ツアー選びのポイント
ツアーの特徴
日本からルーマニアへのツアーは最低5日間から催行されており、利用する航空会社と便が指定されています。出発地は東京と大阪の2都市から選択することが可能で、出発空港により利用する航空会社や経由地が異なるのが特徴です。
東京発のツアーではカタール航空、ターキッシュ・エアラインズ、エミレーツ航空(ドバイ〜ヨーロッパ間はフライドバイとの共同運行便)、大阪発の場合はエミレーツ航空もしくはターキッシュ・エアラインズが運航する国際線を利用して、それぞれの乗り換え都市へと移動します。
これらの航空会社は所属しているアライアンスが異なるため、マイレージを貯めている方は各プランに指定されている利用予定の航空会社がどのアライアンスに加盟しているかをあらかじめ確認したうえで、ツアーを予約するのが良いでしょう。
日本からルーマニアへの飛行時間の目安は、乗り換え時間を含め、最低約15時間25分です。また、旅程には必ず機中泊が含まれるほか、各乗り継ぎ都市での乗り継ぎもご自身で行っていただく必要があるので注意が必要です。
1人あたりの追加料金で旅程をアレンジ可能
並び席の手配やビジネスクラスへのアップグレード、人気観光地への往復送迎アレンジ、地方発着のツアーに変更、その他の都市を含めた周遊旅行に変更を希望する場合などは、1人あたりの追加料金を支払うことで可能となるのがほとんどです。
旅程はフリープランが一般的
日本からルーマニアへ催行されているツアーのほとんどは、自由行動が可能なフリープランです。他のツアー参加者と1日の行動を共にする団体ツアーに比べると、行動スケジュールや時間に融通が利くので、個人でゆっくりと観光を楽しみたい方にはオススメです。
フリープランでは、空港〜ホテル間の移動は基本的にご自身で行っていただく必要があります。
現地到着後に宿泊先までの移動が不安な方は、事前にツアー催行会社へ連絡の上、追加料金を支払って送迎車両を手配してもらうと安心です。
ホテルは指定もしくは同等クラス
ルーマニアを訪れるツアーは、指定ホテルでの宿泊、またはツアー日程下に記載されているホテルと同等のグレードで選べるものの2種類があります。
客室タイプのアップグレードもしくは滞在先のホテルを変更する場合、1泊1人あたりの追加料金を支払うことで可能となりますので予約をされる際にアップグレード希望の旨をツアー催行会社に伝えましょう。
ツアーで宿泊するホテルを選択する際に注意していただきたいのが、主要な観光スポットへのアクセスおよび周辺地域の治安です。
スリや置き引きなど観光客をターゲットにした犯罪の被害は、主に首都ブカレストで報告されています。なかでも、ノルド駅周辺は「ブカレストで最も治安が悪い場所」として知られ、地元の警察ですら襲撃されることがあるため、特に日没以降の独り歩きは危険です。
一方、大学広場または統一広場周辺は治安が良く、主要な観光スポットへのアクセスも便利なのでオススメです。マゲル大通り周辺も治安が安定しているため過ごしやすいですが、多くの見どころが集中している旧市街まで徒歩約15〜20分ほど離れているので、悪天候の場合はタクシーなどを利用する必要があるでしょう。
ベストシーズンを意識してツアーを予約する
ルーマニアを訪れるベストシーズンは、過ごしやすい気候が広がる5〜6月および9〜10月です。特に9〜10月は国内各地で各種イベントも開催されるので、異国の文化に興味がある方には非常にオススメです。
7〜8月は観光に適しているものの、日中の最高気温が35度近くなることもあるので、炎天下での観光には注意が必要です。
最短日程で催行されているツアーのオススメポイント
ツアーを利用してルーマニアを訪れる場合の最低必要旅行日数は5日間です。この場合の現地宿泊日数は2泊のみで、旅程に機中泊が往復それぞれ1泊ずつ含まれているのが一般的です。
最短日程で催行されているツアーは、羽田空港、成田国際空港、関西国際空港から出発地を選択することが出来ます。往路に夜発のフライトが指定されており、仕事終わりに空港へ直行することも可能なので、限られた時間を有効に使いたい方には非常にオススメです。
現地到着時間は参加するツアーにより異なりますが、到着する時間帯が最も早いプランで朝8時30分頃の到着を予定しています。これらのツアーでは、目的地として首都ブカレストのみが指定されていますが、日帰りでその他の都市へと足を運ぶことも可能です。
ツアーを選ぶコツ
ルーマニアへ催行されているツアーを予約する際は、旅行期間や予算をはじめ、訪れてみたい都市をあらかじめ決めておくと、希望に沿ったツアーをよりスムーズに見つけることが出来ます。
首都ブカレストを訪れる5日間
首都ブカレストに位置する定番観光スポット巡り、おしゃれなカフェやレストランを訪れてルーマニア料理を堪能、ヨーロッパならではの美しい街並みを散歩する、ショッピングを楽しむなど、5日間でも様々な見どころを満喫することが出来ます。
世界遺産に登録されているシギショアラ、絵本の世界のような街並みが広がるブラショフなどへ、日帰りで訪れることも可能です。
ルーマニアに位置する魅惑の4都市を巡る7日間
首都ブカレスト、古都ブラショフ、中世の面影を色濃く残すシギショアラ、夏の避暑地として人気の高原リゾートとして知られるシナイアの4都市を周遊します。一度の旅行で複数の都市を観光することが出来るので、目的地をルーマニアに絞って観光を楽しみたいという方にオススメです。
大まかな旅程は決められていますが、目的地での過ごし方は自由です。各都市間の移動による交通機関の手配が苦手という方は、列車やバスの運行スケジュールを調べたりなど面倒な手間が省けるので、ツアーの利用が便利です。
また、旅程にはホテルでの朝食のみ含まれているので、ランチとディナーは気になるカフェやレストランで楽しみましょう。
隣国ブルガリアの世界遺産も訪れる!東欧の2ヵ国を楽しむ6日間
ルーマニアと隣国ブルガリアの2ヵ国を訪れるツアーは、主に2種類に分けられています。これらの違いは「世界遺産であるリラ修道院およびボヤナ教会への日帰り観光が旅程に含まれているか」のみで、滞在する都市は同じです。
催行日数が同じでも、この条件の有無によりツアー料金が大きく異なるので、ツアーを選ぶ際は細かい予定を必ず確認して下さい。ルーマニアの首都ブカレストおよびブルガリアの首都ソフィアの定番観光スポットを訪れることができ、2ヵ国の異なる街並みや文化を比較することが出来るので、複数の国を訪れてみたい方にはオススメです。
そもそもルーマニアってどんなところ?
