小石川後楽園ってどんなところ?
小石川後楽園は、東京都文京区の後楽園にある都立庭園です。江戸時代初期に水戸徳川家の江戸上屋敷内につくられた築山泉水回遊式の日本庭園であり、国の特別史跡及び特別名勝に指定されています。
特別史跡と特別名勝の重複指定を受けているのは、都立庭園では浜離宮恩賜庭園と小石川後楽園の2つだけです。そして、小石川後楽園は、現在残っている庭園の中では東京で最も古いものなんです。
小石川後楽園は、約400年前、江戸時代初期の1629年に造園され、徳川御三家のひとつ、水戸藩の初代藩主・徳川頼房(みとよりふさ)によって築かれ、息子の2代藩主水戸光圀(みとみつくに)によって手を加えられて完成しました。
そのこともあって、みんなのよく知っている「水戸黄門」にちなんだイベントが催されることもあります。
7万平方メートル以上の広大な園内には、大きな池の大泉水を中心に、ウメ、サクラ、ツツジ、ハナショウブなどが植えられており、四季を通じて色鮮やかな景色を見せてくれます。小石川後楽園には川や橋なども数多く造られ、花や木々の美しさをより一層引き立ててくれます。都内にあって自然が豊かな小石川後楽園は、のんびりとした時間を感じられる、心安らぐ場所です。
見どころ
風情漂う橋
通天橋
深い緑の木々の中にある、朱色が目立つこの橋は、「通天橋」といいます。大堰川(おおいがわ)の上流に架けられた橋で、京都の東福寺にある通天橋を模して架けられたものです。紅葉の見頃の時期には、周りの木々が赤色や黄色に色づいて、京の景色を思わせる、うっとりする美しさをはなちます。
円月橋
「円月橋」は、水面に映る形が満月のように見える事からこの名が付けられました。この橋は、明の儒学者である朱舜水(しゅしゅんすい)によって設計されたといわれていて、当時の姿を留める貴重な建造物になっています。現在は老朽のため渡ることはできませんが、中国の古い橋を思い起こさせるデザインですね。
渡月橋
京都の嵐山にある、あの有名な「渡月橋」をまねて造られたものです。京都の渡月橋に比べると橋の長さはかなり短いのもになっていますが、穏やかな雰囲気が感じられることは、引けを取りません。
川や石がつくる風景
大泉水
築山泉水回遊式庭園である、小石川後楽園の中心の池になっているのが「大泉水」です。蓬莱島と徳大寺石を配し、琵琶湖を表現した景色を造り出したもので、周囲を取り囲むように散策路が続いているので、いろいろな角度から眺める事ができます。また、水鳥も飛来して来ている姿も見られます。
大堰川
京都の嵐山の下を流れる大堰川にちなんだもので、徳川三代将軍家光が来園し、大泉水の設計と共に種々助言を与えたものと言われています。川の流れの中に、大小の石の配置されているのがとても美しいです。この庭園で川の景色を代表するスポットになっています。
内庭
水戸藩の書院の庭としてあった所で、昔は唐門をへだてて、大泉水のある「後園」と分かれていました。池には2本の橋がかかる中島があり、まわりの水面にはたくさんの睡蓮が浮かんでいます。水面一面に広がる睡蓮の緑が、とても美しいです。
庭園の歴史を感じる
得仁堂(とくじんどう)
水戸光圀が建てた園内で最古の建物が「得仁堂」です。 江戸時代を通じて、そして関東大震災でも戦災でも失われることなく、 昔の姿が残っています。 得仁堂の名称は論語の「仁を求めて仁を得たり」にちなんでいます。なかなか奥の深い言葉ですね。
九八屋
この小さな東屋は、江戸時代の酒亭を復元した建物になっています。江戸時代の茶屋のような役割で、この名称の由来は、「酒を飲むには昼は九分夜は八分にすべし」と酒飲みならず万事控えるを良しとする、との教訓によるものとされてます。
丸屋(まろや)
「丸屋」は、現在は休憩所として使われていて、昔の田舎のわびた茶屋のたたずまいを現しています。中央にはベンチがあり、赤い布地が敷かれています。緑の木々に囲まれた場所にあり、足休めにとっても最適です。
四季を目で見て楽しむ【春夏編】
春:ソメイヨシノ、シダレザクラ、ウコンザクラ、カキツバタ、フジ、ツツジ、ガクアジサイ、スイレン、ノリウツ
夏:ハス、サルスベリ
