フィンランドってどんなところ?
フィンランドの基本情報
フィンランドは、ノルウェー、スウェーデン、ロシアと国境を接する北欧の国で、正式名称はフィンランド共和国(スオミ共和国)、首都は国土南部に位置するヘルシンキ(Helsinki)です。
国土面積は、日本の総面積の約9割に相当する33万8435平方kmですが、68%が森林、10%が湖沼と河川、8%が耕作地と自然豊かで、山が少なく平坦な地形であるのが特徴です。
人口は約550万人であり、日本の人口と比較しても約5%程度に留まるため、人口密度が低く生活しやすいのが特徴です。
また、その他のヨーロッパ諸国と比べても治安が良好で、チップを渡す風習も存在しないので、日本人にとって非常に快適に過ごせる環境が整っています。
素直で誠実な国民性、心に余裕をもたらす豊かな文化、素朴で温かい伝統料理、感動の大自然などの、「フィンランドだからこそ味わうことが出来る魅力」は訪れる人々を魅了して止みません。
時差
日本との時差は7時間で、現地時間が0時のとき日本は7時となります。
また、3月最終日曜の午前2時から10月最終日曜の午前3時までの期間はサマータイム(夏時間)が適用されるため、通常の時間より1時間前倒しとなり、時差が6時間へと短縮されます。
旅行期間にサマータイムの開始および終了時期が重なる場合は、現地時間の切り替わりに注意が必要です。特に、飛行機や鉄道の出発時刻、およびツアーの集合時間を間違えるといったケースはよくあるようなので、なるべく時間に余裕を持って行動を心がけましょう。
言語
一般的な公用語はフィンランド語ですが、スウェーデン語やサーメ語も話されています。しかしながら、フィンランド人の多くは英語も話すことができるので、観光地やホテル、レストランなどでのコミュニケーションで不便に感じることはないでしょう。
宗教
フィンランドでは、国民の大多数がキリスト教(プロテスタント派、福音ルーテル派など)を信仰しているため、イースターやクリスマスはもちろん、昇天祭や聖霊降臨祭などのキリスト教に関連する祝祭日が、国民の祝日に指定されています。
これらに関わる休暇や年末年始は、航空券やホテルの宿泊費が値上がりするため注意が必要です。
フィンランドの歴史
先史時代
1世紀頃 フィンランド人の祖先にあたる人々が現在のロシア領ヴォルガ川周辺から移入したのち、定住
11世紀~12世紀 キリスト教の伝来
スウェーデン統治下時代
1323年 スウェーデン・ロシア間の国境画定。欧十字軍の侵攻により、フィンランドはスウェーデンの支配下へ属することになる
ロシア統治下時代
1809年 フィンランド戦争に敗北したスウェーデンがフィンランド全域をロシアへと割譲
独立時代
1917年 ロシア革命を機に12月6日に独立宣言が行われ、フィンランド共和国が成立
1939〜1944年 2度にわたる対ソ戦争(冬戦争・継続戦争)が勃発するも、ロシアを停戦に迫らせることに成功し、国の独立を維持
1944年~1945年 対独戦争(ラップランド戦争)
1948年 フィンランド・ソ連友好協力相互援助条約締結
1955年 国連加盟
1986〜1999年 EFTA(欧州自由貿易連合)正式加盟、EU(欧州連合)およびEMU(欧州通貨同盟)への加盟
2002年 ユーロ導入
フィンランドの通貨および両替事情
通貨について
フィンランドの基本通貨はユーロ(EUR)で、ユーロという単位を用いて表記されるのが一般的です。2020年8月現在、1ユーロあたりの両替レートは約124.68円です。
紙幣は5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ、500ユーロの7種類、硬貨は1ユーロ、2ユーロ、および1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セントの合計8種類が存在します。
両替について
日本円からユーロへの両替は、日本国内およびユーロ圏内に位置する主要国際空港、銀行、街中の両替所などで広く行うことができます。
レートや手数料は両替する場所によって異なりますが、ホテルでの両替は24時間行えるため便利である反面、銀行や街中の両替所に比べレートが悪い傾向にあるので注意が必要です。
また、両替時に英語でやり取りするのが不安という方は、日本を出国する前に、国内の主要国際空港や銀行などで、あらかじめ現地通貨を入手しておくと安心です。
その他にも、国際キャッシュカードや海外キャッシング機能付きのクレジットカードを使用してATMから現金を引き出すことも可能です。
カード会社が海外での利用を制限している場合があるので、心配な方はあらかじめクレジットカード会社に海外での利用を希望する旨を伝えておくとスムーズでしょう。
フィンランドの気候と服装
フィンランドは、北半球の高緯度地域のなかでも四季の変化が比較的はっきりとしていて、長く寒い冬と短い夏の寒暖差が大きい、特徴的な気候を有することで知られています。
一般的に3〜5月が春、6〜8月が夏、9、10月が秋、そして11〜2月が冬にあたりますが、国土は南北に細長く、約3分の1が北極圏内に位置しているため、訪れる地域により気温や日照時間が大きく異なるのが特徴です。
北極圏以北のラップランド地方では、6〜7月を中心に太陽の沈まない「白夜」、12〜1月には太陽が昇らない「極夜」が訪れ、日照時間が短いシーズンを中心にオーロラを楽しむことが出来ます。
春(3〜5月)
春のフィンランドは、日本に比べ平均気温が低いため、やや肌寒く感じることが多いですが、日照時間が徐々に長くなり、春らしい日差しに恵まれるため、比較的快適に過ごすことが出来ます。
3〜4月は、首都ヘルシンキでも最低気温が0度前後になることがあるため、まだまだ冬の装いが必要ですが、日本で経験することの無いような猛烈な寒さを記録することは珍しく、日中は想像以上に暖かいので、Tシャツ、長袖シャツ、カーディガン、フリース等寒暖どちらにも対応できるような洋服と、しっかりとした上着を持ち歩くのがオススメです。
夏(6〜8月)
日本の春から初夏のような心地良い気温で過ごしやすい一方、日照時間が長く、日差しも非常に強いため、帽子やサングラス、日焼け止めなどの紫外線対策アイテムが必要不可欠です。
日中は半袖で過ごせるものの、天気が悪い日や朝晩を中心に肌寒く感じることもあるので、薄手のジャケットやカーディガンなど簡単に羽織れるものを持ち歩くことを推奨します。
秋(9〜10月)
8月下旬になると、日照時間が一気に短くなり、徐々に秋の足音が近づいてきます。
また、9月から10月にかけては気温が急激に下がるため本格的な冬の装いが必要となります。フリースやセーターなどの暖かい服装に加え、カジュアルに着こなせるコートなどを用意するのが理想です。
冬(11〜2月)
フィンランドの冬は、ノルウェー沿岸を流れるメキシコ湾流の影響により、同じ緯度に位置するカナダやアラスカなどの国々に比べ暖かいのが特徴です。
しかしながら、11月の平均気温は既に日本の真冬並みであるほか、12月初旬には各地で初雪が観測され、場所によって最低気温がマイナス30度を記録することもあるため、観光で訪れる場合は厚手のコートやダウンジャケットなどの防寒着、帽子、手袋、マフラーはもちろん、厚手の靴下、滑り止めのしっかりついたブーツやトレッキングシューズを必ず持って行くようにしましょう。
フィンランドの文化
フィンランドの文化は、伝統的生活と平等主義、自給自足などの思想に基づいた土着文化および北欧を含むヨーロッパ文化が複合することにより形成され、スウェーデン、ロシア等の影響のみならず、近隣地域のフィン系民族やバルト人、ドイツ人等による影響も加わり、現在見られるような形に変化したと言われています。
ヴァップ(Vappu)や夏至祭をはじめとする伝統行事や国家の祝日には、キリスト教および伝統的な習俗の両要素が関わっており、この国の歴史や地政学的条件がよく反映されていることが分かります。
フィンランド人の社交場として知られるサウナ
サウナは、フィンランド人の日常生活において欠かせない健康法として親しまれています。
国内には、国民2人に対し1つ以上の割合にあたる約300万以上のサウナがあるそうで、日本人の生活に入浴習慣が欠かせないのと同様に、フィンランド人の生活にとってサウナは非常に重要な存在です。
フィンランドならではのユニークなイベント
フィンランドでは伝統的な行事だけでなく、奥様運び世界大会、エアギター世界選手権、携帯電話投げ世界大会など、ユニークなイベントが多く開催されています。