ルーマニアの基本情報
ルーマニアはヨーロッパ南東部に位置し、日本の本州とほぼ同じ面積を誇る、自然豊かな国です。首都はブカレスト(Bucharest)で、政治および経済の中心地として栄えています。
外務省が公表している基礎データによると、ルーマニアの総人口は約1,976万人であり、日本の人口と比較しても約6分の1程度に留まります。人口の約8割はルーマニア人が占めていますが、同国はウクライナ、モルドバ、ハンガリー、セルビア、ブルガリアと国境を接していることから、ハンガリーを含む周辺国出身の異なる人種や民族も約2割ほど居住しています。
時差
日本との時差は7時間で、現地時間が0時のとき、日本は7時となるので参考にして下さい。サマータイム期間中は通常よりも1時間進んで6時間となります。サマータイムの実施期間は3月最終日曜の午前3時から10月最終日曜の午前4時まで適用されます。
サマータイムの開始および終了時期に現地を訪れる場合は、現地時間の切り替わりに注意が必要です。特に、日本へと帰国する便のチェックイン時間に間に合わない、ツアーの集合時間を間違えるといったケースはよく報告されているので、心配な方は時間に余裕を持って行動すると良いでしょう。
言語
一般的な公用語はルーマニア語ですが、トランシルヴァニア地方の一部ではマジャル語(ハンガリー語)およびドイツ語も話されています。英語をはじめ、イタリア語、フランス語などの外国語が比較的通じやすい環境なので、外国人がよく訪れる観光地やホテル、レストランでのコミュニケーションはスムーズに行える傾向にあります。
ルーマニアの歴史
ルーマニアの地では石器時代から人々が定住していたとされていますが、正式な歴史はギリシア人が黒海沿岸の貿易拠点としてこの地を開拓した、紀元前7〜8世紀頃までさかのぼります。
現在、総人口の約8割を占めるルーマニア人ですが、その起源はこの時代にカルパチア山脈とバルカン半島北部に定着したインド=ヨーロッパ語族であるダキア人またはトラキア人にあるといわれています。現在のルーマニア領土が確立されたのは、今から約2,000年前にあたる紀元1世紀頃で、ダキアの王が支配していました。
様々な異民族による支配
紀元106年になると、トラヤヌス帝率いるローマ帝国がドナウ川を越えてダキアの地へと侵攻し、ローマ帝国の属州として支配下に置いたことでダキア人のラテン化が進み、ルーマニア民族の原形が形成される事となりました。
以降、この地は様々な異民族により数世紀にわたって侵攻が繰り返されたものの、14世紀にようやくハンガリーを宗主国とする「ワラキア公国」、および反ハンガリー派の「モルドヴァ公国」の2ヵ国が誕生しました。
しかしながら、両国の誕生から間もない15世紀末に、当時バルカン半島をほぼ全域にわたり征服していたオスマン朝が侵攻したことを機に、ルーマニアの地は1878年まで再び異民族の支配下へと置かれる事となりました。
ルーマニア王国の誕生から資本主義経済への発展
1881年にはカロル1世率いるルーマニア王国が建国されたものの、第2次世界大戦に敗北したことを理由にソ連の統治下へと組み込まれるなど、他国や異民族による支配が何度も繰り返されてきました。
現在のルーマニアは、1991年12月に発布された新憲法のもとで成り立っており、資本主義経済に基づく「言論」「宗教」「所有の自由」がある共和国として民主的な政治を行っています。
ルーマニアの通貨および両替事情
通貨について
ルーマニアの基本通貨はレウ(RON)で、Leu(複数形はLei)という単位を用いて表記されるのが一般的です。2020年5月現在、1レウあたりの両替レートは約24.5円です。
紙幣は1、5、10、50、100、200、500Leuの7種類、硬貨は1、5、10、50Baniの4種類が存在します。このBani(バニ)という通貨単位は、1Leu=100Baniとみなすので参考までに覚えておきましょう。
両替について
現地では日本円の両替を扱う銀行や両替所が少なく、両替出来る場合でもレートが悪いことが多いので、日本を出国する際に空港などで手持ちの日本円をユーロに両替しておくことをオススメします。
ユーロからレウへ両替を行う場合は街中の両替所、銀行、空港などで行うことが可能ですが、空港での換金率は悪いのでなるべく街中の両替所で行うのが理想です。また、道端で声を掛けてくる偽の両替商による詐欺被害も報告されているので、両替は必ず所定の機関で行うようにしましょう。
その他にも、国際キャッシュカードや海外キャッシング機能付きのクレジットカードを使用してATMから現金を引き出すことも可能です。稀にカード会社が海外での使用を制限している場合があるので、心配な場合は渡航前にクレジットカード会社に連絡して海外での利用を希望する旨を伝えておくとスムーズです。
ルーマニアの気候と服装
ルーマニアは北海道とほぼ同じ緯度に位置し、大陸性気候に属する国で、日本と同様に四季が存在します。その地形は、国土中央部に走るカルパチア山脈を境に、山岳部と平野部の2種類に分けられ、それぞれ大きく異なる気候を持ちます。
一般に、平野部は夏の暑さが厳しいことで知られ、首都ブカレストでは最高気温が35度以上に達する日もあります。ドナウデルタや黒海沿岸のビーチリゾートは、この時期を中心に夏のバカンスを楽しむ人々でとても賑わいます。
一方、モルドヴァ地方やマラムレシュ地方などを含む山岳部では冬の寒さが厳しく、積雪量も多いことから11月から2月にかけてスキーを楽しむことが可能です。
首都ブカレストやブラショフといったルーマニアの人気観光地を訪れるためのベストシーズンは、気候がよく過ごしやすい5〜6月および9〜10月です。特に9〜11月は秋の紅葉がとても美しく、国内各地で様々なイベントが催されるので旅行にオススメです。
春(4〜6月)
春の訪れは地方により異なるものの、4月から5月上旬が目安と日本に比べやや遅いのが特徴です。日中は暖かく過ごしやすい一方、朝晩の冷え込みが厳しいので平野部を訪れる場合でも、薄手のセーターやカーディガンを持ち歩くことを推奨します。
