そもそもラオスってどんなところ?
ラオス基本情報
ラオスの正式名称は、「ラオス人民民主共和国」です。中国、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムの5ヵ国に囲まれており、東南アジアで、海に面していない唯一の内陸国です。国土の7割が山岳地帯で、豊かな自然が多く残されています。首都はビエンチャンで、熱帯性モンスーン気候に属し、5月~10月が雨季、11月~2月が乾季、3月・4月が暑季になります。
乾季は最低気温が15度前後、最高気温が30度前後と比較的過ごしやすい気候です。一方、暑季は最低気温25度前後、最高気温35度前後で、蒸し暑い日が続きます。雨季は、雨が多くなりますが、東南アジア特有の短時間のスコールなので、一時的な雨を凌ぐことができれば観光も可能です。
観光のベストシーズンは、晴天が多い11月から2月の間です。涼しくて過ごしやすい季節で、青空のもとでラオスの美しい自然を満喫することができます。
次に、ラオスで使うお金についてですが、ラオスは、アジアの中でも物価が安い国のひとつです。街中の食堂では、150~300円程度で食事ができます。観光客用のレストランでも500~700円程度で、宿泊施設も他のアジア諸国に比べ、とても安価です。ホテルや大きな商業施設ではクレジットカードも使用可能ですが、地方都市や小さな商店などでは現金が必要になります。
ラオス国内で流通している通貨は「ラオスキープ」で、タイバーツやアメリカドルも一般的に使われています。都市部には銀行や両替所、ATMがありますが、他の東南アジア諸国の観光地に比べて、格段に数が少ないです。そのため、ラオス入国前に、日本や経由地の空港等で、ある程度の金額をタイバーツもしくはアメリカドルに替えておいたほうが安心でしょう。
また、海外旅行の際に気になるのが、万一の場合の医療です。ラオスは医療水準が低く、日本と同等の医療を期待するのは、とても難しいのが現状です。万一、旅行中に大きなケガをしたり、病気になったりして、手術や高度な医療が必要な場合には、タイなどの医療が発達している近隣諸国に搬送されます。
その場合、治療費はかなり高額で大きな負担になります。ラオスを旅行する際は、事前に海外旅行保険に加入しておくことをおすすめします。
ラオスの歴史
ラオスは、長い歴史の中で、いくつもの大国に翻弄されてきました。ラオスの最初の統一王朝は、1353年のランサン王国で、1710年までの間、約350年間続きました。その後、王朝内の内部分裂により、3つの王国が誕生しました。 3つの王国が誕生すると同時に、タイやカンボジアに支配されることになります。
19世紀になり、東南アジアがフランスの支配下に置かれた際、タイの支配下にあったラオスの3王国は、これを機に独立しようとフランスと手を組みます。フランスがこの戦争でタイに勝ち、ラオスは独立を勝ち取る予定でしたが、 結果的にフランスの支配下に置かれることになります。
第2次世界大戦中には、日本やフランスに進駐され、隣国ベトナムでベトナム戦争が起きた際には、アメリカ軍の空爆を受けました。多くの大国に歴史を翻弄されてきたラオスは、ベトナム戦争終了時にようやく独立が承認され、国土が壊滅的な状況から「ラオス人民民主共和国」として新しい道を歩んでいます。
ラオス人の民族性
ラオスの国民は総称して「ラオ(ラオス人)」と呼ばれます。ラオス人は、住んでいる地域の標高によって分類されているという特徴があり、国民の7割は低地に住む「低地ラオ族」、元々の先住民族の「丘陵地ラオ族」、ラオスの中では新しい民族とされ、高地に住む「高地ラオ族」の3種別からなります。
国内には、少数山岳民族を含めると、およそ40~70ほどの民族が暮らしていると言われていますが、政府も正確な数は把握できていません。
ラオスは肥沃な大地に恵まれた穏やかな国で、ラオス人もとても穏やかな人が多いと言われます。あまり細かいことは気にせず、寛大な性格で、日本人から見ると、とてものんびりとした国民性に感じるかもしれません。
ラオスの主要民族であるラオ族は、仏教を信仰しています。タイやカンボジアなどの敬虔(けいけん)な仏教徒の多い国に比べると、信仰心はそこまで強くない印象ですが、日常的に托鉢僧(たくはつそう)に喜捨したり、お寺にお参りに行ったりします。
治安も比較的安定していて一人旅にもおすすめの国ですが、人気のない道や夜間の一人歩きはやめましょう。特に女性の一人旅の場合などは、安全のためにも専用のツアーに参加すると良いですね。
また、言語についてですが、主要観光スポット・空港や中級以上のホテルでは、英語が通じます。しかし、タクシードライバーや市場の店員さんなどは、あまり英語が通じない場合もあるので、その際はスマートフォンの翻訳機能などを活用しましょう。
定番スポット10選
パークウー洞窟
パークウー洞窟はルアンパバーンの定番観光スポットです。ルアンパバーン市内から、メコン川の上流約25kmの場所の、断崖絶壁にあります。洞窟は上下2ヵ所に分かれており、上がタムプン洞窟、下がタムティン洞窟と呼ばれています。
それぞれの洞窟の中には1,000体以上の仏像が並んでおり、場所によっては暗いところもあるので、懐中電灯などの灯りを持参したほうが良いでしょう。
