シカゴってどんなところ?
基本情報
「アメリカ建築の聖地」とよばれる、アメリカ第3の都市、シカゴ。シカゴは現在ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐアメリカ合衆国の大都市の一つで、中西部イリノイ州の北側に位置します。
元々ネイティブ・アメリカン達が住んでいた地が、17世紀にフランス人神父と探検家によって発見されたことをきっかけにヨーロッパからの移民が増え、1833年に「シカゴ」という都市として誕生しました。
アメリカの中心部、またミシガン湖が横にあるという地理的優位性により、鉄道・海運・航空が発達し、運輸業の拠点として栄え、金融業も発展していきました。ハリウッドでの映画産業の台頭前は、ロサンゼルスよりも大きな都市として栄えていた時期もありました。
現在ではアメリカ中西部で最大の都市となったシカゴには、「摩天楼発祥の地」、「ウィンディーシティ」(風の街)、「コンベンションシティ」などのたくさん称号がつけられています。
「摩天楼発祥の地」
1871年に起こった「シカゴ大火」で街の3分の2が焼失したことをきっかけに、近代的な高層ビルが建てられるようになりました。この被災からの再起が、シカゴを「摩天楼の発祥地」として世界中にその名をとどろかせるきっかけとなりました。現在では世界最古の高層ビルとされる建造物がシカゴ市内に残っています。
「ウィンディーシティ」
シカゴの真横にあるミシガン湖から吹く風が、摩天楼を通してビル風となるので、「風が吹く街」として知られています。しかしこのニックネームの由来には様々な所説があり、シカゴは「Full of Hot Air」=中身のない話をしたり、口約束ばかりの人が多いと、ある雑誌が批判したことが、元々のきっかけとなっているという説もあります。
「コンベンションシティ」
シカゴはアメリカ合衆国のほぼ中央に位置しているという地理的利点から、アメリカ中から人が集まるコンベンションや会議、産業見本市などが多く開かれることもあり、「コンベンションシティ」とも呼ばれます。ダウンタウンにある「マコーミックプレイス」は北米最大のコンベンションセンターです。
「建築の都市」としての歴史
先述した「シカゴ大火」後に、フランク・ロイド・ライトなどの建築家やアーティストたちがシカゴに集まり、復興という名目で、シカゴを当時の建築業界の「実験場」とするようになりました。
その建築家たちによって数多くの高層ビルが設計され、また市が木造の建築を禁止したことをきっかけに、鉄骨が使われるようになったので、「シカゴ派」とよばれる鉄骨でできた超高層ビル群が実現しました。この「建築ブーム」の産物たちが、のちの名建築とよばれる作品となってゆくのです。
もう一つ、シカゴ建築史のターニングポイントとなったのが、1893年にシカゴで開催された「コロンビア万国博覧会」(シカゴ万博)です。このときに博覧会場の統括を任されたのが、ダニエル・バーナムという建築家です。バーナムはパリで建築を学んだこともあり、近代的で新しい建築様式ではなく、ヨーロッパの古典的な様式建築を博覧会場建設に用いました。
アメリカ独自の新しく近代的な建築様式を切り開いていこうという矢先、古典的な様式を用いたことに批判が向けられましたが、万博以後は超高層ビルがヨーロッパのゴシックデザインをまとうようになり、古と新が調和されるようになりました。
このような経緯があり、近代的な高層ビルと、歴史情緒あふれるゴシック調の建物が現在のシカゴの「都市美」を成しているのです。
シカゴダウンタウンのエリア
ここからは、シカゴ市内の代表的な7つのエリアを紹介させていただきます。
ループエリア
シカゴのダウンタウンの中でも中心地が、「ループエリア」です。シカゴ川の南側にあたる場所で、高架鉄道が中心地をループ(輪)のように囲むように走っていることからこのようによばれています。金融街やウィリス・タワーを筆頭としたビル郡、ミレニアム・パークなど、シカゴの定番観光スポットが集まっているエリアです。
サウスループ
「サウスループ」エリアは名前のとおりループエリアの南側に位置し、ダウンタウンの中心地に比べるとビルなどがなく、閑静な街並みが特徴です。博物館や美術館、イリノイ工科大学などがあり、新しいコンドミニアムやアパートなども建ち、どんどん発展しているエリアです。チャイナタウンがあることで人気で、アジア系の人々のみならず、中華料理店や食材店に多くの地元民たちが集います。
ウェストループ
ループエリアの西側に位置する「ウェストループ」は近年、シカゴ屈指の食のメッカとして発展しました。元々は精肉業でさかえた街で、現在では高級レストランからラーメン屋まであるこのエリアは、常に地元民や観光客などが集まり賑やかなエリアです。
また、このエリアはギリシャ系移民達が多いので、日本ではあまり食べることのできないギリシャ料理が食べれるレストランやベーカリー、デリなどが立ち並びます。
リバーノース
シカゴのダウンタウンは、東西に流れるシカゴ川によって北と南に分かれていて、南側はループエリア、北側をリバーノースと呼びます。ループエリアがシカゴ経済の中心地であるならば、リバーノースはシカゴで一番華やかな場所とも言えます。
リバーノース内の「マグニフィセント・マイル」(魅惑の1マイル)とよばれるエリアは、観光客を引き寄せるシカゴ屈指のショッピング街です。また、有名なレストランやバーも立ち並ぶエリアなので、シカゴでどこへ行くか迷ったら、まずこのエリアへ向かいましょう。
ストリータービル
「ストリータービル」は、シカゴ市民たちにとっての娯楽場である「ネイビー・ピア」やシカゴ近代美術館がある場所で、マグニフィセント・マイルからも徒歩圏内で近く、とても賑やかなエリアです。ネイビー・ピアはレストランやギフトショップ、映画館やアミューズメントパークあり、一日中楽しめる場所です。
日系企業もこのエリアにオフィスを構えていることが多いので、日本料理店の多い地域でもあります。
レイクビュー
観光に疲れ、地元の暮らしに馴染んでみたいと思ったら「レイクビュー」に行くことをお勧めします。
メジャーリーグ、シカゴ・カブスの本拠地であるリグレーフィールドがあり、周りにはスポーツバーなどがところ狭しと並んでいます。昔ながらのバーや、レストランがいたるところにあり、シカゴのローカル情緒溢れる地域です。また、このエリアの南側にあるボーイズタウンと呼ばれる一角は、LGBTQ+コミュニティの聖地となっていて、ゲイバーなどが軒を連ねます。
オークパーク
「オークパーク」はダウンタウンから車で30分、電車で45分行った郊外の閑静で優美な高級住宅地です。摩天楼がひしめくダウンタウンの喧噪から離れて、緑を楽しめるエリアで、近年は地元の人々に人気のあるエリアです。
オークパークはシカゴを代表する2人の著名人のゆかりの地として有名です。一人は近代建築の3大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトで、彼が設計した邸宅や作品がオークパークに点在しています。もう一人はアメリカ文学を代表する作家であるアーネスト・ヘミングウェイで、彼が生まれた地としても有名です。
シカゴ観光はいつが最適?