夏(7〜9月)
ドナウデルタや黒海沿岸地域を中心に、気温が35〜40度を記録することもありますが、湿度が低いので比較的過ごしやすいでしょう。山岳部では朝晩を中心に冷え込むので、薄手のジャンパーなどを持参するのが理想です。
平野部では日中の暑さが厳しく、日差しも強いため、熱中症に注意が必要です。観光などで外を出歩く際は、真夏の服装に帽子やサングラスを追加して、水分をこまめに補給しながら無理せず行動するように心がけましょう。
秋(9月下旬〜11月)
9月から11月は降水量が少なく、平均気温も15度前後と安定しているので、一年で最も快適に旅行を楽しむことが出来る時期として知られています。この時期にルーマニアを訪れる服装は、日本の秋服をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。
11月に入ると一気に肌寒くなるため、トレンチコートやジャケットがあると便利です。
冬(12〜3月)
ルーマニアの冬は日本に比べ、寒さが非常に厳しく、山間部では最低気温が-30度を記録する日もあります。首都ブカレストの平均気温は東京の平均と比べ、約5度以上も下回るため、厚手のコートやダウンジャケットなど、真冬の寒さにもしっかりと耐えられるような服装をする必要があります。
ルーマニアの文化
ルーマニアは東ヨーロッパで唯一のラテン系民族であり、明るく親しみやすい国民性を有することで知られています。
長い歴史のなかで様々な異民族による侵攻と支配が繰り返されてきたことから、スラヴ系先住民の伝統および周辺国から持ち込まれた多様性に富んだ風習が混在し、独特な文化を形成しているのが特徴です。
実際に現地を訪れてみると、伝統音楽をはじめ、民族舞踊、民族衣装、刺繍や織物を含む民芸などの伝統文化が、現在でも多くの人々によって大切に守られていることが分かります。
また、ルーマニアでは総人口の約9割が、ルーマニア正教やローマ・カトリックを信仰しているため、クリスマスやイースターをはじめとするキリスト教に関連する祝祭日は、国民の休日として指定されています。
チップについて
訪れる国により、大きく異なる「チップ文化」。日本には存在しない価値観であるため実際にいくら渡せば良いか、そもそも渡すべきなのかを迷ってしまうという方が意外と多いと思います。
ルーマニアでは、レストランやホテル、タクシーを利用する際、サービスを提供してくれる方にチップを手渡すのが一般的です。ホテルのベルボーイやルームサービスを利用する場合は1ドル程度、レストランのウエイトレスやタクシードライバーには料金の約5〜10%が目安です。
ルーマニアの治安
ルーマニアは、2012年に日本人女子大生が殺害される事件が発生して以降、東欧諸国のなかでも治安が悪いというイメージがあり、旅行で訪れるのは不安という方が多いと思います。
しかしながら、近年は現地の犯罪発生件数が年々減少しているため、スリや置き引きといった観光客をターゲットにした犯罪を除けば、治安を過度に心配する必要は無く、快適に観光を楽しむことが出来ます。
観光客を狙った犯罪の多くは、首都ブカレストで発生しているので、観光で外出する際は貴重品を含む手荷物の管理を徹底して下さい。また、タクシーをはじめとする密室環境は犯罪の温床となりやすいため、単独での乗車はなるべく避ける必要があります。
空港のほか、ブカレスト・ノルド駅、ブカレスト旧市街など観光客が多い地点から乗車する場合も、不当な料金を請求されやすいので注意して下さい。
ルーマニアの宿泊施設
現地の宿泊施設は、バックパッカー向けのドミトリーや民宿などのリーズナブルなタイプから、1泊あたり100〜300ユーロの高級ホテルまで様々です。ホテルのランクは星の数により格付けされており、一般に4〜5つ星は外国資本のホテルが多い傾向にあります。
なかでも、中級以上のホテルはルーマニアを訪れる観光客によく利用されているため、VISAやMasterなど各種クレジットカードでの支払いが可能である場合がほとんどです。
その他にも、一般家庭の一室を間借りするスタイルや、ホテルよりは規模が小さいものの、シャワーやトイレ付きのプライベートルームを提供しているペンシウネなど、宿泊の予算に応じて選べる様々な選択肢が存在するので、自身のニーズに合った宿泊施設を選びましょう。
ルーマニア国内での主な移動手段
ルーマニア国内を観光する為の主な移動手段は、国内線、鉄道、およびバスの利用が一般的です。その他にも小型バスやレンタカーなど、利用者のニーズにより異なる様々な選択肢が存在するので、旅行の予算や時間の都合、または状況に応じて使い分けることをオススメします。
国内線
ルーマニアの国内線は、首都ブカレストに位置するブカレスト・アンリ・コアンダ国際空港を拠点にタロム航空をはじめとする航空会社が国内各地へと就航しています。
ルーマニアは国土が広いため、鉄道やバスを利用して長距離を移動する場合、ひと晩近くかかってしまう事もあります。国内線を利用すれば、陸路で移動するのに比べ、非常に短い所要時間で移動可能なので、なるべく効率良く観光を楽しみたいという方には利用をオススメします。
航空券は、インターネット上のウェブサイトもしくは空港のカウンターで購入するのが一般的です。国内線の運賃は、変動制を採用しているため、同じ路線でもフライトを利用する曜日や時間帯により料金が異なります。
移動にかかる費用をなるべく安く抑えたい方は、イースターやクリスマスといった現地の休暇シーズンや週末の利用を避けるのが理想でしょう。
鉄道
ルーマニアでは、CFR(チェフェレ)と呼ばれる国営鉄道が運行しています。その路線は国内各都市を網の目のように結んでおり、多くの主要観光地も網羅しているため、地元の人のみならず、外国から訪れる観光客の移動にもとても重要な役割を果たしています。
国内で運行している列車は2種類のみで、普通列車であるレジオ(R)、および都市間特急列車であるインテルレジオ(IR)に分けられています。車両は1等と2等がありますが、どちらもコンパートメント形式の座席が主流です。