また、サマーシーズンを中心に音楽イベントも積極的に開催されているので、旅行のついでに参加してみるのも楽しいでしょう。
可愛い民族衣装は必見
カンサッリスプク(Kansallispuku)と呼ばれるシンプルで可愛いデザインの民族衣装があり、独立記念日などのお祝いごとやお祭りで見かけることが可能です。
一般的な着こなしは、白いブラウスにベスト、ロングスカートに白いエプロンで、地方ごとに異なる刺繍や柄がそれぞれの個性を引き出しています。
また、ラップランド地方に暮らす少数民族として知られるサーミ人に伝わるコルト(Kolt)という民族衣装は、手作業により作られているそうで、色彩豊かなフェルト生地がポイントです。
フィンランドの治安
その他のヨーロッパ諸国と比べても良好な傾向にありますが、2004年の旧東欧諸国のEU加盟以降、治安が悪化し続けており、置き引きや窃盗などの軽犯罪を中心とした被害が年間約40万件以上報告されています。
特に、旅行客が多く訪れるシーズンや人気の観光地では、スリや置き引きの被害が多発しているので、貴重品を含む手荷物から目を離さないように注意が必要です。
海外旅行損害保険への加入
旅行先での急な体調不良、事故や盗難といった不測の事態に備え、念のために加入しておくことを推奨します。
海外旅行損害保険はすべて掛け捨てですが、万が一何らかのトラブルに見舞われた場合に傷害や疾病、賠償責任にかかる費用をサポートしてもらえるのは、とても心強いでしょう。
また、旅行先で自分が入院せざるを得なくなってしまった場合の救援者費用をはじめ、携行品に対する補償など各種特約が充実しているので、安心して旅行を楽しむことが出来ます。
フィンランドを訪れるためのベストシーズン
年間を通じてさまざまな見どころが楽しめるフィンランドでは、旅行の目的によりベストシーズンが異なります。
一般に、観光に適していると言われるのは過ごしやすい気候が広がり、多種多様なイベントが開催される6〜8月中旬頃ですが、オーロラ観測や各種ウィンタースポーツなど冬のアクティビティーを楽しみたいのであれば、12〜3月が最適でしょう。
また、9〜10月はやや肌寒いものの、紅葉が美しいシーズンなので、自然豊かな観光地を訪れる予定の方にはオススメです。
フィンランド旅行の見どころ
神秘の絶景!オーロラ鑑賞
フィンランド北部に位置するラップランド地方は、年間で200晩以上オーロラが出現する世界有数のオーロラ観測地といわれています。
オーロラは、「オーロラベルト」と呼ばれる緯度65〜70度の地域で見られる自然の発光現象で、日照時間が長く空気が澄んでいる9〜3月を中心に楽しむことが可能です。
首都ヘルシンキを含むフィンランド南部でも、丘の上や湖畔などの街灯りが届かない場所に行けば、冬の時期に10〜20晩ほどオーロラを観測することが可能であるといわれていますが、一般に北へ行けば行くほど観測できる可能性は高まるので、オーロラ鑑賞を目的とした旅行ではラップランド地方を訪れることをオススメします。
空気が澄んでいて星が多く見える夜は、オーロラを観測する可能性も高くなるそうで、約20秒から数時間鑑賞することができるので、ぜひ暖かい格好で神秘の天体ショーをお楽しみください。
本物のサンタクロースに会いに行く
毎年クリスマス・イヴの夜に世界中の子ども達が待ちわびる憧れの存在といえば、サンタクロースですよね。
既にご存知かもしれませんが、フィンランドは世界にたった1人しか存在しないとされる本物のサンタクロースが住むことで知られる唯一の国で、「憧れのサンタクロースに直接会っておしゃべりをする」という夢のような願いを叶えるべく、年間を通じて世界各国から観光客が訪れる人気の旅行先です。
ラップランド地方の町ロヴァニエミ(Rovaniemi)に位置するサンタクロース村では、1年中クリスマスの雰囲気が楽しめるほか、子どもの頃に憧れていたサンタクロースと実際に会うという世界でもここだけの貴重な体験ができるので、オーロラを観測することが出来ない時期でも十分訪れる価値があると言えます。
サウナの本場で体験する本格サウナ
日本でも温泉施設などでよく見かけることから身近な存在として親しまれている、サウナ。
そもそも、サウナ(Sauna)とは、その語源の歴史を約7,000年前までさかのぼるフィンランド語であり、フィンランド文化を語るうえで欠かせない重要な要素として知られています。
フィンランドには、国民2人に対し1つ以上の割合にあたる約300万以上のサウナがあると言われており、単純に安らぎを得る目的のみならず、家族や友人との団らん、そしてビジネスの場としても利用されています。
その種類は、薪(まき)を燃やして室内を暖める伝統的なものから、電気式、たくさんの湯気が出るスモーク式など様々で、一般家庭をはじめ、湖の横に建てられているサマーハウス、ホテル、公衆サウナで体験することが可能です。
「森と湖の国」ならではの豊かな自然を満喫
フィンランドには、小さいものを含めると180,000以上の湖が点在し、沿岸部には約70,000の島々が浮かんでいるといわれています。
そのため「森と湖の国」と評されることも多く、実際に国土面積に対し森林区域が占める割合は約74%と、先進国の中で最も森林の保有率が高い国として知られています。
そんな自然豊かなフィンランドには、心が洗われるような自然体験ができるスポットが充実しており、ハイキングやカヤックなどのアウトドアアクティビティーを通じて気軽に自然の魅力を体感することが出来ます。
首都ヘルシンキ近郊には、映画「かもめ食堂」のロケ地としてお馴染みのヌークシオ国立公園をはじめ、日帰りで訪れることが出来る国立公園がいくつか位置しているので、心身共にリフレッシュしに訪れてみてはいかがでしょうか。
スタイリッシュな北欧雑貨の数々
フィンランドには、マリメッコ(marimekko)やイッタラ(iittala)をはじめ、アラビア(Arabia)、マギッソ(magisso)、アルテック(artek)、フィンレイソン(Finlayson)など、革新的なデザインが世界的に高い人気を誇るブランドがいくつもあります。
フィンランド・デザインの本質は、自然から生まれたインスピレーションを日常生活にうまく取り入れることで、スタイリッシュでありながらも実用性にしっかりと着目し、長く使っていくことを意識したデザインがとても評判です。
首都ヘルシンキを中心に、可愛いデザインの雑貨を取り揃えているショップが多くあるので、気になるお店を見つけたらぜひ立ち寄って買い物を楽しんで下さいね。
首都ヘルシンキ・近郊
ヨーロッパで最もモダンな都市の1つとして知られる首都ヘルシンキをはじめ、古都トゥルク、ムーミン好きにはたまらないテーマパーク「ムーミンワールド」など、フィンランドを初めて訪れるなら絶対に欠かせない見どころを数多く有する地域で、フィンランド南部に位置しています。
その他の地域に比べ気候が安定しているため、年間を通じて観光を楽しむことが可能です。
スタイリッシュな北欧デザインが際立つオシャレな建造物が点在しているため、ショッピングを兼ねた街歩きにとてもオススメです。
また、首都ヘルシンキを中心にユニークなイベントが多く開催されているので、現地のイベントカレンダーを事前に確認してから渡航すると、フィンランドの魅力をより満喫することができるでしょう。
ヘルシンキ大聖堂
ヘルシンキ大聖堂は、首都ヘルシンキ中心部に位置する福音ルター派の総本山です。
1852年にドイツ人建築家カール・ルートヴィッヒ・エンゲルの設計により竣工したのち、約30年もの歳月を費やして完成に至ったとされる同大聖堂は、緑色のドームを軸とした、シンメトリックなデザインが印象的で、非常に見応えがあります。
現在、合計5つ確認できるドームですが、創建当初は中央部に1つ配置されているのみで、小さなドームが4隅に付け加えられたのはエンゲルの死後であったといわれています。
また、元老院広場に面する大階段も後に造られたもので、広場周辺も含め、今日に至るまでに幾度かの改修が行われてきたことが分かります。
首都ヘルシンキを観光で訪れるなら絶対に欠かせない定番スポットなので、美しい聖堂内部とあわせて観光を楽しむことをオススメします。
なお、ヘルシンキ大聖堂は現役で使用し続けられている宗教施設であるため、礼拝をはじめとする宗教行事が行われている最中は見学不可能です。内部の見学を希望する場合は、なるべく礼拝が行われる時間帯を避けるよう、注意が必要です。
