上海ってどんなところ?
基本情報

上海は、中国の東シナ海沿いの海岸の中心に位置し、中国最長の川「長江」の河口に開けた都市です。市街地には長江の支流の「黄浦江(こうほこう)」が曲がりくねって流れています。中国の中央直轄市で、経済と貿易の中心地です。
東京からは約4時間、福岡からは約2時間ほどのフライトで行くことができる海外です。時差はマイナス1時間で、日本が7時のとき、上海では6時なので、時差ボケの心配もほぼありません。
九州の鹿児島や宮崎とほぼ同じ緯度で、日本と同じく四季の変化がはっきりしています。6月から7月上旬には梅雨もあります。7月・8月の夏場の平均気温は約28℃で、時おり夕立がくることもあって、蒸し暑くなります。
台風も通過することから、9月の台風シーズンには注意が必要です。9月下旬から11月にかけては、爽やかで過ごしやすく、上海の名物高級グルメ「上海蟹」の旬の時期とも重なることから、上海旅行のベストシーズンといえるでしょう。
冬場は日本同様、コートなどの防寒着が必要です。大陸性気候の影響で冷えこむ日もありますので、夜間の観光などは特にあたたかい格好で出かけましょう。

公用語は中国語で、北方方言の北京語を基本にしている「普通語」が標準語です。ただし、上海では南方方言の1つである「上海語」が多く使われています。北京語と上海語は別の言語といってもいいほど違っていて、全く通じませんが、普通語であれば上海でもたいてい通じます。英語や日本語は、外国人が多く利用するホテルやレストラン以外ではほとんど通じません。
文字も中国語ですが、その漢字は「簡体字(かんたいじ)」となります。これはもともとの漢字をかなり簡略化したもので、日本で使われている漢字とは、形が全く違うものも多いです。
通貨単位は「人民元」で、略号は「元(ユェン、yuan)」です。話し言葉では「クァイ(kuai)」とも言います。通貨の補助単位として、「角(ジァオ、jiao)」や「分(フェン、fen)」もあり、1元=10角=100分です。
15日以内の旅行で、観光・商用・親族訪問・トランジットが目的の場合には、有効な日本のパスポートがあれば観光査証(ビザ)を取得する必要はありません。有効期間が6ヵ月以上残っていないと飛行機に搭乗できないこともありますので、しっかり確認しておきましょう。
上海の歴史と文化

上海や蘇州のある長江下流の平野部は、気候にも恵まれた豊かな場所として古くから知られていました。上海郊外に点在する「古鎮(こちん)」とよばれる古い町並みのある水郷はそのなごりで、数千年前から農業や漁業が営まれてきました。
現在、活気にあふれる経済都市となった上海は、19世紀末ごろまでは江南地域(長江の南側の地域)の小都市の1つでした。1842年の南京条約で開港したのちに、もともとから栄えていた旧市街とは別に、欧米列強が租界(外国人居留地)をつくり、移り住むようになりました。
上海の各エリアでは、租界時代の雰囲気を今に伝える建物が数多く残されていて、その歴史や文化を感じることができます。
明(みん)の時代に造られ、400年以上の歴史がある庭園「豫園(よえん)」とその周囲のエリアは、租界ができる前からある上海の旧市街です。とんがり屋根が特徴的な建物からも、中国らしい雰囲気や伝統文化が感じられます。
黄浦江西岸の「外灘」は、英語では「バンド(bund)」とも呼ばれ、かつての租界の玄関口となった場所です。租界時代には各国の商社や銀行が建ちならび、栄えました。当時の豪華な建築は、1940年代に中国が解放され、租界がなくなった後も残されたもので、現在も利用されています。

上海の西南にある衡山路(こうざんろ)や淮海中路(わいかいちゅうろ)のあたりは「旧フランス租界」だった場所で、こちらでも当時の洋館などを見ることができます。
現在、ショッピングエリアとしても人気の「新天地」には、1860年代から上海で見られた伝統的な「石庫門(せきこもん)」様式の建物が並びます。中国と西洋の建築様式がミックスされたもので、租界時代は中国人の暮らす集合アパートでした。
「虹口(こうこう)」エリアは、アメリカとイギリスの共同租界だった場所で、日本人も多く暮らしていました。20世紀初頭に活躍した中国の偉大な文学者で日本人との交流もあった「魯迅(ろじん)」ゆかりの地です。当時の日本人や魯迅にゆかりのあるスポットも残っています。
外灘の対岸にある「浦東」エリアには、近未来的なデザインの超高層ビルが建ちならびます。中国の開発プロジェクトによってできた新しいエリアで、世界でも有数のオフィス街となっています。2010年には上海国際博覧会(上海万博)も、このエリアで開催されました。川をはさんで外灘の古い建築との対比が、上海の歴史を感じさせます。
旅の注意点や準備しておくと良いこと

中国・上海は、同じアジアでお隣りの国ですが、日本とはさまざまな事情が違います。事前に知っておいて、準備や心がまえをしておきましょう。
まず、上海では、車は日本と違って右側通行です。交通量も多く、また、信号を守っていても必ずしも安全とは言い切れません。道路を横断するときは、左右の確認を念入りにするなど、くれぐれも注意しましょう。
また、中国では国家プロジェクトのインターネット規制があることから、ツイッターやライン・フェイスブック・インスタグラムなどのSNSや、グーグル・ヤフー検索、グーグルマップなど、日本ではおなじみの様々なサービスが利用できません。
不便を感じたり、ビジネスで必要であれば、レンタルのWi-Fiルーターに有料のVPNサービスをオプションでつけましょう。Wi-Fiレンタル各社で、中国のインターネット事情に対応したプランもあります。旅行が決まったら早めの予約がおすすめです。
トイレ事情も日本とは違います。都市部では水洗トイレも増えていますし、街なかに無料の公衆トイレが設置されているところも見られるようになりました。ただ、トイレットペーパーが常備されていない場合も多いので、ポケットティッシュなどを必ず携帯しましょう。また、水洗トイレにペーパーは流せません。カゴなどが備えつけられていますので、そちらに入れてください。
春の黄砂やPM2.5などの大気汚染にも注意が必要です。対応したマスクやのど飴などをあらかじめ準備しておくと安心です。また、水道水は飲むことができません。現地のコンビニなどでミネラルウォーターを購入してください。
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外灘