また、一部の路線では寝台列車が運行していますが、通常の列車に乗車するための料金に加え、寝台料金の支払いが必要となるので注意が必要です。
バス
ルーマニアのバスは、首都ブカレストを起点にブラショフ、シビウ、ティミショアラ、コンスタンツァ、ヤシ、バヤ・マーレなど各地を結んでいます。
現地では主に大都市を中心に、アウトガラ(Autogara)と呼ばれるバスターミナルが点在しており、そこからバスに乗車するのが一般的です。首都ブカレスト、ヤシ、ブラショフの3都市には、利用するバス会社や路線により異なる複数のアウトガラが存在するため、自身が利用するバスがどのアウトガラから出発するか、事前に確認しておくことをオススメします。
バスチケットの値段はバス会社や運行路線により異なりますが、平均的にお手頃な傾向にあります。アウトガラから乗車する際、チケットの購入は窓口で行いますが、路上のバス停から乗車する場合はバスの運転手から直接購入する必要があります。
また、高額紙幣を使用して精算する場合、運転手の手元にお釣りが無いことが多いので、なるべく小さな額の紙幣に両替して持ち歩くと便利でしょう。
なお、現地の大型バスの多くは最新の車両設備を採用しているので、長距離の移動も快適に過ごすことが可能です。バスは鉄道に比べ、運行本数が多く、安価で利用することが出来るので、非常に人気です。
小型バス
一般的な大型バスのほかに、現地でよく利用されているのがマルシータクシー(Maxi-Taxi)またはミクロブズ(Micro Buz)と呼ばれる小型バスです。小型バスの定員は約20人ほどで、普通列車の2等と同じくらいの運賃で利用することが可能です。
移動距離に関わらず、小型バスを利用する方が早く目的地へとアクセス出来ることが出来るので、移動時間を節約したい方にオススメの交通手段です。一般的なバスと同様に各町のアウトガラを拠点に様々な路線を運行していますが、始発以外の場所から乗車する場合は空席がある時のみ利用することが可能です。
始発以外の場所から乗車する場合、長距離路線を利用する場合には、座席をあらかじめ予約しておくとスムーズでしょう。
レンタカー
公共交通機関でのアクセスが難しい場所には、レンタカーを利用して行くのがオススメです。現地ではハーツやエイビスなどの国際展開しているレンタカー会社がいくつかあるので、モルドヴァ地方やトランシルヴァニア地方に位置する観光スポットを訪れるにはとても便利です。
また、現地の旅行会社ではガイド付きの送迎サービスを手配することも可能なので、運転免許を所持していない方や海外で車を運転するのが不安な方も安心して利用することが出来ます。
人気観光都市
ブカレスト(Bucharest)
人口約188万人を誇るルーマニアの首都で、カルパチア山脈の南に広がるワラキア地方の南東部に位置しています。
共和党による社会主義政権の面影を強く残す町並みは、第二次世界大戦以降に造られたもので、かつては「バルカンの小パリ」と称されるほど美しい街並みを有していたことで知られています。
街を散策してみると、伝統的なルーマニア建築やフランス建築が、旧社会主義国ならではと言える無機質な町並みのなかに、昔ながらの風情を保ちながらひっそりと佇んでいるのを確認することが出来ます。
ブカレストを訪れれば、ヨーロッパおよび旧ソ連の両要素をルーマニアの歴史や文化と共に楽しむことが可能です。
ブラショフ(Brasov)
トランシルヴァニア地方のトゥンパ山とポスタヴァルル山の麓に位置する古都で、ルーマニア第2の都市として知られています。12世紀にドイツ商人により建設された街並みは、中世の面影を色濃く残し、訪れた者全てを魅了します。
この町はドイツ、ルーマニア、ハンガリーの3民族により発展してきた歴史を持つため、その他の都市とは異なる独特の雰囲気を醸し出しているのが特徴です。
シナイア(Sinaia)
カルパチア山脈の山間に位置し、「カルパチアの真珠」の愛称で親しまれる美しい町です。
その歴史は17世紀までさかのぼり、18世紀にはブカレストの王侯貴族たちの別荘地として繁栄しました。シナイアは標高800mの高原にあるため、夏は避暑地、冬はスキーリゾートとして人気の観光地です。
また、首都ブカレストから所要2時間30分でアクセスすることが出来るため、日帰りで足を運んでみるのもオススメです。
シギショアラ(Sighisoara)
トランシルヴァニア地方の中心部に位置する城塞都市で、12世紀に入植してきたザクセン人により建設された中世の街並みが魅力です。
14世紀に築かれた時計塔を中心とする歴史地区は、「トランシルヴァニアの宝石」と呼ばれるほど美しいことで知られ、世界遺産にも登録されています。
ブラショフから2時間〜2時間30分ほどでアクセスすることが出来るので、素敵な街並みをゆっくりと散歩しに訪れてみてはいかがでしょうか。
ルーマニア旅行の見どころ
中世の面影が残る世界遺産を巡る
かつて様々な異民族による侵攻および支配が幾度となく繰り返されたことから、複雑な歴史と運命を歩んできたルーマニア。
緑豊かな自然に囲まれた田舎では、昔ながらの伝統や民族に伝わる文化が大切に受け継がれており、現代の生活様式とうまく調和して新たな趣を醸し出しています。この国には、ヨーロッパ最大の湿原地帯として知られるドナウデルタや2,000年以上の歴史を持つダキア人の要塞をはじめ、合計7つの世界遺産があります。
なかでも、トランシルヴァニアの要塞教会群とシギショアラの歴史地区は、中世の面影を強く残す世界遺産でありルーマニアを代表する観光スポットとして親しまれています。
ルーマニアは歴史的な宗教建築をはじめ、興味深い文化に関連した見どころが非常に多いので、世界遺産巡りを楽しみながら歴史を辿ると旅行をより楽しむことが出来るでしょう。
2,000年以上の長い歴史を誇る温泉保養地を訪れて異国の温泉を楽しむ
ルーマニアは、アンチエイジング発祥地として知られる「美容と健康の先進国」です。