パークウー洞窟自体は、さほど大きくないため、ここを観光するツアーは、途中の他の観光地をセットにしたものが多いです。洞窟へ行く途中の「バーンサンハイ」という酒造りの村に立ち寄り、ラオスのもち米でのウイスキー造りを見学するツアーが定番です。
また、クルーズ船でのランチがセットになっているツアーでは、船の上から、現地の子供たちが川で遊ぶ様子や、漁の風景など、ラオスの人の生活を垣間見ることができます。
パークウー洞窟へは、トゥクトゥクでもアクセスが可能ですが、せっかくの機会なので、クルーズ船で趣のある時間を過ごしてみるのも良さそうですね。
パトゥーサイ
パトゥーサイは、ビエンチャンの代表的な観光スポットのひとつです。正式名称は「アヌサーワリー・パトゥーサイ」で、街中のラーンサーン通りにあります。パトゥーはラオス語で「扉」や「門」を意味し、サイは「勝利」という意味です。
かつてのパテート・ラーオの戦いでの勝利にちなんで1960年から建設が始まりました。デザインは、パリのエトワール凱旋門を参考にしつつも、内部の装飾はラオスの伝統的な様式になっています。パトゥーサイは建設途中で資金難に陥り、現在でも未完成の状態です。
門の入り口まで行ったら、チケットを買って展望台まで登ってみましょう。8階までの階段を上がっていくと、途中で土産物店が並ぶフロアーがあり、さらに7階まで上がると、展望バルコニーにたどり着きます。展望台からは、ビエンチャンの街を一望することができます。
また、パトゥーサイの北側は、美しい噴水のある公園として整備されていて、ひとやすみにぴったりです。パトゥーサイ観光の際は是非立ち寄ってみましょう。
ワット・シーサケート
ワット・シーサケートは、ビエンチャンにある最古の寺院です。ビエンチャンの寺院の特徴的な建築様式である、赤い屋根とクリーム色の壁が組み合わさった外観で、とても落ち着いた雰囲気が漂います。他の寺院同様、18世紀以降の度重なる戦乱に巻き込まれ破壊されましたが、現在は16世紀の建設時と同じ姿に再建されています。
この寺院の特徴は、何と言っても寺院内に安置された合計6,840体もの仏像です。寺院内の回廊に約4,000体、そして本堂には2,000体ほどが安置されています。
中には戦争の被害で破壊されたままのものもあり、歴史を感じることができる貴重な観光スポットのひとつです。仏像や寺院内の装飾などをじっくりと見学しましょう。また、寺院の内部は撮影が禁止されているため、写真撮影は外からのみ可能です。
ワット・シェントーン
ワット・シェントーンは、ルアンパバーンを代表する寺院のひとつです。1560年、時の王様であったセーターティラート王によって建立された寺院で、メコン川とナムカン川の近くにあります。かつては王族の神聖な儀式の場として利用されていました。
この寺院は、ルアンパバーンで最も美しい寺院とされており「ルアンパバーン様式」と言われる優美な曲線の屋根が特徴的です。寺院本堂内には、黄金色の巨大な仏像が安置され、それを取り囲むように10体以上の大小の仏像が置かれています。また、本堂の裏側には、タイルで「生命の樹」のレリーフが描かれており、必見の美しさです。
この寺院には、もうひとつ珍しいものが展示されています。それは、初代ラオス国王であるシーサワーンウォン王の葬儀に使用された霊柩車です。なかなか見る機会のない貴重な展示物なので、是非見学してみましょう。
コーンパペンの滝
コーンパペンの滝は、ラオス南部のメコン川の中にあるラオス最大の滝です。その規模から、「東南アジアのナイアガラ」や「メコン川の宝石」などと呼ばれます。メコン川に大きくせり出した岩石の間を、水が豪快に流れ落ちる様子は圧巻。南部のパクセーからツアーがたくさん出ています。
滝の周辺は整備された公園になっており、川沿いに設置された展望デッキからは、滝の様子を見学することができます。公園内には、レストランやカフェ、土産物店があり、心地よい空気の中でゆっくりと過ごすことができます。
コーンパペンの滝に入って水遊びをしたり、泳いだりすることはできませんが、滝近くの岩場まで行くことができるので、迫力満点の滝を間近で見学してみましょう。
ルアンパバーン国立博物館
ルアンパバーン国立博物館は、かつての王宮が博物館として利用されています。そのため「王宮博物館」とも呼ばれます。館内には、王室で使用されていた貴重な調度品や家具をはじめ、王族が身に着けていた王冠や衣装、諸外国から贈られた品々が展示されています。
王族が実際に使用していた寝室やダイニング、書斎などが当時のまま残されており、かつての王室の暮らしぶりを垣間見ることができます。
博物館内は写真撮影禁止で、大きな荷物の持ち込みも不可のため、入口のロッカーに預ける必要があります。また、寺院同様、ノースリーブや丈の短いボトム、肌の露出の多い服装では入場ができないため、見学の際には注意が必要です。
また、ルアンパバーン国立博物館の入口から左奥の方へ歩いて行くと、国立劇場があります。国立劇場では、ラオスの伝統舞踊である「パーラックパーラム」を鑑賞することができます。公演は、週に4回、18時頃から行われますが、時期によっては公演されていないこともあるので、訪問前に確認してみましょう。
チケットは、国立博物館の敷地内のチケット売り場で購入することができます。ラオスでしか見ることのできない伝統舞踊を是非楽しんでみてはいかがでしょうか。
ブッダパーク
