代々木公園ってどんなところ?
この公園は1967年に代々木公園として開園しました。元々は大日本帝国陸軍の代々木練兵場として利用されていたこの場所は、第二次大戦後に米軍の宿舎敷地となり、1964年の東京オリンピックで選手村として利用された後に再整備されて今の公園になったという経緯があります。
東京ドーム約11個分の広大な敷地は、噴水などがある森林公園のA地区と陸上競技場、野外ステージなどを備えたB地区に道路を挟んで分けられています。その広さはこの都心にありながら、東京都23区内の都市公園の中で5番目です。隣接している国立代々木競技場は代々木公園には含まれていません。
現在はいつでも、誰でも訪れることのできる公園として開放されている代々木公園。やはりたくさんの人々が集まるのは代々木公園の魅力がさらに引き立つ週末です。
ほぼ毎週末行われているイベントはグルメフェスやフリーマーケットなど種類も豊富で、いつ訪れても新しい人との出会いや楽しいひとときを提供してくれます。渋谷や原宿といったいくつかの駅が公園の周りにあり、アクセスが良いので他の用事と合わせてふらっと訪れるのにもぴったりです。
注目のイベントが盛りだくさん
野外ステージの付近にあるイベント広場やケヤキ並木のエリアでは、ほぼ毎週末様々なイベントが開催され、多くの人で賑わいます。平日にしか訪れたことがない、または他の公園と同じようなイメージを持っているというような方はこの活気に驚くかもしれません。
代々木公園ならではの規模が大きいけれども気軽に訪れることのできるフリーマーケットや骨董市では、普段利用しているお店では見つけられないような掘り出し物やとっておきの一品に出会えるかもしれません。イベントを通じて販売している人や近くのお客さんなど初めて会う人との会話や交流も楽しむことができるでしょう。
代々木公園では個性豊かで魅力的なグルメフェスも数多く開催されます。全国のご当地グルメが集まるイベントも他で開催されるものより規模が大きいものが多く、いつも以上に様々な食べ比べをすることが可能です。
また普段なかなか食べる機会のない国を含めた各国や各地域の料理に注目したグルメイベントでは、その国ならではのアーティストによるステージや雑貨販売なども同時に開催され、さらに盛り上がりを見せます。好きな料理や気になる国を取り上げたグルメイベントが開催される際には、ぜひ気軽にお出かけしてみてください。
2016年からは12月を中心とした時期に「青の洞窟SHIBUYA」が毎年開催されています。「青の洞窟SHIBUYA」は、代々木公園のケヤキ並木から渋谷公園通りまでの約800mの道が青のライトアップで神秘的に彩られ、多くの人が足を運ぶ人気のイルミネーションです。
期間中、約60万球と非常に数の多い青色LEDのライトアップで幻想的な空間が作り上げられます。並木道を波打ったり、ランダムに光り輝いたりといった数種類の光が動くロマンチックな演出は注目です。
季節の移ろいが感じられる
毎年お花見の時期には多くの人々が広々とした空と美しい桜を求めて園内に集まります。ソメイヨシノやカワヅザクラに限らず、園内にある桜は種類豊富で、早いもので2月から開花し始めます。
例年3月末頃に満開を迎える時期には、「桜の園」とも呼ばれる中央広場周辺が非常に花見客で混雑するので朝早くから場所取りをするのも必須です。朗らかな天気の日には、桜を仰ぎながら芝生に寝転がって陽の光にあたってみるのも日本らしい落ち着いた春の魅力が感じられるでしょう。
園内にはケヤキ1,000本、イチョウ260本、モミジ100本をはじめとした約6種、合わせて約1,300本もの木が色づく紅葉を楽しむことができ、定番の紅葉スポットとなっています。例年見頃を11月下旬から12月上旬にかけて迎え、赤や黄色に染まった道沿いをのんびりと散策することができます。
中でも原宿門周辺のイチョウ並木は早くから色づいて、絨毯のようになった落ち葉も素敵です。さらに噴水や水回廊の周辺の真っ赤な紅葉は水面に反射して、また一味違った魅力を伝えてくれるでしょう。