シカゴへ行く時期を決めるのに重要なポイントは、天候とイベントです。
シカゴは北緯約41度、北海道の函館とほぼ同じ緯度だと考えると、想像がつきやすいかと思います。春と秋は短く、夏は涼しく、冬場には1月でマイナス5℃、ときにはマイナス18℃まで下がります。「ウィンディーシティ」(風の街)とも呼ばれ、ミシガン湖からの風が摩天楼の合間でビル風となり激しく吹くので、体感温度はさらに低く感じます。
そのため冬場よりも、夏だと湿度が低くさわやかな気候なので、快適に過ごすことができます。また、夏には野外イベントが目白押しで、野外コンサートやエアーショーなどが開かれます。
9月に入ると街中の木々が色づき始め、色とりどりの紅葉が風に揺れる風景はとても綺麗です。しかしこの時期になると数々のコンベンションが開かれ、人の出入りが激しくなるのでホテルの価格も上がります。
冬は寒いですが、12月になると街中がイルミネーションで煌めき、公園にはスケートリンク現れ、クリスマス一色となります。煌びやかなクリスマスを体験したいという方々は、シカゴとニューヨークの両都市を周遊するツアーがおすすめです。
定番スポット10選
ウィリス・タワー
シカゴ・ダウンタウンの高層ビル群の中でシンボル的存在である「ウィリス・タワー」。
1973年に建てられたウィリス・タワー(当時はシアーズ・タワー)は、1998年まで25年のあいだ世界一の高層ビル、2013年にニューヨークに、新しいワールドトレードセンターが完成するまで、全米で一番高い高層ビルでした。地上高443m、アンテナを入れると全高527mを有するこのタワーは、2019年現在アメリカでは2番目、世界では13番目に高い高層ビルです。
ウィリス・タワーで観光客が必ずと行っていいほど訪れる場所が、ビルの103階にある展望台「スカイ・デッキ・シカゴ」です。展望台では360°のパノラマが広がり、ミシガン湖の輝く水面はもちろん、約80km先、イリノイ州近隣の4つの州まで一望することができます。
その中でも有名なアトラクションが、全面ガラス張りの小部屋「ザ・レッジ」です。地上412mにある小部屋に一歩踏み入れると、足元にはシカゴの摩天楼が広がり、まるで宙に浮いたような体験をすることができます。
ジョン・ハンコック・センター(360シカゴ)
「ジョン・ハンコック・センター」も同じく100階建ての超高層ビルです。
1969年に完成した当初はウィリス・タワーがまだ完成していなかったので、シカゴ一の高さ、ニューヨークの「エンパイア・ステート・ビル」に次いで世界2番目の高さの高層ビルでした。現在では、シカゴで4番目、アメリカで5番目に高いビルで、オフィスやレストラン、人が住むコンドミニアムが入っている複合施設となっています。
ジョン・ハンコック・センターの建築物としての特徴は、「構造表現主義建築」とされるもので、建物を支える構造体がむき出しになった独特の外観となっています。
シカゴの絶景を楽しめる展望台で、ウィリス・タワーと並んで人気なのが、ジョン・ハンコック・センターの94階にある「360CHICAGO」です。360シカゴはウィリス・タワーのスカイデッキより100m低いですが、主にビル群の景色を楽しめるスカイデッキと違い、ミシガン湖により近い場所にあるため、緑と青のグラデーションが美しいミシガン湖とビル群の景色の両方、360度楽しむことができます。
また、2014年春にオープンした「TILT(ティルト)」は、スタッフの操作で壁のガラスが傾き、地上300m地点から下をのぞき込むことができるスリル満点のアトラクションで、観光客から人気を集めています。
ミレニアム・パーク
ミレニアム・パークは、ダウンタウンのループエリア、ミシガン湖沿いにあるグラント・パークに一角にある公園です。
2004年に完成したこの公園には、定番インスタグラムスポットである「ザ・ビーン」などのアートやオブジェと自然を楽しむことができるスポットです。このオブジェは俗に「ザ・ビーン」(豆)と呼ばれますが、正式名称は「クラウド・ゲート」といいます。
インド出身の彫刻家アニッシュ・カプーアによって、168枚のステンレス板をつなぎ合わせて作るよう設計・デザインされ、一時は実現不可能とまで囁かれたそうですが、2006年の完成以来、シカゴの一番の観光スポットとして人気を集めています。
その他にも、クラウン・ファウンテンも人気のアートで、向かい合っている巨大な2つのブロックに、シカゴ市民たちの顔がLEDプロジェクターによって映し出され、時々口から水が吹き出てくるという仕組みもあり、老若男女楽しめる作品となっています。
ミレニアム・パークはアートやオブジェだけではなく、野外音楽祭の会場としても使われることが多く、また緑も多いので地元民や観光客にとって憩いの場所です。
シカゴ美術館
シカゴに来たなら必ず行くべき、といっても過言ではないスポットが「シカゴ美術館」です。メトロポリタン美術館とボストン美術館と並ぶ、アメリカ三大美術館の一つであるシカゴ美術館には、歴史の教科書で見たことがあるような美術品がたくさん展示されています。
特に有名なのが、印象派と20世紀アメリカ美術のコレクションで、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」、ゴッホの「自画像」、またウッドの「アメリカン・ゴシック」などがよく知られています。
そのほかにも2,000点もの展示品と30万点以上の収蔵品がある、世界最大規模の美術館です。そのため、一日ですべてのエリアや部門を周るのは大変なので、あらかじめ行く場所を決めておくことをおすすめします。
ミシガン湖
シカゴのダウンタウンは、アメリカ5大湖である「ミシガン湖」と面しています。ミシガン湖の面積は58,016平方kmで、日本最大の琵琶湖とは比べものにならないくらい広く、日本の九州がすっぽり入るほどの規模です。そのため、一見すると海のようです。
ダウンタウンでミシガン湖を楽しむのにおすすめのスポットがレイク・ショア・ドライブで、建築やアートなどの知的好奇心を満たすものがたくさんあるシカゴで、一息つきたいというときに最適な場所です。