「外灘」には、上海に今も残る租界時代の建築の中でも、各国の商社や銀行が競うように建てた、豪華でレトロな22のビルが、建ち並んでいて、見ごたえがあります。建物の細部をじっくり観察したり、散策してアジアにいながら、西洋の国を訪れた気分に浸ったり、と思い思いに楽しみましょう。
外灘エリアの中央に位置し、最上部にドームがある「上海浦東発展銀行総行大楼(旧香港上海銀行上海支店)」や、イギリスの「ビッグベン」、ロシアの「クレムリン」に続き、世界3番目の大きさを誇る時計塔がある「海関大楼(旧江海関)」は、隣りあわせに建っていて、とても目を引きます。
「蘇州河」にかかる「外白渡橋」を渡ると、「外灘」の建築群と黄浦江を一望できる抜群の立地に、アール・デコ様式の19階建てのビル「上海大廈(ブロードウェイ・マンション)」があります。上海屈指の5つ星ホテルで、宿泊して眺めを楽しむこともできます。
東方明珠電視塔

浦東エリアの超高層ビル群の中でも、大小の球体を11個組み合わせた近未来的なデザインがひときわ目を引くのが「東方明珠電視塔」です。高さ468mを誇るテレビ塔で、球体部分は展望台となっていて、それぞれの展望台からは上海市内を360度のパノラマでぐるりと見渡せます。
1階には、5つのコーナーから構成されていて、上海の移り変わりやその歴史を紹介する「上海都市歴史発展陳列館」があります。ほかにもローラーコースターに乗ってバーチャル体験が楽しめるアトラクションや、床まで透明なガラスでドキドキ感も味わえる地上259mの展望回廊、地上267mにあって2時間でフロアがゆっくりと1回転する展望レストラン、など見どころもたくさんです。
夜になると展望台からの夜景も楽しめ、建物もライトアップされます。浦東エリアの対岸の「外灘」から眺めても、とても幻想的です。
上海博物館

鍋のフタのような外観の「上海博物館」は、中国の数千年にも及ぶ古代芸術の歴史を、総合的に展示する博物館です。その陳列面積は12,000平方mもあり、102万点近くもの文物を所蔵しています。
1階から4階までのフロアには11の展示コーナーがあって、中国古代の青銅器や陶磁器、書画、細やかな彫刻が施された印章、古代からのお金、少数民族の伝統工芸品まで、さまざまなコレクションが並びます。
入場は無料で、1日8,000人までの入場制限があります。日本語対応のイヤホンガイドの貸し出しもあります(1台40元、デポジット(保証金)としてパスポートまたは400元を預ける)。館内にはレストランやカフェ、ミュージアムショップもあります。
上海ディズニーランド
2016年に浦東新区にオープンした「上海ディズニーランド」は、上海市街地から地下鉄11号線に乗って終点の「上海迪士尼駅」で下車し、歩いて約10分と、アクセスしやすい立地です。
園内は「ミッキーアベニュー」、「ガーデン・オブ・イマジネーション」、「ドリーム・ワールド」、「アドベンチャー・アイル」、「トレジャー・コーブ」、「トゥモローランド」、そして2018年4月にオープンした「トイ・ストーリーランド」の計7つのエリアに分かれています。
上海ディズニーランドにしかないエリアやアトラクション、グルメもあって、東京ディズニーランドとはまた違った楽しみ方ができます。また、年間を通じてさまざまなイベントも開催されています。
中国語(簡体字)と英語のみの対応ですが、iPhone用とAndroid用に「上海ディズニーリゾート公式アプリ」があります。アトラクションの優先乗車券「ファストパス」の取得や、アトラクションの待ち時間、ショーの開始時間などの確認もできるので、出かけるのであれば、スマホのアプリストアで事前にチェックして、インストールしておくことをおすすめします。
メイン施設のディズニーランド周辺は全体が「上海ディズニーリゾート」です。「上海ディズニーランド・ホテル」と「トイ・ストーリー・ホテル」の2つのオフィシャルホテルや、ショップやレストラン、エンターテイメントが集まる「ディズニータウン」、水辺の散策なども楽しめる「ウィッシング・スター・パーク」などがありますので、滞在して、心ゆくまでディズニーの世界を満喫することもできます。
豫園(よえん)

「豫園」は、明(みん)の時代に造られた、400年以上の歴史を誇る古い庭園です。約2万平方mもの敷地には、お堂や楼閣、そして美しい自然石と水を巧みに配置した中国南部の庭園建築芸術の代表ともいえる「江南式庭園」が広がります。
龍壁や曲がりくねった回廊、さまざまな形の花窓など40ヵ所あまりもの見どころがあって、古典中国のすばらしい美の世界を堪能することができます。
新天地