この国では、国立加齢科学研究所によりアンチエイジングの研究が国家プロジェクトとして行われているため、「いつまでも若々しい姿でいたい」と願う美意識の高い人々が数多く訪れることで有名です。
その人気の秘密は、科学的根拠に基づいた美容の先進技術、黒海沿岸の湖で採れる美肌効果の高い泥パック、国内各地に点在する温泉保養地などにあるといわれています。
ルーマニアの温泉は、リウマチや神経性疾患をはじめ、糖尿病、関節炎、高血圧などに高い効果があるとされる泉質で、年間を通じて国内外から多くの人々が療養に訪れています。
なかでも、バイレ・ヘラクレネ(Baile Herculane)およびバイレ・フェリックス(Baile Felix)は、2,000年以上の歴史を持つ有名な温泉でローマ神話による伝説も残されています。私たち日本人にとって欠かせない存在である温泉が、海外でも楽しめるのはとても嬉しいですね。
黒海沿岸のビーチリゾートで贅沢バカンス
ルーマニア南東部のドブロジャ地方には、黒海に面する美しいビーチリゾートがいくつもあり、毎年夏の時期を中心に国内外から訪れる多くの観光客で賑わっています。
約70kmに及ぶ長い海岸線には、ママイア(Mamaia)やエフォリエ・ノルド(Eforie Nord)をはじめとするリゾートタウンが並び、観光客向けのホテルやレストランが密集しているほか、ミネラル豊富な泥パックが楽しめるスパ施設などが充実しています。
夏にルーマニアを訪れる場合は、黒海沿岸のビーチリゾートを訪れて、シュノーケリングやウインドサーフィンなどの各種マリンスポーツを楽しんだり、日頃の自分へのご褒美にスパを満喫したりと、贅沢な時間を過ごすのも選択肢のひとつです。
日本人の口にも合うと評判のルーマニア料理を食べる
農業国らしい素材を活かしたルーマニア料理は、私たち日本人の口によく合うと評判です。
ルーマニアは、ラテン系民族の国でありながら、スラブ系民族が居住する旧ユーゴスラビアやブルガリアと国境を接し、18世紀にはオスマン帝国領からハプスブルク家のハンガリー王国領となった歴史を持つことから、セルビア、オーストリア、ハンガリーなど各国の食文化が見事に融合した郷土料理を持つのが特徴です。
現地の主食は小麦とトウモロコシで、牛、豚、羊を使用した肉料理がよく食べられています。また、バルカン半島に共通する料理も多いですが、周辺に位置する国々と比べるとトルコ料理の影響が少ない傾向にあります。
定番の郷土料理として、サルマレ(Sarmale)、シュニツェル(Snitel)、トキトゥラ(Tochitura)などが挙げられます。
ルーマニアは日本に比べ物価が安く、レストランで食事をする場合でも、1人あたり1,200〜3,500円ほどの予算でフルコースを楽しむことが出来るため、いろいろな料理を気軽に試すことが可能です。
地元のワイナリーを訪れて伝統のルーマニアワインを堪能する
フランスやイタリアと並ぶ、ヨーロッパ有数のワイン生産国として知られるルーマニア。
その歴史は古く、現在から約6,000年以上さかのぼります。国民の約9割がキリスト教を信仰しているこの国では、中世の時代を中心に教会や修道院がワインの生産に携わっていたとされ、その伝統は現在でも盛んに受け継がれています。
ルーマニアが属する大陸性気候はワイン作りに適した気候であり、モルドヴァ、ムンテニア、トランシルヴァニア、ドブロジャ、オルテニア、バナット、クリシャナ地方が主な生産地として知られています。
なかでも、モルドヴァ地方は国内で生産されるワインの3分の1を担っており、「ルーマニア最大の生産地」として有名です。
高品質で美味しいと、ワイン愛好家のあいだで噂されるルーマニアワイン。現地を訪れる際はぜひ地元のワイナリーに足を運んで、ワイン作りの歴史を学びながら、甘口でスッキリとした味わいのワインを堪能しましょう。
定番スポット10選
凱旋門(ブカレスト)
独立戦争に勝利したルーマニア兵士を称える目的で、1878年に築かれた凱旋門です。
当時は、戦争に勝利した軍が凱旋門の下を行進できるよう急いで建設作業が進められた為、木造の漆喰塗りで造られたといわれています。現在、私たちが訪れることが出来る凱旋門は、第1次世界大戦の勝利を記念して1919年に再建されたもので、1930年にはルーマニアの彫刻家たちによって美しいレリーフが施されています。
パリの凱旋門を思わせるような優美な外観は、アンリ・コアンダ国際空港からブカレスト中心部へ向かうバスの車窓からも眺めることができ、かつてこの街が「バルカンの小パリ」と呼ばれていたことを思い出させます。
国民の館(ブカレスト)
国民の館は、19世紀後半に当時のルーマニア共産党書記長であったニコラエ・チャウシェスクが、日本円にして約1,500億円もの予算を投じて造らせたといわれる巨大な宮殿です。
その大きさはワシントンD.C.にあるアメリカ国防総省ペンタゴンに次ぐ、世界第2位の規模であり、宮殿内部の部屋数は3,107の部屋を誇ります。国民を飢餓に追いやる代わりに、贅の限りを尽くして造られた大ホールや回廊は、天井や壁、窓枠に至るまで純金や大理石による見事な装飾が施されており、豪華絢爛そのものです。
現在はルーマニア議会の議事堂として利用されているほか、各政党のオフィスが入居しており、国際会議やコンサートにも使用されています。
内部の見学はツアーでのみ可能で、見学を希望する日時の24時間前までに電話予約をする必要があるので、旅行のスケジュールが決まり次第なるべく早めに連絡をして、ツアーに参加可能な日時を確認することをオススメします。また、主な対応言語はルーマニア語および英語ですが、英語のツアーは予約が埋まるのが早いため、注意が必要です。
大主教教会(ブカレスト)
首都ブカレストの統一広場付近に位置するミトロポリエイ丘の上に建つ教会で、ルーマニア正教の総本山として国民に親しまれています。