夏になると水遊びやウインドサーフィンを楽しむ人たちで賑わい、夏以外にも湖沿いをサイクリングやランニングをしたりと、地元の人も観光客も集まるスポットです。
シカゴ・ウォーター・タワー
マグニフィセント・マイルエリアにあるシカゴ・ウォーター・タワーは、1869年に建てられ、1871年のシカゴ大火で燃え去ることなく残った建物、「シカゴ大火で焼け残った唯一の現存する建築物」で、オールド・シカゴを象徴する歴史的建造物です。
全米に2番目に古い給水塔としても有名で、当時はミシガン湖から水をくみ上げ、シカゴ市内に水を供給する役目をはたしていました。現在タワー内はギャラリーとなっており、内部を見学することができます。あまり目立つ建造物ではありませんが、ゴシック様式の外観で夜にはライトアップし、オールド・シカゴが垣間見えるようで美しいです。
観光客が集まるショッピングエリアや、ジョン・ハンコック・センターから徒歩圏内なので、ふらっと立ち寄ってシカゴの歴史を味わうことのできるスポットです。
トリビューン・タワー
摩天楼発祥の地と呼ばれるに相応しいほど、近代的なビルが立ちならぶ中、異彩を放っているのが、「トリビューン・タワー」です。マグニフィセント・マイルの南側にあるこのタワーは、ワシントンポストやニューヨークタイムズと並ぶアメリカ屈指の報道紙「シカゴ・トリビューン」の本社です。
周りの近代的なビルとは違い、フランスの「ルーアン大聖堂」のバタータワーをモデルにしたといわれるゴシックデザインで建てられました。1922年に「世界で一番美しいオフィスビルディング」というコンセプトで公募をし、後にニューヨークのクライスラービルディングを手がけることとなる、レイモンド・M・フッドと、ジョン・ミード・ホーウェルのデザイン設計が選ばれました。
当時、ヨーロッパの建築様式を使わず、新しい近代の様式を取り入れようとしていたシカゴの建築家たちからたくさんの批判があったそうですが、現在ではシカゴを象徴する建築物の一つとなっています。タワーの外壁には、トリビューン特派員たちによって集められた、ピラミッドや万里の長城、ベルリンの壁などの有名建造物の破片が埋め込まれていることでも有名です。
シカゴ劇場
「シカゴ劇場」は、ダウンタウン中心部にあることもあり、1921年に完成してからシカゴのシンボル的スポットとされてきました。劇場の入り口には大きく「CHICAGO」と書かれているので、これを見ればシカゴにきたのだという実感がわくのではないでしょうか。内装はバロック様式で、豪華で迫力のあるものとなっており、歴史的価値が高いと言われています。
完成当初は映画館でしたが、現在ではコンサートやミュージカルなどが上映されています。ニューヨークのブロードウェイでミュージカルをみるより安く、クオリティも高いので、観光客のみならず地元の人たちもよくこの劇場でミュージカル鑑賞をするようです。
劇場のバックステージツアーも毎日開催されており、実際にステージにあがってみたり楽屋などを見学することができます。
シカゴ・カルチュラル・センター
ミレニアム・パークにほど近い場所に位置する「シカゴ・カルチュラル・センター」は、シカゴの公式な観光案内所です。そのためシカゴに関するイベントやアトラクションなどの観光情報やホテルのパンフレットなど、シカゴ観光をする上で役立つ情報がたくさん得られる場所です。
1897年に図書館として建てられたカルチャー・センターは歴史的意義も大きく、センター内にある11.6mに及ぶ天井の高さのティファニードームは、世界一の大きさを誇ります。
現在では、様々な展示やコンサート、コミュニティーの文化交流や芸術の場として活用されています。
シカゴ川
ダウンタウンの摩天楼を縫うように流れるシカゴ川。
この川は元々、現在とは反対方向のミシガン湖へと流れていたそうですが、現在から120年ほど前に川を逆流させる工事が行われました。当時の技術からすると考えられない偉業であり、その当時のシカゴの都市としての力を垣間見ることができます。その当時、水の汚染が問題となっていましたが、積極的な美化活動により現在のような美しいシカゴ川への生まれ変わりました。
このシカゴ川での人気のアクティビティが、リバークルーズです。
シカゴ川を下りながら、先ほども紹介したシカゴを代表する建築物、ウィリス・タワーやトリビューン・タワー、またトランプ・タワーやマリーナ・シティなどを一気に鑑賞することができ、またガイドの説明付きということで、観光客に大好評です。特に夜にクルーズで見る煌びやかな摩天楼の光と反射しながらキラキラ光る川のコントラストは圧巻です。
「建築の街」を楽しむスポット5選
シカゴ建築センター
「シカゴ建築センター」は、フランク・ロイド・ライトと同じ時期に活動したもう一人の近代建築の巨匠、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが設計した高層ビル、イリノイ・センターの中にあります。ミース作品の特徴である黒い柱と枠組み、高い天井、大きな窓が特徴的な「鉄とガラスの美」を極めた建物です。
2018年にシカゴ建築財団から移転し、新しく博物館としてオープンした建築センターの見所は高層ビルとシカゴの都市モデルの展示です。2階の「スカイスクレイパー・ギャラリー Skyscraper Gallery 」では、ウィリス・タワー、ジョン・ハンコック・センター、マリーナ・シティなどシカゴのランドマークとなる建造物から、ニューヨークのクライスラー・ビルディングや北京の中国中央電視台本部ビル、ドバイのブルジュ・ハリファまで、世界中の高層建築の模型23個を展示されています。また、建築の博物館だけあって、その建造物の特徴や建築工法についても説明しています。
1階の「シカゴ都市模型 Chicago City Model」では、映像が投影されながらシカゴの歴史が語られます。3Dプリンターを使ってシカゴの中心部にある4,250個の建物の外観が制作された都市模型は世界最大級の大きさとなりました。
マリーナ・シティ
