増上寺ってどんなところ?
増上寺は、東京都港区という東京のど真ん中にあるお寺です。浄土宗の七大本山の一つで、1393年に酉誉聖聰上人によって創建されました。もともとは、現在の千代田区である武蔵国豊島郡に建っており、現在の芝地区には1598年に移転しました。
度重なる火災や戦災による苦難の時代を乗り越え、1974年に悲願の大殿再建を果たした壮絶な歴史がある増上寺。2010年、新たに安国殿を建立、法然上人が亡くなって800年となる「法然上人800年御忌法要」は2012年に開催されました。
また、港区という立地から、東京タワーを見ることができるお寺としても有名です。周囲にはビルが立ち並ぶ都会にありながらも、広大な敷地で静かな時間を過ごすことができます。近くに建つ東京タワーに集まった天の気と、東京湾から流れ込む海の気が融合され、運気が非常に高まる場所とも言われているんです。
東京タワーと合わせて訪れる外国人観光客も多く、散策が無料ということもあり人気の観光スポットとなっています。
見どころ
徳川家ゆかりのパワースポットで運気UP!
増上寺は、徳川将軍家と深いゆかりを持っています。徳川家康公は、御本尊を深く信仰し、戦場でも拝んでいました。数々の戦に勝利し、度重なる災難を退け天下統一を果たしたのは、この御本尊のおかげとも言われています。そのため、増上寺は「勝運」や「仕事運」がアップするパワースポットとして人気なんです。
安土桃山時代、徳川家康が関東の地を治めるようになってすぐに増上寺は徳川家の菩提寺に選ばれました。このきっかけは、江戸城に入った徳川家康が増上寺の前を通り、当時の住職である源誉存応上人と話をしたことだと言われています。
また、家康が亡くなった時も増上寺で葬儀を行うようにとの遺言を残して亡くなったと言われています。
また、増上寺には、家康によって名付けられた黒本尊が奉納されています。その由来は、長い年月の香煙をまとっていたことから黒ずんでいること、人々の悪事災難を一心に受け止めたことにより御躰が黒くなったことなどだと言われています。家康が戦の勝利を祈願した「黒本尊」に自分の願いもぜひお祈りしましょう。黒本尊が奉納されている場所では、勝守りや御朱印をいただくことができます。
また、6人の徳川家将軍が眠る墓所もここ増上寺にあります。墓所には、各公の正室と側室のお墓も設けられ、その中には家茂公正室であり、悲劇の皇女として知られる静寛院和宮様も含まれています。期間限定で中も公開されているので、増上寺に行ったらぜひ訪れてみてください。
徳川将軍家墓所
【受付時間】10:00〜16:00
【拝観料】
- 大人:500円
- 高校生以下無料
【定休日】毎週火曜日(祝日は拝観可)
東京タワーとお寺が融合した景色を楽しもう
増上寺は、東京タワーへ歩いていける至近距離にあります。そのため、境内からは東京タワーを大きくのぞむことができ、写真スポットとしても人気となっています。歴史ある和と東京のシンボルの融合はここでしか見ることができない景色なので、ぜひ一度見に行ってみてください。
また、所在地が東京都港区ということで周りにはビルが立ち並んでいます。入り口である大門はビルが乱立する中にそびえたっていて印象的です。ぜひ増上寺へ行く際は大門駅から向かいましょう。
ここらのお散歩コースでは、大門から増上寺へ向かい、東京タワーまで歩くコースが人気になっています。その過程ではまるでタイムマシンに乗ったような気分を味わうことができます。東京タワーからは、増上寺を真上から見ることができるので、増上寺を散策した後に東京タワーに登るのもおすすめです。
東京タワー観光ガイドはこちら
野外で見る日本芸能「薪能」を見よう
増上寺の名物として毎年行われている「薪能」をご存知ですか?薪能(たきぎのう)は、1年に1回野外に舞台を作り、夜に篝火を焚いた中で演じられる能のことです。増上寺の薪能は、もともと19世紀ごろから東京タワー付近にあった能楽堂で行われていましたが、天災や戦災によって中止となってしまいました。その後、大殿が再建されたことを機に境内の特設舞台で再開されました。
観客は1,000人規模のとても大きな舞台です。毎年9月の最終週の夜に行われます。チケットは増上寺の窓口や電話、インターネットによって1〜2ヵ月前から予約することができます。時期が近くなったら増上寺のホームページを確認するようにしましょう。インターネット・電話での予約では座席の指定ができないので注意が必要です。