ビエンチャンの観光スポットの中で、少しユニークで注目を集めているのが、「ブッダパーク」です。街の中心部からから30kmほどのメコン川のほとりにあり、現地の人からは「クワンシアン」と呼ばれています。ブッダパークは寺院ではなく、仏像のテーマパークです。
このブッダパークは、60年ほど前に、宗教家かつ芸術家であるタイ人によって建設されました。敷地内には大小さまざまな200以上もの彫像が並べられ、不思議な世界観を作り出しています。一般的な仏教寺院ではまず見られない、どくろのモチーフが頭上に乗った仏像や、姿がアンバランスな涅槃物など、不思議な空気感が漂います。
ここでしか味わうことのできない不思議な世界観は、ビエンチャンの土産話の種になること間違いなしです。英語での音声ガイドもあるので、是非借りて観光してみましょう。
ワット・マイ・スワナ・プーン・ラーム
ワット・マイ・スワナ・プーン・ラーム、通称「ワット・マイ」は、ルアンパバーンにある寺院です。ラオス語で「美しい黄金の土地のあたらしいお寺」という意味で、5層の屋根が重なるルアンパバーン様式の美しい寺院です。50年以上の歳月をかけて18世紀末に完成したこの寺院は、街の中で最大の敷地を持っています。
この寺院は、ルアンパバーン博物館の前のシーサワンウォン通りから徒歩数分で、プーシーの丘・博物館に行く際に一緒に訪れると良いでしょう。寺院内の柱、天井、壁、仏像の細部まで、細かい装飾が施されているので、じっくりと見て回りましょう。暑い日でも、寺院内には、ひんやりと冷たい空気が漂っていて心地よい時間を過ごすことができます。
寺院の敷地内では、少年僧も多く暮らしています。女性は少年僧であっても声をかけたり、触れたりしてはいけないので、その点は注意しましょう。
タイ=ラオス友好橋
タイ=ラオス友好橋は、別名「ミッタパープ橋」と呼ばれます。タイとラオスを結ぶ唯一の橋で、1994年にオーストラリアの援助で完成しました。
橋を渡るには、国境橋専用のミニバスか車、電車を利用する必要があります。徒歩で見学したい場合は、橋の中間までは行くことができます。歩道は毎日8~17時まで開放されているので、眼下にメコン川を見下ろしながら、歩いてみるのもおすすめです。
ラオスとタイの出入国は、各国の橋に設けられたイミグレーションで可能です。陸続きの国境を超えるという、日本では味わえない経験をしてみるのも面白そうですね。なお、国境を超える場合はパスポートをお忘れなく。
コープ・ビジターセンター
コープ・ビジターセンターは、ベトナム戦争での被害者となった人々の救済を目的とした、非営利組織が運営するリハビリセンター内にあります。ラオスには、9年間に渡るベトナム戦争の際に、大量の爆弾が投下されました。その爆弾の被害で、手足を失ったり、視力を失ったりした人たちも多くいます。そのような人々を救済する団体が、爆弾や地雷に警鐘を鳴らす目的で作ったのが、コープ・ビジターセンターです。
センター内では、爆弾や地雷の展示を見たり、不発弾の地雷による被害の動画を閲覧できたり、戦争の怖さを目の当たりにすることができます。入場は無料ですが、義足や義手が必要な人々への寄付も受け付けているので、寄付をするのも良いかもしれません。
絶景!ラオスの雄大な自然に癒されるスポット6選
プーシーの丘
プーシーの丘は、街の中心部にある150mの小高い丘で、頂上からはルアンパバーンの街を一望することができます。上り口は街中に2ヵ所ありますが、街のメインロード側の方が分かりやすいでしょう。丘までは約300段ほどの階段が整備されており、それを上ると、「タート・チョムシー」という金色の仏塔があります。オレンジ色の袈裟を着た僧侶も度々見かけます。
ここは美しい夕日を鑑賞できるスポットとしても有名なので、天気の良い日の夕方に行くのがおすすめです。特に、乾季の夕暮れ時には、メコン川に沈む夕陽を見おろすことができるため、多くの観光客が集まります。
タート・クワーンシーの滝
タート・クワーンシーの滝は、ルアンパバーン市街地から約30km、車で1時間くらいの場所にあります。日帰りツアーに参加するか、トゥクトゥクを往復でチャーターして行きます。
ツアーはだいたい8,000円程度ですが、エアコンの効いた専用バンで送迎してくれます。トゥクトゥクは、街中で声をかければ、おおよそ1,500円から2,000円程度でチャーター可能です。
レンタルバイクでも可能ですが、滝へ向かう途中の道は山道でカーブが多く、舗装もされていません。観光客のバイクの転倒事故も時々起こっており、雨季には特に道路状況が悪くなるため、レンタルバイクで行く際には十分に注意しましょう。
滝へ続く遊歩道の入り口には、レストランやお土産物屋が並びます。食事をとってから滝へ向かうのも、帰りにゆっくり立ち寄るのも良いですね。遊歩道沿いの沢を見ながら進むと、タート・クワーンシーの滝に到着します。
高いところからたくさんの水が流れ落ちる様子は迫力満点で、その下にエメラルドグリーンの沢が広がります。冷たい水に入ることができるので、水着を忘れずに持参しましょう。
マイナスイオンたっぷりの滝の隣には、テラスが整備されているので、そこでのんびり過ごすこともできます。
ブルーラグーン
バンビエンに来たら絶対に訪れたいのが「ブルーラグーン」です。バンビエンでは外せない観光スポットで、バンビエンの旅行代理店で日帰りツアーを利用することもできます。エメラルドグリーンの美しい川に飛び込んで遊ぶことができるので、水着やタオルを持って行きましょう。
