ミャンマーってどんなところ?
ミャンマー基本情報
ミャンマーは東南アジアに位置し、バングラデシュ、インド、中国、ラオス、タイの5ヵ国と国境を接しています。日本との時差はマイナス2時間30分で、南北に長い地形をしています。
ミャンマーは多数の民族から成り立っています。ビルマ族、モン族、シャン族、カチン族、カヤー族、カレン族、チン族、ラカイン族の8つの民族が多くを占めます。少数民族を合わせると135もの民族がいると言われていて、中には独自の文字や言語を使う民族もいます。さらに、中国からの華僑やインドからの印僑、イスラム教徒もいるため、信仰宗教も多岐にわたります。
ミャンマーの首都はかつてヤンゴンでしたが、2006年にネピドーに移転しました。しかし、今でもミャンマーで最大の都市はヤンゴンです。ネピドーは首都として開発が進みつつありますが、観光資源もないため、観光客が行くことはあまりない都市です。
ミャンマー国内での公用語はビルマ語ですが、英語も通じます。特に都市部や観光地、ホテルやショッピングセンターなどでは英語での会話が可能な場所が多いです。地方や小さな露店などでは、英語が通じない場合もありますが、買い物や食事程度であれば、身振り手振りで伝えることが可能でしょう。
次に通貨についてですが、ミャンマーで流通している通貨は「チャット」です。日本国内では、チャットに両替することができないため、現地到着後に両替する必要があります。チャットに硬貨はなく、紙幣のみが利用されています。紙幣は50、100、200、500、1,000、5,000、10,000チャットの7種類です。
ヤンゴンの空港にはいくつも両替所がありますが、日本円に対応しているところが非常に少ないです。時間帯によっては日本円対応をしている両替所が閉まっていることもあるので、事前に日本で米ドル等に両替しておくのが安心です。
ヤンゴン市内の両替所でも日本円対応をしているところが少ないため、旅行中に必要と思われる現金は、予め日本である程度の金額を米ドルにしておきましょう。
ミャンマーの歴史
ミャンマーでは近年、急速な民主化と経済改革が進んでいます。ミャンマーの歴史は、11世紀半ばにビルマ族によりバガン王朝が成立したところから始まります。その後、タウングー王朝やコンバウン王朝を経て、1800年代にイギリスとの間に3回に渡り「英緬戦争」が起こります。
戦争での敗北により、19世紀にはイギリス領となりました。その後、アウン・サン将軍率いるビルマ軍により、1948年にビルマ連邦として独立を果たしました。アウン・サン将軍暗殺後、ビルマ連邦社会主義共和国が発足し、ミャンマーは社会主義国家としての道を歩み始めます。しかし、1988年以降、国民的規模の民主化運動が起こり、国内情勢は非常に不安定になりました。
故アウン・サン将軍の娘であるアウン・サン・スーチー氏を中心に、民主化運動が進められますが、政府と民主化推進派との衝突は長く続きました。現在、長年にわたる軍事政権は幕を閉じ、アウン・サン・スーチー氏が率いる民主派政権が誕生しました。
ミャンマー人の民族性
ミャンマー人の9割は、敬虔(けいけん)な仏教徒です。また、ミャンマー人の13%が僧侶で占めていると言われており、僧侶の数は約800万人にものぼります。また、ミャンマー人は、仏教修行のために人生で2回出家すると言われています。ミャンマーの人々は、日常的に寺院へお参りをし、祈りをささげます。
観光の際、寺院を訪れる人も多いでしょう。その際、敬虔な仏教国であるミャンマーの慣習をしっかり守って見学する必要があります。まず身に着けるものですが、肌を露出しすぎない服装が必須です。短パン、ミニスカート、タンクトップなどでは、立ち入り不可の寺院も多くあります。 また、ミャンマーでは、原則裸足で寺院に入ります。靴はもちろん、靴下やストッキングも脱がなくてはならないので、サンダルなどの着脱しやすいものが良いでしょう。
ミャンマーの伝統的な暦は1週間が8日の「ビルマ暦」です。人々は、このビルマ暦をとても大切にしており、寺院参拝の際は、最初に自分の誕生曜日の祠にお参りします。せっかくミャンマーに行くなら、日本では経験できないミャンマー式の参拝を経験してみるのも良いですね。参拝前に、自分の誕生曜日をチェックしてみましょう。
ミャンマーの都市と特色
ヤンゴン
ヤンゴンは、ミャンマーの旧首都です。ミャンマー全人口の15%、約700万人もの人々が暮らすミャンマー最大の都市です。ヤンゴンは、軍事政権崩壊後のヤンゴンは、経済の中心地として急激な成長の最中にあります。ホテルやショッピングモール、高層オフィスビルなどの建設ラッシュで、海外の企業も多く進出しています。
ミャンマー最大の空港もあることから、多くの観光客はヤンゴンを訪れることになります。観光名所も多く、寺院やパヤー(仏塔)はメインの観光スポットとして有名です。また、ヤンゴンは、東南アジアで最も多くの植民地時代の建物が残されている街です。イギリス統治時代のコロニアル建築の建物が、ホテルやカフェになっていたり、現役のオフィスビルだったり、インスタ映えすると話題のスポットもたくさんあります。
敬虔な仏教国であるミャンマーは、比較的治安が良い国と言われていますが、ヤンゴンなどの大都市では外国人観光客が犯罪に巻き込まれることもゼロではありません。夜のひとり歩きや、人気の少ない場所へ行くのは、できるだけ控えたほうが良いでしょう。