3つのドームが特徴的な同教会は、1650年代に領主コンスタンティン・バサラブによりワラキア公の敷地内に建造されたのち、20世紀になってから大主教教会として承認された歴史ある教会です。
教会内部には聖人ディミトリエ・バサラボフのミイラが聖体として安置されているほか、中央には金が贅沢にあしらわれた祭壇、天井には美しいフレスコ画が描かれています。
スタヴロポレオス修道院(ブカレスト)
スタヴロポレオス修道院は、首都ブカレストで最も古い宗教施設のひとつとして知られ、旧市街西部に位置しています。
ルーマニア独特であるブルンコヴェネスク様式の建物は、東方正教会に所属する教会および修道院として1724年に建造されたもので、こじんまりとした外観にも関わらず、圧倒的な趣を放っているのが特徴です。
教会の内部を彩るイコンは必見です。夜には美しくライトアップされるので、現地での滞在時間に余裕がある方は昼夜共に足を運んでみることをオススメします。
シナイア僧院(シナイア)
17世紀にワラキア公ミハイ・カンタクジノがこの地を訪れたことを記念して建造された修道院で、ルーマニア中央部の人気観光地であるシナイアに位置しています。
17世紀建造の旧教会、およびドイツから招かれてルーマニア国王となったカロル1世が19世紀に建造した大教会には、いずれも色鮮やかで美しいフレスコ画が残されており必見です。
ペレシュ城(シナイア)
1875年にカロル1世がルーマニア王室の夏の離宮として、約8年の歳月をかけて建造されたドイツ・ルネッサンス様式の宮殿で、ルーマニアで最も壮麗な城として称えられています。
敷地内には、160以上の部屋数を誇る豪華な宮殿、数多くの彫刻、噴水が配された庭園などがあり、現在は旧王家の意向により博物館として公開されております。館内では、カロル1世が収集した絵画や彫刻、陶器、宝飾品、絨毯、武具などのコレクションが展示されています。
黒の教会(ブラショフ)
トランシルヴァニア地方にあるルーマニア第2の都市ブラショフの旧市街中心部にそびえ立つ、ルーテル派の教会です。同教会は、14世紀後半から15世紀初頭にかけて約80年もの歳月を費やして完成されたトランシルヴァニア最大の後期ゴシック教会で、高さ約65mを誇ります。
「黒の教会」という名称は、ハプスブルク軍とオスマン朝軍との間で勃発した大トルコ戦争の際に、外壁が黒く煤(すす)けたことに由来しています。
教会の内部には、16〜18世紀のトルコ・アナトリア産の絨毯が飾られているほか、1839年に製造されたルーマニア最大級のパイプオルガンが置かれており、夏の時期には定期的にコンサートが行われています。
トゥンパ山(ブラショフ)
ブラショフ南東部に位置する標高865mの山で、山頂から見下ろす旧市街の絶景が人気です。
麓から山頂までは徒歩でアクセスすることも可能ですが、所要わずか2〜3分で山頂まで移動できるロープウエイが便利なので利用をオススメします。
また、ロープウエイのチケットは往復割引が適用されるため、往復利用の際はチケット購入時にその旨を必ず伝えて下さい。
ブラン城(ブラショフ)
ブラン城は、ブラショフの南西約30kmに位置する城砦で、「吸血鬼ドラキュラ」に登場する城のモデルとなったことで知られています。
この城は、ドイツ商人がワラキア平原からブラショフに入ってくるオスマン朝軍をいち早く発見するために築かれたもので、その歴史は1377年までさかのぼります。
14世紀には、ドラキュラのモデルであるヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)の祖父にあたるミルチャ老公(ミルチャ1世)の居城として使用され、現在はルーマニア国王フェルディナンド1世の末裔に返還され、博物館として開放されています。
城の内部では、王の執務室をはじめ様々な部屋を見学することが可能で、長年にわたり受け継がれてきた貴重な調度品などを3つのテーマに分けて展示しています。
ブラショフからのアクセスは、町の北西部に位置するアウトガラ・ドイ(Autogara 2)の2番乗り場から運行しているブラン城行きのバスを利用するのが便利です。
ポエナリ要塞(ブラショフ)
ドラキュラのモデルとして知られるヴラド・ツェペシュ(ヴラド3世)が15世紀に建造した要塞で、首都ブカレストから北西に約180km離れた山の上に位置しています。
ブラショフ近郊の人気観光スポットであるブラン城は、ドラキュラのモデルといわれるヴラド3世と直接的な関係はありませんが、ポエナリ要塞は彼にゆかりのある建物として有名なので、その姿を一目見ようと訪れる観光客で密かに人気を集めています。
中世の時代を感じさせる独特な佇まいと串刺しにされた男性の人形は、オカルト好きの気分を最高に盛り上げてくれます。同要塞は年間を通じて見学可能ですが、周辺でクマが出没する恐れがあるため、2018年8月以降から現在に至るまで、グループツアー(10:00/15:00)での見学のみ可能とされています。
要塞が位置しているのは標高2,033mの場所で、1,480段の階段を上って行く必要があるので、訪れる際はなるべく歩きやすい靴を履いていくことをオススメします。
ルーマニアのおすすめホテル10選
ラディソン ブル ブカレスト
基本情報
【住所】Calea Victoriei 63-81, Sector 1, Bucharest, 010065, ブカレスト市内中心部, ブカレスト, ルーマニア
【WiFi】利用可
【ペット】不可
メルキュール ブカレスト シティ センター
基本情報
【住所】15 17 17A George Enescu Street Www.Anpc.Gov.Ro J40/5534/2011 - Ro28434727, ブカレスト市内中心部, ブカレスト, ルーマニア, 10302
【WiFi】利用可
【ペット】可
シェラトン ブカレスト ホテル
基本情報
【住所】Calea Dorobantilor 5-7, ブカレスト市内中心部, ブカレスト, ルーマニア, 010551
【WiFi】利用可
【ペット】可
ヒルトン ガーデン イン ブカレスト オールド タウン