シカゴ川沿いにある、トウモロコシのような形をした2棟のタワーが「マリーナ・シティ」です。1964年に世界で初めて建てられたの円形ビルで、約900世帯が暮らすことのできる住居棟です。シカゴ川に隣接して建てられたタワーの足下にはボートが収納でき、その上は駐車場となっています。
ドイツにある美術学校で現代建築デザインの基礎を生み出した「バウハウス」で学んだ、バートランド・ゴールドバーグの設計です。元々はシカゴから離れていく人々を定着されるために建設されたもので、話題が話題をよび、896戸の入居者募集では約2,500件もの応募があったそうです。タワーの斬新さと構造美は、今みても珍しくとても近代的です。
シカゴ商品取引所
シカゴ金融街のシンボルである、「シカゴ商品取引所」。1930年に完成したこの建物は、当時装飾美術デザインで流行の最先端であった「アール・デコ」スタイルを用いています。工業化が進んだ近代を象徴して、機械的で無駄な装飾を排除したデザインが特徴です。シカゴ商品取引所のキュビズムや幾何学図形をモチーフにした装飾がアール・デコ建築の特色をあらわしています。
完成当時から1965年まで、シカゴで一番高い建物で、建物のてっぺんにはローマ神話の農産物・穀物の女神「ケレース」が立っています。映画「ダークナイト」で、バットマンとジョーカーの決闘シーンがシカゴ商品取引所の前で行われたことでも有名です。
ロビー邸
シカゴの建築史を語る上で欠かせない人物が「フランク・ロイド・ライト」です。「プレーリースタイル」の建築様式をシカゴの地で生み出し確立させたアメリカ近代建築の生みの親の一人とも言われ、2019年にはライトの代表的な建築物8ヵ所が世界遺産に登録されました。
その8ヵ所の中の一つが、シカゴ南部のハイドパークにある「ロビー邸」です。1909年から1910年にかけて建設されたロビー邸は、ライトのプレーリースタイルの代表作であり、ライト建築の中でも一番美しい作品という人も少なくありません。
外観は大地を意識した水平感と茶色のレンガで統一されていて、内部は重厚感のある深い色の木でできたインテリアが規則正しく設置されています。またプレーリースタイルの特徴の一つである実りの色、大地の色、樹木の色などのぬくもりのある色を使ったステンドグラスも美しいです。
ルッカリー
「ルッカリー」は、1888年に完成した世界で最も古い鉄骨ビルの一つです。シカゴ博覧会の設計で有名な建築家ダニエル・バーナムと、彼とともに活動し、シカゴ派建築の創設者であるジョン・ウェルボーン・ルートの設計で、近代の高層建築の原型とも言われています。アメリカ合衆国国家歴史登録財にも指定されるほど、アメリカの歴史の中で大変意義のある建築物として認識されています。
外観は茶色が基調となっており、どっしりとした重量感に溢れています。内装はシカゴを代表する近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトが改装に関わったというロビーが見どころで、「ライトコート」(光の庭)と呼ばれています。このロビーのガラス屋根からは太陽光が差し込み、明るく開放的な空間が広がります。
街中歩いてまわるアートスポット4選
シカゴ美術館やシカゴ現代美術館など、アメリカを越えて世界屈指の美術館や博物館がそろうシカゴ。このように美術館などの施設で作品を鑑賞することも楽しみの一つですが、街中にある公共芸術・野外アートの豊富さでも評判であるシカゴでは、歩いているだけでアート鑑賞ができるという楽しみもあります。
ここからは、市内に点在している野外アートの代表的なものを紹介させていただきます。
シカゴ・ピカソ
名前のとおり、「シカゴ・ピカソ」は世界の誰もが知っている芸術家パブロ・ピカソの作品で、ループエリアにあるリチャード・J・デイリーセンターの南側広場に展示されています。1967年8月に幕開けをした際には、世界的なアーティストの作品とあって、全米中の注目の的となったそうです。
高さ15.2mとスケールの大きい抽象的なデザインは、ピカソのスタイルを彷彿とさせるもので、現在でもダウンタウンの象徴的存在として異彩を放っています。
フラミンゴ
フェデラルセンターの広場にあるもう一つの有名な野外アートが「フラミンゴ」です。黒色を基調とした連邦政府ビル前に、ひときわ目立つ赤色の16.15mにも及ぶ高さオブジェが置かれているため、道行く人々の視線を釘付けにします。
フラミンゴは1974年に公開、風などで動く彫刻「モビール」をつくったことで知られる彫刻家アレキサンダー・カルダーの作品で、フラミンゴの足と、水を飲む際の垂れ下がった首のような曲線が美しい作品です。
ミロのシカゴ
スペイン出身のアーティスト、ジョアン・ミロ作の彫像である「シカゴ」は、シカゴ・ピカソがある広場の通りを隔てたブランズウィック・プラザにあります。高さ12mの女性像で、1981年に公開された当時は、「The Sun, The Moon, and One Star」と題されていましたが、後に「シカゴ」に改名されました。具象と抽象のあいだの画風だといわれるミロ特有のスタイルが、そのまま表現されたアート作品です。
四季
シャガールからシカゴ市へ寄贈された「四季」は、ビジネス街であるディアボーンとモンロー通りにある、チェースタワープラザで鑑賞することができます。この高さ4.3m、幅21m、奥行き3mの四面で楽しむことができるモザイク画は、イタリア、フランス、ノルウェイ、ベルジン、イスラエルなどから集められた石の破片を使って制作されたそうです。
シカゴスタイルの音楽を満喫スポット3選
シカゴは言わずと知れた音楽の街。シカゴスタイルのジャズやブルースなどを筆頭に、ヒップホップやR&B、ハウスミュージックなど様々なジャンルの音楽を楽しむことができます。
ミュージックシーンの形成には、アメリカ合衆国の中心部に位置しているという地理的条件が大きく影響しました。ニューヨークやニューオリンズ、ナッシュビル、そしてロサンゼルスなどの周辺都市からの影響が入り複雑にミックスされたものが、シカゴで聴くことのできる音楽といっても過言ではありません。