ブルーラグーンは、バンビエンの街から7〜8kmの場所にあるので、レンタルバイクやトゥクトゥクでも行くことができます。その場合、ブルーラグーンへ向かう途中の橋で通行料を支払わなくてはなりません。また、ゲートでは、入場料として10,000キップが必要です。
飛び込みができる場所は2ヵ所あり、高い場所と低い場所がありますが、あくまで自己責任なので安全には注意が必要です。ブルーラグーンでは、ライフジャケットの貸し出しもあります。川の周辺には屋台の飲食店もあるので、美しい景色を見ながらローカルフードを味わうのもおすすめです。
タート・ニュアンの滝
タート・ニュアンの滝は、ラオス南部のパクセーから40kmほどの場所にあります。ラオスではその美しさで有名な滝で、観光客だけでなく、休日にはラオス人も多く訪れます。
落差40mほどの滝を大量の水が流れ落ちる様は迫力満点。水しぶきに日光が当たり、虹がかかる光景は非常に幻想的です。滝までは遊歩道が整備されているので、マイナスイオンをたっぷり浴びながら、散策を楽しみましょう。
雨季は水量がとても多くなりますが、水量が少ない乾季には、滝つぼで泳ぐこともできます。乾季でも、特に水量が少ない時には、滝の上に立つことも可能で、タイミングよく訪れた人々は記念撮影をしています。
また、滝の上にはピクニックができるスペースもあるので、食べ物を持ちこんで屋外でのランチを楽しむのも良いでしょう。滝の入り口のレストランでテイクアウトも可能です。
タム・コーンロー洞窟
タム・コーンロー洞窟は、ラオス中部のカムアン県にあります。この洞窟は、川の侵食によって作られた全長7.5kmのラオス最大規模の洞窟です。切り立った山間にあり、その間を流れるヒンブン川をボートで通行することができます。
ビエンチャンから車で6時間ほど要するので、タム・コーンロー洞窟へ行きたい場合は丸1日確保する必要があります。ビエンチャンから日帰りツアーが出ていますが、出発が早朝のものが多いため、前日までに予約をしておきましょう。
ここに行ったら、絶対に体験したいのが、ボートでの洞窟探検ツアーです。暗闇の洞窟内をボートで進むと、ライトアップされた鍾乳石や石柱を見ることができます。光に照らされた鍾乳洞は、まさに幻想的な空間そのもの。
ボートはヒンブン川の上流で外に出ますが、そこは切り立った山々とジャングルに囲まれた秘境の地で、自然の雄大さを思う存分感じることができます。
ボートツアーでは、途中で川の中に降りられるスポットがあるので、水に濡れてもよいサンダルで行くことをおすすめします。また、衣類も乾きやすいショートパンツなどが良いでしょう。
シーパンドン
シーパンドンは、ラオス南部にあり、手つかずの自然が残りのどかなリゾート地です。ラオス語で、シーは4、パンは1,000、ドンは島を意味し、メコン川に浮かぶ4,000もの島々から成ります。
シーパンドンでは、のんびりとした暮らしと、手付かずの自然に惹かれ、20年ほど前から旅人が訪れるようになった「シーパンドン」。今ではドーン・コーン島や、ドン・デット島、ドン・コー島の川辺には、宿泊施設やレストランが立ち並び、多くの観光客が訪れます。
のんびり過ごすのもおすすめですが、シーパンドンには、自然を活用した様々なアクティビティがあります。大きな浮き輪に乗り、メコン川を下るチュービングや、島内のサイクリングなど、さまざまな楽しみがあります。
特に、絶滅危惧種の「カワイルカ」を見るカヤッキングは、ここでしかできない貴重な体験なので、是非参加してみたいプログラムです。小さな島の間をカヤックで進み、滝や雄大な自然風景を見ながら、イルカの生息ポイントまで進みます。ツアーは街の旅行代理店やホテルで手配可能です。
ラオスの仏教に触れられる寺院・遺跡5選
タート・ルアン
タート・ルアンは、ラオス仏教最高峰の寺院で、ラオスの象徴とも言われます。ラオス語で「大きな仏塔」という名前のとおり、高さ約45m、外壁の一辺約85mと、その大きさはラオス最大規模を誇ります。この寺院は、国章にも描かれており、仏塔の中にはお釈迦様の胸骨が納められていると伝えられ、ラオスの人々の深い信仰を集めています。
タート・ルアンは、紀元前3世紀、インドのアショーカ王に派遣された僧侶がインド様式で建立したと言われています。19世紀にタイに侵攻された際、一度破壊されたものの、修繕が施され現在に至ります。敷地内に入ることはできますが、寺院の内部に入ることはできないため、外側から見学しましょう。
タート・ルアンの隣には、ラオス仏教界最高位の高僧が住む「ワット・タートルアン・ヌア」があります。天井から絨毯に至るまで赤一色で装飾され、とても美しい宮殿です。毎年11月には、ここでタートルアン祭りが行われており、ラオス全土から多数の僧侶が集まります。お祭りの時期にビエンチャンを訪問する際は是非訪れてみたいですね。
ワット・ホーパケオ
ワット・ホーパケオは、1565年に建設された寺院です。その後、タイに2度侵攻された際に破壊されましたが、1930年代にフランスにより再建されました。この寺院は、ラオスの国宝であった「エメラルド仏」を安置するための王室寺院として建立されましたが、タイが侵攻時にエメラルド仏を持ち去り、現在は博物館として利用されています。