マンダレー
ミャンマーのほぼ中心に位置するマンダレーは、ミャンマー第2の都市です。ミャンマー最後の王朝が置かれた王都で、現在も多くの歴史的建造物や遺跡が残されています。ヤンゴンと同様、急激な経済発展を遂げながらも、古い歴史を守る息遣いの感じられる都市です。
マンダレーの北東側には、マンダレーヒルと呼ばれる小高い丘があります。ここは、ミャンマーの国民にとって最も神聖な場所で、ミャンマー人からの信仰を集めています。この丘のふもとには、碁盤の目に整備された、日本でいう城下町が形成されています。のんびりと古都の雰囲気を味わうことができます。また、マンダレーにある寺院や宗教施設は700を超え、信仰の中心として栄えています。
観光客からも人気の高いマンダレーですが、日本からは直行便がないため、ヤンゴンや近隣諸国で乗り継ぎをして行く必要があります。そのため、ヤンゴンで1〜 2日観光をしてからマンダレーへ移動するという旅程が一般的です。
定番スポット10選
シュエグーヂー寺院
シュエグーヂー寺院は、バガンにある寺院です。シュエグーヂーは「黄金の洞窟」を意味し、1131年に、アラントゥ王によって建てられました。この寺院には、約900年前に作られた木製扉があり、その扉には繊細なデザインが彫刻されています。
また、2階のテラスからは、アーナンダ寺院やタビィニュ寺院など、バガンの壮大な景色を見渡すことができます。このテラスから眺める朝日や夕日は、とても美しいので、早朝や夕方に訪れるのがおすすめです。
チャイプーン・パヤー
ミャンマーの古都のひとつであるバゴーは、ヤンゴンから北東に約70キロメートルの場所にあります。チャイプーン・パヤーは、ヤンゴンとバゴーを結ぶ幹線道路沿い、バゴーの中心部から4~5キロメートルのところにあります。
チャイプーン・パヤーは、高さ約27メートルもある四面仏です。1476年に、モン族の王によって建造されたとされています。4体の仏像は、同じような姿形で、いずれも化粧を施したような艶やかな容姿をしています。
この仏像は、4人のモン族女性がモデルになったとされており、このうち1人でも結婚をしたら、仏像が壊れると言われていたそうです。実際1人が結婚し、本当に1体の仏像が壊れたという伝説が残されています。
ヤンゴン市庁舎
かつてイギリスの植民地だったミャンマーには、その時代に建てられた建物が多く残されています。特にヤンゴンには、歴史的価値の高い貴重な建物が数多くあり、東南アジアで最も植民地時代の建築が多く残る街といわれています。
ヤンゴン市庁舎もそのひとつで、ミャンマーの近代建築家であるウーティンが設計したものです。緬洋折衷様式と呼ばれる、ミャンマーとイギリスの両方の建築様式が取り入れられた建物です。白亜の大きな建物は、ヤンゴン官公街でもひときわ目立ち一見の価値ありです。スーレー・パヤーのすぐ近くにあるので、観光ルートに入れてみましょう。
インレー湖
インレー湖は、標高800メートルの高地に位置し、長さが22キロメートル、面積が43.5平方キロメートルもある広大な湖です。ヤンゴンから高速バスで10時間以上かかりますが、どこまでも続く巨大な湖と、周囲を囲む山々の絶景を見ることができます。現地ツアーに参加するか、個人で1日ボートをチャーターして観光することになります。
「インレー」は、ビルマ語で4つの小さな湖という意味を持ちます。その昔、湖の近くに住む鬼が、4つの湖が水路で繋げて現在の大きなインレー湖が誕生したと言われています。この広大な湖には、大きな水上村が形成されていて、およそ15万の人々が水上生活を送っています。家屋だけでなく、お寺や観光客用の水上コテージ、民芸品工房、畑などが造成されています。
湖上にある珍しい寺院「ファウンドーウー・パヤー」はインレー湖観光の際には是非見学したいスポットです。寺院内には、たくさんの金箔が貼られた仏像があり、観光客の間では、参拝するとご利益があると言われています。しかし、仏像のある中央の祭壇には男性しか入ることができないので、注意が必要です。
他にも民芸品工房でのショッピング、水上で生活するインダー族の漁、水上レストランでの食事など、様々なユニークな体験ができます。
シュエダゴン・パヤー
シュエダゴン・パヤーは、ヤンゴンにあるミャンマー最大の仏塔です。仏教徒にとって憧れの聖地で、ミャンマー人だけでなく、観光客も多く訪れるヤンゴンでは外せない定番観光スポットです。高さ99.4メートル、基底部の周囲は433メートルもある巨大な仏塔には、約9,000枚もの金箔が貼りつけられています。また、7,000個ものダイヤやルビーなどの宝石で装飾されており、太陽の光が当たると眩いばかりに輝きます。
このパヤーを見るには、出入り口の門から階段やエスカレーターで向かいます。シュエダゴン・パヤーは、神聖な場所とされているため、境内は土足禁止です。そのため、パヤーへも裸足で向かうことになるのですが、エスカレーターにも裸足で乗ることになるため、怪我等には注意しましょう。
シュエダゴン・パヤーは、日中の太陽の光を浴びて輝く姿は圧巻ですが、日没後のライトアップされた幻想的な姿もおすすめです。
マンダレー王宮
ミャンマー第2の都市マンダレーにあるマンダレー王宮は、ミャンマー最後の王朝となったコンバウン朝の王宮です。1900年代に一度消失しており、現在の王宮は、復元されたものです。1990年代になって、外国人の立ち入りが可能になりました。しかし現在でも、敷地内で見学可能な場所は限られています。