基本情報
【住所】12 Doamnei St, ブカレスト市内中心部, ブカレスト, ルーマニア, 030055
【WiFi】利用可
【ペット】不可
ビエナ ハウス イージー エアポート ブカレスト
基本情報Calea Bucurestilor 283, オトペニ, ブカレスト, ルーマニア, 075100
【住所】
【WiFi】利用可
【ペット】可
ホテル リド バイ フェニキア
基本情報
【住所】Gral Gheorghe Magheru Bd 5-7, ブカレスト市内中心部, ブカレスト, ルーマニア, 010321
【WiFi】利用可
【ペット】不可
コンコルド オールド ブカレスト ホテル
基本情報
【住所】Splaiul Independentei 2D, ブカレスト市内中心部, ブカレスト, ルーマニア, 30105
【WiFi】利用可
【ペット】不可
Antler Boutique Hotel
基本情報
【住所】Strada Cerbului Nr.1, ブラソフ市内中心地, ブラショヴ, ルーマニア, 500015
【WiFi】利用可
【ペット】不可
ペントハウス オルキデア
基本情報
【住所】145B, Calea Plevnei, グローザベスティ, ブカレスト, ルーマニア, 060012
【WiFi】利用可
【ペット】不可
BUCUR 9
基本情報
【住所】Strada Bucur 9, ティネレトゥルイ, ブカレスト, ルーマニア, 040291
【WiFi】利用可
【ペット】不可
ルーマニアの年間イベント情報
4月
復活祭
復活祭は、イエス・キリストの復活を祝う重要な宗教行事であり、「イースター」という別名でも親しまれています。一般に春分の日の後に訪れる最初の満月の次の日曜日に祝われているため、毎年日付が異なるのが特徴です。
キリスト教はプロテスタントやローマ・カトリックなど、いくつかの宗派に分けられていますが、ルーマニアでは国民の約8割以上が信仰しているとされるルーマニア正教を国教として定めています。
プロテスタントやローマ・カトリックは、グレゴリオ暦を採用する西方教会に所属している一方で、ルーマニア正教はユリウス暦を採用する東方教会(正教会)に所属しているため、イタリアやポルトガルなどを含む西ヨーロッパ諸国やアメリカに比べ、1週間遅れて復活祭を祝います。
復活祭に関わる3連休は、公共機関やオフィスはもちろん、レストランやカフェなどの飲食店も休業となるところが多い傾向にあります。イースターシーズンに現地を訪れる予定の方は、訪れる観光スポットの営業時間などを事前に調べたうえで行動することをオススメします。
復活祭の翌月曜
復活祭翌日の月曜日で、「イースター休暇」の最終日を指します。イースター休暇は、一般に復活祭の2日前にあたる金曜日から翌月曜までの4日間の日程で祝われていますが、ルーマニアでは、復活祭の前後の日にちを含む3日間が連休となります。
イースター休暇の主な過ごし方は、アメリカやヨーロッパでの過ごし方と似ており、家族や親戚と集まって食紅で色付けされたゆで卵(イースターエッグ)、郷土料理、お酒などを楽しみながら祝います。
また、ルーマニアでは信仰心が強い人を中心に復活祭の約1週間前から、牛乳やチーズを含む全ての動物性食品の摂取を避ける傾向にあります。これは復活祭を迎えるための大切な準備とされ、信仰深い人は約2ヵ月ほど前から断食を始めるといわれています。
日本ではあまり馴染みが無いですが、現地ではクリスマスや聖霊降臨祭と並び、非常に大切にされている行事なので、異文化や伝統に関心のある方はイースター期間中の旅行もしっかりと楽しむことが出来るでしょう。
5月
メーデー
メーデーは毎年5月1日にルーマニアを含む世界80ヵ国以上で祝われている、国際的な労働者の祭典です。元々は、夏の訪れを祝う日として親しまれていたそうですが、産業革命後の社会では「労働者の権利を尊重する」という社会的に重要な意味を持つ日として祝日に定められています。
現地では「夏のはじまり」としても認識されているため、黒海沿岸のビーチリゾートを中心に休暇を楽しむ人々で賑わいます。
6月
聖霊降臨祭
聖霊降臨祭は、東方教会の復活祭にあたる日から49日後に祝われるキリスト教の重要行事で、国民の休日として親しまれています。
これは、新約聖書のエピソードに由来するもので、イエス・キリストが復活および昇天した後に集まって祈りを捧げいていた120人の信者の上に、神からの聖霊が降ったという出来事を記念しています。
8月
生神女就寝祭
肉体を伴ったまま天国へと召し上げられた聖母マリアの栄光を祝福するお祭りで、毎年8月15日に祝われています。
生神女就寝祭は、「マリア昇天祭」または「聖母被昇天祭」という名でも親しまれ、宗派に関わらずキリスト教を信仰する人々のあいだで大変重要な日として親しまれています。
9月
栗祭り(Sarbatoarea Castanelor)
マラムレシュ地方に位置するバヤ・マーレ村(Baia Mare)で、1992年以来、毎年9月に開催されている伝統の栗祭りです。
ルーマニア北部では1962年以来、栗を栽培している約500ヘクタールにも及ぶ広大な敷地を法律により保護しており、栗栽培に関する伝統を何世紀にもわたって守り続けています。バヤ・マーレ村にとって、「栗」は自治体の紋章にも描くほど大切な象徴的存在です。
祭りの期間は3日間で、国内の人気アーティストによるコンサートをはじめ、劇場公演、コンテスト、花火などが行われます。美味しい栗を堪能するだけでなく、地元の人々と伝統行事を共に祝うのは、忘れられない経験になること間違いなしです。
ジェオルジェエネスク国際クラシック音楽祭(George Enescu Classical Music Festival)
ジェオルジェエネスク国際クラシック音楽祭は、1958年の創設以来、2年に1度開催されている国際的な音楽祭です。