アメリカ中の文化が集まった街の音楽を聴くために、アメリカ国内外からの音楽好きが集まります。
キングストン・マインズ
ジャズと聞くと、ニューヨークやニューオリンズを思い浮かべる人が多いかと思いますが、シカゴも全米有数のジャズの街です。ニューヨークやニューオリンズにはない、シカゴ派と呼ばれる独自のスタイルを生み出しました。また、「ブルースの聖地」としても世界中のブルースマンの聖地となっています。
シカゴの工業化が進むにつれて、南部の田舎で労働者、またはエンターテイナーとして働いていたアフリカ系アメリカ人たちが職を求めてきたことが、シカゴのジャズ、そしてブルース文化の発祥につながりました。
アメリカ南部での労働と抑圧の苦しみをうたったブルース、またその苦しみをお金や楽しみに変えるために作られたジャズが、シカゴで発展を遂げ、独自のコミュニティをつくり広まりました。
そして現在のシカゴにも多数のジャズやブルースのライブハウスがあり、その中でもシカゴ一番の老舗が「キングストンマインズ」です。1968年から、50年以上シカゴのブルースコミュニティを守り続けてきました。近年になっても人気が途絶えることなく、2016年にはシカゴのベストブルースクラブに選ばれるほどです。
ライブハウス内はとてもアットホームで、フレンドリーな地元の人々で賑わっています。
バディ・ガイズ・レジェンズ
ブルースをライブハウスで聴くのが初めてという方におすすめが「バディ・ガイ・レジェンズ」。ブルース界では知らない人がいないともいえる伝説のブルースシンガー&ギタリストのバディ・ガイさんが経営するライブハウスです。バディ・ガイさんはすでに80歳をこえていますが、たまにこのライブハウスで演奏を行うのだそうです。
サウスループに位置しているため、ダウンタウンでの観光帰り、ホテルに帰る前にふらっと立ち寄ることができるかと思います。ただ大人気のライブハウスなので、特に週末は事前に予約をしておくか、早めに入店しなければ満席になってしまいます。
グリーンミル
「グリーンミル」はシカゴで最も古いジャズ・クラブと言われていて、1907年に開業しました。昔にシカゴを拠点としていたことで有名なマフィア、アル・カポネ一族が経営していて、禁酒法時代のモグリ酒場としても知られていました。
現在でも毎日夜中までジャズの演奏が行われています。禁酒法時代の歴史も感じながらお酒と音楽を楽しんでみるのはいかがでしょうか?
シカゴスタイルのおすすめグルメスポット8選
アメリカを代表する料理といえば、ハンバーガーやステーキ、バーベキューやホットドッグなどを思い浮かべるかと思います。シカゴではそれらのアメリカ料理がアレンジされ、シカゴ独自のスタイルの食文化が確立しました。
シカゴは元々、運輸業で発展した都市なので、中西部の農産物の集配地として機能していました。また食肉加工産業の中心地であったこともあり、お肉を使った料理が有名ということも特徴です。そのため、シカゴは特に牛肉と豚肉好きの人にはたまらないグルメの街です。
ここからは、シカゴ観光の際は必ず食べるべき代表的なグルメを紹介させていただきます。
ジノス・イースト(ディープディッシュピザ)
シカゴのグルメといえば、ディープディッシュピザ。「ディープディッシュ」とは「深い皿」という意味で、厚さが5㎝ほどある深い容器のような形の生地に、ピザではお決まりのトマトソースやサラミなど沢山の具材を詰め込んであるところから由来しています。
ピザで有名なニューヨークでも味わうことができないディープディッシュピザは、まさしくシカゴの独自スタイルで、シカゴの地元人にとってのソウルフードです。
シカゴにあるディープディッシュピザの中でも一番代表的なのが「ジノス・イースト(Gino's East)」。ジノス・イーストはシカゴで1966年に創業されたディープ・ディッシュ・ピザ専門の老舗で、アメリカのPeople誌のNo.1ピザに選ばれたこともある有名店です。
ジノス・イーストはチェーン店で、シカゴのダウンタウンだけでも3軒あり、イリノイ州だけではなく、ミシガン州やテキサス州などにも拡大しています。
日本はもちろん、シカゴ以外の都市でディープ・ディッシュ・ピザを提供するレストランを見つけることは難しいので、観光に来た際は、ぜひ立ち寄ってみください。
ポーティロズ・ホットドッグ(シカゴドッグ)
「シカゴドッグ」はシカゴスタイルのホットドッグのことを指します。ホットドッグというと、一般的にはソーセージを挟んだパンに、ケチャップとマスタードをかけてあるものですが、シカゴドッグは、オーソドックスなホットドッグにピクルスや青とうがらし、トマトなどの野菜が入っており、ケチャップをかけずにマスタードだけをかけて食べるのがシカゴ流です。
100%牛肉のソーセージと巨大なピクルス、青トウガラシ、トマトなどの野菜をケシの実入りのコッペパンで挟み、マスタードをたっぷり塗っていただきます。
「ポーティロズ・ホットドッグ(Portillo's Hot Dogs)」は観光客だけでなくシカゴの地元の人々にも人気のシカゴドッグ専門店です。特にシカゴ風ホットドッグが有名です。内装もシカゴっぽく、セルフサービスの気軽なスタイルで、お店の前には常に長蛇の列があります。
アルズビーフ(イタリアンビーフ)
「イタリアンビーフ」はシカゴのイタリア系移民によって作られた料理で、牛肉の煮込みをパンに挟んだものを指します。日本の料理で例をあげると、牛丼みたいなもので、パンに牛肉の具とそのスープをかけ、パンをスープで浸々にして食べます。1930年代後半、食料が不足していた時代にイタリア系移民がイタリアの伝統料理をアレンジして作ったものとされています。
シカゴでイタリアンビーフを食べるなら、元祖のお店といわれる「アルズビーフ(Al's Beef)」がお勧めです。1938年から開業しているアルズビーフは、現在ではチェーン展開をしていて、ラスベガスや南カリフォルニアにも店舗を広げています。
シカゴ市はアルズビーフが与えたシカゴの食文化への功績を讃えて、第1号店があったテイラー・ストリートに「アルズ・イタリアンビーフ・ブールバード」というサインをつけたほどです。このことからも、シカゴ民たちが誇りを持つ食べ物であることがうかがえます。