王宮内部には、王座のある大きな建物と、多くの後宮があります。現在では、建物のみで中には何もありませんが、王朝時代の様子を想像しながら見学してみるのも面白いかもしれません。
マンダレー王宮の周囲はお濠と城壁で囲まれています。市街地とは、東西南北にある4本の橋で結ばれていますが、外国観光客の出入りは、東門のみに限られています。タクシー等で行く場合は、ドライバーさんが東門で降ろしてくれますが、念のため降りる前に確認したほうが安心です。また、王宮内は肌の露出の多い服装はNGなので、注意が必要です。
チャイティーヨー・パヤー(ゴールデンロック)
ゴールデンロックの名前で知られるチャイティーヨー・パヤー、は、ヤンゴンから北東約200キロメートルの場所にある、チャイティーヨー山の頂上にあります。山頂の巨大な岩壁の上に、今にも落ちそうなゴールデンロックがあります。落ちそうで落ちない、不思議な岩で、一説ではブッダの遺髪の効力による現象だと言われています。
ゴールデンロックは、高さ約7メートルの丸い岩で、参拝者よって金箔が貼られ、きらびやかな黄金の輝きを放っています。岩の上には7メートルのパヤーが建てられており、ミャンマー人の信仰を集めています。パヤーのため、裸足での参拝が必須、女性は近くで参拝することができません。
また、夜にはライトアップしたゴールデンロックを見ることができます。ライトアップによって、昼間とは異なる輝きを放ち、神秘的な雰囲気に包まれます。世界でも珍しい、落ちそうで落ちないゴールデンロック、是非訪れたいスポットです。
カックー遺跡
カックー遺跡は、インレー湖から車で約2時間の場所にあります。カックー遺跡へは、地元のパオ族のガイドが必須とされているため、最寄りのタウンジーという町で、ガイドさんを手配する必要があります。ツアーを利用するか、個人手配の場合は必ずタウンジーに立ち寄りましょう。
カックー遺跡は、紀元前3世紀に建設されたと言われており、その後少しずつ仏塔の数が増え、現在では約2,500の仏塔があります。仏塔の上部には、金色のベルが設置されており、風とともにシャラシャラと美しい音を奏でます。その音色を聞きながら、たくさんの仏塔の間を歩くと、別世界にいるような不思議な感覚を味わうことができると、外国人観光客に人気のスポットになっています。
敷地内は整備されていますが、裸足での観光が必須のため、暑い時期や日差しの強い時間帯には歩くのが大変な場合もあります。また、整備されているとはいえ、小石や砂などで怪我をしないよう注意が必要です。
ボーヂョーアウンサン・マーケット
ボーヂョーアウンサン・マーケットは、ヤンゴンにある、イギリス統治時代から続く歴史ある市場です。生鮮食品等はなく、ミャンマーの特産物に特化していますが、特に観光客向けというわけではなく、地元の人も多く利用します。屋根のあるマーケット内には、約1,800のお店が軒を連ねます。
ミャンマー特産の真珠、アクセサリー、竹・籐製品、少数民族の工芸品など、ミャンマーの特産物が何でもそろいます。ブロックごとに取り扱う商品の種類が決まっているので、お目当てのものを買うときは、同じブロックのいくつかのお店で比べてみると良いでしょう。お腹が空いたら、市場内にあるフードコートでミャンマー料理を。カフェやジューススタンドなど外国人が利用しやすい店もあるので、ゆっくりショッピングを楽しむことができます。
国立博物館
ミャンマー国立博物館は、ヤンゴンにある国内最大の博物館です。ヤンゴンに行ったら是非訪れてみたい観光スポットです。広い館内には、ミャンマー各地から集められた王朝時代の貴重な調度品や、各民族の伝統工芸品などが展示されており、ミャンマーの歴史や文化を学ぶことができます。
博物館で一番の見所は1階にある「獅子の玉座」です。高さ約10メートル、重さ3トン、精巧な金細工が施された重厚な玉座は、マンダレーの王宮内にあったものです。マンダレー王宮が戦災に遭った際も、一時的にインドにあったこの玉座は難を逃れ、マンダレー王宮時代の貴重な遺物として展示されています。
国立博物館では、無料で日本語の音声ガイドを借りることができます。また、館内は写真撮影禁止のため、手荷物は入り口のロッカーに預けましょう。
ミャンマー観光では絶対外せない寺院遺跡7選
アーナンダ寺院
アーナンダ寺院は、1105年に建てられた、バガン遺跡の内最大級の寺院です。一辺53メートルの正方形の寺院で、黄金に輝く中央塔の高さは51メートルにおよびます。黄金の中央塔と、白い外壁のコントラストが見事で、バガン遺跡の中で最も美しく華麗な建造物と言われています。
見どころは、内部に収められた高さ9.5メートルの黄金の釈迦仏。東西南北に計4体あり、表情や装飾がそれぞれ異なります。また、見る角度と光の具合によって、釈迦仏の顔の表情が違って見えると言われています。寺院内には、ほかにも歴史的な美術品が数多く展示されているので、時間をかけてじっくりと見るのがおすすめです。
スーレー・パヤー
スーレー・パヤーはシュエダゴン・パヤーにと並ぶ、ヤンゴン二大パヤーです。ヤンゴン中心部にそびえる高さ48メートルのパヤーで、黄金色に輝く姿は街の中でも、ひときわ目立つ存在です。とてもにぎやかな場所にありますが、境内に入ると、とても静かで厳かな雰囲気を味わうことができます。