毎年12月からの冬の時期には雪吊りが行われます。「雪吊り」とは、雪などによる枝折れ防止と装飾のために縄で樹木の枝を吊り上げる庭園の技法の一つです。日本の伝統でもある雪吊りの光景は冬の風物詩として知られています。
代々木公園では園内の松に「雪吊り」を施す際にはその雪吊りの技能見学会も開催されます。見学会では帆柱から縄を投げ下ろして、その縄を結束するまでの作業を技能職員が解説しながら実演してみせてくれます。
まったり過ごす休日にもおすすめ
園内の真ん中に位置する中央広場は都会にいることを忘れさせてくれるような大きく広がる空と草地が気持ち良いスポットです。この中央広場の魅力から「都会で一番広い空が見える公園」とも呼ばれています。凧揚げをしても安心なほどの電線も電柱もないこの空間は子どもと遊ぶのにも最適です。
また1991年に作られた高さ15m~30mに及ぶ3つの噴水や水回廊もあり、“水と緑”に恵まれた公園となっています。この噴水は夜になるとライトアップされ、昼間とはまた違った魅力があります。
広々としていて陽の光も心地良い中央広場は、ピクニックやお花見目的で利用する方も多くいます。自分たちでピクニック用のグルメを家から持ってくるのも良いですが、代々木公園の周りにはサンドイッチやポテトフライなどのおしゃれなテイクアウトグルメのお店が多くあるので合わせて利用するのがおすすめです。
園内に3ヵ所ある売店でも気軽に利用したくなる軽食メニューからカレーやパスタなどボリュームのあるもの、さらにはハンドドリップの美味しいコーヒーなどのドリンクまで揃っているので手ぶらで訪れても安心です。
園内の原宿、明治神宮側には野鳥を観察することができるバードサンクチュアリがあります。代々木公園のバードサンクチュアリは日本で最初に作られたもので、野鳥が好む実がなる木を植えて保護柵で囲ってあるものです。
このバードサンクチュアリの中に入ることはできませんが、この場所を求めてやってくる野鳥たちを園内でも十分に眺めることができます。また毎年冬には「野鳥観察会」も開催され、愛好家たちだけでなく子どもたちも気軽にバードウォッチングに参加できるようになっています。
身体を動かすのにも豊富な施設
園内のサイクリングコースでは、自分自身の自転車を持ち込んで走ることはもちろん、サイクリングセンターでレンタサイクルをすることもできます。大人用・子供用の自転車に加えてレンタルすることのできる、カップルや親子で一緒に乗れる2人乗りの「タンデム」は普段とは違った体験をしたい方におすすめです。
コース内は散歩やランニング目的の利用が禁止されていて、さらに小さな子どもたちが練習するのに丁度良い幼児用サイクリングコースもあるので誰でも安心して利用することができます。
【営業時間】9:00〜16:30(貸出しは16:00まで)
【定休日】月曜日(祝日にあたる場合は翌日)、12月29日 〜 1月3日
【利用料金】
- 大人用:最初の1時間 210円、以降100円/30分
- 子ども用:最初の1時間 100円、以降50円/30分
- タンデム:最初の1周 210円、以降100円/1周
B地区には野外ステージの他にサッカー・ホッケー場、陸上競技場といったスポーツ施設があります。サッカー・ホッケー場は中学生以上であれば、事前に公園管理所にて利用者登録をしていると、インターネットから利用を申し込むことができます。
また、陸上競技場はサービスセンターでの受付と抽選によって利用を申し込むことができます。しかし他の団体が使用していない時間帯と第1日曜日、第3土曜日、毎週水曜日及び毎週火・金・土曜日の夜間には無料で開放されているので気軽に利用することも可能です。
このエリアは、サッカースタジアムの建設が計画されています。サッカーだけでなくライブやイベント会場としても使うことができる予定のこのスタジアムによってさらに代々木公園の施設が充実するでしょう。