「新天地」は、1920年代の租界時代に建てられた「石庫門(せきこもん)」と呼ばれるれんが造りの西洋風集合アパートが並んだエリアを、建物を活かしてまるごと再開発、おしゃれなお店や飲食店などが集まる観光スポットとして生まれ変わった場所です。
石畳の路地やアーチ型の玄関などが当時の面影を残していて、歴史を感じながら散策やショッピングが楽しめます。夜には建物がライトアップされ、昼間とはまた違った雰囲気を味わえます。
龍華寺

龍華西路近くの「龍華寺」は、三国時代の紀元242年、呉の王・孫権によって建てられたといわれている、上海最古の禅宗寺院です。その敷地面積は20,000平方m以上もあって、現在の建物は清朝末期の光緒年間のものです。
大雄宝殿、弥勒殿、天皇殿、三聖殿、方丈殿が境内に建ち並びます。建物の中にまつられている、さまざまな黄金色の仏像も見どころの1つです。また、境内では中国の有名な書道家による貴重な肉筆題字が数多く見ることができます。
門前にそびえ立つ「龍華塔」は、高さ40m以上もある、上海では最大規模の古い塔です。広い敷地を散策しながら、中国の伝統建築を眺めたり、日本のお寺や神社とはまた違ったお参りを体験してみてください。
魯迅公園・魯迅故居

公園が開かれた1905年当時は、練兵場や外国人向けのスポーツ施設が置かれていました。長い間「虹口(こうこう)公園」と呼ばれてきましたが、20世紀初頭に活躍した中国の文学者「魯迅(ろじん)」にゆかりのある場所だったことから、「魯迅公園」と改称されました。
広大な公園には魯迅の像や記念館、1956年の没後20周年の際に「万国公墓(現・宋慶齢陵園)」から移された魯迅のお墓もあります。敷地内には池や森もあって、ボート遊びや太極拳を楽しむなど、上海市民の憩いの場となっています。
また公園の南には、魯迅が晩年を過ごした「魯迅故居」もあって一般公開されています。赤レンガの共同住宅で、租界時代の古い建物です。食堂や風呂、トイレ、客間や寝室、そして執筆途中の遺作まで、当時の生活の様子が再現されています。
上海動物園
上海市西郊外にある「上海動物園」は、租界時代にはゴルフ場だった場所で、敷地面積は約70万平方mと巨大です。世界中の600種類以上の動物を飼育・展示しています。
中国の国家保護動物の「東北虎(アムールトラ)」や「揚子ワニ」、そして人気者の「ジャイアントパンダ」や「レッサーパンダ」、孫悟空のモデルとされている「金絲猴(きんしこう)」など、中国にしか生息していない珍しい動物の様子も見ることができます。
朱家角(しゅかかく)

上海市中心部からわずか48kmほど、淀山湖のほとりにある「朱家角」は、町なかを水路が縦横に走り、9本の長い通りが川に沿って伸びています。その歴史は1,700年以上さかのぼる三国時代に始まったといわれています。
明の時代には水上交通によって、商業の中継地として繁栄しました。水路沿いには明・清時代の白壁と瓦屋根の古い民家が軒を連ねていて、昔ながらの風景が今も残っています。水路を手こぎボートに揺られて観光するのもおすすめです。
また朱家角は、町なかを流れる水路に、36もの古い趣のある石橋が架かっています。その中でも「放生橋(ほうしょうきょう)」はひときわ目立つ存在で、今から約450年前に架けられたという5つのアーチをもつ石橋です。
全長72m、幅5.8m、高さ7.4mという大型の石橋は、上海地区で最長、最大といわれていて、朱家角のシンボル的存在となっています。橋の上からは、漕港河沿いに家々が立ち並ぶ、情緒あふれる風景を眺めることができます。
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上海タワー

浦東エリアに建つ超高層ビル群の1つである「上海タワー」は、2016年4月に開業した高さ632m、地下5階地上127階の、中国で1番高いビルです。タワー全体が上に向かってくねるような、らせん状の美しいシルエットが特徴的です。
オフィスやレストラン、ショップが入っているほか、118階にある展望台からは、周りにある超高層ビルと黄浦江を見下ろしながら上海を一望できます。秒速18mという超高速エレベーターに乗れば、わずか55秒で展望台に到着です。
上海環球金融中心

「上海環球金融中心」は、地上101階建て、高さ492mを誇り、まるで栓抜きのようにビルの最上部に空間があるデザインが特徴の超高層ビルです。日本の森ビルによって建てられ、2008年に完成しました。
国際金融センターとオフィス、メディアセンターの役割を持つほか、地下2階~地上3階には世界各国のレストラン・カフェやショップ、79階~93階には5つ星ホテルの「パークハイアット上海」が入っています。
94階~101階は展望施設などの観光フロアです。97階は、まるで空に浮かぶような展望ブリッジの「スカイウォーク97」、また100階の「スカイウォーク100」には、全長約55mのガラス張りの通路があり、スリルとともに足元に広がる上海の街並みを楽しむことができます。
金茂大厦(きんもだいか)

浦東エリアの「金茂大厦(英語名:ジンマオタワー)」は、高さ420.5mで、中国の大手デベロッパー「金茂集団」によって建てられた超高層タワービルです。最上部が凸型の形をしているのが特徴的です。
53〜87階はホテル「グランド・ハイアット上海(中国名:上海金茂君悦大酒店)」で、555もの大小さまざまな客室や中華・洋食レストランなどを有しています。56階からタワーの頂上までのビルの中心部は吹き抜けになっていて、直径27mのガラス天井から陽光が降り注ぎます。
また、88階には観光用の展望台もあります。地下1階に切符売り場と展望台専用入り口があって、直通の高速エレベーターに乗れば約45秒で展望台に到着です。展望台にはオリジナルグッズなどを販売するショップもあります。上海市内の街並みや眼下には近くの「東方明珠電視塔」を見下ろすこともできます。
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黄浦公園

