奈良県に行くなら!定番スポット6選
平城宮跡(へいじょうきゅうせき)
710(和銅3)年に藤原京から移された平城京の中心だった宮跡です。1998年、「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されました。平城宮跡についてまず見えるのが正門「朱雀門(すざくもん)」です。2018年にはこの朱雀門の前に平城宮跡歴史公園「朱雀門ひろば」が開園し、朱雀大路を挟み東側には平城宮跡の見どころや魅力を発見できる「平城宮いざない館」、西側にはカフェやレストランのある観光交流施設が整備されています。
朱雀門の真北、約800mにそびえているのが「第一次大極殿(だいいいちじだいごくでん)」。正面は約44m、高さは約27mにもおよび、直径70cmの柱44本、屋根瓦約9万7千枚が使われている平城宮最大の宮殿です。2010年に開催された平城遷都1300年祭にあわせて復原されました。
ほかにも平城宮跡資料館や、復原事業情報館、遺構展示館、東院庭園など見どころは盛りだくさんです。かなり広い敷地なのでゆっくりと見学することができますよ。
石舞台古墳(いしぶたいこふん)
高市郡明日香村の国営飛鳥岸公園内にある「石舞台古墳」は、巨石30個が積み上げられて造られた石室古墳です。その規模は日本最大級を誇り、6世紀の築造です。盛土が失われ露出した天井石の上面が平らになっていることから「石舞台」と呼ばれています。周囲に幅8.4mの濠がめぐる、1辺50mの方墳になっていて、石室の長さは19.1m、玄室は幅約3.5mで高さ約4.7m、奥行きは約7.6m。石の総重量は2,300トンと言われています。
古墳で最大の巨岩の天井石は北側が約64トン、南側は約77トンあるそうです。この巨大古墳は誰のお墓だったのかは未だ不明ですが、近くに蘇我馬子(そがのうまこ)の庭園があったことから馬子の墓ではないかと言われています。芝生広場や休憩所があるので、ゆっくりと雰囲気を楽しむことができます。
石舞台のある国営飛鳥歴史公園は石舞台地区、高松塚周辺地区、甘樫丘地区、キトラ古墳周辺地区、祝戸地区の5地区に分かれていて、総面積は約60ヘクタールの広さです。歴史ガイドプログラムや飛鳥古代体験プログラム、クラフトプログラムなど様々な体験もすることができます。体験プログラムは事前申し込みが必要ですのでご注意ください。
郡山城跡(こおりやまじょうせき)
大和郡山市にある「郡山城跡」は、1580年に筒井順慶が築城した大和で最も大規模な城郭です。豊臣秀吉の時代に豊臣秀長が百万石の居城として大幅に拡張されました。明治維新の後に多くの建物が破却されましたが、追手門・櫓・天守台などが近年修復されました。「続日本100名城(註:財団法人日本城郭協会)」に認定されています。
天守郭、毘沙門郭(びしゃもんかく)、法印郭(ほういんかく)などの城郭中心部は県の史跡に指定されていて、内堀や石垣が残されています。城跡は桜の名所としても人気が高く、満開の桜に囲まれて開催される「大和郡山お城まつり」には多くの人々が訪れています。散策道も整備されていて、見学は自由にできます。
依水園(いすいえん)
奈良市水門町にある「依水園」は2つの庭園からなる、自然の山水の景色を写してつくられた池泉回遊式庭園です。東大寺と興福寺の間に位置しており、その面積は約3,400坪の広さ。2つの日本庭園は江戸期と明治期という異なる文化の時代に作られているので、それぞれ異なるおもむきになっています。
園内には第二次世界大戦下の神戸大空襲を免れた2,000点以上の美術品が所蔵・展示されている「寧楽(ねいらく)美術館」があります。また、食事処「三秀」では美しい日本庭園を眺めながら麦とろを主とした食事を味わうことができます。抹茶やぜんざいもありますので、まったりと癒しのひと時を過ごすことができるスポットです。
正倉院(しょうそういん)
教科書にも出てくるほど有名なスポット「正倉院」は、校倉造の正倉は国宝にも指定されています。東大寺を創建した聖武天皇の遺品をはじめ、東大寺の年中行事用の仏具などを納めた倉で、世界的にも知られている古美術の宝庫となっています。正倉は間口約33m、奥行きは約9.4m、高さは約14mの大きさを持ち、床下には直径約60cmの丸柱が自然石の礎石の上に建ち並んで本屋を支えています。