その規模は東ヨーロッパ最大といわれており、欧州各地の著名なオーケストラや音楽アーティストなどが4,000人の観客の収容が可能な宮殿ホール「サラ・パラトゥルイ」やドーム型の屋根が特徴的なコンサートホール「アテネウル・ロマン」などを会場に、連日ステキな演奏を行います。
10月
バッカス(Bacchus)
モルドヴァ地方に位置するヴランチャ県(Vrancea)の中心都市として知られるフォクシャニ市(Focsani)で、毎年10月に開催されるワインとぶどう畑の国際的な祭典です。
イベントは4日間の日程で行われ、ワインコンテスト、ワインソムリエによるテイスティングレッスン、ぶどう農園の見学など、ワイン好きに嬉しいプログラムがいくつも用意されています。
モルドヴァ地方のバラの花(Festivalul Folcloric Trandafir de la Moldova)
ルーマニア北東部に位置するヤシ(lasi)で、毎年10月に開催されているお祭りです。個性的な民族衣装に身を包んだ人々が、様々な伝統音楽のリズムに合わせてダンスを披露します。
11月
聖アンドレイ祭
ルーマニアの守護聖人である聖アンドレイを称える日で、毎年11月30日に国民の休日として祝われています。聖アンドレイは、新約聖書に登場するイエス・キリストの弟子の1人で、ルーマニアで正教を広めた人物として知られています。
故郷のフェスティバル(Cant si Joc pe Plai Strabun)
マラムレシュ地方に位置するドゥンブラヴィツァ村(Dumbravita)で、毎年11月に開催されているお祭りで、地方の伝統的な民族舞踊や歌が披露されることで知られています。
12月
建国記念日
1918年12月1日に、ルーマニア公国とトランシルヴァニア地方が統一されたことを記念する、国民の休日です。国内各地では独立を祝う式典やパレードが催されるほか、街の至るところがルーマニア国旗で飾られ、とても賑やかな祝賀ムードに包まれます。
クリスマス
日本でもお馴染みの毎年12月に開催される一大イベント、クリスマス。一般にキリスト教を信仰する者にとって「イエス・キリストの後誕」を祝う日として親しまれていますが、実際に後誕した日は諸説あるといわれています。
ルーマニアのクリスマスシーズンは24日から26日までの3日間で、家族や親戚と過ごすのが一般的です。街中はクリスマスツリーやきらびやかなイルミネーションで飾られ、ロマンチックな雰囲気が漂います。
また、首都ブカレストを中心に開催されるクリスマスマーケットでは、クリスマスに関連するアイテムや民芸品、ルーマニアの伝統料理を販売する露店が数多く出店するので、観光のついでに足を運んでみるのも良いでしょう。
冬のフェスティバル(Festivalul Obiceiurilor de Iarna)
国土北部のウクライナとの国境付近に位置するマラムレシュ地方で毎年12月下旬に開催されている伝統の祭りで、1969年からの歴史を持ちます。祭りでは、ルーマニア民族舞踊や歌のほか、民族衣装の紹介、牛によるパレードなど様々なイベントが行われ、多くの人々で賑わいます。
主要エリアからのアクセス・所要時間
2020年6月現在、日本ールーマニア間の直行便は就航していません。
そのため、ルーマニアへ向かう場合は第3国を経由してアクセスすることになりますが、主な乗り換え地として中東またはヨーロッパの主要都市が挙げられます。所要時間の目安は、経由地でのトランジットを含めても最低15時間25分以上です。
周辺国からは列車や長距離バスが運行しているほか、ヨーロッパに位置する主要都市からライアンエアやイージージェット、ウィズエアなどのLCCを利用してお手頃な金額でアクセスすることも可能なので、その他の国を旅行で訪れるついでにルーマニアにも足を運んでみたいという方にはオススメです。
就航している航空会社
直行便
2020年6月現在、日本からルーマニアへの直行便は就航されていません。
経由・乗り継ぎ便
日本からルーマニアへの乗り継ぎ便を提供している主な航空会社
- カタール航空
- エミレーツ航空
- エールフランス航空
- アエロフロート・ロシア航空
- ルフトハンザ・ドイツ航空
- ターキッシュ・エアラインズ
- ブリティッシュ・エアウェイズ
ツアーを選ぶときのTips集
何泊くらいのツアーが最も楽しめるでしょうか?
ルーマニア国内の定番観光地を効率よく訪れたい方には、4泊7日以上で首都ブカレスト、ブラショフ、シナイア、シギショアラの4都市を訪れる周遊プランをオススメします。
周遊ツアーの日程は、それぞれ7日間、8日間、9日間の3種類が存在しますが、日本から現地への移動時間の長さを考慮すると9日間のツアーが最も体力的な負担が軽く、現地での観光もゆっくりと楽しむことが出来るため理想です。
7日間のツアーに参加する場合でも、これらの4都市はしっかり訪れることが出来るので、休暇の日数にあまり余裕が無い方でもしっかりとルーマニアの魅力を楽しむことが可能だと思います。
ルーマニアまでは飛行機でどのくらいかかりますか?
2020年6月現在、日本とルーマニアの間では直行便は就航されていません。
そのため、ルーマニアへ向かう場合は第3国を経由してアクセスすることになりますが、主な乗り換え地として中東またはヨーロッパの主要都市が挙げられます。所要時間の目安は、経由地でのトランジットを含めても最低15時間25分以上必要なので、ルーマニア旅行の計画を立てる際は日本からの移動時間も考慮したうえで、現地での滞在日数を計算することをオススメします。
ルーマニアの気候はどうですか?
ルーマニアは北海道とほぼ同じ緯度に位置し、大陸性気候に属する国で、日本と同様に四季が存在します。
その地形は国土中央部に走るカルパチア山脈を境に、山岳部と平野部の2種類に分けられ、ドナウデルタや黒海沿岸部を含む平野部では夏の暑さが厳しく首都ブカレストでは最高気温が35度以上に達する日もあることで知られています。
一方、モルドヴァ地方やマラレムシュ地方などを含む山岳部では冬の寒さが厳しく、積雪量が多いのが特徴です。