外灘の北側、黄浦江と蘇州河が合流する場所の南側にある公園が「黄浦公園」です。1868年にイギリスによって整備された歴史ある公園で、ここから南に向かって黄浦江沿いに遊歩道もあります。
公園内にあるモニュメントは「上海市人民英雄紀念塔」で、ひときわ目立ちます。黄浦江の対岸にそびえる浦東エリアの超高層ビル群を一望できる絶好のビューポイントとなっています。
田子坊(でんしぼう)

「田子坊」は、租界時代の「石庫門」の老朽化した集合住宅が密集していたエリアで、2000年代のはじめに上海出身の画家「陳逸飛」氏がアトリエを作ったことから、徐々にクリエイターや外国人の集まるアートスポットとなっていきました。
迷路のような細い路地には、若手デザイナーのショップやギャラリー、個性的な雑貨ショップなどがひしめいています。また、おしゃれなカフェやバー、多国籍なレストランもあって、さまざまなグルメを楽しむことができます。
田子坊には、地元の人たちが利用する生鮮市場や暮らすアパートもあるので、ただおしゃれなだけではなく、地元の人たちの暮らしを垣間見ることもできます。
龍美術館(西岸館)
世界的なアートコレクターである劉益謙・王薇夫妻によって設立された私設の「龍美術館」は、黄浦江を挟んで東岸の「浦東館」と、新たなアートスポットとして注目されている黄浦江西岸の中心にある「西岸館」があります。
「西岸館」は、石灰工場をリノベーションして建てられたモダンなデザインで、建物自体がアートといえるでしょう。落ち着いた雰囲気の館内では、中国伝統絵画から現代アートまで、幅広い作品が展示されています。
上海工芸美術博物館

1905年に建てられた白い外観の優雅でおしゃれな西洋風建築で、もともとは旧フランス租界公董局董事(とうじ、中国の役職で日本でいう取締役にあたる)の住宅でした。地元上海の伝統工芸美術品の保護と展示、次世代に伝えるという目的で開設されました。
刺繍や彫刻、民間工芸など300点近くの作品が展示されているほか、上海市公認の一流職人が工房をかまえていて、制作や販売も行なっています。
1933老場坊(ろうじょうぼう)

虹口にある「1933老場坊」は、もともとは租界時代の1933年に建設された食肉処理施設だった建物を活用したアートスポットです。イギリス人建築家が設計した建物には、柱や外壁に細かい装飾デザインが入っていて、コンクリートの打ちっぱなしと、現代にも通じるモダンさです。
施設内には小さなギャラリーやカフェなどが入っていて、アート鑑賞の合間に休憩もできます。
M50

上海市普陀(ふだ)区にある「M50」は、蘇州河沿いにあった1930年代の紡績工場の建物などを、そのままアートスペースとして活用した施設です。広大なエリアには、若手アーティストによるギャラリーやアトリエがあります。
上海の最新アート事情に触れることができるほか、オープンカフェやショップもあって、週末になると若者でにぎわう人気スポットとなっています。
上海郊外の風光明媚な水郷古鎮(こちん)スポット2選
七宝(しちほう)

上海市中心部から南西約15kmのところにあって、地下鉄9号線も通っていることから、数ある水郷古鎮の中では行きやすいのが「七宝」です。1,000年以上の歴史があって、小さい町ながら、水路が張りめぐらされ、路地には古い商家に見られる、朱色の軒が特徴の伝統家屋がならびます。
七宝名物として有名な羊肉料理店などのグルメスポットや、お土産・工芸品などのショッピングスポット、さまざまなジャンルの小さな博物館など、レトロな町並みとともにいろいろな楽しみ方があります。
街を流れる水路が十字に交差した場所の北東に立っている古いお寺は「七宝教寺」で、創建された年は定かではありませんが、1,000年以上の歴史を持つといわれています。現在の建物は新しいもので、高さ47m、7層8面の色鮮やかな「七宝塔」は、町のランドマークとなっています。
南翔

上海市街地から北西約20kmほどの嘉定区にある「南翔」は、505年に「白鶴南翔寺」がこの地に建てられたことから地名がつけられました。1,500年を超える長い歴史を持つ水郷古鎮です。古くは多くの商人が集まって繁栄を遂げ、また優秀な人材を数多く育んできました。
町のシンボル的存在「南翔双塔」は、高さ11mというこじんまりとした宝塔ですが、木材や鉄くぎは一切使わずに、全てがレンガを組み合わせて建られた「レンガ塔」で、その精巧さは、中国の中でも非常に貴重なものです。
江南名園の1つとされる「古猗園(こいえん)」は、中国の国家4Aクラスの観光スポットとされ、南翔を訪れたらぜひ観光したいスポットです。明代の嘉靖(かせい)年間に建てられ、すでに490年ほどの歴史を持つ名園です。春にはボタン、夏にはスイレンと、花とともに四季の移り変わりも楽しめます。
また「小籠包」の発祥の地といわれています。肉あんを薄い皮で美しく包んだ小さめの饅頭は、かつて、清朝末期の西太后が「天下一の饅頭(点心)」と絶賛したとも伝えられています。今や上海名物の大人気グルメですが、古猗園に隣接する「古猗園餐庁」が、その発祥の店として知られています。
ディープな上海ならではの体験ができるスポット4選
外灘観光隧道