シカゴ・チョップ・ハウス(ステーキ)
シカゴを含むアメリカ中西部は、元々牛の放牧の中心地、また食肉加工産業が盛んでした。そのため、シカゴのステーキの歴史は長く、アメリカ人の間ではニューヨークよりおいしいステーキを食べれるのがシカゴとも言われているほどです。
また、ニューヨークで高級ステーキを食べるより、リーズナブルに質の高いステーキを食べられるということで、ステーキを食べにシカゴを訪れる観光客も多いといいます。シカゴで人気なアクティビティのひとつが、ステーキハウス・ツアーで、バスでシカゴ名物のステーキハウス3軒を巡り、極上ステーキを心置きなく堪能するというツアーです。
シカゴで一番有名なステーキハウスとされるのが「シカゴ・チョップ・ハウス(Chicago Chop House)」。このステーキハウスは、食べ物のクオリティでも人気ですが、1880年代に建てられたヴィクトリア調の建物に入っていることでも有名です。内装は歴史情緒あふれる重厚感が漂い、オールドシカゴを彷彿とさせる雰囲気の中で、ステーキを楽しむことができます。
ミラーズパブ(バーベキューリブ)
アメリカ南部を代表する料理にBBQ Ribs(バーベキューリブ)という、豚肉のアバラをバーベキューで低温で長時間かけてじっくりと蒸し焼きにする料理があります。ウエスタン映画に出てくるようなカウボーイが好んで食べていたとされるこの料理は、アメリカではハンバーガーなどよりも歴史がある料理と言われています。
シカゴは牛肉のステーキでも有名ですが、かつては「世界の豚肉屋」というニックニームがあったくらいで、全米で最大の豚の屠殺場があり、世界中に豚肉を出荷していたそうです。
そのためシカゴにはバーベキューリブの名店が多く、代表的なレストランが「ミラーズパブ(Millers Pub)」です。ループエリアにあるので、一日シカゴ観光を終えて、ディナーとしてすぐに行くことができる位置にあります。
1935年創業の老舗で、中に入ると歴史を感じさせる重厚感があり、またシカゴのスポーツチームの旗などがいたるところに貼ってあるので、シカゴの飾らないフレンドリーさが垣間見える内装でもあります。
ミラーズパブは安いけれども量が多いということでも人気で、「アメリカサイズの食事」を体験したい方にはおすすめのレストランです。
グース・アイランド・ブルワリーパブ (地ビール)
シカゴは全米屈指のビールの街でもあります。ビール醸造所の数は全米一位で、いたるところでシカゴで作られているクラフトビールを楽しむことができます。
中でも一番有名なのが、「GOOSE ISLAND(グース・アイランド)」です。代表的なビールとしては、シカゴの市外局番からとった名前の「312」、地下鉄CTAの線である「Green Line」などシカゴ愛溢れるネーミングのものばかり。
グース・アイランドのブルワリー(ビール醸造所)は、ダウンタウンにいくつかあり、見学が可能です。ブルワリーまで行かなくても、シカゴ内のレストランにはほとんど100%の確率でグース・アイランドが置いてあるので、ぜひ味わってみてください。
パープルピッグ
「パープルピッグ」は、地中海料理を現代風にアレンジした料理を提供するレストランで、シカゴ出身のオーナー兼シェフによって2009年にオープンしました。
評判が評判を呼び、口コミサイトでも話題となり、ウォールストリートジャーナルやシカゴトリビューンなどでも特集が組まれるなど、シカゴで一番のホットスポットとなりつつあります。
名前にもあるように、豚肉を使った料理が絶品ですが、ほかにもシーフードメニューも人気で、タコやイカのグリルなどに定評があります。予約は出来ず、ウォークインのみとなりますが、開店待ちをしているお客さんも多く、1時間から2時間待つことがあります。
チェリー・サークル・ルーム
シカゴには歴史のある建築物をリニューアルしたデザイナーズホテルがたくさんあります。その一つに「シカゴ・アスレチック・アソシエーション・ホテル」があります。ミシガン・アベニュー沿い、ミレニアム・パークの目の前に位置するこのホテルは、シカゴ建築ブームの1893年に建てられ、125年以上の歴史を持つ建物です。
その名のとおり、元々は「シカゴ・アスレチック協会」というスポーツ好きの紳士たちが集まる社交場として利用されていましたが、2007年に閉鎖、その後修復が繰り返され、2015年にホテルとしてリニューアルオープンしました。昔ながらの内装を残し、高速エレベーターなどの現代の技術を取り入れるなど、歴史的ノスタルジアを喚起させながらコンテンポラリーなデザインです。
そのホテルに入っている高級レストランが「チェリー・サークル・ルーム」です。チェリーウッドを使った内装のため、この名になったそうで、チェリーウッドの重厚感とヴェネチアゴシックスタイルを用いた伝統的な内装となっているので、白黒映画のひとシーンに入り込んだような錯覚に陥ります。
ここではシュリンプカクテルやステーキなど、アメリカの高級料理が提供されますが、一番の見どころはカクテルやウイスキー、ワインなどアルコールのセレクションの多さです。特に100年以上前から楽しまれてきた昔ながらのカクテルや、禁酒法時代に隠れてつくられてきたカクテルなどを楽しむことができます。
シカゴ観光で、ラグジュアリーなディナーを体験したい方には、一番のおすすめスポットです。
失敗なしのシカゴ定番お土産
ギャレット・ポップコーン・ショップス
2013年に日本上陸し、日本でも大人気の「ギャレット・ポップコーン・ショップス(Garrett Popcorn Shops)」は実はシカゴ発祥。1949年に創業と歴史が長い老舗です。使用するトウモロコシにはこだわりがあり、契約農園で生産されたもののみを使うこと、また秘伝のファミリーレシピを創業以来守り続けているという点が特徴です。
定番のフレーバーが、チーズコーンとキャラメルクリスプをミックスした「シカゴ・ミックス」です。シカゴ市内にも多数お店があり、オヘア国際空港にも入っているため、簡単に手に入れることができます。