スーレー・パヤーは、ブッダの髪の毛を納めるために建てられたパヤーと言われています。珍しい八角形にパヤーを見ることができるのも、魅力のひとつです。シュエダゴン・パヤー同様、夜にはライトアップされるので、幻想的な姿を見ることができます。他のパヤーと同様、靴や靴下は必ず脱がなくてはならず、靴を預けると預け料金がかかります。予め靴を入れる袋などを持参すると良いでしょう。
チャウッタージー・パヤー
チャウッタッヂー・パヤーは、ヤンゴンで最も大きな寝釈迦仏で有名な寺院です。ヤンゴン市内から車で15分ほどのところにあります。入り口で裸足になり、入場料3,000チャットを支払って寺院内へ入ります。
寝釈迦仏の足の裏には108個の絵柄が施されており、その中心部には仏教の宇宙観図が描かれています。宇宙観図の周囲には、ブッダの一生が絵で描かれています。女性のような美しい顔立ち、マニキュアが施された白い手、ガラスモザイクで飾られた袈裟は、とてもフェミニンで美しく、人気の観光名所となっています。
シュエジゴン・パヤー
シュエジゴン・パヤーの「シュエジゴン」は「金の砂」を意味する言葉です。名前のとおり黄金色に輝く美しい寺院で、ブッダ遺骨や歯が収められていると言われ、ミャンマーの人々の深い信仰の対象となっています。仏塔は、きらびやかな装飾が施され、寺院内部には華やかな祭壇が祀られています。
バガンが最初の統一王朝ができた場所であること、また、ミャンマーの中間部にあることから、権力を誇示するために築かれたと言われています。ブッダの歴史を描いた色鮮やかな木彫り彫刻は必見です。夜は幻想的にライトアップされているので、夕方から訪れてみるのも良いですね。
ティーローミィンロー寺院
ティーローミィンロー寺院は、バガン王朝が最も栄えた13世紀初めに建てられました。レンガ造りの美しい仏教寺院です。当時の王が、傘が倒れる方向で、5人の王子の中から後継者を選んだという言い伝えがあります。そのため、寺院の内部にも傘が飾られているユニークな寺院です。
寺院内には、東西南北それぞれの方位を向いて鎮座する、4体の黄金の仏像が安置されています。美しい仏像と併せて、寺院内に残るフレスコ画も見逃せません。この寺院の周辺には、ミャンマーらしいお土産物屋がたくさんあるため、観光のついでにショッピングを楽しむのもおすすめです。
ダマヤンジー寺院
ダマヤンジー寺院は、バガンの中で最大規模の寺院で、一辺の長さが約78メートルあります。1170年、パガン王朝第5代王のもと建設が始められましたが、途中で建設が中断され、未完成のままの状態で現在まで残されています。言い伝えによると、パガン王朝第5代王は、権力を手に入れるため父と兄を暗殺し、その贖罪のためにダマヤンジー寺院を建てたと言われています。
この寺院の特徴は、非常に緻密なレンガ造りで、過去のミャンマー地震を経てもしっかりと残されています。アーナンダ寺院同様、4ヵ所の入り口があり、内部は2重の回廊になっています。寺院内には、2体の仏像が安置されており、これは、暗殺された父と兄を祀っているともいわれています。
マハムニ・パヤー
マハムニ・パヤーは、マンダレーで最大のパヤーです。ここの本尊のマハムニ仏は、高さ約4メートルもある巨大な仏像で、全身が金箔でおおわれています。これは、参拝者がご利益のために貼り付けるのですが、金箔を貼れるのは男性のみで、女性は近くから拝むことしかできません。
境内の中のホールには、カンボジアのアンコールワット遺跡群から運ばれたと言われる青銅の像があります。こちらも大変美しい像で、見逃さないようにしましょう。
ヤンゴンから日帰り可能な寺院遺跡4選
イエレー・パヤー
イエレー・パヤーは、川の中州全体が寺院になっている珍しい場所で、「水上寺院」や「水中寺院」とも呼ばれます。ヤンゴン市内から車で約1時間のチャウタンという村にあります。ローカルバスでもアクセス可能ですが、時間が読めないので、ヤンゴンからタクシーをチャーターするのがおすすめです。チャウタンからは、渡し船で寺院へ向かいます。
渡し船に乗る前に、対岸から水上に浮かぶイエレー・パヤーを眺めましょう。その様子は、まさに水上に浮かぶ寺院です。晴れた日は、太陽の光が寺院を照らし、黄金色に輝きます。フォトジェニックな観光地として人気の場所なので、カメラを持って出かけたいですね。
ピンダヤ洞窟寺院
ピンダヤ洞窟寺院は、ミャンマーのシャン州にあります。ヤンゴンの空港から飛行機で1時間、その後車で1時間の計2時間でアクセス可能です。この洞窟寺院は、3つの洞窟から構成されており、中には8,000体以上もの仏像が安置されています。ライトアップされ洞窟内に、無数の仏像が並ぶ様子は、とても幻想的で神秘的な独特の雰囲気です。
また、ピンダヤ洞窟寺院には、汗をかく仏像が2体あると言われています。気圧の違いで仏像に水滴が付着することが理由のようですが、この仏像に触れると幸せになれるという言い伝えがあるそうです。とてもユニークな寺院なので、是非訪れてみたいスポットです。
チャイティーヨー・パヤー(ゴールデンロック)
ゴールデンロックの名前で知られるチャイティーヨー・パヤー、は、ヤンゴンから北東約200キロメートルの場所にある、チャイティーヨー山の頂上にあります。山頂の巨大な岩壁の上に、今にも落ちそうなゴールデンロックがあります。落ちそうで落ちない、不思議な岩で、一説ではブッダの遺髪の効力による現象だと言われています。