テンペリアウキオ教会
ヘルシンキ中心部のテンペリアウキオ地区に位置する福音ルター派の大聖堂で、岩石の中にすっぽりと隠れていることから「ロックチャーチ(岩の教会)」という名でも親しまれています。
この教会は戦前に造ることが決まっていたそうですが、旧デザインの建築様式は全く異なるものであったといわれています。
現在見られるようなデザインが採用されたのは1961年のことで、当時行われたデザインコンペで優勝したフィンランドの建築家・スオマライネン兄弟による設計案をもとに着工され、1969年に完成されました。
固い岩を5~10m掘り下げて造りあげた空間は、岩の質感や美しい色彩をそのまま活かしつつ、直径24mの巨大な銅板を用いた天井と大きなガラス窓によりモダンな要素が大胆に加えられていて、洗練された趣を放ちます。
教会内部は非常に明るく、音響効果に優れているため、しばしばコンサートホールとしても利用されているそうです。現代建築と自然が融合した教会は、世界でも非常に珍しい存在なので、オシャレな建造物に興味のある方は必見です。
元老院広場
首都ヘルシンキで最も古い歴史を持つ地区に位置し、約3,000平方mの広大な面積を誇る石畳の広場です。
ヘルシンキのランドマーク的存在として知られるヘルシンキ大聖堂をはじめ、市庁舎、フィンランド国立博物館、ヘルシンキ大学に面し、中央部にはロシア皇帝アレクサンドル2世の立像が、市内を見守るように建っています。
この像は、アレクサンドル2世がフィンランドの国会を再建したことを記念するために、フィンランドの彫刻家、ウォルター・ルーネベリによって作られたそうで、現在では「ヘルシンキ市民の憩いの場」を象徴する目印のひとつとして親しまれています。
また、12月にはヘルシンキ最古のクリスマスマーケットが開催されるほか、大晦日にはカウントダウンイベントが行われ、多くの人々で賑わいます。
スオメンリンナ島
首都ヘルシンキの南方に位置する要塞(ようさい)島で、「スオメンリンナの要塞」としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
スオメンリンナ島は、18世紀後半にフィンランドを治めていたスウェーデンが、当時勢力を拡大していたロシアからの侵攻を防ぐ目的で築造した要塞で、ヘルシンキ湾に浮かぶスシサーリ島を中心とする4つの島から構成されています。
完成までに要した歳月は約40年に及ぶそうで、かつては「北のジブラルタル」と称されるほど堅牢(けんろう)な存在だったと言われています。
また、ロシア戦争、クリミア戦争、フィンランド国内戦争などの重要な舞台となったことでも知られ、海上要塞としては世界的な規模と歴史を誇ることから、現在では年間約100万人の観光客が訪れる、「フィンランドで最も人気の高い観光名所のひとつ」として親しまれています。
島々を結ぶ全長約6kmの城壁、星形の稜堡(りょうほ)や教会、博物館、第2次世界大戦で実際に使用されていた潜水艦など、フィンランドの歴史を知るうえで大変重要な施設が多くあり、とても見応えがある観光スポットなので、時間をかけてゆっくりと楽しむことをオススメします。
カンピ礼拝堂
カンピ礼拝堂は、2012年にヘルシンキがワールド・デザイン・キャピタル ヘルシンキ(世界デザイン首都)に選ばれたことを記念して作られた木造礼拝堂です。
宇宙船を想わせる不思議な外観が特徴である同礼拝堂は、現代フィンランドを代表するデザイナーの1人として知られるミッコ・スネマン(Mikko Summanen)によって設計が行われ、スタイリッシュなデザインである一方で、自然の素材を生かした温もりを感じさせる独特の空間設計が評判です。
モミの木を幾重にも重ねて作り上げたといわれる曲線的なフォルムは、多くの人々が行き交う賑やかなカンピ地区でもひときわ存在感を放っています。
高さ11.5mを誇るホール内部はセイヨウヤマハンノキで支えられており、木の温もりを感じられる落ち着いた雰囲気が祈りを捧げに訪れる人々を優しく包み込みます。
トゥルク城
トゥルク城は、13世紀後半に当時の支配国スウェーデンがフィンランドの統治を目的として建造したフィンランド最大の城塞です。
アウラ川の河口に位置する石造りの堅固な建物は、トゥルク一帯の防衛を行う拠点として築かれたのち、要塞、兵舎、倉庫、刑務所、宮殿や政府の執務室など、多くの役割を果たしてきたそうで、スウェーデン王グスタフ1世が勢力を拡大していた頃にあたる16世紀頃に全盛期を迎えました。
現在、城内は歴史博物館として公開されており、各時代ごとのインテリアや衣装、陶磁器などを含む、トゥルクの歴史に関連する資料が多く展示されています。
見学にかかる所要時間の目安は約2時間です。非常に見応えがあるので、なるべく時間をかけてゆっくりと見学するのが理想です。
トゥルク大聖堂
古都トゥルクのアウラ川南岸に位置する大聖堂で、フィンランド・ルーテル教の中央教会および「同国で最も重要な宗教的建造物」として知られています。
この教会は、フィンランド最初の司教となった聖ヘンリーと聖母マリアに捧げる聖堂として1300年に建造が開始されたのち、13世紀末に完成した歴史ある建物で、その後何世紀にも渡って増改築が繰り返されてきました。
現在見られる建物は1827年に発生したトゥルクの大火災で被災して以降、複数回にわたって修復の手が加えられたもので、中世の趣を放つ高さ101mの塔が町を象徴する存在として親しまれています。
主な見どころは、修復当時の皇帝画家、ロベルト・ウィルヘルム・エークマンが描いたとされるロマン主義の祭壇画と天井画で、イエス・キリストの生涯はもちろん、フィンランド宗教史における重要な出来事などが描かれていて、非常に見応えがあります。
また、教会内には典礼聖器、テキスタイル、中世の彫刻など、教会の歴史を詳しく展示する聖堂博物館やカフェが併設されているほか、時期によって様々なイベントも開催されているので、ぜひ足を運んでみて下さい。
ムーミンワールド
ムーミンワールドは、フィンランド南西部の人気観光都市ナーンタリ(Naantali)に位置するテーマパークです。
町の北西に浮かぶカイロ島の自然環境を丸ごと利用して作った「ムーミンの世界」は、ムーミン谷さながらの緑豊かな森の中に、物語で登場する舞台が忠実に再現されていることから、大人から子どもまで楽しむことが出来ると評判です。
園内にアトラクションは存在しないですが、ムーミンの住むムーミン屋敷やニョロニョロの洞窟、原作の中でムーミンたちが劇を演じたとされるエンマ劇場などの施設をはじめ、キャラクターグリーティングや各種イベントも開催されるので、住人になった気分でのんびりと過ごすのがオススメです。
ラウマ旧市街
フィンランド南西部に位置する港町ラウマ(Rauma)は、1400年頃に建てられたフランシスコ修道院を中心に交易の街として発展した歴史を持つ、同国最古の港町のひとつです。
ラウマ旧市街は「北欧に現存する最も大きな歴史的木造建築の街」として知られ、町中には鮮やかな色に塗られた約600軒ほどの建造物が立ち並んでいます。
発展当時の町並みは、1682年の大火により失われたものの、歴史的建造物の保存はもちろんのこと、カラフルで美しい街並みが広範囲にわたってしっかりと保たれていることが評価され、1991年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
ラヴィントラかもめ
ラヴィントラかもめ(Ravintola Kamome)は、通称「かもめ食堂」として親しまれるオシャレなレストランで、首都ヘルシンキに位置しています。
このレストランは、映画「かもめ食堂」のロケ地に選ばれたことで有名ですが、リーズナブルな価格設定と美味しい料理が評判であり、地元の人々にも広く愛されています。
白と水色を基調とした内装は映画の世界そのもので、北欧らしいインテリアデザインが素敵な空間でモダンフィンランド料理を楽しむことが出来ます。
オススメは、ミートボールやサーモン、シナモンロールなど合計9品が少しずつ小皿に盛られ、1つのお弁当になった「Oishi Finland(おいしいフィンランドボックス)」で、様々な料理を一度に味わえるのが魅力です。
日本語のメニューもあるので、外国語でのコミュニケーションに自信が無い方でも安心して訪れることができます。
スオメンリンナ教会