シカゴ美術館グッズ
シカゴ観光で必ず訪れるべき場所であるシカゴ美術館では限定グッズを売っており、日本でも認知度の高い美術作品をモチーフにしたグッズやシカゴ美術館のロゴ入ったグッズなどが人気です。お土産屋さんも広く、見ていて飽きないので、美術館の見学後に長居してしまうお客さんも多いです。
美術作品をモチーフにしたグッズのほかにも、インテリアや美術に関する書籍などが売られています。
スポーツチームグッズ
シカゴにはアメリカ4大プロスポーツ(野球・アメフト・バスケ・ホッケー)がすべて揃っており、アメリカの中でも特に人気のあるチームが本拠地を構えています。市民たちのスポーツにかける思いも強く、シカゴのチームを応援する際の熱狂的な盛り上がりは有名で、スポーツを通じて地域の絆が強めているといっても過言ではありません。
日本の上原浩治選手やダルビッシュ有選手が在籍していたことで有名なMLBのシカゴ・カブスや、マイケル・ジョーダンで有名なNBAのシカゴ・ブルズのキャップ、Tシャツ、パーカーなどが人です。シカゴ市内にたくさんのスポーツショップがあり、また空港でもたくさんの種類のスポーツグッズを手に入れることができます。
フランゴのチョコレート
海外旅行のお土産の定番であるチョコレート。シカゴにも「フランゴ」というチョコレートブランドがあり、会社や友達へのばらまき用土産として日本の観光客もとして人気も高いです。
老舗デパートのメイシーズや空港で取り扱いがあるので、ばらまき用を買わなくては!というときにぜひ探してみてください。一番人気のフレーバーはミント味だそうです。
ザ・スパイスハウスの調味料
シカゴのお土産で意外と人気があるのが、スパイスと調味料です。シカゴ出身の「ザ・スパイスハウス」には日本の家庭にもよくある調味料もあれば、シカゴステーキ用調味料や、アメリカの祝日であるサンクスギビングのターキーを焼く際に使うスパイスなどが売っています。
このように、日本では手に入れることの難しいもの、アメリカ料理によく使われるスパイスや調味料が日本人観光客の間で人気だそうです。
シカゴへのアクセス・所要時間
日本からは、成田と羽田からシカゴ・オヘア国際空港まで直行便がでています。成田・羽田からだと、直行便で平均11時間50分を要します。大阪など東京以外の日本の都市からは成田・羽田か、アメリカ内やほかの国の都市を経由する必要があります。乗り継ぎ便だと、最短でも15時間以上を要します。
日本からの直行便を運航する航空会社
全日空(ANA)
日本航空(JAL)
ユナイテッド航空
アメリカン航空
乗り継ぎ便・その他シカゴまで就航している航空会社
デルタ航空
大韓航空
中国国際航空(エア・チャイナ)
エールフランス
エミレーツ航空
ターキッシュ・エアラインズ(トルコ航空)
など
シカゴ・オヘア国際空港
シカゴ・オヘア国際空港はシカゴ郊外に位置しており、ちょうどアメリカの中心部分にある一番大きな都市なので、アメリカ内での空のハブとして確立しています。2005年までは離着陸回数が世界一を誇っていました。現在でもアメリカの150都市、世界中の60都市を繋いでおり、年間約7,000万人もの旅行客が利用する巨大空港です。
オヘア国際空港には4つのターミナル(1、2、3、5でターミナル4はない)があり、カナダ以外の国際線はすべてターミナル5に到着します。そのため、日本からの飛行機も例外なくすべてターミナル5に到着です。その他、ターミナル1、2、3には国内線とカナダからの飛行機が到着します。
空港での過ごし方
空港内にはレストランやお土産屋さん、免税店などが豊富に揃っているため、シカゴを出る際に念のため早く空港に着いたとしても、十分に時間を有効に使うことができます。
空港内で購入できる人気のお土産は、やはりシカゴを本拠地としているスポーツチームグッズです。その他にも、日本でも人気のあるシカゴ発祥のポップコーンショップ「ギャレット・ポップコーン・ショップス」や、こちらのシカゴ発祥の高級チョコレートショップ「ボージュオーショコラ」などが揃っています。
また空港内には、先ほど紹介したディープディッシュピザの老舗「ジノス・イースト」や、世界の空港レストラン第3位にも輝いた「TORTAS FRONTERA(トルタスフロンテア)」などがあるため、十分に食事を楽しむことができます。
ダウンタウンへのアクセス方法
シカゴ・オヘア国際空港からダウンタウンへのアクセス方法と料金は下記です。
- Uber(オンライン配車サービス):所要時間は約30分~(渋滞時は1時間以上かかる可能性あり)、料金は$35~
- 正規タクシー:所要時間は約30分~、料金は$40~+チップ
- Go Airport Express(シャトルバス):所要時間は約40分~、料金は$30、朝4時から夜23時半まで10から15分間隔で運行
- CTAトレインのブルーライン(電車): 所要時間は約1時間~、料金は$5
シカゴ観光の移動手段
シカゴではレンタカーやUberなどを利用する観光客もたくさんいますが、観光地周辺には地下鉄やバスなどがきちんと機能しています。そのような公共交通機関を管理しているのがCTA(Chicago Transit Authority)で、バスと電車が連携しています。
電車・地下鉄はBlue、Orange、Red、Brown、Green、Purple、Pink、Yellowと色で分かれていて、比較的路線が多いです。料金は、電車・地下鉄が$2.25、バスが$2(現金の場合は$2.25)、乗り換えは$0.25で、お手軽です。
シカゴ観光でお得なフリーパス
シカゴ観光をする際に便利なチケットは2種類あります。
1つ目が「Ventra Card」で、日本の交通ICカードのようなもので、交通手段だけではなくデビットカードのように取り扱っているお店ではVentra Cardで支払うことができます。
もう一つ便利なチケットが、「Unlimited Ride Pass」で、1日$10 、3日$20、7日$28でCTAの交通手段に乗り放題なので、電車やバス移動がメインとなる観光の場合は、このパスを買うと断然お得です。
