火山岩と赤い砂岩です。
真っ赤な岩が太陽に照らし出されるとまるで火のように見えることに由来して名付けられました。特に朝日や夕日に映える光景は迫力満点です。これら地質学的特異性により、ある種地球離れした、神秘的でかつ独特な雰囲気が漂っています。実際、スタートレックシリーズや先史時代の英雄ものなどを含む、多くのハリウッド映画の撮影場所としても使われてきました。
ほとんどのスポットは「Route169」沿い、あるいは分岐して丘へと延びる専用道路からアクセスできます。園内のビジターセンターには、この地域の地理、考古学、動植物に関する説明や展示などがあります。
そのほか、障害者対応のものも含むいくつものウォーキング・トレイル、小さなキャンプ場が1つあります。醍醐味である、ロッククライミングやボルダリングが楽しめる場所も多く点在しています。
映画『スタートレック』や『トランスフォーマー』のほか、日本のCMやプロモーションビデオなどでも採用されました。邦画『花より男子 ファイナル』にも登場したことから日本人にも人気の観光スポットになっています。
グランドキャニオンに行きたいけれど日程に余裕がなく断念せざるを得ないというのであれば、半日観光も可能な「バレー・オブ・ファイアー州立公園」がぜひともオススメです。
見どころ
大自然の雄大な景色や奇岩を体感する
エレファント・ロック
「エレファント・ロック」はバレー・オブ・ファイアーで最も象徴的な名所の一つとして知られています。その名の通り、象のように見える岩です。自然が造り出したとは思えないクオリティーに衝撃です。いろんな角度から眺めてみましょう。
ファイアー・ウェーブ
エレファント・ロックと並んで、「ファイアー・ウェーブ」も象徴的な地形です。渦を巻く赤と白の縞模様がとても美しく、その迫力に圧倒されます。写真を撮るなら、夕刻がオススメ。岩が夕日に照らされて一層赤く染まります。
レインボービスタ
いくつもの質の岩石があわさってでき、虹のようなグラデーションが広がっています。真っ赤な岩と背後の黒々とした山とのコントラストが見事です。
アーチ・ロック
自然に造られた岩のアーチです。崩れずにバランスを保っているのが不思議です。
ピンク・キャニオン
「ピンク・キャニオン」は道路から離れているため、見つけるのが少し難しいかもしれません。美しいピンク色の砂岩が広がっています。
ビーハイブ
ハチの巣の形に似ていることからその名が付きました。
アトラットル・ロック
先住民族が残した壁画(ペトログリフ)も目の前で見る事ができます。地表からはかなり高い位置に描かれているのですが、見学用の階段が設置されています。見晴らしも抜群です。
野生動物
ビッグホーンシープという珍しい野生動物を見ることができることも。壁画にも描かれている動物です。昼間の暑い時間帯は岩陰でじっとしていることが多いので、朝の涼しいうちか夕方が狙い目です。
アクティビティを体験する
ハイキング
ハイキングが楽しめます。所要時間1時間程度のものから数時間かかるものまで、いずれも日帰りが可能です。自分の足で踏みしめて、大地のエネルギーと神秘を感じとりましょう。
バギー
自然が放つエネルギーを全身で受けながら、バギー、ATVで駆け巡ります。燃える大地を走る体験は、興奮と感動が味わえます。
ヘリヨガ
陸地からはアクセスできないポイントにヘリでアクセスし、ヨガを体験するアクティビティです。ヘリコプター運行に関して地元で絶大なる信頼と実績がある「マーべリック・ヘリコプター」が催行しています。
6人1グループでの事前申込みが必要で、操縦士とヨガ講師の最大8名のフライトです。搭乗時間は片道約20分ほど。安定飛行をしながら、機体は、ラスベガスの街並みを抜け、次第に砂漠地帯から、赤岩が連なる「バレー・オブ・ファイアー州立公園」へ。ダイナミックな奇岩が次々と現れます。上空からしか味わうことのできない景色です。
一帯が一望できる最も高い頂に着陸します。準備されたヨガマット、各自ワイヤレスヘッドホンをしてヨガレッスンのスタート。ヒーリングミュージックに合わせて、講師の指示のもと、ゆったりとした時の流れを感じながら、伸びやかにポーズを楽しみます。
大空の下、人間の小ささをまざまざと感じずにはいられません。レッスン終了後は、シャンパンで乾杯。その壮大な光景とヨガを融合させた、他にはない極上の体験です。
【料金】
$3499
【定員】
最大6名
【所要時間】
約2時間(搭乗時間含む)
レッド・ロック・キャニオンも合わせて楽しむ