黄浦江の下を通って「外灘」と「浦東」の間を全長646.7mで結ぶ、川底トンネルが「外灘観光隧道」です。ガラス張りの自動無人運転制御システムの車両に乗って片道約5分間で移動します。きらびやかなイルミネーションに照らされ音響効果設備も備えたトンネルは、ちょっとしたアトラクションのようで、上海観光のニュースポットとなっています。
上海マダムタッソーろう人形館
「マダムタッソーろう人形館」は、世界的に有名なろう人形館です。ロンドン、アムステルダム、香港、ラスベガスに次いで、上海は世界で6番目に開館しました。
香港の大スター「ブルースリー」や「ジャッキー・チェン」をはじめ、「オードリー・ヘップバーン」、「アーノルド・シュワルツェネッガー」といった映画スターのほか、有名な科学者や政治家、スポーツ選手にいたるまで、様々な本物そっくりのろう人形が展示されていて、一緒に写真を撮ることもできます。
大世界

西藏南路と延安東路の交差点に位置する「大世界」は、中国の無形文化遺産のグルメや伝統芸能、娯楽などが楽しめる施設です。1917年に建設された当時の建物を修繕したもので、クリーム色の壁に12本の円柱で支えられた六角形のタワーが特徴のモダンな外観です。
2008年に修繕工事のため一度閉館しましたが、2016年に再開されました。1階のエントランスには、壁いっぱいに「哈哈鏡」が設置されています。これは、建設当時からあった人気のコーナーで、鏡に写る姿が面白く、笑い声が出るという鏡です。「哈哈(ハーハー)」は、中国語で大きな笑い声の擬音語です。
中国各地から集まった絶技の達人たちによる技の披露を生の舞台で観ることもできます。映画館やショッピングモール、フードコートや中華料理・洋食レストランなどのグルメスポットもあって、ゆっくり楽しめます。
上海馬戯城
人間が極限のパフォーマンスで魅せてくれる「中国雑技」。上海はそんな雑技集団「上海雑技団」の本拠地で、いくつかの専用劇場もあります。「上海馬戯城」はその1つで、「シルク・ドゥ・ソレイユ」のプロデューサー演出による「ERA−時空の旅」を上演しています(2019年10月現在)。
世界トップレベルの音声や光、水のスクリーンといったマルチメディアを駆使し、上海雑技団のハイレベルな技術を組み合わせた斬新なショーを、最新設備の専用劇場で鑑賞することができます。
当日券は1階のチケットオフィスで購入可能ですが、観光客にも人気で、団体客が多く入っている場合もありますので、できれば事前購入をおすすめします。上海観光の予定にあらかじめ組むのであれば、旅行の手配をする際に、ツアー会社などに相談してみるのも手です。
中国・上海の歴史を感じるスポット5選
静安寺(せいあんじ)

南京西路のビルの谷間に、金色の屋根が異彩を放つ「静安寺」は、三国時代に呉の孫権によって建立されたという、1,800年近い歴史を誇る仏教寺院です。もともとは蘇州河のほとりにありましたが、北宋時代に静安寺と名前を変え、現在の場所に移されました。
金色の瓦屋根の「大雄宝殿」や「天王殿」などの建物が、コの字型に境内を囲みます。境内では、明代の洪武大鐘や南北朝時代の彫刻石仏など、年代の古い貴重なものが見られます。
中華芸術宮

浦東新区にある「中華芸術宮」は、もともとは2010年に開かれた「上海万博」のパビリオン「中国館」だった、鮮やかな朱色の巨大な建造物です。万博が終わった後の2012年10月に「上海美術館」が移転し、新たにオープンしました。
敷地面積は2,200平方m、その床面積は16万平方mを超える広さです。「上海美術館」は、1965年の創立以来、中国の近現代美術のほか書道、写真、海外の作品まで、さまざまな展覧会を開催しています。30万人から多いときには130万人もの来館者が訪れるアジア最大規模の美術館です。
特別展は別途入場料が必要ですが、常設展は無料です。ぜひ、巨大建築の見学とともに、美術鑑賞を楽しんでください。
豫園商城

豫園の西側には、とんがり屋根が特徴的な中国建築が立ちならぶ「豫園商城」があります。明・清時代の町並みを再現したレトロな雰囲気のエリアです。骨董店やお土産店をはじめ、デパート、専門店、上海料理店など、狭い道を挟んで大小さまざまなお店が軒を連ねていて、ショッピングやグルメが楽しめます。
その景観とショッピングが一緒に楽しめることから、豫園と合わせて、連日たくさんの人が訪れる人気の観光スポットとなっています。夜はライトアップされ、昼間とはまた違う雰囲気を味わえるのも魅力です。
武康大楼

「旧フランス租界」を通る「淮海中路(わいかいちゅうろ)」と「武康路」の交差点に立っているのが「武康大楼」です。まるで客船のような丸みを帯びたシルエットが特徴の赤レンガの西洋風建築で、かつては「ノルマンディ・アパート」と呼ばれていました。
スイス人建築家「ルネ・ミニュッティ」による設計で、1924年に竣工したという古い建物です。この周辺は、上海の中でも閑静で落ち着いたエリアで、おしゃれな街並みが注目を集めています。「武康路」沿いには、白壁の古い洋館が建ち並んでいて、散策も楽しめます。
上海城市規画展示館