城塞の建造とほぼ同時期にあたる1854年にロシア正教の駐屯地教会として建設されたのち、フィンランドがロシアから独立したことを機に、1920年代に福音ルター派へと改宗した教会で、スオメンリンナ島に位置する唯一の教会として親しまれています。
スオメンリンナ教会は、フィンランドを支配する国が変わるたびに異なる宗派へと改宗を余儀なくされたことで知られ、非常にシンプルな造りをしているのが特徴です。
塔部分には航空および海上交通用の灯台があり、現在でも稼働し続けています。
潜水艦ヴェシッコ号
第2次世界大戦中に対ソ連戦争で実際に使用されていた潜水艦で、スオメンリンナ島の南東部に展示されています。
潜水艦ヴェシッコ号は、1914〜1918年にかけて行われた第1次世界大戦後に、ドイツが軍艦製造を禁じるなかで製造されたもので、オランダの会社が商業用潜水艦の模型を作るという名目で秘密裏に行われていたといわれています。
5月上旬から10月下旬にかけて内部を見学することが可能で、20名の乗組員が暮らした当時の歴史や国防の歴史などの展示を楽しむことが出来ます。
湖水地方
湖水地方は、フィンランド東部に位置し、同国最大の湖であるサイマー湖をはじめとした多くの湖が点在する「ヨーロッパ最大の湖水地帯」です。
約188,000以上の湖と約180,000の島々があるといわれているフィンランドですが、その多くはこの地域に位置しているそうで、国土面積を占める湖水面積の割合は陸部面積よりも大きいのが特徴です。
主な見どころは、サイマー湖畔に位置するサヴォンリンナ、および2つの湖に囲まれた工業都市タンペレで、美しい湖はもちろん、運河や歴史的な建造物など、フィンランドの原風景を楽しむことができます。
サイマー湖
サイマー湖は、フィンランド南東部に位置する同国最大の湖で、ヨーロッパで4番目に大きな淡水湖として知られています。
この湖は、ロシアとの国境付近の都市、ラッペーンランタ(Lappeenranta)周辺に連続して点在する大小さまざまな湖を総称したもので、氷河時代末期に氷河が融けたことにより形成されたといわれています。
その大きさは東京都の総面積の約2倍にあたる約4,400平方kmで、複雑な湖岸線を有するほか、湖上には多数の島々が点在しているのが特徴です。
12月初旬から4月中旬のあいだは湖面が凍結しますが、その他の時期は5〜6月を中心に絶滅危惧種として知られるサイマーワモンアザラシに出会うことが出来るため、希少なアザラシを一目見ようと訪れる多くの観光客で賑わいます。
正教教会(タンペレ)
フィンランド第3の都市として知られるタンペレ(Tampere)の中心部に、1896年から1899年にかけて建設された東方正教会です。
ロシアの軍事建築家の設計により築かれたというネオビザンチン様式の建物は、東方正教会を象徴するタマネギ型の屋根を複数有するのが特徴で、重厚感が漂う外観がとても印象的です。
タンペレ中央駅から徒歩約5分とアクセスが良く、その他の観光スポットからも近いので、ぜひ観光しに訪れることをオススメします。
タンペレ大聖堂
タンペレ大聖堂は、正式名称を「聖ヨハネ教会(St.John's Church)」とする福音ルター派の教会で、タンペレ駅から約300mに位置しています。
この建物は1907年に完成したのち、1923年から大聖堂として使用されているタンペレ主教区の本拠地であり、アールヌーボーの影響を受けたフィンランドロマン主義(ナショナル・ロマンティシズム)を代表する教会として親しまれています。
フィンランドロマン主義(ナショナル・ロマンティシズム)とは、西欧建築を手本とせず、国産の花崗岩(かこうがん)を用いるなど、フィンランドに伝わる民俗文化を意識した建築様式であり、聖堂に設けられた6つの出入り口を囲む石壁の装飾、花崗岩を用いた外壁とレンガ屋根の美しいコントラストなどから、創建当時の高度な技術を感じ取ることができます。
約2,000人の収容規模を誇る聖堂内部には、マグヌス・エンケルが描いた祭壇画をはじめ、フーゴ・シンベルグ「傷ついた天使」および「死の庭」などの作品が飾られており、主な見どころとして訪れる観光客を楽しませています。
クオッカラ聖教会(ユヴァスキュラ)
クオッカラ聖教会は、首都ヘルシンキから北へ約300km離れた場所に位置する湖の町ユヴァスキュラのクオッカラ地区に位置する木造教会です。
フィンランドの建築家アンシ・ラシラ(Anssi Pellervo Lassila)およびティーム・ヒルビラムミ(Teemu Hirvilammi)、ジャニ・ヤンソン(Jani Jansson)の設計により2005年に着工したのち、約5年の歳月を費やして2010年に完成された同教会は、これまでに築かれた教会のイメージを根底から覆す、モダンな造りが印象的です。
遠目からは教会であると想像もつかないほどシックな外観ですが、黒を基調とした見た目とは対照的に、木の温もりと柔らかな光で溢れた内装が訪れる人々を魅了します。
ムーミン美術館
ムーミン美術館は、タンペレ駅から徒歩約10分以内に位置するタンペレ・ホール内に、2017年にオープンした体感型美術館です。
この美術館では、ムーミンの作者として知られるトーベ・ヤンソン(Tove Jansson)が寄贈した原画やスケッチをはじめとする約2,000点におよぶコレクションや物語を再現したミニチュアなどを収蔵してしており、「ムーミンの世界が体験できる世界で唯一の美術館」として高い人気を集めています。
ハメ城
北方十字軍遠征に際しフィン人に対抗したスウェーデン人が1260年に築いたとされる木造城壁をもとに、幾度にもわたる増改築を繰り返されて16世紀までに現在見られるようなゴシック建築へと改修され、約700年の歴史を持つ城です。
ハメ城は、フィンランド国内に現存するレンガ製の古城の中では最も保存状態が良いことで知られ、現在は内部を博物館として公開しています。
首都ヘルシンキから北へ約100kmほど離れた場所に位置する都市であるハメーンリンナ(Hameenlinna)に位置しており、ハメーンリンナ駅から徒歩15分ほどでアクセスできるので、ヘルシンキからの日帰り旅行先としても人気です。
旧フィンレイソン工場
旧フィンレイソン工場は、スコットランド人のジェームズ・フィンレイソン(James Finlayson)が1820年に建造した旧紡績工場の跡地を利用した複合施設で、オシャレなカフェやレストランをはじめ、ショッピングエリア、映画館、醸造パブ、新聞社などが入居する、タンペレの人気スポットです。
この工場は19世紀中頃から末期を中心に住宅、学校、教会、病院が併設され、かつて工場の敷地そのものが1つの町をなすほどに栄えたといわれています。1990年に行われたタンペレ市の再開発を機に、重厚感漂う外観が維持しつつも、現代向けに改装の手が加えられました。
スパイ博物館や労働者博物館といった博物館も併設されているので、ぜひ一度足を運んでみることをオススメします。
北カレリア地方
北カレリア地方(通称:カルヤラ)は、フィンランドの南東部からロシア国境にかけて広がる地域で、「森と湖の国」を象徴する豊かな自然風景は、これまでに多くの芸術家がインスピレーションを受けたといわれています。
かつて東方教会の文化圏に属していたため、東西文化が融合した今でも独特の文化が現在でも色濃く残っているのが特徴です。
代表的な観光地はコリ国立公園で、サマーシーズンを中心に美しい湖と小高い山々が織りなす絶景を目当てに訪れる旅行客で賑わいます。
コリ国立公園
フィンランド南東部の湖水地帯にある国立公園で、同国随一とも称される絶景が見られることから、フィンランド国内に35ヵ所以上ある国立公園のなかでも、1位、2位を争う高い知名度と人気を誇ります。
国立公園内にはハイキングルートが整備されており、いくつかの展望台が設けられていますが、なかでもウッコ展望台からの景色が素晴らしいと評判です。
実際に、同展望台から眺めるピエリネン湖をはじめとする湖沼や氷河地形が織りなす絶景は、思わず言葉を失ってしまうほど美しく、フィンランドの代表的作曲家ヤン・シベリウスがこの場所で交響詩「フィンランディア」の着想を得たといわれるのも納得です。
観光拠点は、北カレリア地方の中心都市として知られるヨエンスー(Joensuu)です。首都ヘルシンキから運航されている国内線を利用すれば、片道約1時間程度でアクセスすることが出来るため便利です。
パトビンスオ国立公園
北カレリア地方に位置するリエクサ町(Lieksa)とイロマンツィ村(Ilomantsi)のあいだに広がる湿地帯で、1982年に国立公園として設立されました。