寺院自体は大きくなく、内部にされている仏像彫刻も20分ほどで見学できます。ビエンチャンの観光名所でもある「ワットシーサケット」の近くなので、セットで訪問してみると良いでしょう。ワットホーパケオは、年中無休ですが、12時~13時が休憩時間で入場ができなくなってしまうため、行く際は注意しましょう。
ワット・プー
ラオスには2つの世界遺産がありますが、そのうちのひとつは、パクセーにあるワット・プーです。ワット・プーは、カンボジアのアンコール・ワットより古く、時のクメール王朝が5~13世紀に築いたと言われています。当時はヒンドゥー教寺院でしたが、現在は仏教寺院として、ラオスの人々や近隣諸国の仏教徒の信仰を集めています。
毎年1月〜2月には、ワット・プー祭が開催され、1年の中で最も賑わいを見せます。5日間で、およそ10万人もの観光客がパクセーを訪れます。僧侶の托鉢の様子や、王朝時代の行列を再現したパレードなどが行われます。
ワット・シームアン
ワット・シームアンは首都ビエンチャンにあり、ラオス人から絶大な支持を得ている寺院です。観光客はあまりおらず、ラオス人の普段の生活やお祈りの様子を見ることができます。このお寺は、「シー」と言う女性が祀られている珍しいお寺です。
その昔、この寺院の建設の際、大きな石が出現し、全く動かず、寺院建設が進まない状況になったそうです。その時、ある妊婦が自らを犠牲にして飛び込んだところ、石が穴の中へ落ちていったのだそうです。その女性が、寺院に祀られている「シー」という女性で、その勇敢さから今も崇められており、多くの女性が参拝する寺院となっています。
寺院内には、色鮮やかな数々の仏像が安置されており、本堂の外壁には緻密なデザインのレリーフが施されています。また、本堂の中には持ち上げると願いが叶うと言われている石があるので、この寺院を訪れた際には是非試してみたいですね。
ワット・ シェンムアン
ワット・ シェンムアンはルアンパバーンにある寺院です。国立博物館のわき道を入ったところにある、比較的小さなお寺です。敷地も広くなく、寺院としての規模は決して大きくはありませんが、本堂には描かれている美しい壁画は必見です。境内には、洗濯された僧侶の袈裟が広げて干してあったりと、僧侶の生活を垣間見ることもできます。
ルアンパバーンには、街中に小さな寺院が多く点在しています。小さな路地を入って、ガイドブックにはないような寺院を発見し、それぞれの寺院の仏像や建築細工を見比べるのも、ラオス旅行の楽しみ方のひとつかもしれません。
ローカルの雰囲気たっぷり!ラオスのショッピングスポット3選
タラートサオ・モール
タラートサオ・モールは、ビエンチャン市街のショピングエリアにある市内最大のショッピンングモールです。タラートサオ・モール1、タラートサオ・モール2、そしてモール2をコの字に取り囲む旧棟の3つの建物で構成されていて、内部には様々なテナントが入っています。
ノング・チャン市場のような生鮮食料品は扱っておらず、生活雑貨や衣類、貴金属、お土産物のお店が並びます。「シン」と呼ばれるラオス人女性の民族衣装も売られているので、見に行ってみると良いでしょう。ラオスらしい小物や、Tシャツなどの衣類は、お土産物にもぴったりです。
また、モール1にはフードコートが入っていて、お昼時や休日には地元の人々で混雑しています。ショッピングとローカルフードを楽しむには最適の観光スポットです。
ノング・チャン市場
ノング・チャン市場は、ビエンチャン市内にあるラオス最大の市場です。野菜や肉などの生鮮食料品から調味料、生活用品、衣服や靴などが所狭しと並べられています。市場内へ一歩足を踏み入れれば、そこには迷路のような道が続き、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうことも。しかし、歩き続ければ必ず場外にでることができるので、心配せずに買い物を楽しみましょう。
この市場は、買い物に来る地元の人で一日中賑わっており、市場の中ではリアルなラオス人の生活風景を垣間見ることができます。場所は、タラートサオ・バスターミナルの近くで、市内循環バスで気軽にアクセス可能です。早朝から16時ころまで開いています。
ダオファン市場
ダオファン市場は、パクセー中心部にあるラオス国内でも最大級の市場です。、肉や魚、野菜、果物などの生鮮食料品のほか、パンや軽食なども売られています。Tシャツやサンダル、バッグなどの衣類や民族衣装や、ハンドメイドのアクセサリーなどもあり、手ごろな価格でお土産を購入できます。
ダオファン市場内にはフードコートもあり、ラオスのローカルフードを楽しむことができます。市場全体は、かなり広いため、迷子になってしまうほど。また、お店が密集していて暑いため、水分補給をしながらショッピングを楽しみましょう。
失敗なしのラオス定番お土産
ティップ・カオ(竹籠)
ティップ・カオは、ラオスのもち米「カオニャオ」を入れるための竹製のカゴです。蒸したカオニャオの湿度と温度を保つのに最適な入れ物とされており、本来は食事の際に使うものですが、利便性の高さからお土産物としても販売されています。
大きなものから小さなものまで、サイズもさまざまで、ふた付きのものや、カラフルに装飾されたものなど、色々なタイプがあります。アクセサリーなどの小物を入れたり、お菓子を入れたり、工夫次第で色々な用途に使えます。こぶりのティップ・カオに、お土産を入れて渡しても喜ばれそうですね。