ゴールデンロックは、高さ約7メートルの丸い岩で、参拝者よって金箔が貼られ、きらびやかな黄金の輝きを放っています。岩の上には7メートルのパヤーが建てられており、ミャンマー人の信仰を集めています。パヤーのため、裸足での参拝が必須、女性は近くで参拝することができません。
また、夜にはライトアップしたゴールデンロックを見ることができます。ライトアップによって、昼間とは異なる輝きを放ち、神秘的な雰囲気に包まれます。世界でも珍しい、落ちそうで落ちないゴールデンロック、是非訪れたいスポットです。
シュエモードー・パヤー
シュエモードー・パヤーは、東南アジア最大級のパヤーです。ミャンマー三大パヤーのひとつで、由緒ある寺院です。ここには、世界的にも珍しい、竹を編んで作られた仏像が安置されています。竹で繊細な仏像の表情を編み出している技術は、一見の価値があります。
また、シュエモードー・パヤーには、崩落したレンガ造りの仏塔の一部があります。その昔、バゴーでの大きな地震の際、このパヤーの先端が折れて落下したものの、そこに奉納されているブッダの聖髪の力で民家への落下を阻止することができたため、地元の人々に被害を与えなかったと言い伝えられています。その際に落ちてきた部分が、そのまま残されていて、人々の信仰を集めています。
インスタ映え間違いなしのミャンマーの絶景スポット4選
マンダレーヒル
マンダレーヒルは、王宮のすぐ北側にある、高さ230メートル程の小高い丘です。ここは、ミャンマーではとても神聖な場所とされており、頂上にあるスタウンピー・パヤーには、多くの人が参拝に訪れます。
マンダレーヒルからは、マンダレーの街を一望することができます。頂上のスタウンピー・パヤーのテラスからの景色は、絶景と言われ、特に昇る朝日と、沈む夕日は格別です。そのため、早朝と夕暮れは、観光客と参拝のミャンマー人で賑わいます。
街中からマンダレーヒルへ行くには、タクシーかバスを利用しましょう。山もふもとに着いたら、階段もしくは坂道のどちらかで頂上まで行くことができます。30分程歩きますが、参道には仏像や寺院があるので、それらを見学しながら登ると良いでしょう。時間がない場合や、体力に自信がない人は、タクシーに乗って頂上まで行ってもらうこともできます。
ウー・べイン橋
マンダレーから、約10キロメートルほど南にあるアマラプラは、かつて王都だった都市です。 ウー・ベイン橋は、160年ほど前に建設された、全長1.2キロメートルの橋で、アマラプラ東部のタウンタマン湖を渡るために架けられました。
木造の歩道橋としては世界最長と言われていて、橋脚には1,000本以上の木が使われています。観光名所にもなっているウー・べイン橋ですが、現地の人々が生活用に日常的に利用している橋なので、多くの人が行き交います。また、古い木造の橋のため、ところどころ老朽化していたり、修繕されていたりします。橋を歩くと片道20~30分ほどかかるので、必ず歩きやすい靴で行くようにしましょう。
タウンタマン湖に沈みゆく橋からの夕日は、息をのむ美しさです。橋の上から眺める夕日も美しいですが、乾季であれば橋越しに眺めるのも、また格別です。観光客用に休憩所が設けられていて、お酒や軽い食事をとることも可能。冷たいビールを片手に、絶景の夕日を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ポッパ山
ポッパ山はマンダレーにある、標高1,518メートルの休火山です。山の中腹には、火山活動によって作られた737メートルの高さの岩山があり、「タウン・カラッ」と呼ばれています。ミャンマーは仏教国ですが、この山は、ナッ神信仰の総本山とされており、ミャンマー全土から参拝者が訪れます。
平地から突き出したように急峻な山頂にはお堂が建ち、777段の階段が通じている。山頂からは360度の大パノラマが楽しめ、壮観な眺め。
タビニュ寺院
タビニュ寺院は、バガン遺跡の中で最も高い仏塔のある寺院です。塔の高さは65メートルあり、バガン遺跡内で特に目立ちます。「タビニュ」はブッダを表す言葉で、寺院内には、黄金のブッダ像が安置されています。また内部は、白い回廊に、金箔を貼られた大小さまざまな仏像が置かれており、その様相はまるで美術館のようです。
2階には眺めの良いテラスがありますが、ミャンマー地震の影響で残念ながら、現在閉鎖中です。美しいタビニュ寺院の全体像を見るには、近くのシュエグジー寺院のテラスに行ってみましょう。朝日を背景に眺める寺院は、とても幻想的でインスタ映え間違いなしのスポットです。
エメラルドグリーンの海を満喫!ミャンマーおすすめビーチ3選
ガパリビーチ
ガパリビーチは、「アジアナンバーワンビーチ」に選ばれたこともある、エメラルドグリーンの海が美しいビーチです。ヤンゴンから飛行機で約1時間のサンドウェ空港が最寄りで、空港からは車で20分ほどの場所にあります。全長5キロメートルもある長く広いビーチで、観光客もあまり多くないため、のんびりしたい人におすすめです。
海岸沿いには、ビーチからアクセス可能なホテルが立ち並び、贅沢なリゾート気分を味わうことができます。夕暮れ時には、浜辺でデッキチェアに寝転んで、沈みゆく夕日を見ながらお酒を楽しむのもおすすめ。
また、ガパリビーチの沖には離島があり、透明度抜群の海でシュノーケリングが楽しめます。子供連れの家族旅行にもぴったりのビーチです。