シダレザクラをはじめ、都内でも珍しいウコンザクラまで、約55本のさまざまな桜を楽しむことができます。桜の本数は比較的小規模ですが、3本の素晴らしい枝垂れ桜があるのが見どころです。この枝垂れ桜はソメイヨシノよりも少し早く見頃をむかえます。
【見頃】3月下旬 ~ 4月上旬
色とりどりの花菖蒲が、見頃の時期には、一面にびっしりと咲き誇ります。花菖蒲は、初夏の訪れを告げるとともに、日本では梅雨の時期に咲く代表的な花の1つです。ひときわ華やかな花菖蒲の景色は、初夏の暑さや梅雨のジメジメさも忘れさせてくれます。
【見頃】6月上旬〜中旬
蓮池
「蓮池」には、その名の通り、水面を蓮の葉が覆っています。蓮の花が見頃を迎えると、ピンクの大輪の花を咲かせ、葉の緑と花のピンクのコントラストを鮮やかに演出します。ハスの花は、お昼頃からゆっくり閉じはじめるので、早い時間の来園がおすすめです。
【見頃】7月中旬〜8月中旬
四季を目で見て楽しむ【秋冬編】
秋:ヒガンバナ、ツワブキ、フユザクラ、モミジ
冬:ロウバイ、サンシュユ、ウメ、ツバキ、カンツバキ、サザンカ
紅葉まつり
小石川後楽園では、毎年秋の時期になると、園内のモミジの紅葉が見頃を迎え、たくさんの人が紅葉見物に訪れます。水面いっぱいに落ち紅葉が広がっている景色も合わせて、目に入る景色すべてを赤色に染めてくれます。
【開催期間】11月下旬〜12月上旬
紅葉まつりの1番の人気スポットが、この「紅葉林」です。見頃の時期には紅葉たちがトンネルを造り、上空を紅葉の赤色や黄色で、秋の空を楽しませてくれます。
雪吊り
冬になると「雪吊り」が開かれます。雪吊りとは、雪が付着して樹木の枝が折れないようにするために、縄で枝を保持することです。放射状に縄を張ることをりんご吊りといい、雪吊りの代表的手法になっています。見た目もとっても綺麗ですね。
【開催期間】12月上旬
梅まつり
小石川後楽園には、約120本34種の紅梅・白梅の梅林があり、見頃を迎えると辺り一面に芳しい香りが漂い、和やかな趣を感じさせてくれます。梅の花は光圀が最も好んだ花として有名です。
【開催期間】2月中旬〜3月上旬
田んぼ付きの庭園
田園の景
小石川後楽園には、田園の風景を再現したエリアがあります。このエリアには、田んぼをメインに、菖蒲、梅に椿など、四季折々の花も咲き誇ります。
江戸時代初期の近郷の農村を模したものになっていて、一歩足を踏み入れると、都心にいることを忘れてしまう、のどかな風景が広がっています。この田んぼは、毎年文京区内の小学生が、5月に田植え、9月に稲刈りをしてくれています。
八ツ橋
田園の景にある「八ツ橋」は、カキツバタ田に架かけられています。確かに見ると、八枚の板がジグザグに組まれ、向こうまで延びているのがわかります。カキツバタとフジの見頃の時期には、鮮やかな風景をつくってくれます。
一つ松
大泉水に面した場所にある1本の大きな立派な松の木があります。一唐崎の「一つ松」にならったもので、「唐崎の松」とも呼ばれています。一つ松は沢山の支柱に支えられていて、見ていて力強い生命力が感じられますね。
おすすめの周辺スポット
小石川後楽園から徒歩10分圏内でいけるランチ
小石川後楽園と合わせて観光におすすめ
小石川後楽園と合わせて観光におすすめの人気スポットには、水道橋駅から徒歩すぐのところにある東京ドームシティや東京ドーム、後楽園駅から徒歩1分の温泉施設LaQuaなどがあります。
東京ドームシティ
東京ドームシティは水道橋駅から徒歩すぐの位置にあり、小石川後楽園からも徒歩約10分ほどで着きます。
東京ドームシティは、野球場であり様々なイベント・コンサートにも使われる5万5千人を収容する東京ドームを中心とした総合地区です。用途もキャパシティも様々で個性豊かな、「後楽園ホール」「プリズムホール」「シアターGロッソ」「東京ドームシティホール」の4つのホール・シアターがあり、年間を通して多くのイベントが開催されています。
東京ドームシティ内で開催されるイベントへの参加に合わせて、種類豊富なアミューズメント施設で楽しめます。アミューズメントは遊園地にあるような観覧車やジェットコースターをはじめ、ボルダリングやボウリング、ローラースケートなどのスポーツが楽しめる施設も充実しており、1日中遊んでも飽きないほどです。