ハーブティー
ラオスでは、料理にハーブを日常的に利用したり、ハーブサウナに入ったりと、ハーブが生活に根付いています。ハーブティーも人気で、珍しい青い色の「バタフライピーティー」をはじめ、「レモングラスティー」「ハイビスカス・ティー」など、さまざまなハーブティーが売られています。
パッケージもおしゃれなデザインのものから、ラオスらしい自然素材の麻布に包まれたものまで、バラエティ豊かです。街中のお土産屋さんだけでなく、マーケットやナイトバザールでも購入できます。軽くてかさばらず、誰にでも喜ばれ、かさばらず日持ちがする商品なので、お土産にぴったりですね。
コーヒー
ラオスは、有名なコーヒー生産国です。以前は、コーヒー豆の中でも「ロブスタ種」と呼ばれる品種中心の栽培でしたが、近年はロブスタ種、アラビカ種が半々ほどの割合で生産されています。ロブスタ種のコーヒーは、とても濃い味のコーヒーで、まろやかなアラビカ種に慣れている日本人には、新鮮な風味に感じられ、珍しいと喜ばれるお土産です。
街中のスーパーや土産物店、露店や市場でも購入でき、お土産用に竹籠や麻布の可愛いパッケージになっているものもあります。値段は種類によっても異なりますが、1パック約400円程度です。
布小物
市場やナイトマーケット等でも気軽に購入できる布小物は、お土産にもぴったりです。ポーチやエコバッグ、クッションカバーなど、山岳民族の伝統的な刺繍が施してあるものや、象の模様がプリントされているものなど、ラオスならではのデザインのものがたくさん売られています。
店先で、刺繍や縫物をしながら販売している人も多いので、その様子を見学するのも楽しいですね。ファスナーポーチの取っ手部分に、好きなボンボンをつけてくれたりもするので、好みのものを選んでお願いしてみましょう。お土産用にまとめ買いすれば、多少値引きしてくれる場合もあります。
シン
ラオス女性は、伝統的な民族衣装の巻きスカート「シン」を日常的に着用します。市場で好きな模様の布を購入して、シンをオーダーで作ることも可能ですが、ナイトマーケット等でもレディメイドの「シン」を気軽に購入できます。隣国の東南アジア諸国にも似たような巻きスカートがありますが、国によってデザインや模様が異なります。
シンは、素材や色、模様も様々で値段もピンキリです。ラオスは暑い国なので、基本的に「シン」は涼しく過ごせる素材でできています。ラオス滞在中に着用するのもおすすめです。ラオスならではの鮮やかな色彩のシンがたくさんあるので、旅の思い出にご自分やご家族用に1枚購入してみてはいかがでしょうか。
ホホバオイル・ココナッツオイル
ラオスでは、ホホバオイルやココナッツオイル製品が多く作られています。ホホバオイルは保湿力がとても高く、日本ではかなり高価ですが、ラオスでは半額以下で購入可能です。フェイスオイルやヘアオイル、ハンドクリームやボディソープ、シャンプーなど色な製品が手に入ります。
また、コールドプレス製法のココナッツオイルは、食用としてはもちろん、髪や肌の手入れにもぴったりです。シンプルなココナッツオイルだけでなく、ホホバオイル同様、様々な加工製品が出ているので、マーケットや土産物店で探してみましょう。お土産にも喜ばれます。
塩
ラオスは、海に面していない国であるにも関わらず、塩の生産が盛んです。首都ビエンチャンの北部、バンクンには大規模な塩工場もあります。ラオスの塩は、岩塩層からくみ上げられた地下水で作られています。天然塩のまろやかな風味で、知り合いに配るにも、自宅用にもおすすめのお土産です。
土産物店では、きれいにラッピングされた塩が売られています。おおよそ、200グラム100~150円程度で、シンプルな塩だけでなく、唐辛子入りのものやパクチー風味など、ラオスらしいフレイバー塩もあります。いろいろな種類を購入して、プレゼントする相手に選んでもらうのも良さそうですね。
ラオラオ
代表的なラオスのお酒は、「ラオラオ」という蒸留酒です。カオニャオ(もち米)を発酵させ、蒸留したもので、アルコール度数は40パーセント以上もあり、日本の泡盛のような味わいです。ラオラオには色々な種類があり、原料となるお米によって味や価格変わります。スーパーマーケットや街中の商店でも購入できます。
口当たりがよく、日本の焼酎や日本酒が好きな方には喜ばれること間違いなしです。旅行中に何種類か飲み比べてみて、好みのものを購入するのも良いかもしれません。レストランやホテルでもメニューに取り入れています。しかし、瓶入りで重いことと、免税の範囲には注意が必要なので、購入の際には注意しましょう。
ラオスへの主要エリアからのアクセス・所要時間
日本からラオスへの直行便はなく、周辺国で乗り換えが必要です。ベトナムのハノイやタイのバンコクを経由するのが一般的な行き方です。ラオスの2大観光都市であるビエンチャンとルアンパバーンの両方へ行く場合は、ラオス国内線を利用する必要があります。
日本⇔ビエンチャン
出発空港によって、経由地がハノイ、バンコクもしくはソウルになります。出発日や搭乗時間から、最も利便性の高いエアラインを選びましょう。乗り継ぎのタイミングによっては、所要時間が大幅に長くなる場合があります。旅程に余裕のない場合は、乗り換え時間の短いものを利用しましょう。