外構は一般向けに公開されていて、宝物の一部は毎年秋に奈良国立博物館で正倉院展として公開されています。外構の見学は10:00〜15:00、拝観料は無料で、土日祝日は休日となっています。
奈良国立博物館(ならこくりつはくぶつかん)
「奈良国立博物館」は奈良公園の一角にあり、東大寺や興福寺、春日大社などと隣接しています。1895年に開館し、東京国立博物館に次いで日本で2番目に古い国立博物館です。施設は「なら仏像館」「青銅器館」「東新館」「西新館」の4つのギャラリーに分かれています。
「なら仏像館」では、飛鳥~鎌倉時代にいたる日本の仏像を中心に国宝・重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示しています。建物は1894年に完成した奈良で最初の洋風建築で、1969年には「旧帝国奈良博物館本館」として重要文化財に指定されています。その後、2010年に「なら仏像館」としてリニューアルオープンしました。
「青銅器館」は「なら仏像館」と渡り廊下でつながっていて、中国の古代青銅器が展示されています。東新館では様々な展覧会が開催され、西新館では書跡や絵画、工芸品などの名品展が行われています。1階には美術に関する参考図書が300冊以上置かれた図書コーナーがあり自由に活用することができます。レストランやミュージアムショップもあり、オリジナルグッズなども販売されています。
奈良県で自然を楽しむスポット8選
若草山(わかくさやま)
奈良市雑司町にある「若草山」は、全山芝生で覆われているなだらかな山です。なだらかな丸い丘が3つ重なっている姿は別名「三笠山」とも呼ばれています。高さ342mの頂上からの眺望は素晴らしく、大仏殿や奈良公園、晴れた日には大和三山や生駒山などを望むことができます。2003年には「新日本三大夜景」の一つにも選出されました。
奈良に春を告げる行事として有名なのが、若草山の山焼きです。山腹が炎に包まれていく姿は壮観の景色です。山焼きの直前には大花火もあがるとか。奈良駅より奈良交通バス「春日大社本殿行」に乗って終点下車、徒歩約5分で山麓に到着します。山麓ゲートからは30~40分ほどで山頂に行けるので、自然を楽しみながらハイキングを楽しむことができます。
曾爾高原(そにこうげん)
日本300名山の一つである標高1,038mの倶留尊山から標高849mの亀山を結んだふもとに広がっているのが「曽爾高原」です。3月中旬に毎年山焼きが行われて、春~夏にかけて一面に青い絨毯が敷かれているような爽快な景色を楽しめます。秋になると曽爾高原を一面に覆ったススキの穂が陽ざしを浴び、金銀に輝いている景色は「まるでジブリの世界に入り込んだようだ」と、毎年たくさんの観光客が訪れる人気のスポットです。
「お亀伝説」が残るお亀池が曽爾高原の中腹にあり、湿原特有の希少な植物を見ることができます。曽爾高原に向かう道沿いには高原リゾート「曽爾高原ファームガーデン」があり、麓には美人の湯と呼ばれる曽爾高原温泉「お亀の湯」があるので、合わせて行ってみるとより楽しめると思います。
奈良公園(ならこうえん)
奈良市街の東一帯に広がる「奈良公園」は、東大寺、春日大社、興福寺の境内~原始林の生い茂る春日奥山まで東西約4km、南北約2kmにもおよんでいる広い公園です。美しい芝生と樹齢1,000年を超える松木立に覆われている公園内には、約1,300頭の鹿がいます。この鹿は国の天然記念物に指定されている野生の動物で、飼育はされていません。
各所で鹿の食べ物「鹿せんべい」が販売されているので、直接食べさせることができます。焦らすと鹿が怒ることもあるのでご注意ください。登大路園地(のぼりおおじえんち)は奈良公園の玄関口で、もっとも古くから開設された園地です。また、猿沢池園地(さるさわいけえんち)は奈良公園を代表する名勝地で、興福寺の五重塔と池の柳が水面に映える景色を楽しめます。
浅茅ヶ原園地・浮見堂(あさじがはらえんち・うきみどう)も見どころのひとつ。春日参道の南側にあり、重要文化財の円窓亭や鷺池の水面に映える浮見堂、片岡梅林などがあります。
吉野山(よしのやま)