中央広場の北側、サイクリングセンターの近くにはドッグランがあります。体重別に超小型犬エリア、小・中型犬エリア、中・大型犬エリアの3エリアに分かれているので、小さな愛犬の飼い主でも安心して利用することができます。
ドッグランの利用には代々木公園サービスセンター窓口での登録と1年毎の更新が必要となるので、事前に公式サイトをご確認ください。登録した当日から利用することが可能です。
おすすめの周辺スポット
代々木公園から徒歩10分圏内でいけるランチ
PATH(パス)
代々木公園駅から徒歩1分のところにあるビストロです。朝8時から営業しているので、公園に行く前に利用することもできます。パンやパンケーキ、カレーなどが人気メニューです。
ヨヨナム
代々木公園の西側にあるベトナム料理屋さんです。春雨炒めやバインミーなど、本格的なベトナム料理を味わうことができます。テラス席もあるので、天気が良い日にぜひ利用したいですね。
ARMS PARK SIDE BURGER SHOP (アームズ)
代々木公園駐車場のすぐ近くに位置するバーガーレストランです。ハンバーガーはもちろん、タコスやサンドイッチ、サラダなど豊富なメニューが魅力です。
公園内・外のランチまとめはこちら
代々木公園から徒歩15分圏内のテイクアウト
イエンセン
代々木公園西門から、徒歩約6分のべーカリーです。こちらのお店のデニッシュはバターがたっぷり使われており、香り高いのが特徴です。一度口にしたらお店の虜になること間違いなし。
麗郷 富ヶ谷店
代々木公園駅から徒歩約3分の場所にある、台湾料理のお店です。豚料理、鶏料理、麺料理と多彩なメニューは、ほとんどがテイクアウトが可能となっています。
代々木公園周辺のテイクアウトまとめはこちら
代々木公園から徒歩10分圏内でいけるカフェ
Little Nap COFFEE STAND(リトルナップコーヒースタンド)
自家焙煎のコーヒー豆を使用したカフェラテやマキアートなどを提供しています。ドーナツやホットドッグなどの軽食も用意されていて、少し休憩したい時にぴったりのお店です。
Fuglen Tokyo(フグレントウキョウ)
代々木公園駅から徒歩約4分の場所にあるカフェです。平日、休日問わずお客さんが多く訪れ、いつも賑わっていて、夜にはお酒も楽しむことができます。
ミニマル 富ヶ谷本店
代々木公園から徒歩約10分の、チョコレート専門店です。ビーントゥバーのお店で、カカオの風味豊かなチョコレートを味わうことができます。テイクアウトも可能です。
代々木公園周辺のカフェのまとめはこちら
代々木公園と合わせて観光におすすめ
代々木公園と合わせて観光におすすめの人気スポットには、徒歩すぐの場所にあるパワースポット・明治神宮や徒歩10分の場所にあるNHKの多彩な放送を体験できるNHKスタジオパーク、徒歩15分の場所に買い物を楽しめるラフォーレ原宿などがあります。
明治神宮
明治神宮は、原宿駅から徒歩10分の位置にあり、代々木公園から徒歩すぐの位置にあります。
新宿と渋谷の間の広大な敷地にある緑豊かな明治神宮は都会とは思えないような神聖な森に包み込まれています。19世紀の後半より明治天皇と昭憲皇太后を祀っており、1920年に建てられましたが、第二次世界大戦で焼失しました。その後1958年に神社と庭園が再建されて、日本中から約17万本もの木が奉納されたそうです。現在は御社殿、宝物殿、御苑で構成されています。
代々木公園と隣接しているので、合わせて散策を楽しむこともできます。菖蒲園は6月頃に花菖蒲が見ごろを迎えるので観光におすすめです。神前式も行われているので、運が良ければ美しい花嫁さんの姿を見ることができるかもしれません。
NHKスタジオパーク
NHKスタジオパークは渋谷駅から徒歩15分の位置にあり、代々木公園からも徒歩10分ほどで着きます。