また、各エアラインの乗り継ぎ便を利用すれば、経由地で出入国やチェックインをする必要はありませんが、別々のエアラインを利用すると、経由地で出入国とチェックインが必要になる場合があります。そうなると、かなり余裕を持って時間を設定する必要があるため、できるだけ乗り継ぎ便の利用をおすすめします。
【成田・羽田・中部・関西⇔ハノイ⇔ビエンチャン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約8時間30分~10時間
【 福岡・中部⇔ソウル⇔ビエンチャン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約12時間
【成田・羽田・中部・関西・札幌⇔バンコク⇔ビエンチャン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約9時間30分~12時間
日本⇔ルアンパバーン
出発空港によって、経由地がハノイ、バンコク、ソウル、シンガポールになります。出発日や搭乗時間から、最も利便性の高いエアラインを選びましょう。ビエンチャン観光も組み込む場合は、どちらの都市に先に行くほうが効率的に移動できるか、なども含めた周遊プランも考えておくと良いですね。
【成田・羽田・中部・関西⇔ハノイ⇔ルアンパバーン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約8時間30分~10時間
【成田・羽田・中部・関西⇔バンコク⇔ルアンパバーン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約9時間30分~12時間
【福岡・中部⇔ソウル⇔ルアンパバーン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約12時間
【中部⇔シンガポール⇔ルアンパバーン】
乗り継ぎ便利用で所要時間は約12時間
ラオスへ就航している航空会社
日本からラオスへは直行便がないため、原則乗り換えが必要です。
チェジュ航空
ベトナム航空
シンガポール航空
バンコクエアウェイズ
タイ国際航空
ジンエアー
エアアジア
中国東方航空
ラオス観光の移動手段
ラオス国内では、交通手段がまだまだ整っていないところも多くあります。旅程や予算に合わせて、自分に最適な移動手段を選びましょう。
長距離移動
長距離移動の場合、飛行機とバスがメインの移動手段になります。飛行機はビエンチャン、ルアンパバーン、南部の都市パクセーを結ぶ3路線が主要で、その他の都市に行く場合には基本的にバスやカーチャーターを利用することになります。ラオス観光では、ビエンチャンとルアンパバーンを周遊するプランが多いと思いますが、この2都市間の移動には飛行機がおすすめです。
ビエンチャンールアンパバーンの移動時間は飛行機で40分、バスでは9時間程度です。短時間で移動できる一方で、飛行機は移動費用が高くなりますが、どうしても予算が厳しいという場合を除いて、飛行機を選んだほうが良いでしょう。
ラオス国内の道路事情は決して良くない上に、山道を走る時間が長くなります。山道も日本のように舗装されているわけでないので、場合によっては通行が危険な場合もあります。
短距離移動
ビエンチャンでの移動手段は、主にバス、トゥクトゥク、レンタルバイクやレンタル自転車の4つの手段があります。
- バス
バスは価格が安く、ビエンチャン市内を広く網羅しているので、とても便利です。バスは大きく分けて2種類で、大型バスと「ドイサン」と呼ばれる乗り合いバスがあります。どちらのバスを利用しても価格は同じです。
ビエンチャン市内のバス路線は全部で14路線あり、利用する路線によって料金が異なります。観光客向けにバスの路線マップも配布されているので、1部手に入れておくと安心でしょう。
- トゥクトゥク
ラオス国内にはタクシーが多くないため、トゥクトゥクも主要な移動手段のひとつです。特にビエンチャン以外の都市では、タクシーがないため、トゥクトゥクがメインの移動手段になります。トゥクトゥクはタクシーと異なり、メーター制ではなく毎回乗車の度に価格交渉をする必要があります。
観光地では、周辺で客待ちをしているトゥクトゥクも多いですが、外国人相手には高額な乗車料金を要求してくるドライバーもいるので、注意が必要です。
- レンタルバイク・レンタル自転車
ビエンチャン、ルアンパバーンなどの観光客が訪れる都市は、比較的こぢんまりしているため、移動の際にはレンタルバイクやレンタル自転車が便利です。市内には、レンタルバイク店も多く、観光客でも気軽に借りることができます。
ただ、ラオスの道路は舗装されていない場所も多く、また日中はかなり気温が上がるため、運転の際には注意が必要です。バイクは半日600円ほどで借りることができますが、デポジットとパスポートが必要なので忘れず持参しましょう。
ラオスの年間イベント情報
1月
新年
ラオスでは、他の東南アジア諸国同様、4月の最も暑い時期に新年を迎えます。そのため、西暦の1月1日にあたる正月を「国際的な正月」と呼び、4月に行われるラオスの正月を「ラオス正月」と呼んで区別しています。