「吉野山」は大峰連山の北端約8kmに渡る尾根です。約3万本の桜が谷や尾根を埋め尽くす景色が桜の名所として有名で、毎年たくさんの人が訪れるスポットです。桜の時期以外にも、夏にかけては紫陽花が咲き誇り、夏には新緑、秋は紅葉を楽しめる森林浴スポットとして人気です。
2004年には吉野山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に認定されました。吉野水分神社、金峰神社、金峯山寺、吉水神社などの世界遺産の建造物を徒歩で回ることもできます。そのほかにも神社・仏閣が多数あるので、パワースポット巡りするのも楽しそうです。
歩くのに疲れたら、宿で休憩するもよし、買い物するもよし。吉野の名物「柿の葉すし」や「桜もち」、「葛うどん」が食べられる飲食店も各所にありますので、ぜひ食べてみてください。近鉄吉野駅から徒歩3分で吉野山の玄関口「千本口駅」に到着し、そこからロープウェイに乗って約3分で山上の吉野山駅に到着することもできるので、気軽に行くことができます。
月ヶ瀬梅渓(つきがせばいけい)
奈良市月ヶ瀬にある「月ヶ瀬梅渓」は関西屈指の梅林として有名です。2月中頃~3月頃に約1万本の梅の花が、名張川(五月川)が高山ダムにせき止められてつくられた月ヶ瀬の湖岸から山腹にかけて赤や白に咲き誇り、あたりには甘酸っぱい香りがただよいます。約750年前の鎌倉時代に真福寺の境内に梅が植えられたのが始まりと言われています。1922年に我が国初の名勝に指定されました。
シーズン通して約20万人の観光客を集めるスポットで、写真コンテストや俳句の大会など様々なイベントが行われています。また、瀬戸大橋のミニ版として知られる「八幡橋」も四季を通して景色を楽しめるフォトスポットになっています。2011年には月ヶ瀬梅の資料館がオープンし、地元特産品の販売や月ヶ瀬を来遊した著名人の書画・書跡などが展示されています。
みたらい渓谷
「みたらい渓谷」は、吉野郡天川村北角にあるダイナミックな渓谷美を楽しめるスポットです。エメラルドグリーンに輝く淵は神秘的で感動を覚えるほど。大小さまざまな滝や巨岩を縫って底まで透けて見える清流が流れています。川沿いには遊歩道が整備されていて、つり橋からは滝を上から眺めることもできます。
全長7.4km、約2時間ほどのみたらい渓谷ハイキングコースでは春の新緑、夏の川サツキ、秋の紅葉など四季折々の景色を楽しめます。自然の中を散策してリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
馬見丘陵公園(うまみきゅうりょうこうえん)
「馬見丘陵公園」は、国内有数の古墳群と良好な自然環境が残る香芝市、広陵町、河合町の2市3町にまたがっています。歴史と文化遺産や素晴らしい自然環境を、憩いの空間として活用してもらうことを目的に整備されました。歴史と自然を見て、触れて、遊んで体験できる馬見丘陵公園で憩いのひと時を過ごしてみてはいかがでしょう。
広い園内は各エリアに分かれていて、北エリアにある馬見花苑や、約120種1,000株のダリアが咲き誇るダリア園、イングリッシュガーデンをモチーフにした中央エリアの「花の道」、約100種3万本が群生している菖蒲園(しょうぶえん)など花の見どころがたくさんあり、開花シーズンには花と食と音楽のイベントが開催されています。
大型遊具や噴水、大芝生広場などがあり、1,600年前の築造当初の姿に復元されたナガレ山古墳は頂上まで登ることができます。ほかにもカフェレストランや花見茶屋があるので歩き疲れたら休憩するスポットもありますよ。
谷瀬の吊り橋(たにぜのつりばし)
奈良県の最南部にある日本一大きな村、十津川村で一番の観光名所が「谷瀬の吊り橋」です。1954(昭和29)年に村民の力で架けられた、長さ297m、高さ54mにわたる日本有数の長さを誇る鉄線の吊り橋です。歩くたびにゆらゆらと揺れてスリル満点、空中を散歩している気分を味わえます。
勇気を持って揺れる橋を渡ると、橋の下を流れる美しい川と渓谷に沿って連なる山々の絶景を楽しむことができます。渡る時、いつの間にかお互いの手を強く握っているので、この吊り橋を渡ったカップルは仲良しになれるという噂です。近くにはお土産屋さんや、キャンプ場もあります。
奈良県の世界遺産7選
興福寺(こうふくじ)