グエサウンビーチ
グエサウンビーチは、手つかずの自然が多く残る雄大なビーチです。ガパリビーチほど開発されておらず、ホテル等の施設以外は電気もないため、夜になると静まり返った自然を身近に感じることができます。高級ビーチリゾートのガパリビーチよりも、リーズナブルなホテルも多いため、バックパッカーにも人気のビーチです。
とても美しいグエサウンビーチですが、ヤンゴンからの移動時間が長いのが難点です。アクセス方法はバスかタクシーチャーターのみで、ヤンゴンからは、バスで約8時間ほどを要します。時間に余裕がある場合には、ぜひ候補に入れたいスポットのひとつですね。
チャウンタービーチ
チャウンタービーチは、他のビーチに比べて、ミャンマーの地元の人が多く訪れる場所です。ミャンマー料理のレストランや土産物屋、屋台などがたくさん並んでいるので、活気あるローカルな雰囲気を楽しむことができます。ローカル向けのビーチなので、ラグジュアリーホテルはありませんが、中級ホテルからゲストハウスまで選択肢は豊富です。
ビーチは全長2キロメートルと、あまり大きくはありませんが、沖には「ポーカラ島」と「テビュー島」という2つの島があります。各島へは、ボートで数分~20分でアクセスできます。どちらの島も、透明度が高く、シュノーケリングには最適なスポットです。
失敗なしのミャンマー定番お土産
カシューナッツ
ミャンマーの特産物のひとつが、カシューナッツです。日本では珍しい薄皮付きのものも購入できます。カシューナッツには亜鉛が多く含まれていて、健康にもとても良いとされています。薄皮の周りには、この亜鉛が最も多く含まれているので、薄皮付きのカシューナッツは是非試してみたいですね。
カシューナッツは、街中のスーパーでたくさんのブランドのものが販売されています。中でも「Top」というブランドがミャンマーではポピュラーです。
また、シンプルなカシューナッツのみだけでなく、カシューナッツを砕いて固めたバータイプのものもお土産に人気です。サクサクとした食感で、ほどよい甘さがあり、子供から大人まで万人受けする味です。ひとつずつ包装されているので、会社へのお土産にもぴったりですね。12本入りで約400円ほどと、お値段も手ごろです。
ミャンマーコーヒー
ミャンマーコーヒーは、北部のマンダレーの高原地帯で栽培されています。お土産には日本人の口にも合う、アラビカ種の豆がおすすめです。有機栽培のものもあり、ほのかな酸味が特徴の美味しいコーヒーです。
ミャンマーコーヒーは、アメリカのコーヒーの品評会で、アジア産のコーヒーとして高評価を受けました。味はお墨付きで、価格も安いので、お土産にはぴったりですね。「Shwe Pu Zun(シュエバズン)」がミャンマーでは有名なブランドで、200グラム入りが約250円程度で購入できます。スーパーマーケットで気軽に購入できます。
ロイヤルティー
ミャンマーはイギリスの植民地だったこともあり、紅茶を飲む文化が色濃く残っています。この「ロイヤルティー」は、お湯を注ぐだけで飲むことができるインスタントミルクティーで、ミャンマー人も大好きな飲み物のひとつです。
インスタントとはいえ、紅茶の風味が豊かで甘すぎず、女性へのお土産にぴったり。様々なブランドが販売していますが、ロイヤルのものが一番ポピュラーです。小分けで30袋入りが約200円とリーズナブルな価格も嬉しいですね。
タナカ
「タナカ」は、ミャンマーの植物の名前です。ミャンマー人はこの「タナカ」を粉末にしたものを顔に塗る習慣があります。美肌効果があり、紫外線予防にも効果があると言われています。また、ニキビなどの皮膚トラブルの治療に使われることもあるそう。このタナカで作られたオーガニック石けんは、女性へのお土産にぴったりです。
タナカで出来た石けんは天然成分がメインなので、肌にやさしく、香りも日本人が好きなマイルドさです。かさばらず、価格も手ごろなので、少し多めに買っておくのも良いですね。
ロンヂー
ロンヂーは、ミャンマーの民族衣装のひとつで、いわゆる「巻きスカート」です。ミャンマーの気候に合わせて、涼しく過ごしやすい工夫がされているので、ミャンマー人は日常的に着用しています。価格は、安いもので400円程度から売られています。
まず気に入った布を購入して、その後仕立て屋さんで自分のサイズや好みのデザインに縫製してもらうのが一般的です。しかし、旅行の場合は時間が限られているので、既に仕立て済みのものを購入すると良いでしょう。ヤンゴンのボーヂョーアウンサン・マーケットに行けば、迷ってしまうほど多くのデザインから選ぶことができます。
エレファントクッキー
ミャンマーでお菓子のお土産と言えば、最も有名なのが、「エレファントクッキー」です。ミャンマーで伝統的なお菓子である、ナンカタインクッキーのレシピで作られており、ほろりとした食感で、なんとなく懐かしさを感じるクッキーです。地元の原料と現地生産にこだわっているので、品質もお墨付きです。
コーヒー味やセサミ味など、いくつかの種類をミックスしてあるお土産用ボックスもあるので、会社や家族用のお土産にもぴったりですね。ミャンマーコーヒーとセットでお土産にするのもおすすめです。ボーヂョーアウンサン・マーケットや空港で購入可能です。
パナッ