当日はお弁当やお茶が売られ、食べながら舞台を見ることができます。屋外で薪を照明にして行われる能の舞台はとても幻想的です。背景は本物の松で風に揺られリアリティが増します。ぜひ一度、薪能で大人な夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。
多彩な年中行事で季節を感じよう
増上寺では、毎年様々な季節の行事が行われています。その中でも、特に多くの人で賑わうのが「初詣」と「節分」です。東京を代表するお寺の一つである増上寺には、都内からだけでなく地方や海外からも多くの観光客が訪れます。
初詣
増上寺は東京を代表するお寺の一つですが、「明治神宮」や「浅草寺」と比べて初詣に訪れる参拝客は少なめです。そのため、穴場の初詣スポットとして密かに人気を集めているんです。例年の人出は約5万人で、境内には露店なども出店します。
お寺の敷地もとても広いので、満員電車のような混雑はありません。東京タワーをバックに、新年のお参りをしてみてはいかがでしょうか。また、増上寺の前の道はお正月に行われる箱根駅伝のコースになっているので、お参りのついでに駅伝選手を応援することができます。スタート・ゴール地点である大手町のすぐ近くなので、白熱したレースを観戦することができますよ。
【参拝時間】
12月31日 終日〜 1月1日17:30
1月2日以降 6:30〜17:30
節分追儺式(せつぶんついなしき)
増上寺の節分では、特設舞台が設けられ、一般公募の年男年女や角界の著名人・芸能人による「豆まき」が行われます。舞台上では、他にも餅つきや鬼問答が行われ、その様子を見に例年多くの人が訪れます。鬼問答とは、園児が鬼に向かって豆まきをするもので、かわいらしい豆まきの様子を見ることができます。
この節分追儺式で撒かれる豆は、なんと1トンにも及びます。袋詰めされているので、安心して食べることができますよ。また、豆の他にもお餅や袋菓子、ポケットティッシュや使い捨てカイロ、手袋など色々なものが撒かれます。こちらは、スポンサー企業が提供しているものなんだとか。
さらに増上寺の豆まきにはもう一つのお楽しみがあります。撒かれた福豆の中にはあたり券が入っているものがあるんです。1等から10等まで、お食事券やホテルの宿泊券などとても豪華な景品が当たることもあるそうです。「福」をもらいにぜひ参加してみてくださいね。
【開催日】
2月3日(節分の日)
芝公園で自然に触れよう
増上寺の周りには、日本で最も古い公園の一つである「芝公園」があります。当初は増上寺の境内も含んだ広い公園でしたが、戦後の政教分離によって境内の部分は除かれ、環状の公園になりました。増上寺を取り囲み、史跡などもある都立芝公園と、芝生があり、ピクニックなどが楽しめる区立芝公園の2種類あります。
園内にはクスノキやケヤキ、イチョウやサクラの木があり、季節によって違う雰囲気を感じることができます。増上寺と芝公園、東京タワーは全て歩いていける距離にあるので、人気のお散歩コースとなっています。
また園内には野球場やテニスコートもあり、利用者登録をすれば有料で利用することができます。東京タワーの近くでスポーツで汗を流すのもおすすめです。
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おすすめの周辺スポット
増上寺から徒歩10分圏内でいけるランチ
増上寺と合わせて観光におすすめ
増上寺と合わせて観光におすすめの人気スポットには、赤羽橋駅から徒歩5分のところにある東京タワーや「出世の石段」で有名な愛宕神社、虎ノ門駅から徒歩5分の虎ノ門ヒルズなどがあります。
東京タワー
東京タワーは赤羽橋駅から徒歩約5分の位置にあり、増上寺からも徒歩約10分ほどで着きます。
1958年建設の東京タワーは、東京の元祖ランドマークです。高さは333メートルで、東京スカイツリーに次いで日本で第2位の高さとなります。
150mのメインデッキ、250mのトップデッキの2つの展望台があります。メインデッキまでは、エレベーターまたは600段の階段で登ることができます。600段と聞くとちょっと驚いてしまうかもしれませんが、幼稚園くらいのお子様でも15分ほどで昇りきってしまいます。「ノッポン公認昇り階段認定証」がもらえますよ。
おすすめは、足元がガラス張りになっているデッキからの景色です。高さ145メートルから街を見下ろすと、ドキドキのスリル体験が味わえます。高所恐怖症の方は、ご注意を。高さ250メートルのトップデッキは2018年に改修され、ジオメトリックミラーとLED照明の演出により、まるで街の上に浮いている宇宙船にいるような感覚を味わうことができます。