奈良市登大路町にある「興福寺」は、法相宗の大本山として知られています。都山科の藤原鎌足私邸に建立された山階寺が前身となり、飛鳥を経て、710(和銅3)年の平城遷都に伴って藤原不比等により現在地に移転されました。藤原氏の氏寺として繁栄し、四町四方に170坊あまりの堂舎が建ち並び、奈良時代の初期には四大寺の一つにあげられました。
境内には室町時代に再建された五重塔や北円堂などの国宝建築物をはじめ、重要文化財の南円堂、国宝館などがあり、見どころは盛りだくさんです。100点以上の国宝や重要文化財が所蔵されています。猿沢池の東側から興福寺五重塔へ上がる幅広い石段は興福寺五十二段と呼ばれ、菩薩修行の段位五十二位になぞらえて、段の上は仏界を意味すると言われています。
国宝館のリニューアルオープンに続いて、2018年には中金堂が落慶し一般拝観ができるようになりました。
法隆寺(ほうりゅうじ)
607(推古15)年に聖徳太子と推古天皇により創建された「法隆寺」です。現存する世界最古の木造建築群で、往時の姿を今に伝えてくれています。「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」という正岡子規の俳句でも有名ですね。境内は西院と東院に分かれていて、国宝・重要文化財の建築物だけでも55棟に及んでいます。
全体を大垣と呼ばれる築地塀(重要文化財)で囲まれており、参道を抜けたところに法隆寺の玄関である、国宝の南大門が建っています。法隆寺式伽藍(がらん)配置と呼ばれる配置で、東に向かって国宝・東大門を抜けたところに国宝・夢殿のある東院伽藍が広がっています。
建造物以外にも素晴らしい仏教美術品を所蔵していて、国宝だけでも38件150点、重要文化財を含めると3,104点にもなります。法隆寺地域の仏教建造物として1993(平成5)年に世界文化遺産に登録されました。毎月28日には護摩木を焚いて密教作法によって祈念する「護摩供養」や、4~11月の第3日曜日には法話や講義を聴聞できる「求道会」が行われています。
東大寺(とうだいじ)
奈良時代に聖武天皇の勅願により建立された「東大寺」は、延べ260万人もの人々の協力で造られた盧舎那仏坐像(るしゃなぶつぞう)の「奈良の大仏様」が有名です。752(天平勝宝4)年に開眼供養会が盛大に営まれました。1998年、古都奈良の文化財として世界遺産に登録されました。
境内には大仏殿をはじめ、東大寺建築の中でも最も古いとされる法華堂やお水取りの行われる二月堂などたくさんの見どころがあります。毎年3月に行われる「お水取り」は奈良時代から現在まで一度も途切れず続けられてきた法要で、たくさんの人々が訪れます。また、毎年8月7日には120人近くの人々が大仏さまの体をふいて綺麗にする「お身ぬぐい」が行われています。
薬師寺(やくしじ)
「薬師寺」は、680年に天武天皇が皇后の病気回復を祈って藤原京に造営され、平城遷都にともない718年、現在地に移築されました。約1300年の歴史を持つ寺です。奈良に移転した当初は、金堂や東西両塔、講堂、回廊が立ち並んで「竜宮造り」と呼ばれるほどの華麗さを誇っていましたが、16世紀に兵火に焼かれ、国宝の東塔を残すのみとなりました。
現在は伽藍復興により、1976年の金堂に始まり、西塔や中門、回廊、大講堂など白鳳伽藍が次々に再建されています。朱塗りの欄干や金色に輝いている鴟尾(しび)などからは、建立当時の華やかさを感じられます。1998年に「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されました。
寺宝の吉祥天女画像や薬師三尊像などがあり、2000年に平山郁夫画伯が約30年の歳月をかけて完成させた玄奘三蔵院「大唐西域壁画」も注目を集めています。
春日大社(かすがたいしゃ)
2018年にご創建1250年を迎えた「春日大社」は、768(神護景雲2)年に今の場所に社殿が造営され、平安時代の前期に現在のような規模が整いました。古来より藤の名所として有名で、境内には朱塗りの艶やかな社殿が建っています。春日大社国宝殿には国宝352点、重要文化財971点を含む約3,000点が収蔵・公開されています。1998年に「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されました。