地下鉄1・2・8号線「人民広場駅」から歩いて3分ほど、「人民公園」に面し、「上海市政府ビル」の東側に位置する「上海城市規画展示館」は、「都市、人、環境、発展」をテーマに、上海市の過去から未来まで、その変遷と都市開発の歴史を学べるエキシビション施設です。
館内では、清(しん)代の城郭、租界や外灘の成り立ちなどを、模型や写真パネルを多く使って紹介しています。再開発された人気の観光スポット「新天地」の街並みの模型なども展示されています。
そして圧巻なのは、1フロアをまるごと使って展示されている、上海市街地の巨大ジオラマです。ジオラマの周囲を一周しながら、観光スポットの「外灘」や浦東エリアの超高層ビル群などを眺めて楽しみましょう。
上海の味を堪能する!グルメスポット4選
王宝和酒家

上海を代表する食材でご当地グルメの「上海蟹」は、上海では高級店からフードコートでも、年間を通じて食べられますが、旬は9月~11月ごろです。正式名称は「チュウゴクモクズガニ」といって、はさみに柔らかい毛が生えているのが特徴です。
旬の時期に市場に出回る蘇州近郊の陽澄湖(ようちょうこ)産は、ブランド化されている最上品です。卵を抱えたメスは9月~10月ごろ、白子がたっぷりつまったオスは10月~11月ごろに出回り、どちらも格別においしいです。
地下鉄1・2・8号線の「人民広場駅」から歩いて約7分ほどの場所にある「王宝和酒家」は、創業1744年という上海蟹専門店の老舗中の老舗です。地元の人はもちろんですが、世界中の食通がこぞって訪れるという名店です。
最高級品の陽澄湖産の上海蟹が年間を通じて食べられるのも専門店の老舗ならではです。蟹ミソチャーハンをはじめ、コース料理まで、どの料理にも上質の上海蟹が贅沢に使われています。
南翔饅頭店
「南翔饅頭店」は上海の人気観光スポット「豫園(よえん)」に本店がある、1900年創業の「小籠包」の老舗です。日本をはじめとするアジア地域にも支店があります。
豚肉のあんに鶏と野菜のスープで豚皮をじっくり煮込んで作ったゼラチンを混ぜて、薄い皮で包んで蒸し上げます。見た目の形も美しく、あんが多く、肉汁がたっぷりなのが、南翔饅頭店の小籠包の特徴です。
本店は、イギリスのエリザベス女王や、アメリカのクリントン元大統領など、世界の国賓も訪れたという名店で、行列のできる人気店です。テイクアウト専門窓口は、本店の近くに別に設けられています。2・3階はレストランで、窓際の席からは、食事をしながら豫園の美しい景色が眺められます。
テイクアウトメニューは、普通の小籠包のほか、小籠包より大きくて肉まんくらいのサイズの「蟹味噌入りスープ包子」もあります。包子にストローをさして、まずは中のスープを味わいます。上海のご当地グルメの1つですので、豫園を訪れたら、ぜひ味わってみてください。
小楊生煎館

「生煎(焼き小籠包)」は厚めの皮で豚ひき肉を包んだ小籠包を、専用の鍋に並べて焼き上げたもので、細かく切ったネギとゴマがふりかけてあります。朝食やおやつとして上海市民も日常的によく食べるという、庶民派グルメです。
焼くことで底の部分には焦げ目がついていて香ばしく、小籠包らしくスープたっぷりです。出来たてをやけどに気をつけて食べましょう。
「小楊生煎館」は、上海に数店舗ある生煎専門のチェーン店です。皮は手作りで、肉あんには新鮮な豚肉の赤身だけを使っています。「呉江路店」は、上海グルメのお店が多く集まる呉江路の中でも特に長い行列ができる人気店です。
湖心亭(こしんてい)

上海随一の観光地「豫園(よえん)」の池に架かる「九曲橋」にある「湖心亭」は、1855年創業の上海で最も古い茶館です。風格ある建物は明(みん)代の反った屋根が特徴で、2階ではお茶に親しみながら豫園の景色を眺めることができます。
茶葉の種類も豊富で、中国最上級のお茶から美容効果があるというお茶までそろっています。お茶請けも充実しているので、ぜひゆったりと中国茶の世界を堪能しましょう。茶葉や茶器は販売もしているので、おみやげ選びも楽しめます。
失敗なしの上海定番お土産
月餅(げっぺい)

中国のお土産の定番とも言える「月餅」は、もともとは旧暦8月15日に行われる中国の伝統行事「中秋節」に、お月見と合わせて食べられていた伝統菓子です。丸い形が一般的ですが、それぞれのお店で中のあんや皮にも違いがあります。
昔ながらの伝統そのままのものから、現代風にアレンジされたものまで、種類も様々なので、いろいろなお店の月餅を食べ比べしてみるのもいいですね。専門店のほか、中華料理店や免税店などでも販売されています。
中国版日本のお菓子
日本でも定番人気の「ポッキー」や「プリッツ」などといったお菓子は、上海でも販売されています。味の種類も定番のものから、ご当地上海ならではのものまで豊富です。ちなみに中国語表記は、ポッキーは「百奇」、プリッツは「百力滋」です。パッケージも日本では見られないものもあります。
空港などでも購入できますが、上海市街地には「ローソン」などの日系コンビニをはじめ、6,000店を超えるコンビニがありますので、街歩きの途中にぜひ立ち寄って、こういった中国版の日本のお菓子を探してみてください。
値段もお手頃なので、是非いろいろ買って帰って、みんなで食べ比べしたりするなど、職場や仲間と一緒に楽しみましょう。
上海大白兔奶糖
包み紙の白ウサギが目印の「上海大白兎奶糖」は、1972年にアメリカのニクソン大統領が中国を訪れた際、当時の首相・周恩来(しゅうおんらい)が上海土産として贈ったという逸話もある、あっさりとしたミルクキャラメルです。
定番の「ミルク味」以外にも「あずき味」などもあります。地元スーパーや観光地の売店、空港の免税店などで購入することができます。個包装されているので、大人数でシェアするのにもぴったりのお土産です。
中国茶・工芸茶