パナッは、ミャンマー語でサンダルのことです。高温多湿な気候のミャンマーでは、一年中サンダルを履いて過ごします。ゴム製のビーチサンダルだけでなく、竹などの自然の素材で作られた伝統的なサンダルも多く売られています。自然素材のサンダルは、履き心地も良く、通気性も良いので、お土産にも喜ばれます。
街中どこでも売られているので、好きなデザインのものを見かけたら是非購入してみましょう。せっかくミャンマーに来たら、ロンヂーと合わせてコーディネートを楽しむのも面白いかもしれません。パナッは、ひとつ300円程度で購入できます。
ミャンマーへの主要エリアからのアクセス・所要時間
成田国際航空ーヤンゴン
日本からミャンマーへの直行便は、成田国際空港とヤンゴン国際空港を結ぶ全日空のみで、所要時間は、約7時間30分です。マンダレーや他のミャンマー国内の都市行く場合は、ヤンゴンで乗り継ぎが必須となります。
羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港、その他主要空港ーヤンゴン
成田国際空港以外からミャンマーへアクセスするには、近隣諸国での乗り継ぎが必要です。乗り継ぎ時間にもよりますが、概ね10~13時間程度の所要時間です。乗り継ぎのタイミングのよっては、所要時間が大幅に長くなる場合があります。旅程に余裕のない場合は、乗り換え時間の短いものを利用しましょう。
- エアアジア等LCC利用:バンコクやクアラルンプールで乗り継ぎ
- タイ国際航空利用:バンコクで乗り継ぎ
- 日本航空+バンコクエアウェイズ利用:バンコクで乗り継ぎ
- マレーシア航空利用:クアラルンプールで乗り継ぎ
- ベトナム航空利用:ハノイやホーチミンで乗り継ぎ
- キャセイパシフィック航空+キャセイドラゴン航空利用:香港で乗り継ぎ
- シンガポール航空利用:シンガポールで乗り継ぎ
成田国際航空、羽田国際空港、関西国際空港、中部国際空港、その他主要空港ーマンダレー
マンダレーへの直行便は日本からの就航がないため、乗り継ぎが必須となります。複数のエアラインを組み合わせて個人手配する場合は、一度経由地で出入国をしなくてはならない場合があるので、必ず事前に確認するようにしましょう。
- タイ国際航空利用:バンコクで乗り継ぎ
- 吉祥航空などの中華系航空会社+ミャンマー国際航空利用:南京で乗り継ぎ
ミャンマーへ就航している航空会社
全日空、タイ国際航空、ベトナム航空、マレーシア航空、エアアジア、バンコクエアウェイズ、ノックエア、キャセイドラゴン航空、シンガポール航空、ベトナム航空、チャイナエアライン
ミャンマー観光の移動手段
飛行機
ミャンマー国内の主要観光地間は、長距離移動になるため、主な移動手段は飛行機になります。飛行機は、国内の路線数も多く、主要都市間であれば1日数便は就航しているので、利便性は高いです。
国内線は、ミャンマーのレガシー航空会社のみで、エア・カンボーザ、ミャンマー・ナショナル航空、ゴールデン・ミャンマー航空などが就航しています。ミャンマーの主要観光都市間の飛行時間は、
- ヤンゴンとマンダレー間:約70分
- ヤンゴンとパガン間:約80分
となります。
長距離移動には最適な飛行機ですが、ミャンマーでは外国人が飛行機を利用する際は、運賃が割高に設定されているため、最低でも片道100USドル程度必要です。また、遅延や運休も起こりやすく、雨季には、減便になる路線もあるので、国内線を個人手配する際には就航情報をチェックしましょう。
高速バス
ミャンマー人にとって、長距離移動で最も一般的な移動手段は高速バスです。ミャンマー国内のほぼ全ての都市間移動を、高速バスが網羅しています。昼間に運行する便から、夜遅くに運行するものまで路線や本数も豊富なので、利便性が高いのが特徴です。また、飛行機に比べて運賃が非常に安く、ミャンマーでは最もコストパフォーマンスの良い移動手段と言えるでしょう。
高速バスを利用する際は、事前にバスチケットを手配する必要があります。ヤンゴンの場合は、ヤンゴン中央駅前にあるバスチケットオフィスでチケットを購入することができます。宿泊しているホテルで頼んでも良いでしょう。
乗車時間が長い高速バスを利用する際は、乗り心地や安全性が気になる点ですが、主要な路線ではVIPバスが運行されています。VIPバスは、座席が広く、映画やテレビが見られるモニターつきのタイプもあり、非常に快適です。運賃は、普通のバスと500円程度の差なので、快適さを求めるならVIPバスの利用がおすすめです。
ただし、飛行機に比べ所要時間が長いことと、バスの運行状況は変わりやすいので、時間に余裕がない場合は、飛行機利用がおすすめです。
鉄道
ミャンマーでは、イギリスの植民地時代に、国策による鉄道建設が行われたため、鉄道はかなり発達しています。路線数も多く、国土の多くを網羅しています。車窓からしか見ることができない、街並みや自然、人々の生活をのんびりと眺めることができるので、旅行者には人気の移動手段です。
しかし、鉄道設備の老朽化により、ミャンマーの鉄道車両の多くはスピードが出せません。そのため、移動時間が長くなってしまうことと、乗り心地も決して良くないというデメリットもあります。鉄道を利用する際は、基本的に乗車直前にチケットを買うことになるので、ふらりと近距離を乗ってみるのは良いかもしれません。
路線バス(YBS)