皇室の尊崇に加え、庶民からの信仰も厚かったため、数多くの灯篭が奉納されています。重要文化財の一之鳥居から春日灯篭が並ぶ参道を進むと春日大社神苑萬葉植物園があり、園内には万葉集に登場する草花が約300種植えられ、ゆかりの万葉集が添えられています。背後の春日山を包む春日山原始林は国の特別天然記念物に指定されていて、太古の姿を現在に伝えてくれています。
唐招提寺(とうしょうだいじ)
南都六宗の一つである律宗の総本山である「唐招提寺」は、当初は「唐律招提(とうりつしょうだい)」と名付けられ唐の高僧、鑑真和上の私寺として始まりました。奈良の大寺のほとんどが勅願による官寺であるのに対して、唐招提寺は鑑真和上の発願による私院であることが特徴です。
境内には講堂、金堂、校倉(2棟)や鼓楼(いずれも国宝)をはじめとする伽藍が立ち並んでいます。これらは朝廷などの寄進によって徐々に整えられており、現在でも創建時の姿をうかがい知ることができます。御影堂にある国宝の鑑真和上像は、わが国に現存する最古の肖像彫刻であり、晩年を迎えた鑑真和上の深い精神性を感じられます。
国宝の金堂は国内最大の天平建築で、2000年から本格的な解体修理が行われ2009年に終了しました。開山堂の前には和上像に対面して松尾芭蕉が詠んだ「若葉して御目の雫拭はばや」の句碑が立っています。
元興寺(がんごうじ)
蘇我馬子が建立したと言われている日本最古の寺院、飛鳥寺(法興寺)が前身とされる「元興寺」は、かつては南都七大寺の一つとして広大な寺院でしたが、現在は僧坊遺構の極楽堂と禅室を残すのみとなっています。その禅室と極楽堂には建立以前の瓦や柱が今なお一部に使われています。禅室は天平時代の僧坊の形をとどめている貴重な遺構となっています。
法輪館には国宝の五重小塔や重要文化財の聖徳太子立像などが安置されています。拝観時間は9:00〜17:00で拝観料は大人・大学生が500円、高校生・中学生が300円、小学生が100円となっています。毎月第2日曜日には国宝禅室で「こころにきく瞑想」を体験できる是真会、毎月28日には小子坊土間にて、不動尊護摩供養が行われています。
まち歩きを楽しむ!重要伝統的建造物群保存地区3選
今井町(いまいちょう)
橿原市にある「今井町」は戦国時代に浄土真宗称念寺の寺内町として発展し、江戸時代には堺と並ぶほどの自治特権が与えられていて、豪商が軒を連ね「大和の金は今井に七分」といわれるほどの繁栄ぶりでした。1993年に「重要伝統的建造物群保存地区」として選定されました。
南北に300m、東西に600mの範囲に江戸時代以来の商家や伝統的民家が密集していて、全建物数約1,500棟弱のうち約500棟の伝統的建造物が存在しています。そのうち国の重要文化財が9件、県指定の文化財が3件、市指定の文化財が5件あります。現代にはない重厚な雰囲気の今井町を散策して、タイムスリップしたかのような気分を味わってみてはいかがでしょう。
五條新町通り(ごじょうしんまちどおり)
2010年に重要伝統的建造物群保存地区に指定された「五條新町通り」は、江戸時代初期に五條藩の城下町として開かれました。五條の歴史とともに発展してきた新町では、江戸・明治・大正・昭和と約4世紀にわたる民家の移り変わりの様子を知ることができます。実際に住宅や商店として今も使われている建物そのものにより、江戸時代初期からの街並みの様子を知ることができる全国でも数少ないスポットです。
1607(慶長12)年築、建築年代のわかる民家としては日本最古の「栗山家住宅」や、歴史や文化の資料展示している「まちなみ伝承館」、江戸時代の伝統的な町屋建築を修復した「まちや館」など見どころは盛りだくさんです。
宇陀松山(うだまつやま)
2006年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された「宇陀松山」は、奈良県のちょうど真ん中あたり、「吉野葛」の産地としても全国的に有名な宇陀市にあります。安土桃山時代、豊臣秀吉の家臣により宇陀松山城の城下町として整備されてきました。
江戸時代中期に開設され、江戸の小石川薬草園と並び日本最古の薬草園「森野旧薬園」や、江戸時代初期の建築当時のままの位置にある「松山西口関門」、唐破風付きの「天寿丸」の看板が印象的な「宇陀市大宇陀歴史文化館」などの見どころがあります。
