絶対に外せない!王道観光都市5選
ウィーン(Vienna)
オーストリアの首都ウィーンは長い伝統を持つハプスブルク帝国の都。宮廷文化が今も華麗に息づき、音楽と芸術の都として知られる素敵な街です。重要な歴史的建築が立ち並ぶ一方、近代的で未来を志向する建築物も多く、スタイリッシュなライフスタイルと活気に満ちた文化の楽しみに溢れています。
また、市の周囲には1250㎢にも及ぶ広大なウィーンの森が広がり、市民の憩いの場所となっています。これは他のヨーロッパの大都市にはみられない独特の魅力です。
旧市街の中心に建つのが、ウィーンのランドマークであるシュテファン大寺院。大寺院の広場から南に延びているのがケルントナー通り、西に延びているのがグラーベン通り、グラーベンと交差しているコールマルクト通り一帯は歩行者天国になっており、ウィーンでは一番のショッピング街です。
ザルツブルク(Salzburg)
雄大なアルプスを背に美しい街並みが続くザルツブルクは、世界でもっとも美しい都市のひとつに数えられ、世界文化遺産にも登録されています。街には緑が溢れ、地元の人も旅行者も、健康的な街の周辺環境を年間を通じて楽しんでいます。
美しいバロック式庭園、光煌めく池やロマンティックな仕掛け噴水など街には緑が溢れ、地元の人も旅行者も、散歩やピクニックなどを楽しんでいます。
ザルツブルクをいつもとは違った視点で眺めたいなら、ザルツブルク・リバー・クルーズがおすすめです。船旅は歴史的な旧市街から始まり、ヘルブルン宮殿へと続き、数々の市の荘厳な景観をゆったりと楽しむことができます。
また、秋にはザルツブルクでのイベントが多く、地ビールが大いに楽しめます。伝統あるビール醸造は町の食文化そのものとなっています。
グラーツ(Graz)
シュタイヤマルク州の州都グラーツは、人口24万人あまりでウィーンに次ぐオーストリア第二の都市です。旧市街と郊外にあるエッゲンベルク城は世界遺産に登録されています。
グラーツ旧市街はコンパクトにまとまっており、中央広場や時計堂などの観光地は徒歩で回れる距離にあります。
多彩な南部の宝石と言われるグラーツ。ルネッサンス様式の旧市街と、ムーア川の対岸にあるレントやグリースなどのモダンな地区が共存し、歩きながら歴史と現代を感じることができます。
グラーツの街並みを一望して、この都市の全体を把握したい方は、地元の人たちに人気の展望台シュロスベルク(城山)に登るのがおすすめです。
インスブルック(Innsbruck)
ドイツとイタリアを結ぶ宿場町として古くから栄えたチロルの州都インスブルックは、中世の面影をたたえるアルプスの帝都です。夏期はハイキング、冬期はウインタースポーツの拠点となり、世界中からたくさんの人が集まります。
インスブルックは、都市部から山へのアクセスが非常に便利なことでも有名な街です。インスブルックの中心部からケーブルカーとロープウェーを乗り継げば、わずか20分で標高2200メートル以上の高地に到着します。山頂からは、様々な渓谷やイタリアのアルプスまでのぞめる絶景を見ることができます。
また、インスブルックから日帰りでいける近郊には、風光明媚な湖アーヘンゼー湖やシュトゥーバイタールという渓谷などがあり気軽に自然ツアーを楽しむことができます。
リンツ(Linz)
オーバーエステライヒ州の州都リンツは人口20万余、ウィーン、グラーツに次ぐ第三の都市で、オーストリア最大の工業都市であると同時に、古い伝統文化の遺産をも残しています。
様々な芸術家や作家、音楽家がここリンツで創作活動をしており、数多くの名作が誕生した場所でもあります。
リンツにあるラントハウス(州庁舎)は、オーストリアで最も美しいルネサンス宮殿と言われています。また、丘の上にあるリンツ城からは、街を一望することができます。リンツ城は、フリードリヒ3世の時代に改築され皇帝の居城となりました。1800年火災に遭ったのち兵舎として再建され、現在は博物館となっています。
また、2014年にはユネスコの「創造都市メットワーク事業」のメディアアート都市に認定されたリンツ。オーストリアの創造経済の中心として発展を続けています。