中国茶が好きであれば、上海を訪れたら、せっかくなので本場のお茶を買って帰りましょう。「鉄観音」をはじめとする「烏龍茶」や「ジャスミン茶(茉莉花茶)」、独特の風味を持つ「プーアール茶」、そして球状になったお茶にお湯をそそぐと茶葉が開いて、まるで花が開いたように見た目も美しい「工芸茶」など、種類も豊富です。
1つ1つが球になった工芸茶や、1回分づつ中国らしい包み紙に小さくパッケージされたプーアール茶は、お配り用お土産としてもぴったりです。
また、中国茶専門店や市場などでは、量り売りもあります。中国の重さの単位は1斤=500g、1両=50gです。一般的に1斤つまり500gでの値段が表示されていますので、希望の量を伝えて購入しましょう。
茶器

おいしい中国茶と一緒に茶器をお土産に選んでもいいですね。値段は高級なものからリーズナブルなものまで幅広いです。「茶壺」と呼ばれる小さめのティーポットと小ぶりな茶碗が数個セットされたものを選んだり、お気に入りを単品で買ったりと、お好みで選びましょう。
中国らしい鮮やかな柄のものやシンプルな素焼きのもの、淡い青色の絵付けが「青花」と呼ばれる中国の伝統工芸を取り入れた陶磁器まで、その見た目もいろいろです。茶器専門店や茶館、デパートなどで購入できます。
パンダグッズ

中国といえば「パンダ」ではないでしょうか。白黒の見た目と子どもパンダの愛くるしい仕草など、日本の動物園でも大人気です。上海でもパンダをモチーフとしたグッズを数多くみることができます。
かわいいぬいぐるみやおもちゃのほか、缶バッジ、キーホルダー、パッケージにパンダがあしらわれたコスメやティーバッグ、文房具まで、いろいろそろっていますので、上海観光のお土産として、また旅の思い出として、選んでみてはいかがでしょう。
迷奇美容クリーム
キャビンアテンダントの口コミでアジアンコスメとして話題となった「迷奇美容クリーム(迷奇神奇美容蜜)」は、中国・上海のお土産としても人気です。漢方の考えをもとに、中国最高の機関が10年もの歳月をかけて研究開発したという、しっとりとコクのある美容クリームです。
上海市内のドラッグストアや空港の免税店などで販売されています。値段もお手頃なので、自分用として、また女子向けのお土産としてもいいですね。
上海へのアクセス

上海へは日本各地の空港から直行便が就航しています。日本の主要エリアの空港からであれば便数も1日数便~十数便と多く、アクセスも便利です。
なお、上海には2つの空港があり、日本からはほとんどが「上海浦東国際空港」への発着便ですが、羽田空港からの便のみ「上海虹橋国際空港」への発着便もあります。日本の主要エリアの空港からの所要時間は以下の通りです。
新千歳→浦東:4時間~4時間5分
羽田→浦東:2時間50分~3時間25分
羽田→虹橋:3時間5分~3時間40分
成田→浦東:3時間5分~3時間40分
名古屋→浦東:2時間15分~3時間
関西→浦東:2時間15分~3時間10分
福岡→浦東:1時間45分~2時間5分
上海観光の移動手段
地下鉄(軌道交通)

上海の中心部では地下鉄がとても発達していて、2018年現在、1~13・16・17号線、浦江線の計16線が営業しています。上海市内のたいていの場所には地下鉄を乗りついで行くことができるので、上海市民はもちろん観光客にとっても便利な移動手段といえるでしょう。
人口も多い上海では、朝夕、ラッシュ時の地下鉄の混雑もはげしいので、旅行者はその時間は避けるのが無難かもしれません。切符の買い方や乗り方は、日本の地下鉄に乗ったことがあれば、そう難しくはありません。
ちなみに地下鉄のことを中国語では「地鉄(ディーティエ)」といいます。上海の地下鉄は地上も走ることから、正式には「軌道交通」といいますが、日常会話では「地鉄」と呼ばれることがほとんどです。
路線バス

上海の路線バスはとても発達していて約1,000本近くの路線があって、市内をくまなくカバーしています。地下鉄の駅から遠いスポットなどに行く際の移動手段には良いです。運賃は一律で、1元または1.5元(路線による)、空調付きのバスで2元です。
前から乗車して運転席の横にある料金箱に運賃を支払います。おつりは出ないのと両替機もありませんので、前もって小銭を準備してください。また、路線数がとても多いので、利用するつもりであれば、事前に現地の書店などでバスルートマップを入手しておきましょう。混雑時にはスリにも要注意です。
観光バス
上海には乗り降り自由の観光バスも運行していて、2階建てのオープントップ式のバスからの風景を楽しみながら、主要な観光スポットをめぐることができます。中国の旅行会社「春秋旅游」と、英国ビッグバスカンパニーと上海水陸通旅游公司が連携経営している「BIG BUS TOURS」の2社があります。
車内には、イヤホンによる日本語をはじめとする外国語案内サービスもあるので、旅行者でも安心です。
タクシー