その大きさは約105平方kmを誇り、白鳥やツルをはじめとする野生動物が生息することで知られています。
トレッキングルートは全長約80kmにわたって整備されており、気軽に自然を楽しむことができる3km〜4.5kmのコースから、中級者向けの半日コースおよび上級者向けのコースまでさまざまです。
ラップランド地方
ラップランド地方(Lapland)は、フィンランド北部に位置し、スウェーデン、ロシア、ノルウェーと国境を接する地域で、伝統的にサーミ人が住んでいる地域を指します。
その大部分は北極圏に属しており、日照時間が短い秋から冬にかけてオーロラを観測することができるため、毎年国内外から多くの観光客が訪れています。
ラップランドの観光拠点として最も一般的なのが、本物のサンタクロースに出会えることで知られるロヴァニエミ(Rovaniemi)です。夏から秋はハイキングやフィッシング、雪が積もったらスキーやスノーモービルが楽しめるので、アウトドアの好きな方にオススメな旅行先です。
サンタクロース村
オーロラ観測の拠点として多くの観光客が訪れるロヴァニエミ(Rovaniemi)の人気観光スポットで、北極圏のちょうど真上にあたる北緯66度33分に位置しています。
サンタクロース村は、憧れのサンタクロースに365日会うことができるテーマパークの一種で、主にサンタクロース・オフィス、サンタクロース・ポストオフィス(郵便局)、サンタクロース・レインディア、ショップ、レストラン、観光案内所、ツアー会社で構成されています。
サンタクロース・オフィス
遥か遠くコルヴァトゥントゥリから毎日やってくるサンタさんと一緒に記念撮影をすることが出来るため、常に多くの観光客で賑わっている、サンタクロース村の人気スポットです。
撮影データを有料で購入するのが一般的で、手持ちのスマートフォンやカメラでの撮影は一切禁止されているので注意が必要です。なお、サンタさんに会うこと自体は無料なので、憧れのサンタさんを一目見てみたいという方はぜひ訪れてみて下さいね。
サンタクロース・ポストオフィス
ハガキにサンタクロース村の消印を押して、希望の宛先へと届けてくれるユニークなサービスが評判の郵便局で、サンタさんからの素敵な便りがクリスマスシーズンに届けられる「サンタメール」が人気です。
申し込みはとても簡単で、サンタクロース郵便局が用意している所定の用紙に宛先と名前を記入するだけで、日本語にも対応しているので安心です。
クリスマスに届けてもらいたい方は赤のポストへ、すぐに届けてもらいたい場合は黄色のポストへと投函しましょう。
サンタクロース・レインディア
サンタクロース・オフィスの裏側に位置するトナカイ牧場で、夏はトナカイへの餌やり、冬はトナカイソリを体験することが出来ます。
ショップ
クリスマスに関連する雑貨をはじめ、ラップランドの民芸品や特産品、マリメッコやイッタラなどのフィンランドブランドを販売するファクトリーショップが併設されているので、お土産を購入するのにオススメです。
観光案内所
村の情報をもらえるほか、有料で北極圏到達証明書を発行してもらうことが可能です。英語やフィンランド語だけでなく、日本語での発行も可能なので、ロヴァニエミを訪れる記念にいかがでしょうか。
ロヴァニエミ教会
第2次世界大戦中にあたる1944年に破壊されたのち、建築家ベルティル・リリェクヴィスト(Bertil Liljeqvist)の設計により1950年に再建された教会で、高さ54mを誇る斜塔が目印です。
主な見どころは、フィンランドの画家レナルト・セガーストラーレ(Lennart Segerstrale)により1951年に描かれた、高さ14mのフレスコ画「生命の泉」で、限定的な彩色にもかかわらず神秘的な雰囲気を漂わせる壁画は訪れる者すべてを魅了します。
教会の裏には、第2次世界大戦により戦死した兵士たちが眠る墓地があり、30cm四方の御影石にそれぞれの名前や年齢が刻まれています。
また、暮石の側には戦争で亡くなった人々をしのぶ2つのモニュメント、疎開先のスウェーデンで亡くなったロヴァニエミ出身の人々の名前がまとめて刻まれている石碑などがあります。
ラヌア動物園
ロヴァニエミから南東へ約80km離れた場所に位置するラヌア村(Ranua)の郊外にある動物園で、世界最北の野生動物園のひとつに数えられています。
この動物園では、ホッキョクグマやムース、ヒグマ、オオカミ、ホッキョクギツネなどをはじめとする極寒の地で生き抜く、50種類以上の動物が飼育されており、木々が生い茂る広い敷地に備えられた約3kmの散策道をたどりながら観察を楽しむことができます。
観光にかかる所要時間の目安は約2時間ですが、ショートコースのみを歩く場合は約45分なので、天候の状況に合わせて滞在時間を調節することも可能です。
ロヴァニエミの長距離バスターミナルから1日2〜4本運行しているバスを利用すると、約1時間15分ほどの所要時間でアクセスすることが可能です。また、ロヴァニエミ発着の日帰りツアーも催行されているので、現地ツアーに参加して訪れるのもオススメです。
ラヴィントラ・ニッリ
ラヴィントラ・ニッリ(Ravintola Nili)は、オーロラ観測の拠点として知られる北極圏の町ロヴァニエミに位置する人気のレストランで、トナカイをはじめとする地元産の肉や旬の魚を使用したラップランド料理、フィンランドの伝統料理が評判です。
店内には、クマの剥製(はくせい)やトナカイの角で作られたシャンデリアなど北極圏ならではの装飾が施されており、旅行気分を高めてくれます。
日本ではとても珍しく、なかなか食べる機会が無いトナカイ肉ですが、北極圏ではポピュラーな食材として親しまれています。このレストランでは、トナカイのソテーやステーキ、スープなどが味わえるので、ロヴァニエミを訪れる際はぜひお試しください。
ウルホ・ケッコネン国立公園
ウルホ・ケッコネン国立公園は、フィンランド北東部のラップランド地方に位置し、レンメンヨキ国立公園に次いで、国内第2位の面積規模を誇る国立公園です。
この国立公園は、ロシアとの国境付近に広がる緑豊かな森林や沼沢地を含む豊かな自然環境を保全することを目的に1983年に制定されたもので、第8代大統領の名を冠しています。
東京都の総面積よりもやや広い2,550平方kmの敷地面積を有することで知られ、全長2〜6kmのハイキングコースをはじめ、数日から数週間かけて楽しむ本格的なトレッキングコースまで、さまざまなコースが整備されており、壮大な自然を楽しむことができます。
白樺やマツの木が生い茂る広大な森を縫うように流れる清流、ライチョウやトナカイなどの野生動物の群れは必見です。
イナリ湖
サーリセルカから北へ約70km離れた場所に位置するイナリ村(Inari)近郊に広がる広大な湖で、「ラップランド最大の湖」として知られています。
約1,000平方kmにおよぶ広大な面積を誇るイナリ湖には、約3,000以上の小島と岩礁(がんしょう)が浮かんでいるほか、多くの入り江が点在し、マス、レイクサーモン、レイクトラウト、イワナ、ホワイトフィッシュ、グレーリング、ヨーロピアンパーチ、パイクなどの魚が生息しています。
11月下旬から6月上旬頃は湖面が凍結しますが、夏の時期を中心にサケやマス類を中心とした漁業が盛んに行われています。
フィンランドのご当地グルメ
ロヒ・ケイット
ロヒ・ケイット(lohikeitto)は、フィンランド語で「鮭のスープ」を意味する定番の家庭料理です。
サーモンをはじめ、ジャガイモ、ニンジン、玉ネギなどの具材をバターを加えた牛乳で煮込んだもので、サーモンの柔らかい身とクリーミーなスープが絶妙にマッチした濃厚な味わいが特徴です。
カレリアパイ
カレリアパイ(Karjalanpiirakka)は、フィンランド東部に位置するカレリア地方の郷土料理です。
牛乳で煮込んだお米をライ麦粉と水、塩で作った生地で包み、オーブンで焼き上げたもので、バタースプレッドと呼ばれるゆで卵とバターを混ぜたものを添えて食べるのが一般的です。
生地の端をつまんで作る特徴的なヒダがポイントで、各家庭で生地の薄さやミルクがゆの量が異なります。
現地では、安価で購入できるほか、スーパーマーケットなどでも簡単に手に入れることができるので、フィンランドを旅行で訪れる際はぜひ探してみてくださいね。
ロヒ・ピーラッカ
ロヒ・ピーラッカ(lohipiirakka)は、ふんわりと焼いたサーモンとバターライスをパイ生地に包みオーブンでサックリと焼いた料理で、フィンランドでは定番のメインディッシュとして親しまれています。