NHKの番組やキャラクターによるオリジナルのコンテンツや番組作りの裏側や最新の技術による映像上映など、多彩な展示やイベントなどを通じてNHKの放送に触れられる体験型のテーマパークで人気のスポットです。
スタジオパークにはTVスタジオがあり、いろいろな番組が放送されています。ガラス越しに番組がどのようにつくられているのか見学できたり、ゲストの姿を見ることができます。有名ゲストを見ることができるかもしれませんね。番組によっては実際にスタジオに入って、近くで観覧することもできるそうです。
声優体験ができるアフレコスタジオやNHKのアニメ番組が紹介されている「アニメファクトリー」やEテレのキャラクターたちとゲームができる「キッズワールド」、そのほか科学の面白さに触れられる「はてなルーム」や新旧大河ドラマや連続テレビ小説をふりかえる「ドラマライブラリー」などもあるので、家族で楽しめるスポットになっています。
ラフォーレ原宿
ラフォーレ原宿は明治神宮駅から徒歩すぐの位置にあり、代々木公園からも徒歩15分ほどで着きます。
ファッション・文化のディベロッパーとして若者に人気のショップがたくさん入っていて買い物を楽しめる人気のスポットです。
地域の活性化を目的にした「街づくり」をテーマとし、1978年に明治神宮の街・原宿にオープンしたラフォーレ原宿。ファッション=時代を表現するカルチャー全般という視点から発信を続け、 “ファッションの街・原宿”へと変貌する街のランドマーク的役割を果たしてきました。
最上階である6階にはアートをはじめ、デザインや音楽、写真などファッションと密接に関わっている様々なカルチャーを独自の視点から発信している多目的ホールの「ラフォーレミュージアム原宿」があります。東京のカルチャー・シーンはここでチェックできますよ。
さらにおすすめ
アクセス情報
電車で行く場合
- JR山手線「原宿駅」表参道口から徒歩3分
- 東京メトロ千代田線「代々木公園駅」4番出口から徒歩3分
- 東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前(原宿)駅」3番出口から徒歩3分
- 小田急線「代々木八幡駅」南口から徒歩6分
代々木公園へのアクセスをまとめたコラムはこちら
よくある質問Q&A
駐車場は利用できますか?
公園内には代々木公園駐車場という専用の駐車場があります。ただし、二輪車の駐輪は出来ません。
【利用料金】普通車:1時間まで600円、以後300円/30分
※高額紙幣(一万円札、五千円札、二千円札)は使用不可
【営業時間】24時間
【駐車台数】65台(うち身障者用4台)、臨時駐車場有
安く駐車したい場合の方法はありますか?
都道413号線の代々木公園と代々木体育館の間の第一路側帯にある60分パーキングは日曜日・祝日に限り、パーキングチケットが発行されない無料の駐車スペースとなります。
午前中から混雑するのでスペースに停めるのは難しいですが、空いていた場合はお得に停めることができます。間違えやすいですが、土曜日は平日同様に300円/60分と有料でパーキングチケットが必要となるのでご注意ください。
駐車場についてまとめたコラムはこちら
公園内での禁止行為を教えてください
- 野球、サッカー、ゴルフ、ラグビー、アメリカンフットボール、スケートボードなどの練習
- 集団での音楽演奏や大音響・高音を発する楽器の練習
- サイクリングコース内の歩行(写真撮影等を含む)
- 鳥獣魚貝の類の捕獲・殺傷や木竹や植物の伐採・採取
- テント、タープ類の組み立てやロープ張り、ハンモックやブランコを吊るすこと
- 許可を受けていない物品販売、写真・映画撮影、その他の営業行為及び広告宣伝
- 公園内に長時間の荷物放置や、ベンチ等の長時間占拠
- 公園内でのたき火・花火、炊事、不法投棄
基本情報
代々木公園
【開園日】常時
【入場料】無料 ※一部有料施設あり
【住所】東京都渋谷区代々木神園町2−1
【問い合わせ先】
代々木公園サービスセンター
TEL:03-3469-6081