東京タワーのふもとにある「フットタウン」には、人気漫画「ワンピース」のテーマパーク「東京ワンピースタワー」があります。ここでしか体験できないアトラクション、ライブ・エンターテイメントショーなどが楽しめます。その他、さまざまなショップやグルメ、カフェも見逃せません。近くには「増上寺」や「芝公園」などの観光スポットもあり、散策が楽しめます。
愛宕神社
愛宕神社は神谷町駅から徒歩約5分の位置にあり、増上寺からも徒歩約15分ほどで着きます。
東京タワーと虎ノ門ビジネス地区のそばにある神社です。この神社は、1603年に徳川家康将軍の命により、江戸を火事や天災から守るため、愛宕山の頂上に建立されました。大志ある若い侍が将軍からの称賛を勝ち取るために愛宕山を馬で往復したということに起源を発する祭りも開かれています。
愛宕神社がある愛宕山は、23区内の自然地形の山で一番高い山です。標高は25.7m。愛宕神社に上がる急な石段は「出世の石段」と呼ばれています。その由来は講談で有名な「寛永三馬術」の中の曲垣平九郎(まがき・へいくろう)の故事にちなみます。ここを訪れるならまず「出世の石段」と呼ばれる86段の急な階段にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
数年前から、参拝に来られる方が胡蝶蘭を奉納してくださったことをきっかけに、今では本殿から胡蝶蘭の姿が途絶えることはないくらいに並んでいます。胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」「変わらぬ愛」。そのような願いが込められた美しい胡蝶蘭が本殿を彩っています。
虎ノ門ヒルズ
虎ノ門ヒルズは虎ノ門駅から徒歩約5分の位置にあり、増上寺からも徒歩約20分ほどで着きます。
東京都港区虎ノ門に、2014年6月にオープンした超高層ビルが「虎ノ門ヒルズ」です。地上52階建てで、高さは247メートルあります。その超高層ビルは、超高層複合タワーは、最高スペックのオフィス、カンファレンス、眺望抜群の住宅、日本初進出となる革新的ホテル「アンダーズ 東京」、商業店舗を擁し、地上には、芝生広場など広大なオープンスペースがひろがります。
- 【1階-4階】ショップ&レストラン
- 【5階】虎ノ門ヒルズフォーラム
- 【6階-36階】オフィス
- 【37階-46階】住宅
- 【47階-52階】ホテル(アンダーズ東京)
国際色が豊かな虎ノ門ヒルズには、たくさんの外国人が訪れ、グローバル・ビジネスセンターとしても大活躍しています。未来へ加速する東京を象徴する国際新都心・虎ノ門ヒルズは、グローバルプレイヤーが集まる空間が広がっていて、新しい出会いや機会が転がっているスポットです。
さらにおすすめ
アクセス情報
電車で行く場合
- JR線・東京モノレール「浜松町駅」から徒歩約10分
- 都営地下鉄三田線「御成門駅」「芝公園駅」から徒歩約3分
- 都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門駅」から徒歩約5分
- 都営地下鉄大江戸線「赤羽橋駅」から徒歩約7分
- 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」から徒歩約10分
バスで行く場合
- 富士エクスプレスバス「港区役所駅」下車徒歩約2分
- 都バス「東京タワー駅」下車徒歩約4分
よくある質問Q&A
お参りの仕方を教えてください
増上寺の宗派は「浄土宗」で、御本尊は阿弥陀如来です。そのため、御本尊様の前で合掌一礼をして「南無阿弥陀仏」と十遍称え、一礼するのが正しいお参りの仕方です。
車いすでもお参りすることはできますか?
増上寺の本堂内にエレベーターがあります。また、車いすの貸し出しも行なっているので、足腰が悪いかたでも安心してお参りすることができます。
御朱印はどこでもらうことができますか?
安国殿で、9:00〜17:00までの間でもらうことができます。300円を奉納することでいただくことができます。
基本情報
大本山 増上寺
【参拝時間】6:00〜17:30
【定休日】なし
【住所】東京都港区芝公園4-7-35
【TEL】03-3432-1431
【駐車場】なし
【問い合わせ先】