鮭ごはんをパイ生地で包むという発想は、私たち日本人からすると少し驚きがありますが、サーモンの旨みとバターライスの甘さはとても相性が良く、日本人の口にもよく合うので非常に食べやすいと思います。
リハマカローニ・ラーティッコ
リハマカローニ・ラーティッコ(lihamakaroni laatikko)は、フィンランド版マカロニグラタンです。
ホワイトソースの代わりに牛乳、卵、チーズを使用しているので、通常のグラタンよりもあっさりとしているのが特徴で、マカロニのほかに炒めたひき肉と玉ネギが入っています。
フィンランド語でリハ(liha)は「肉」、ラーティッコ(laatikko)は「箱」を意味するそうで、その名の通り「肉とマカロニが詰まった箱」のような料理です。
非常にボリュームがあるので、主食として注文することをオススメします。
フィンランドへのアクセス・所要時間
日本からフィンランドへは、直行便または乗り継ぎ便を利用してアクセスするのが一般的です。
日本から直行便を利用して行くことが出来る都市は首都ヘルシンキのみで、成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港、そして福岡空港(夏季限定)の4都市から就航しています。
直行便を利用する場合の所要時間は最短で9時間30分、第3国を経由する乗り継ぎ便を利用する場合は約18時間前後が目安です。
フィンランドの空港を紹介
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港(Helsinki Vantaa Airport)
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港は、フィンランドの首都ヘルシンキに位置する国際空港で、日本をはじめ、ヨーロッパや北米、中東、アフリカの様々な国や都市からの便が就航しています。
空港ターミナルは2ヵ所あり、ヨーロッパ系の航空会社を中心に利用されているターミナル1、および日本からの直行便が乗り入れているターミナル2に分かれています。
空港内部には、各航空会社のカウンターや免税店の他に、24時間営業のスーパーマーケット、バーやレストラン、カフェ、ファストフード店、ATM、外貨両替所、観光案内所など、旅客が必要とする設備やサービス環境が整っているので、とても便利です。
また、同空港では無料Wifiを利用することが可能であるほか、空港ラウンジ、フィンランド出身で知られるムーミンの世界が可愛く表現されたムーミンカフェなど、大人から子どもまで楽しめる施設も充実しているので、搭乗便の待ち時間も有意義に過ごすことが出来ます。
就航している航空会社
フィンエアー/日本航空/ブリティッシュ・エアウェイズ/カタール航空/エミレーツ航空/スカンジナビア航空/KLMオランダ航空/ルフトハンザ・ドイツ航空/ターキッシュ・エアラインズ/アエロフロート・ロシア航空
フィンランドの年間イベント情報
1月
公現祭(1月6日)
公現祭は、イエス・キリストがこの世の人々の前に再び現れたことを記念する祝日です。フィンランドを含むヨーロッパ諸国では、公現祭を境にクリスマス期間が終わりを告げ、本格的な新年が訪れるとされています。
2月
友達の日(2月14日)
友達の日は、フィンランド版のバレンタインデーです。
バレンタインデーといえば、愛する人に日頃の感謝を伝える日として日本を含む世界中の多くの国々で親しまれていますが、フィンランドでは友人同士が互いの友情を尊重しあう大事な日として認識されています。
主な過ごし方は至ってシンプルで、親しい友人に花やメッセージカードを贈るだけです。
簡単なように聞こえますが、相手への感謝を形にして示すというのは想像以上に難しいものですよね。そんな心温まる出来事のキッカケとなる行事が文化として定着しているだなんて、とても素敵だと思います。
4月
聖金曜日
「受難日」または「受苦日」という別名でも親しまれる、キリスト教における祭日の一種です。
聖金曜日は、イエス・キリストの受難と死を記念する日で、イースター(復活祭)前の金曜日にヨーロッパをはじめ、南北アメリカ、アフリカなどの多くの国々で祝われています。
フィンランドでは、この日を含む5日間が「イースターホリデー」と呼ばれる休暇になるため、実家へ帰省したり、大型連休を利用して旅行する人も多いそうです。
イースター
イースター(別名:復活祭)は、イエス・キリストの復活を記念するキリスト教の重要行事です。一般に春分の日の後に訪れる最初の満月の次の日曜日に祝われているため、毎年日付が異なります。
キリスト教を国教として定めている国々で毎年盛大に祝われているイースターですが、各国の祝い方はそれぞれ異なり、独自の文化や歴史を反映した興味深い特徴を持ちます。
フィンランドでは魔法使いに扮した子ども達が近所の家のドアを叩き、「私は新鮮で健康な1年をもたらす小枝を持っています。この小枝を差し上げる代わりに何かをくれませんか」という言ってお菓子をもらうそうです。
また、ライ麦と麦芽を発酵させてペースト状にした真っ黒なお菓子「マンミ」、固めのチーズクリームのようなデザート「パシャ」、ラム肉のグリルなどを食べる習慣もあるそうで、イースターシーズンに欠かせない食べ物として親しまれています。
これらはイースターシーズンになると現地のスーパーによく並ぶので、旅行のついでにフィンランドならではの珍しい食品を試してみたいという方は要チェックです。
5月
メーデー(5月1日)
メーデーは、毎年5月1日にフィンランドを含む世界80ヵ国以上で祝われている、国際的な労働者の祭典です。
フィンランドでは、ヴァップ(Vappu)と呼ばれる春の訪れを告げる日としても親しまれており、暖かい日差しを浴びながら伝統料理とお酒を楽しむのが習慣です。
ヴァップを祝うのに欠かせないのが、微炭酸の発砲ハチミツ酒「シマ」とパリパリとした食感が特徴の揚げドーナツ「ティッパレイパ」です。例年、前日の夜からヴァップ当日にかけて盛大な盛り上がりを見せることで知られ、首都ヘルシンキを中心に賑やかなムードに包まれます。
昇天祭
昇天祭は、死後の復活を遂げたイエス・キリストが昇天した日を記念する国民の祝日です。毎年、イースター(復活祭)から40日目に祝われているため、祝日の日付が異なるのが特徴です。
聖霊降臨祭
聖霊降臨祭は、復活祭にあたる日から49日後に祝われるキリスト教徒にとって非常に重要な祝祭日のひとつで、国家の祝日として親しまれています。
これは、新約聖書のエピソードに由来するもので、イエス・キリストが復活および昇天した後に集まって祈りを捧げていた120人の信者の上に、神からの聖霊が降ったという出来事を記念しています。
6月
夏至祭前夜祭
夏至祭は、年間で最も日が長い日をお祝いする行事で、その年の夏至に最も近い土曜日に開催されます。
フィンランドでは、夏至祭の前日が国民の祝日として指定されているため、土日を含め3連休になります。現地では夏至祭前日に当たる前夜祭からお祭りムードに一色に染まり、夜遅くまで盛り上がります。
夏至祭に関わる連休は多くのお店が休業となるほか、タクシーや飛行機を除く公共交通機関も運休となる場合があるので、注意が必要です。
ヘルシンキデー(6月12日)
ヘルシンキ市の設立を記念して、1959年から毎年6月12日に開催されている全員主催・全員参加型のイベントです。
市内各所では各種屋台のほか、美術展示、音楽コンサート、演劇やダンスのステージ、映画上映、健康やスポーツに関連するアクティビティーなど、無料で参加できるイベントが数多く開催されます。
また、町の至るところに設置されるテーブルでは自由に飲食を楽しむことも可能です。ヘルシンキデーの公式サイトでは、時間や場所など各種イベントに関する情報が載っているので、気になるイベントを事前にチェックしておくと良いでしょう。
おしゃれな邸宅の庭をカフェとしてオープンしたり、フォトジェニックなブースが設けられたり、非常に自由で楽しいイベントです。
8月
エアギター世界選手権
フィンランド北部の街オウル(Oulu)で、1996年以降毎年8月に開催されている「オウル・ミュージック・ビデオ・フェスティバル」の一環として行われるユニークな大会です。
この大会はその名の通り、ギターを実際に演奏をするわけではなく、音楽のリズムに合わせて、あたかもギターを演奏しているかのように演じるパフォーマンスを競うもので、毎年世界中から多くのギタリストが集まって自慢の演技力を披露します。