2つ目が「Chicago CityPASS」です。このパスは人気スポットの割引+優先入場のチケットです。美術館や展望台など、シカゴの人気観光スポットのチケットが半額て購入することができ、また行列ができて入るのに時間がかかるようなスポットではファストパスの役割を果たします。
値段は、大人(12歳~)で$108、子供(3-11)で$89です。
シカゴの年間イベント情報
シカゴは「コンベンション・シティ」という異名があるほど、イベントや展示会などが多い街です。特に、夏場には音楽の街にふさわしく、野外でのコンサートがたくさん開かれます。
ここからは月ごとにシカゴ市内で行われる代表的なイベントを紹介させていただきます。
2月: シカゴ・オートショー
「シカゴ・オートショー」は全米最大の自動車展示会で、アメリカのみならず世界中から車好きが集まるイベントです。日本の自動車メーカーからも、毎年新型デザインの自動車たちがお披露目されます。
3月: セント・パトリック・デイ・パレード
セント・パトリック・デイは、アイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日でアイルランドの祝祭日です。アメリカではアイルランドを象徴するクローバーと緑色の装飾がされ、アイルランド人が大好きなビールを飲みながら祝うのが定番です。シカゴでは毎年賑やかなパレードが行われ、シカゴ川は緑に染まります。
5月~6月: ブルース・フェスティバル
「ブルース・フェスティバル」は全米・世界最大のブルースのための音楽祭です。ミレニアム・パークで開催される完全無料の野外音楽祭で、ピクニックをしながら鑑賞する人や、その場で踊りだす人々もいて、とてもロマンチックで開放的な雰囲気に酔いしれることができます。
6月: プライド・パレード
シカゴにはニューヨークやサンフランシスコと並んで、全米屈指のパワフルなLGBTQ+のコミュニティがあります。ボーイズタウンのホルステッドストリートにあるレガシーウォーク付近6.4kmにも渡って行われるパレードには、地元の人のみならず観光客にも人気のあるイベントです。
毎年6月の最後の日曜日に行われるこのパレードには、ドラァグ・クイーン・ショーやマーチングバンド、ゲイバーの店員たちの行進や、地元の演劇団の公演など、200名以上のパフォーマーたちが参加し、数千人もの観客が訪れます。
7月: テイスト・オブ・シカゴ
毎年7月にグラント・パークで開催されるシカゴの食の祭典。レストランや、フードトラック、B級グルメの売店が100以上出店され、入場者数は400万人に及びます。
シカゴ発祥のディープディッシュピザや、シカゴホットドッグをはじめ、中華料理やギリシャ料理なども出品され、色々な種類の料理を堪能することができます。入場無料なので、家族連れなどたくさんの人が集まり、グラント・パークがお祭り騒ぎになります。
6月~8月: グラント・パーク音楽祭
野外音楽祭はシカゴの夏の風物詩。毎年6月から8月にかけて10週にわたって行われるのが「グラント・パーク音楽祭」です。
この音楽祭は、グラミー賞も受賞した世界トップクラスのオーケストラ「グランド・パーク・シンフォニー・オーケストラ」と「グラント・パーク合唱団」が主催しているので、主にクラシックミュージックなどが演奏されます。
ミレニアム・パークやグラント・パークなどで行われる完全無料の野外コンサートなので、観光がてら少し覗いてみるという楽しみ方もできます。
8月: シカゴ エア&ウォーターショー
シカゴの夏にピッタリのイベントが、毎年8月に2日間行われる「シカゴ エア&ウォーターショー」です。全米最大級の航空イベントで、ミシガン湖付近で行われるこのイベントには毎年200万人を超える観客が押し寄せます。
このイベントは無料で、アメリカ空軍のプロペラ機、ヘリコプター、戦闘機などが大空を飛んでいく姿、中でもイベントの最後を飾る、世界トップクラスのアクロバット飛行のパフォーマンスは圧巻です。飛行機などの機械に興味がない方でも楽しめるイベントです。
9月: シカゴ・ジャズ・フェスティバル
毎年アメリカのレイバーデイ(9月の第1月曜日)の前の週末に開催される、ジャズに特化した世界最大級の音楽祭です。ミレニアム・パークで開催され、入場は無料、ダウンタウンの摩天楼を眺めながらジャズに酔いしれることができます。
この音楽祭は、1974年に亡くなった世界的ジャズミュージシャン、デューク・エリントンを讃える目的で始まりました。独自のジャズスタイルを生み出したシカゴという地に、アメリカ中からのジャズミュージシャンが集まるイベントとあって、地元の人々や観光客にとっても人気のイベントです。
10月: シカゴ・マラソン
毎年10月の第二日曜日に開催されるシカゴ・マラソンは、ワールドマラソンメジャーズの一つでもあるため、世界中のトップランナーや市民ランナーなど、約40,000人が参加します。
グラント・パークからスタートし、ダウンタウンを縫うように走るコースでは、世界的な建築物を楽しみながら走ることができるため、大変人気のマラソン大会です。ロックバンドの生演奏やスピーカーから音楽が流れ、沿道からは陽気なシカゴ地元民たちの応援があるため、常に高揚感を持ちながら走ることができます。
12月: ニューイヤーカウントダウン
シカゴの大晦日、カウントダウンパーティーは、ニューヨークのタイムズスクエアでのカウントダウンと並んで、盛大に行われます。行われる場所はネイビー・ピアがあるウォーターフロントで、0時になると華麗な花火があがります。
他の都市でのカウントダウンパーティーと違う点といえば、水辺で行われるという点です。ミシガン湖に映される逆さの花火も煌びやかで、観光客も地元の人々も湖畔にあつまってカウントダウンまでの時間を楽しみます。
ただ、冬場の水辺はとても寒いので、落ち着いて大晦日を楽しみたいという方々は、シカゴではおなじみのジャズバーやブルースバーに行って、音楽に酔いしれながら新年を迎えるのも悪くないかもしれません。