ラスベガスの西方約24kmに位置する、岩山と砂漠が織りなす景勝地が「レッド・ロック・キャニオン」です。ラスベガス市街地から車で約30分ほどなので、半日観光が可能です。あまり聞き慣れないかもしれませんが、穴場の観光名所です。
レンタカーのほか、バスツアー、タクシーなどが利用できます。グランドキャニオンが車で約4時間半ほどかかることから、より手軽に行くことができます。さほど混んでないので、ゆったり観光できるのも魅力です。
岩肌が赤いのは、岩に含まれる鉄分が酸化により錆びている状態だと言われています。日本ではなかなか味わうことのできない、ダイナミックな自然を感じることができます。また、車があれば、「シーニック・ループ・ドライブ」と呼ばれる世界屈指のドライブコースを巡って絶景を堪能しましょう。
アクティビティも人気で、トレッキングは、初心者から上級者向けのコースまで全部で26ものトレッキング・ルートがあります。そのほか、ロッククライミングやボルダリング、乗馬体験もできます。子供でも乗ることができるので、ファミリーでの参加もオススメです。
断層や地層がむき出しになっているので、ボルダリングにチャレンジすることもできます。特に必要な道具も必要なく体験できるので初心者でも大丈夫。自由にロッククライミングを楽しめます。
また、キャンプ場も併設されているので、一日中自然を楽しみたい方にオススメです。キャンプをする場合には、気温が温暖な春が良いです。冬は雪景色になるほど気温が下がりますので、防寒対策をしっかり行いましょう。日が暮れると見ることのできる満天の星空も素晴らしいものです。
交通手段によって入場料は異なり、車の場合は$15、バイクの場合は$10、自転車や徒歩の場合には$5です。
【レッド・ロック・キャニオンの気候】
- 春・秋
4〜6月は気候が安定していて観光のベストシーズンです。トレッキングやキャンプを楽しむにも快適です。 - 夏
真夏のラスベガスは最高気温が40度になることも多々あります。レッド・ロック・キャニオンは標高がありますので、幾分涼しく感じます。 - 冬
ダウンジャケットが必要になるほど冷え込みます。レッド・ロック・キャニオンには雪景色が広がります。
おすすめの大自然を楽しめるスポット
グランドキャニオン国立公園
17億年をかけて堆積した地層が目の前に広がります。ラスベガスから東へ約480km、アリゾナ州北部の乾ききった大地を流れるコロラド川が文字通りの大峡谷を造り上げました。その深さは約1,600m、そして総面積は4,931平方kmです。
1979年にユネスコ世界遺産にも登録された国立公園で、アメリカ最大級のものです。12層に重なる地層はこの地球の歴史の3分の1を雄弁に物語っています。むき出しの地表は太陽の光によってその表情を刻一刻と変えてゆきます。
雄大な地球の姿、大自然の圧倒的な力に誰もが息をのむことでしょう。東西約443kmという長大な峡谷のなかで、ほとんどの観光客が訪れるのはサウススリムです。できれば1泊して、夕日と朝日を見てみましょう。
アンテロープキャニオン
フォトジェニックな光景であることからメディアでも多々取り上げられます。世界各国から訪れる人気スポットです。人ひとりがやっと通れるほどの狭い空間で、「アッパー・アンテロープキャニオン」は長さ約150mしかありません。岩の天井から日差しが差し込み、一層、幻想的な光景が広がります。
ロッキー山脈が隆起した際にできたコロラド大地の一部です。ナボホ族のガイドがグループごとに案内します。自然が造り上げた幻想的な美しさは必見です。
モニュメントバレー
アメリカの先住民であるナバホ族の居留地内にあります。「Monument Valley Navojo Tribal Park」が正式名称です。アメリカの原風景とも言われ、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」や「フォレスト・ガンプ」などのロケ地になったことでも知られています。
グランドキャニオンの北東、ユタ州とアリゾナ州の州境付近にあります。「ビュート」と呼ばれる残丘や「メサ」と呼ばれるテーブル形の台地が点在しています。
ラスベガスから車であれば、片道約7~8時間かかるので、オプショナルツアーへの参加がおすすめです。園内にあるビジターセンターが観光拠点です。なお、園内は未舗装で路面の状況は不安定、走行中の砂塵(さじん)は覚悟の上で参加しましょう。
デスバレー国立公園
アラスカを除くと全米最大で、なんと福島県とほぼ同じ広さの国立公園です。最低地点「バッドウォーター」の標高は海抜マイナス86mで北米大陸最低で、世界でも屈指の低さです。世界で一番暑い場所と言われていて、夏は高温になり、56.7度の世界記録を保持しています。