スパ型アミューズメント施設を含む「ラクーア」をはじめとして、ブランドショップや雑貨店、キャラクターショップも充実しています。東京ドームホテルはイベント時にもアクセス良好。食事がとれるレストランやフードコートも楽しめます。
東京ドーム
東京ドームは水道橋駅から徒歩すぐの位置にあり、小石川後楽園からも徒歩約10分ほどで着きます。
東京ドームシティの「顔」とも言える日本初の全天候型多目的スタジアムです。1988年の開業以来、野球はもちろんのこと、コンサートや展示会など年間を通して多種多様なビッグイベントが開催されています。全天候型のため、天候に左右されないのが特徴です。
面積建築面積 は、46,755平方メートルで、普段、東京ドームの面積と言われているものです。収容人数55,000人(野球時 約46,000人)になります。
屋根膜には、東京ドームのために開発された、ふっそ樹脂コーティングしたガラス繊維膜材が使用され、28本のケーブルによって支えられ、総重量は400トンにも達します。膜は2重構造になっており、厚さが内膜が0.35mm 、外膜が0.8mm と薄いため、太陽光の約5%を透過します。
また、空気の圧力差で屋根膜を支える「エアー・サポーテッド・ドーム」です。加圧送風ファンによって絶えずドーム内に空気を送り込み、ドーム内の気圧を外よりも0.3%高くして屋根膜を支えています。この気圧差は、ちょうどビルの1階と9階ぐらいに相当します。人体にはほとんど感じられません。また、ドーム内からできるだけ空気を逃がさないように、出入口には回転ドアになっています。
省エネルギーかつ演出効果の高い照明環境を実現するため、LED投光器「HID2000形」を約700灯を使用。調光が可能、競技レベルに合わせて光ムラなく明るさを調整でき、消費電力の削減にもなっています。
LaQua(ラクーア)
LaQuaは後楽園駅から徒歩約1分の位置にあり、小石川後楽園からも徒歩約15分ほどで着きます。
疲れを癒してくれる東京ドーム併設の温泉施設です。都内では珍しい天然温泉をはじめ、低温サウナやトリートメントが揃うラグジュアリー施設です。各階にさまざまな温浴施設を備えています。
地底1,700mから天然温泉を汲み上げていて、内湯、露天風呂、サウナ、低温のヒーリングバーデ、リラクゼーションスペース、レストランなどがあります。リストバンドでの清算ですので、現金を持ち歩く必要がないのもうれしいポイントです。貸し出しされる館内着でくつろぎながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
リラックスできるラウンジではうたたねすることもできます。翌朝まで営業しているので、夜をゆっくり過ごすこともできて便利です。平日でもオープン時間から開館待ちをする人たちで賑わっています(安全管理のために0歳〜5歳の入場は不可)。
さらにおすすめ
アクセス情報
電車で行く場合
- 都営地下鉄大江戸線「飯田橋駅」C3出口より徒歩約3分
- JR総武線「飯田橋駅」東口より徒歩約8分
- 東京メトロ東西線・有楽町線・南北線「飯田橋駅」A1出口より徒歩約8分
- 東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」中央口より徒歩約8分
よくある質問Q&A
ペットを連れて園内に入ることはできますか?
有料公園(都立庭園・植物園等)は、公園管理上、犬などのペット連れでの入場はできません。
園内への飲食物の持ち込みはできますか?
できます。弁当を持込む場合、園内に設置されている縁台でいただけます。植え込み内や園路などにシートを敷くことはできません。
基本情報
小石川後楽園
【開園時間】9:00〜17:00(最終入園は16:30まで)
【休園日】年末・年始(12月29日 〜翌年1月1日まで)
【入園料】
- 基本入園料
一般:300円 /65歳以上:150円 - 20名以上の団体
一般:240円/65歳以上:120円 - 年間パスポート
一般:1,200円/65歳以上:600円 - 9庭園共通年間パスポート
一般:4,000円/65歳以上:2,000円
【駐車場】なし