大きなイベントは特段行われませんが、近年は若者を中心に、街中でカウントダウンを楽しむ風潮があります。若者が街中のレストランやバーに集い、爆竹を鳴らしたり、花火を打ち上げたり、普段より賑やかな夜になります。
2月
象祭り
ラオスのサイニャブリー県は「象の楽園」と言われるほど多くの象が生息しており、その数はラオス全土の約75%に上ると言われています。2007年には、サイニャブリー県「ラオス象保護センター」が作られ、毎年2月には象祭りが行われています。
象祭りは県内の大きな会場で開催され、ラオス人だけでなく、多くの観光客が訪れます。象使いとして生計を立てている少数山岳民族の人々が、象を操って技を披露したり、象乗りを体験したりできます。会場で販売されているサトウキビやバナナを購入すれば、象に直接あげることができるなど、大人も子供も楽しめるイベントが盛りだくさんです。
サイニャブリー県へは、ルアンパバーンから車で2時間ほどで、象祭り会場近くには宿泊施設も整備されています。2月にラオスを訪問する際は、サイニャブリー県へ足を伸ばしてみるのもおすすめです。
4月
ラオス正月
ラオス正月は、毎年4月中旬に3日間行われます。伝統的な行事は旧暦に基づいて日程が決まるため、年によって日にちが異なります。ラオス語で「ピーマイ・ラーオ」と呼ばれていて、日中の気温が40度を超す日もある時期ですが、ラオス全土で盛大に新年の祝賀行事が行われます。
ラオス正月も期間中、ラオスの人々は寺院に参拝し、家族や親せきが集い食事を囲んで新年を祝います。旧年中の不幸や不運を洗い流すという意味を込めて、水をかけ合います。街中では水かけのイベントも多く開催され、路上を歩いているだけでも、びしょ濡れになります。ラオス全土がお祭り騒ぎで盛り上がります。
7月
カオパンサー
カオパンサーは、ラオスの仏教行事のひとつです。「カオ」はラオス語で「入る」、「パンサー」は「雨季」で、雨季に入ることを意味します。毎年、旧暦8月の十五夜の日がカオパンサーにあたり、この日から3ヵ月の雨季の間、寺院の僧侶たちは、外出をせず寺院内で修行に励みます。
この期間、ラオスの人々は結婚式などのお祝い行事を控えたり、敬虔な仏教徒は飲酒を慎みます。カオパンサーの日は、基本的にラオスでは仕事が休みになるので、官公庁などは開いていません。
ラオスの人々は早朝から食品や日用品を携えて、近所の寺院へ喜捨をしに行きます。女性は伝統衣装であるシンを着用し、男性は長ズボンに肩かけ布のパービアンを着用します。寺院には多くの人々が集まり、ろうそくやお花を供えたり、説法を聞いたりして、祈りを捧げます。
10月
ブン・オークパンサー
ブン・オークパンサーは、カオパンサーの終了を祝う仏教の伝統行事です。ラオスでは毎年10月の満月の日がブン・オークパンサーにあたります。カオパンサーの期間に自粛していた結婚式などのお祝い事は、この日以降に開催されるため、お祝い事が増える時期でもあります。
ブン・オークパンサー当日は、ラオス全土で早朝から大規模な托鉢が行われます。夜には、川の龍神様を祀るため、きれいな花やろうそくで装飾された灯篭(とうろう)やライトアップされたボートが、メコン川に浮かびます。
川沿いでは、コムローイと呼ばれるランタンを打ち上げる人も多く、川の水面と空に浮かぶ無数の灯りが一面に広がる景色は、とても幻想的です。
ボートレース祭
ボートレース祭りは、ラオス各地でブン・オークパンサーの翌日に行われる行事です。ビエンチャンやルアンパバーンなどの観光地でも開催されるので、観光客も見学できます。
国内各地のメコン川を会場に、早朝から多くの人が集います。川ではラオス各地から集まった多くのボートが、トーナメント戦で競います。スポンサー企業の協賛ブースでは抽選会が行われたり、食べ物の屋台もずらりと並ぶので、お祭り気分を楽しむことができます。
ボートレース期間にラオス旅行をする場合は、現地の人々に混ざって楽しむのも良さそうですね。なお、メコン川周辺は日陰がないため、紫外線対策の帽子やサングラスを忘れず持参しましょう。
11月
タート・ルアン祭り
タート・ルアン祭りは、ビエンチャンのタート・ルアンで毎年11月の満月の日に行われるお祭りです。 ラオスの仏教徒にとって最も大切な行事のひとつとされていて、ラオス最大の祭典とも言われます。
お祭り当日の1週間ほど前から、会場となるタート・ルアン周辺には多くの露店が並び、タート・ルアンも美しくライトアップされます。ラオス各地から、僧侶や敬虔(けいけん)な仏教徒の人々が集まり、最終日には大規模な読経と托鉢が行われます。
お祭り期間中は、ラオス全土から約30万人もの人が集い、会場周辺の道路は大混雑します。タート・ルアンは旅行者にとっても外せない観光スポットですが、ゆっくり見学したい場合は、お祭り期間中は避けたほうが良いかもしれません。
12月
モン正月
ラオスには、1月の西暦の正月・4月のラオス正月の他にも、各民族独自の正月があります。12月は、ラオス人口の約1割を占めるモン族の正月があります。モン族の新年が明けてから3日間は、各家庭内にとどまり、様々な伝統行事を行います。
正月の間は、モン族は伝統的な衣装に身を包みます。女性たちの手によって緻密な刺繍が施された、色鮮やかな民族衣装は一見の価値があります。町や村の広場には民族衣装をつけた女性たちが集まり、正月の伝統行事である「まり投げ」を行います。また、闘牛や伝統舞踊を舞うなどのイベントも行われます。