ヤンゴン市内の短距離移動には、路線バスが便利です。ヤンゴンの路線バスは、YBS(Yangon Bus Service)と呼ばれ、市内を100近い路線が網羅しています。運賃は、距離に関係なく一律で、基本的には1回200チャットです。空港と市内を結ぶエアポート・バスは1回500チャットです。
本数も多く、安価で利便性の高い路線バスですが、朝夕のラッシュ時はかなり混雑します。また交通渋滞の多い時間帯では、所要時間も長くなるので、空港に向かう際に路線バスを利用する場合は、早めに乗車した方が良いでしょう。
路線バスは、基本的に、バスの前方から乗り、後方から降ります。運賃は前払いで、おつりが出ないのでぴったりの金額を用意しておきましょう。最初に乗る際は少し不安になるかもしれませんが、慣れると非常に使いやすい交通手段です。
タクシー
タクシーは短距離・中距離移動では最も便利な移動手段で、日本に比べて運賃は格安です。ヤンゴンであればGrabというタクシー配車アプリが普及し、観光客も利用しやすくなっています。
タクシーは基本的にメーター制ではなく、乗車前に運賃を交渉する必要があります。外国人は相場の2~3倍ほど高い運賃が提示されます。ある程度の価格交渉は可能ですが、現地の相場で乗るのは、ほぼ不可能です。タクシー配車アプリGrabを利用すれば、距離に応じて事前に設定された運賃で乗車できるので、是非使ってみると良いですね。
バイクタクシー
バイクタクシーは、狭い道や近距離の気軽な移動に利用可能です。運賃も格安で、交通渋滞がひどい時でも、車よりスムーズに移動できる利点があります。街中にはバイクタクシーがたくさんあるので、声をかけられることも多いでしょう。
しかし、基本的に1人しか乗れないことと、荷物が積めないこと、また、バイクなので安全面では車には及びません。万一事故にあった時のリスクを考えると、あまりおすすめはできません。利用する際には、運賃は事前交渉が必要です。
ミャンマーの年間イベント情報
1月
独立記念日
毎年1月4日は、ミャンマーの独立記念日です。1948年、ミャンマーは60年以上に渡って統治国であったイギリスから「ビルマ連邦」として独立しました。その後、1989年に国名が「ミャンマー連邦」に変更されました。
独立記念日は、国内は祝賀ムードに包まれ、ヤンゴン中心部では式典が行われます。独立記念塔周辺では、首相や官僚などの政府要人が集まり、厳かな式典が執り行われます。式典中、ミャンマーがイギリスの植民地支配から解放された時刻の午前4時20分には、ミャンマー国旗が掲揚されます。
4月
ティンジャン祭り
ミャンマーの新年は毎年4月です。ティンジャン祭りは、年明けの直前に行われる水かけ祭りで、ミャンマー人では、1年で最も大切なイベントとされています。近隣の東南アジア諸国でも行われる「水かけ祭り」と同様、人に水をかけることで、1年分の不運を洗い流す、という意味が込められています。
ミャンマーはミャンマー暦に基づいてカレンダーが決まり、新年は4月17日です。その前後は10日間程度の連休になり、水かけ祭りは4月12日 〜 16日に行われます。国内中がお祭り騒ぎで、ヤンゴン市内では、水かけ用の特設ステージが作られます。観光客も参加可能なので、濡れたり汚れたりしても良い服装で参加しましょう。
ティンジャン祭りの期間は、毎年、交通事故が多発します。道路が、水で滑りやすくなったり、お祭りムードで飲酒運転が増えたり、観光の際にも十分な注意が必要です。
5月
カソン月の満月
カソン月の満月の日は、ブッダの誕生を祝う仏誕節の日です。ブッダは2,500年以上前のカソン月の満月の日に、インドのボーダガヤにある菩提樹の下で悟りを開いたと言われています。この日は、仏教徒にとって重要な伝統行事とされていて、ミャンマー国内の各寺院では、菩薩樹に水をかけて祈りを捧げます。
7月
殉職者の日
7月19日は、ミャンマーの建国の父、アウン・サン将軍が暗殺された日です。ミャンマーではこの日を「殉職者の日」に制定し、祝日にしています。この日は、ミャンマー各地で式典が行われ、多くの人が参列します。
ヤンゴン市内の「殉職者廟」では毎年、追悼記念式典が盛大に開催され、多くの市民が参列します。また、アウン・サン将軍が暗殺された時刻の10時37分には、走行中の車は一時停止し、クラクションを鳴らして追悼の意を表すという習慣もあります。習慣を知らない観光客は、突然の大きなクラクションに驚くかもしれませんが、数分で鳴り止みます。
10月
ダディンジュッ
ダディンジュッは、伝統的な仏教行事である、満月のお祭りです。ミャンマーで第2番目に大きな祭りの日で、雨安居(うあんご)が明ける10月初旬の満月の日に行われます。毎年この日に、お釈迦様が地上に降りて来るとされていて、多くの人々がパヤーに集まります。また、仏前や家の門にも火を灯して、お釈迦様を迎え入れます。
ダディンジュッの日には、各家が灯す明かりが連なり、幻想的で美しい景色を見ることができます。その明かりを見ながら屋外で食事を楽しむミャンマー人も多くいます。
11月
カティン祭り
カティン祭は、ミャンマーの仏教徒にとって重要な日です。ミャンマーの人々は、僧侶が使う袈裟や傘などを寄付するために寺院へ出向きます。僧院に寄付しに行く道中では、伝統的なミャンマー舞踊や歌を披露します。
また、シャン州にあるタウンジーという町では、熱気球祭りが行われ、約300個の熱気球が空高く打ち上げられます。空に打ち上げられるダイナミックな熱気球を見るために、国内外から多くの観光客が集まり、大変賑わいます。