歴史を感じる美しいお城・宮殿6選
シェーンブルン宮殿(Palace and Gardens of Schönbrunn)
ウィーンにある、ユネスコ世界文化遺産にも登録されているハプスブルク家の夏の離宮シェーンブルン宮殿。外観はバロック様式、内部はロココ様式で、1400室の部屋があり、現在その内の40室が公開されています。また、外観の黄褐色は宮殿を完成させた女帝の名前にちなんでマリア・テレジア・イエローと呼ばれています。
オリジナルの状態に保存された美しい部屋の内装は見ごたえ抜群です。最も豪華な広間は、ナポレオン帝国崩壊後に開催されたウィーン会議で舞踏会の会場となった「大広間 グローセ・ギャラリー」です。また、モーツァルトが6歳の時に演奏したと言われている「鏡の間」も必見です。
皇帝家の人々のプライベートな生活空間は、絢爛豪華な広間やホールと対照的な様子が感じ取れます。これらの部屋の内装には、繊細で優雅なスタイルの中に、別の世界への憧れが表現されています。
ホーフブルク王宮(Hofburg Palace)
こちらもウィーンの観光名所の一つであるホーフブルク王宮は、600年以上にも渡り、ハプスブルクの皇帝の居城でした。今日、この印象的な建物には、重要な博物館と貴重な大広間がいくつもあり、イベント会場になっています。
シシィ博物館には、皇妃エリザベートの私物のほか、若い花嫁の婚礼前夜のパーティドレスのレプリカ、部屋着やパラソル、扇、手袋などが展示されています。また、旅行好きだった皇妃専用の豪華なサロン車両のレプリカも見ることができます。皇帝の住居では、シシィの洗面所、エクササイズルーム、1876年に皇室のメンバーとしては初めて設置された浴室も見学できます。
この他には、オーストリア大統領府、国際会議場、日曜日および宗教祝日にウイーン少年合唱団がミサで歌う礼拝堂、スペイン乗馬学校などが入っています。
ミラベル宮殿(Mirabell Palace)
ザルツブルクにあるミラベル宮殿は、大司教ヴォルフ・ディートリヒが愛人サロメ・アルトのために建築し、1721〜27年にバロックに改築されました。
現在、広間はコンサートや催し物の会場となっています。庭園は、ギリシャ神話を題材にした石像、水しぶきが輝く噴水、色彩豊かな花々などが特徴的で、訪れる人々を魅了します。ザルツァッハ川越しにホーエンザルツブルク城とドームの麗しい姿を眺望することができる、人気の観光スポットです。
また、園芸の傑作と言われるミラベル庭園は、あの有名な映画「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影場所としても知られています。
リーガースブルク城(Riegersburg Castle)
かつて「キリスト教世界で最強の要塞」と言われたリーガースブルク城。この城はシュタイヤマルク州の城塞街道にあります。この城は一般に公開され、現在はエレベーターで昇ることができます。
シュタイヤマルク東部の真ん中に位置する高さ482mの城塞で、火山のような形をしています。
城内では魔女の展示の中の拷問の道具などが展示され、その歴史がリアルで創造性豊かに再現されていす。
アンブラス城(Ambras Castle)
インスブルックの町の南に聳えるアンブラス城には、フェルディナンド大公II世が収集した絵画、武器、世界中の希少な品が常時展示されています。
フェルディナンドの曽祖父である、ハプスブルク皇帝マクシミリアンI世は、芸術の上でも、政治の上でも、死後も自分自身を永続させるために、インスブルック宮廷教会に彼の石棺と、28体の大型ブロンズ像を周りに設置させました。
マクシミリアンの先祖と子孫を表現するといわれるいわゆる「黒い男たち」と彼の墓は当時のもっともすぐれた画家、彫刻家、ブロンズ造形家たちによって制作され、チロルノ最も重要なルネッサンス芸術とされています。
また、城内にある「スペイン広間」はヨーロッパのドイツ語圏では最も古いルネッサンス様式の広間です。