上海では地下鉄やバスも発達していますが、乗り換えが多く必要な場所に行くときや荷物が多いときなどは、タクシーが便利です。昼間の上海市内であれば、日本円でだいたい500円未満で乗れるのも魅力です。
おすすめのタクシー会社は「大衆」「強生」「錦江」で、大手のタクシー会社なら優良運転士を抱えていることが多いです。上海語しか話せない運転手も多いので、行き先はガイドブックなどで見たとおりに漢字(簡体字)で紙などに書いて渡すのが確実です。
トラブル防止のためにも深夜に乗車するのは極力避けましょう。また、領収書は必ず受け取ってください。忘れ物やもしもの時の証明にもなります。
空港からタクシーに乗るときは、順番待ちの列に並んでも、必ずタクシー乗り場から正規のタクシーに乗りましょう。乗り場近くには悪質な「白タク」による客引きもありますので、気をつけてください。
リニアモーターカー

上海浦東国際空港から地下鉄2・7・16号線の接続駅「龍陽駅」までの全工程30kmを、わずか8分間で結ぶ「リニアモーターカー(磁浮列車)」は、世界でもっとも早い陸上交通機関として、現在、ギネス世界記録にも認定されている交通システムです。
最高時速はなんと430kmまで達します(時間帯によっては300km/hの場合あり)。運賃はエコノミーで片道50元、往復80元と高めですが、上海でしか体験できない交通手段なので、旅の思い出に空港からの移動の際、利用してみてはいかがでしょう。
フェリー(観光交通船)

上海中心部を東と西に分けるように流れる「黄浦江」を遊覧するフェリーは、観光としての役割が大きいですが、これも上海観光には欠かせない交通手段といえるでしょう。
浦西(黄浦江の西岸)は、外灘、金陵東路ステーション、そして、東岸の浦東は、陸家嘴、東昌路、南浦大橋などに乗船場があります。黄浦江の両岸にある景観スポットをめぐるコースには、ナイトクルーズもあります。
ライトアップされた外灘や浦東エリアの超高層ビル群の、見事な夜景を船に揺られながら眺めて、上海の夜の観光を満喫してください。
上海観光でお得なフリーパス
上海地下鉄1日票(1日券)・3日票(3日券)
上海地下鉄が有効期限内で1日間、もしくは3日間乗り放題となる切符です。上海観光で、地下鉄をたくさん利用するのであればお得です。
【料金】
1日票 18元
3日票 45元
【発売場所】
上海地下鉄 有人窓口
【有効期限】
1日票 最初に改札を通過した時間から24時間以内
3日票 最初に改札を通過した時間から72時間以内
上海の年間イベント情報
4月
上海コウシンバラ展(~5月)(2年に1回開催、次は2021年)
「上海辰山植物園」では、毎年4月末から5月にかけて、中国原産の「コウシンバラ」の花が見ごろをむかえます。中国では「月季花」とも呼ばれ、花がよく咲くのが特徴のバラです。
そして、花が咲くこの時期に合わせて2年に一度「上海コウシンバラ展(月季展)」が開催されます。切り花や盆栽、樹木状のコウシンバラのほか、欧州コウシンバラ、新品種のコウシンバラなどさまざまな種類のコウシンバラが展示公開されます。
F1中国グランプリ

上海市嘉定区にある「上海・インターナショナル・サーキット」は、全長1.2kmほどの超ロングストレートを有するテクニカルサーキットで、国際サーキットコースです。毎年4月開催される「F1(フォーミュラ1)中国グランプリ」では、各国のF1レースチームとトップドライバーたちによる白熱のレースが繰り広げられます。
5月
辰山草地広播音楽祭(辰山芝生ラジオ音楽祭)
「上海辰山植物園」では、コウシンバラの満開の時期を迎える5月には、中国でのチケット販売量最大の野外クラシック音楽祭である「辰山草地広播音楽祭」も開催されます。2012年から開かれているこのイベントでは、大小さまざまなステージで見ごたえのあるクラシック演奏を自然に囲まれて鑑賞することができます。
6月(~8月)
古猗園 蓮の花展
6月から8月にかけて美しく咲くスイレン(蓮の花)は、上海市内の大きな公園で多く目にすることができますが、上海市郊外の水郷「南翔」にある「古猗園」の庭に咲くスイレンは、その規模の大きさ、品種の多さでいっても上海一といえるでしょう。中国の古典庭園の中に咲く景色は、また格別の趣きがあって、人々の目を惹きつけています。
10月
上海ロレックスマスターズ
「海旗忠森林体育城網球中心(海旗忠森林体育城テニスセンター)」では、毎年10月、テニス4大大会(全豪・全仏・全英・全米オープン)に次ぐ男子プロテニストーナメント「ATPワールドツアー・マスターズ1000」の1つ「上海ロレックスマスターズ」が開催されます。
世界ランキングトップ20に入る選手は必ず参戦することが決められていることから、世界レベルのテニスマッチの観戦が楽しめます。
11月
上海国際マラソン

「上海国際マラソン」は、外灘の「金牛広場」からスタートして、市街地をめぐり「上海体育場」までの42.195kmを駆けぬけるフルマラソンのほか、「復興公園」までの10kmラン、「上海展覧中心(上海展覧センター)」までの健康ラン(ミニマラソン)の3つのコースで、毎年11月に開催されます。国際選手をはじめ、国内外からマラソン愛好家が大勢集まる大規模なマラソン大会です。
12月
カウントダウン迎春鐘つき「龍華」年越しイベント

上海最古の禅宗寺院の「龍華寺」では、12月31日の大晦日には、年越しイベントが開催されます。歴史ある「梵鐘(ぼんしょう)」の鐘つきも行われます。鐘の音色とともに、熱々の年越し麺を食べて、上海での年越しを楽しんで、新たな気持ちで新年をむかえましょう。