「エアギター」と聞くと、EDMフェスティバルやコンサートといった類の音楽イベントと混同してしまいがちですが、同大会の趣旨は「MAKE AIR NOT WAR(戦争でなくエアーを作ろう)」であるため、あくまでも「エアギターを通して世界平和を願う」というのがテーマです。
会場の熱気と一体感は想像以上であり、1人ひとりのギタリストが創り出す世界観がとても魅力的なイベントなので、8月にフィンランドを訪れる場合はぜひ参加することをオススメします。
11月
諸聖人の日
諸聖人の日(別名:万聖節)は、カトリック教会の祝祭日のひとつで、すべての聖人と殉教者を記念する日として親しまれています。
フィンランドでは日本のお盆と同様に、家族や友人と共に墓地を訪れて死者に祈りを捧げる日として認識されており、多くの人々がお墓参りをします。毎年、日程が変わる移動祝日ですが、公共機関はもちろん、ほとんどのレストランやお店が休業となるので注意が必要です。
ピックヨウル
フィンランドではクリスマスの約1ヵ月前になると、気のおけない友人や職場の仲間と一緒に集まってピックヨウルを楽しみます。
ピックヨウル(Pikkujoulu)とは、フィンランド語で「小さなクリスマス」を意味するそうで、クリスマス当日を家族や親戚と過ごす習慣があるフィンランドで、プレクリスマスパーティーを楽しむ忘年会のようなニュアンスで親しまれています。
12月
独立記念日(12月6日)
フィンランドが1917年12月6日に、ロシア占領下から独立と完全自治を宣言したことを記念する国民の休日です。
第1次世界大戦および第2次世界大戦で、祖国の独立のために命を落とした人々を追悼する日でもあり、大統領官邸で各界の著名人が集う式典が催されるほか、戦没者への賛辞や礼拝、松明を持った行列によるお墓参りなどが行われます。
クリスマス(12月25日)
イエス・キリストの後誕を祝う日として世界中で広く親しまれている、キリスト教の伝統行事クリスマス。
日本では素敵なディナーやイルミネーションを大切な人と楽しむという文化が「クリスマスの定番」として定着しつつありますが、フィンランドでは家族や親戚と集まって大切な時間を共有するのが最も一般的な過ごし方です。
クリスマスシーズンのフィンランドは、町の至るところにイルミネーションが施されるほか、大きな広場ではクリスマスマーケットが開かれ、クリスマスの準備に欠かせない様々な雑貨を売るお店や軽食を提供する屋台でとても賑やかになります。
なかでも、首都ヘルシンキの元老院広場で毎年12月初旬から開催されているクリスマスマーケットは1949年から続く伝統を維持しており、ヘルシンキで最も歴史があるクリスマスマーケットとして知られています。
このクリスマスマーケットでは、クリスマスに関連する可愛い雑貨をはじめ、地酒や食べ物を販売するお店が毎年100軒以上出店するので、お土産を買うにも良いですね。
また、サンタクロースが毎日遊びに来たり、特設サウナが登場するなど、この国ならではの見どころもあるのでぜひ足を運んでみて下さい。
ボクシングデー
ボクシングデーは、かつて貧しい人たちのために教会へと寄付されたプレゼントがクリスマスの翌日に開けられていたことに由来する祝祭日で、クリスマス後に訪れる最初の平日に祝われています。
この日は、クリスマスに受け取ったプレゼントを開けることが出来るほか、街中ではクリスマスに売れ残った商品を中心に、衣料品、家電製品などを対象とした大規模なセールが行われるため、大変盛り上がります。
ボクシングデーと聞くと、思わずスポーツのボクシングを連想してしまいますが、ボクシング(Boxing)はクリスマスプレゼントのボックス(Box)から生じた単語です。
フィンランドでは、クリスマスと同様に公休扱いになるので旅行を計画する際は注意が必要です。
ルシア祭(12月13日)
ルシア祭は、フィンランドを含むスカンジナビア諸国、イタリア、アイスランド、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナで毎年12月13日に祝われている、ルター派の伝統行事です。
この祭りは、キリスト教が迫害されていた時代に全財産をつぎ込んで貧しい人々に施しを与えたことを原因に処刑された聖人、聖ルシアの聖名祝日を祝う祭と古くから北欧諸国に伝わる冬至の祝祭「光の祭り」が融合したものです。
ルシア祭当日は、午後17時に少女が1人選ばれ、ロウソクを立てた冠を頭にかぶり、白い衣を着て聖ルシアに扮します。ロウソクの灯は、「光の象徴」としても知られる聖ルシアを想わせるそうで、聖ルシアの後ろには精霊に扮した少女たちが続きます。
この伝統行事には、日照時間が短い北欧の冬に光をもたらすという意味が込められています。
首都ヘルシンキでは、午後18時からヘルシンキ大聖堂を起点に少女たちによるパレードが行われるので、この時期にフィンランドへ渡航する方はぜひ見学に訪れてみて下さい。
フィンランド観光の移動手段
フィンランド国内を観光するための主な移動手段は、国内線、鉄道、およびバスを利用するのが一般的です。その他にもレンタカーをはじめ、ボートやフェリーなどの「1,000の湖のある国」と呼ばれるフィンランドならではの交通手段も国内移動に便利な移動手段として用いられています。
なかでも、国内線、鉄道、バスは観光移動を目的に利用する方が多いので、詳細を以下に紹介したいと思います。
国内線
フィンランドの国内線は、首都ヘルシンキに位置するヘルシンキ・ヴァンター国際空港を拠点にフィンランド航空が国内各地へと就航しています。地方都市同士を結ぶ便はほとんど無いため、ヘルシンキ経由で移動するのが無難でしょう。
また、フィンランド航空のほかにも、LCC(ローコストキャリア)であるノルウェー・エア・シャトル(Norwegian Air Shuttle)がロヴァニエミやイヴァロなど国内数ヵ所へと就航しています。
鉄道
フィンランド鉄道(Valtionrautatiet)が、首都ヘルシンキを中心に国内各地の主要都市へと運行しています。
オウル(Oulu)以北は極端に路線が減るものの、国内の中部から南部エリアにかけて広くカバーしているため、観光での移動にとても便利です。
ヘルシンキからトゥルクやタンペレなどの人気観光地ヘ行く便は、1時間に1〜4本ほどあるので、鉄道を利用した日帰り旅行も良いでしょう。また、ロヴァニエミ、ケミ、オウル、タンペレなどの都市を経由する夜行列車も運行しているので、必要に応じて使い分けることをオススメします。
フィンランドでは鉄道乗り放題パスである「ユーレイルパス」を利用することが可能で、滞在日数や利用路線により、かなりお得に国内移動をすることが可能なので、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
【主な列車の種類】
最新式の高速鉄道ペンドリーノ(Pendolino)/座席指定制
特急列車インターシティー(Intercity)/座席指定制
急行列車エクスプレス(Express)/自由席または指定席を選択可能
各駅停車の普通列車レジオナル(Regional)/自由席のみ
バス
フィンランドでは、マトカフオルト社(Matkahuolto)やオンニブス社(Onnibus)をはじめとする複数のバス会社が国土南部や中部はもちろん、ラップランド地方まで広く路線を展開しています。
中部都市として知られるオウル(Oulu)以北は、鉄道よりもバスの路線が充実しているため、ロヴァニエミ(Rovaniemi)を拠点に移動するのが便利です。
ラップランド地方では、エスケリセン・ラピンリンジャット社(Eskelisen Lapin Linjat)やゴールド・ライン社(Gold Line)など複数のバス会社が運行していますが、冬季は減便する路線もあるため、事前に運行スケジュールを確認したうえで渡航することをオススメします。
また、首都ヘルシンキからロヴァニエミやサーリセルカまで行く夜行の直通バスもあるので、寝台列車の代わりに夜行バスを移動手段として選択するのも良いでしょう。
お得なフリーチケット
ヘルシンキカード
Helsinki Card (ヘルシンキカード)とは、フィンランドの首都ヘルシンキで観光客向けに発行されているお得な観光パスです。
パスの種類は主に3種類あり、利用可能な交通機関によって適用範囲や価格が異なりますが、ここでは最も一般的なヘルシンキカード(CITY)を紹介します。