奈良県家族で楽しめるスポット4選
うだ・アニマルパーク
様々な動物たちとふれあうことのできる「うだ・アニマルパーク」の園内にはヤギや羊をはじめ、ポニーや牛、ミニブタやうさぎなどの小動物がたくさんいます。えさやり体験や、牛の乳しぼり体験、ポニーのブラッシング体験など動物と触れ合える企画がたくさんあります。
アニマルパークには1,000冊以上の本が揃えられ、展示・映像エリアには動物に関するパネルの展示やアニマルレースなどがあります。そのほか、お子様向けの遊具広場や展望台、休憩施設のテラスハウスなどがあるので家族でのんびりと過ごすことができます。
生駒山上遊園地(いこまさんじょうゆうえんち)
「生駒山上遊園地」は1929(昭和4)年に標高642mの生駒山山頂周辺に開園した遊園地です。生駒駅からケーブルカーで15分ほどで山頂に到着します。高さ30m、大型遊具の「大飛行塔」は現存する国内最古の大型遊具です。3歳から単独で利用できるサイクルモノレールをはじめ、小さなお子さんでも楽しめる遊具がたくさんあるのでファミリーで楽しめる遊園地です。
山頂にあるので、眺めは絶景です。夏にはナイター営業されているので、夜景を楽しみながら遊ぶことができます。スリルと爽快感を味わうことのできる飛行体験アトラクション「イーグルフライ」や迫力満点の「4Dシアターマックス」、立体巨大もぐらたたきの「キャッチ・ザ・フラッシュ」などさまざまな遊具がそろっています。
中学生以上3,200円、小学生3,000円、2歳~幼稚園児2,500円で乗り物乗り放題の「のりものフリーパス」がお得です。
橿原市昆虫館(かしはらしこんちゅうかん)
「橿原市昆虫館」は、2010年に「見て・聞いて・触って・感じる昆虫館」としてリニューアルオープンしました。蝶が羽を広げた形の温室では、四季を問わず一年中亜熱帯の蝶やハチドリが観察できます。1,000点を超える昆虫標本や化石標本などがあり、楽しみながら昆虫について学ぶことができます。
自然の中で生きた虫達を観察する「自然観察会」や「昆虫セミナー」をはじめ、定期的にテーマを決めて展示する「特別展」などが行われています。入場料は大人510円、学生410円、小人100円で、毎週月曜と年末年始は休館日となっています。
奈良祭都(ならさいと)
2018年にオープンしたばかりの「奈良祭都」には、入口からいつでもお祭りの縁日を味わえる「縁日コーナー」を過ぎると、忍者と金魚のトリックアートコーナーや様々なアーティストにより艶やかに表現された金魚のアート空間「金魚ミュージアム」などがあります。奥の忍者タウンでは忍者ショーが1日3回開催されています。
古都奈良で忍者と出会える貴重なスポット、奈良祭都。トリックアートや金魚ミュージアムはフォトスポットとしても人気があるようですので、家族で訪れてみてはいかがでしょうか。
奈良県のフォトスポット2選
奈良ホテル
「奈良ホテル」は「関西の迎賓館」とも呼ばれる日本を代表する名門ホテルです。奈良公園の荒池畔にあります。クラシックな本館とモダンな造りの新館からなっていて、本館は1909年の建造です。桃山御殿風の檜造りは風格が漂い、重厚で華麗な雰囲気。どこで写真を撮ってもインスタ映え間違いなしのスポットです。
メインダイニングルームの「三笠」は名画や調度品が設えられた重厚華麗な空間で伝統のフランス料理を味わえます。ほかにも、窓の外に広がる風景を眺めながらこだわりの和洋スイーツを味わえるティーラウンジや、世界の銘酒とシガーを楽しめる「ザ・バー」などがあり、優雅に大人の時間を過ごすことができます。
矢田寺(やたでら)
「あじさい寺」とも呼ばれ、シーズンになると境内に約60種10,000株ものアジサイの花が咲き乱れる矢田寺。開基当時には僧坊48を数える大寺でした。現在では矢田寺北僧坊、矢田寺念佛院、矢田寺大門坊、矢田寺南僧坊の4つの僧坊で、通称を矢田寺といいます。「矢田のお地蔵さん」として親しまれており、日本最古の延命地蔵菩薩が安置されています。
境内の各所に石像がまつられていて、自家製の味噌を口元に塗ると味が良くなるといわれる「味噌なめ地蔵」が有名です。拝観時間は8:30〜17:00、拝観料は6~7月以外は無料となっています。