岩塩がゴロゴロと転がっている「悪魔のゴルフコース」や山肌が幾重にも重なり、太陽の光を浴びるとゴールドに輝く「サブリスキーポイント」など、見どころが点在しています。
ラスベガスからは車で約3時間ほどです。日帰りツアーを利用するのもおすすめです。
映画「スタートレック」や「トランスフォーマー」のほか、日本のCMやプロモーションビデオなど多くの撮影が行われてきました。邦画「花より男子 ファイナル」にも登場したことから人気の観光スポットになっています。
セドナ
全米一美しい町と称されています。日本でもスピリチュアルな「パワースポット」として人気があります。もともとネイティブアメリカンは、セドナを「神が住む土地」と神事、特別な儀式を除いてセドナに足を踏み入れることはありませんでした。
パワーが噴出しているという「ボルテックス」が何ヵ所もあります。「パワー」は、男性的、女性的、強い、弱いなど種類も様々です。人によっては、合う「ボルテックス」と合わない「ボルテックス」があると言われていて、合わないと居心地が悪く、居ても立っても居られない状態になるとか。まったく何も感じない人もいるので個人差があります。
ボルテックスとは英語で「渦巻き」という意味ですが、大地から噴出するエネルギーが渦を巻いて大空へ広がっていく様子から命名したとされています。ラスベガスからは車で約4時間半ほでどです。
バレー・オブ・ファイアーと合わせて観光におすすめ
Mouse's Tank
数多くのインディアンの岩絵があります。短いトレイルに数多くの壁画を目にすることができ、足腰に自信のない方でも十分楽しめます。
ロスト・シティ博物館
バレー・オブ・ファイアー州立公園の先、Overtonという町にある小さな博物館です。先史時代から生活をしていたネイティブインディアン(プエブロインディアンやそれ以前の住人たち)の遺跡とそれにまつわる内容が展示されています。この地域に発展した古代プエブロ文化の世界を垣間見る事が出来ます。
White Domes Trail
1.25マイル(約2km)のループ状のトレイルで、距離も短く、大きなアップダウンもない、歩き易いハイキングコースです。変化に富んだ景観を存分に楽しめるので人気です。
St. Thomas Ghost Town
アメリカ合衆国ネバダ州 にあるゴーストタウンです。1865年にモルモン教徒らによって創設され、ピーク時には500人の住民がいたと言われています。フーバーダムの建設により水没することになり、1938年に放棄されましたが、水位の低い時には現在でも町の跡を確認できます。
アクセス情報
レンタカーもしくは半日ツアーなどのオプションへ申し込むかのどちらかになります。
車で行く場合
- ラスベガス市内から高速15号線を北へ約35マイル (約56km) 走り、75番の出口で降りる。あとは道なりに30分ほど走ると料金所が見えてくる。
よくある質問Q&A
いつ行っても楽しめますか?
年中楽しめますが、真夏は高温で暑いので、できれば避けたほうがいいでしょう。通年、日差しが強いので、サングラスやUV対策が必須です。また、こまめな水分補給も忘れずに。
どんな格好で行くのがいいですか?
動きやすい服装と歩きやすい靴が良いです。また日焼け対策を忘れずに。冬は、上着があると安心でしょう。陸路は長時間であったり、道路が舗装されてなくガタガタ振動が激しいこともあります。空路でのアクセスとなるヘリコプターもあまり乗り慣れてる人は少ないでしょう。乗り物酔いが心配な人は、酔い止めを常備しておきましょう。
ヘリに乗るのが初めてなのですが。
実際は機体の揺れはわずかですので、さほど心配は要りません。
アクセスには、レンタカーとオプションツアーのどちらが良いですか?
レンタカーであれば、時間の拘束がなく、自分のペースで見たいスポットを回れます。ドライブ好きなら、絶壁の中を運転する絶景と爽快さも味わえることでしょう。ただ、ある程度の体力も消耗しますので、ツアーに参加するのもオススメです。要所要所でガイドさんが説明してくれるのも助かります。
基本情報
バレー・オブ・ファイアー州立公園
【英語表記】VALLEY OF FIRE STATE PARK
【住所】P.O. BOX 515, OVERTON, NV 89040
【営業時間】ビジターセンター 8:30〜16:30
【定休日】なし
【入園料】乗用車、バイク1台に付き$10
有料のWiFiサービス有り、詳細はビジターセンターで確認。
周辺エリアからおすすめプランを探す
[plan:id:193530]