パスの有効期限は、1日、2日および3日から選択することが可能で、有効期間中であればバス、トラム、地下鉄、スオメンリンナフェリーなどを含む、ヘルシンキ周辺の公共交通機関をはじめ、ヘルシンキの主要な観光スポットを巡る乗り降り自由の観光バス(Hop on Hop off Bus Tour)を無料で利用することができます。
また、以下に紹介する観光スポットや美術館の入場料が無料もしくは割引になる、ヘルシンキ観光に使えるガイドブックが無料でもらえるなど、嬉しい特典もあるので、ヘルシンキに位置する観光スポットをおトクに巡りたいという方には非常にオススメです。
ヘルシンキカード(CITY)の料金
- 1日券(24時間有効):大人 49ユーロ、子ども(7〜16歳)25ユーロ
- 2日券(48時間有効):大人 61ユーロ、子ども(7〜16歳)31ユーロ
- 3日券(72時間有効):大人 71ユーロ、子ども(7〜16歳)36ユーロ
主な購入場所
ヘルシンキカード公式サイト/旅行代理店/ホテル/観光案内所/ヘルシンキ・ヴァンター国際空港/主要な鉄道駅/フェリーターミナル
ヘルシンキカードを利用すると入場料が無料になる主な観光スポット
- アモス アンデルソン美術館(Amos Anderson Art Museum)
- デザイン美術館(Design Museum)
- デザイン美術館 アラビアコレクション(Design Museum Arabia)
- アテネウム美術館(Ateneum Art Museum)
- HAM ヘルシンキ市立美術館(HAM Helsinki Art Museum)
- フィンランド写真美術館(The Finnish Museum of Photography)
- マンネルヘイム博物館(Mannerheim Museum)
- フィンランド軍事博物館(Military Museum)
- シネブリュコフ美術館(Sinebrychoff Art Museum)
- 国立現代美術館キアズマ(Museum of Contemporary Art Kiasma)
- フィンランド建築美術館(Museum of Finnish Architecture)
- 科学技術博物館(Museum of Technology)
- フィンランド国立博物館(National Museum of Finland)
- スオメンリンナ博物館(Suomenlinna Museum)
- エーレンスヴァード博物館(Ehrensvärd Museum)
- 潜水艦ヴェシッコ号(Submarine Vesikko)
ヘルシンキカードを利用することで入場料が割引になる主な観光スポット
- ヘルシンキ自然史博物館(Natural History Museum)
- カイサニエミ植物園(Kaisaniemi Botanic Garden)
- ヘルシンキ動物園(Helsinki Zoo)
- アアルト・ハウス(The Aalto House)
- アアルトのアトリエ(Studio Aalto)
- ヴァンター航空博物館(Finnish Aviation Museum)
フィンランドのおすすめホテル10選
ラディソン ブル シーサイド ホテル ヘルシンキ (Radisson Blu Seaside Hotel Helsinki)
基本情報
【住所】Ruoholahdenranta 3, カンピ, ヘルシンキ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
ヒルトン ヘルシンキ エアポート (Hilton Helsinki Airport)
基本情報
【住所】Lentajankuja 1, Vantaa, ヘルシンキ ヴァンター 国際空港, ヘルシンキ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
ホテル インディゴ ヘルシンキ ブルバード (Hotel Indigo Helsinki-Boulevard)
基本情報
【住所】Bulevardi 26, エイラ, ヘルシンキ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
ラディソン ブル ロイヤル ヘルシンキ ホテル (Radisson Blu Royal Hotel Helsinki)
基本情報
【住所】Runeberginkatu 2, カンピ, ヘルシンキ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
スカンディック シモンケンタ (Scandic Simonkentta)
基本情報
【住所】Simonkatu 9, カンピ, ヘルシンキ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
クラリオン ホテル ヘルシンキ (Clarion Hotel Helsinki)
基本情報
【住所】Tyynenmerenkatu 2, ルオホラハティ, ヘルシンキ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
ノヴァ スカイランド ホテル (Nova Skyland Hotel)
基本情報
【住所】Tähtikuja 6, シヴァセンヴァーラ, ロヴァニエミ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】不可
ラップランド ホテルズ スカイ オウナスバーラ (Lapland Hotels Sky Ounasvaara)
基本情報
【住所】Juhannuskalliontie, オウナスヴァーラ, ロヴァニエミ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】可
ルカ スキー シャレー (Ruka Ski Chalets)
基本情報
【住所】Rukatunturintie 12, クーサモ, クーサモ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】不可
Hotel Yllasrinne
基本情報
【住所】Hotellintie 6, パロヴァーラ, ユッラスヤルヴィ, フィンランド
【Wi-Fi】全室Wi-Fi無料
【ペット】不可
フィンランドのおすすめ旅行プラン5選
よくある質問Q&A
飛行機でどのくらいかかりますか?
日本からフィンランドへは、直行便または第3国を経由する、乗り換え便を利用してアクセスすることが可能です。
日本から直行便を利用して行くことができる都市は首都ヘルシンキのみで、最短所要時間は9時間30分、第3国を経由する乗り継ぎ便を利用する場合は約18時間前後が目安です。
フィンランドの気候はどうですか?
フィンランドは、北半球の高緯度地域のなかでも四季の変化が比較的はっきりとしていて、長く寒い冬と短い夏の寒暖差が大きい、特徴的な気候を有することで知られています。
一般的に3〜5月が春、6〜8月が夏、9、10月が秋、そして11〜2月が冬にあたりますが、国土は南北に細長く、約3分の1が北極圏内に位置しているため、訪れる地域により気温や日照時間が大きく異なるのが特徴です。
北極圏以北のラップランド地方では、6〜7月を中心に太陽の沈まない「白夜」、12〜1月には太陽が昇らない「極夜」が訪れ、日照時間が短いシーズンを中心にオーロラを楽しむことが出来ます。
何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
フィンランド旅行の楽しみ方は訪れる時期により異なりますが、首都ヘルシンキやタンペレ、トゥルクなど、季節を問わない観光地を巡るのであれば、最低でも現地に4泊以上滞在するのが理想です。
ロヴァニエミやサーリセルカなどのオーロラリゾートも訪れるのであれば、さらに2〜3泊必要でしょう。
また、首都ヘルシンキとロヴァニエミまたはサーリセルカのみを訪れる場合でも、4泊以上の滞在日数を確保するのが望ましいです。
英語が話せないのですが、日本語が通じますか?
フィンランドでは英語が広く話されていますが、日本語はほとんど通じません。
現地でのコミュニケーションに不安がある場合は、日本語ガイドが同行する現地ツアーを予約すると安心です。また、ホテルやレストランでのコミュニケーションは翻訳アプリや指差し英会話の本を使用するとスムーズに行えるでしょう。