エッゲンベルク城(Eggenberg Palace)
世界遺産であるグラーツのエッゲンベルク城はヨハン・ウルリヒ・エッゲンベルク公が1625年に全宇宙をモチーフとした建てさせた城です。4つの塔は四季を象徴し、12の門が12カ月を、365の窓が一年の日数を象徴しています。
また、エッゲンベルク城は秀吉時代の大阪城と城下を描いた貴重な屏風絵を所蔵しています。それを縁にエッゲンベルク城と大阪城は友好城郭提携をし、文化交流を続けています。日本ともゆかりが深いお城なんです。
この城は、州立博物館ヨアネウムに属し、豪華なプラネットホールや客室と並んで、アルテ・ギャラリー、コインコレクション、考古学博物館、色鮮やかな惑星庭園、そして美しい庭園があります。
本場の音楽が楽しめる劇場3選
ウィーン国立歌劇場(Wiener Staatsoper)
1861年から1869年にかけて宮廷オペラ劇場として建てられました。こけら落としは1869年で、皇帝フランツ・ヨーゼフI世臨席のもと「ドン・ジョヴァンニ」が上演されました。1945年に戦災を受けましたが修復され、1955年カール・ベームの指揮するベートーヴェンの「フィデリオ」の上演で再開されました。
2002年~2010年までは日本人の小澤征爾氏が音楽監督に就任していました。舞踏会シーズンの頂点を極める「オペラ座舞踏会」の会場でもあります。オペラの公演は当日立ち見席などで気軽に見ることができたり、館内のガイドツアーがあります。 日本語のツアーもあるので安心です。
今日ではウィーン国立歌劇場は特に世界で最大のレパートリーを誇る歌劇場として知られ、世界で最も重要なオペラハウスのひとつとしてその地位を確立しています。9月から6月までの上演期間に60以上の異なるオペラやバレエの作品から300回以上の公演が行われます。
ボーデン湖(Bodensee)
ブレゲンツで行われる夏の湖上フェスティバル「ブレゲンツ音楽祭」が開催される会場。大規模な舞台装置で湖上舞台に繰り広げられるオペラは、雨天の場合屋内会場で上演されます。またほかにも、ブルク劇場アンサンブルによる戯曲や、コンサートのプログラムを楽しめます。
音楽祭は1946年に始まりました。世界最大の湖上舞台があるブレゲンツでは様々な文化イベントも開催されています。毎年7・8月には80回以上作品が上演され、およそ20万人の観客が野外でオペラを鑑賞します。
湖と周辺の美しい自然環境があるブレゲンツの街とオペラ作品の共演は、他では見ることができません。
ウィーン楽友協会(Wiener Musikverein)
ウィーン楽友協会(通称 ムジークフェライン Musikverein)は1812年に設立され、建物はデンマークの建築家テオフィル・ハンセンによって1870年に完成しました。
黄金に輝くゴールデナー・ザール(大ホール)は、世界で最高の音響効果をもつコンサートホールとして有名で、元旦のウィーン・フィルのニューイヤーコンサート会場となっています。
資料室・図書館は、ウィーンで活躍した音楽家達の遺品や直筆楽譜、書簡、肖像画など貴童な資料を所蔵しています。
由緒あるウィーン楽友協会ホールは147年間にわたり、アンナ・ネトレプコやリカルド・ムーティなど卓越したアーティストたちを迎えて、世界第一級のクラシック音楽を提供してきました。その舞台裏は、的確なプロフェッショナルたちの仕事が支えています。
アルプスを望む壮観な展望台3選
ピラミーデンタワー(Pyramiden Tower)
ケルンテン州のマリア・ヴェルトの近くある、ピラミーデンコーゲル850mの山上には、世界で最も高い木造建築の展望台、ピラミーデンタワーがあります。
高さ100m、螺旋を描いた壮大なデザインの塔は、ヴェルターゼー湖の上空に突き立ち、スリリングに階段を登って行きます。高さ70mにある展望台まで、外が見渡せるリフトも利用できます。
新タワーの特筆すべき魅力は、時速30キロで52mの長さを滑り降りるヨーロッパで最も高い建物のスライダーです。丘の高さもいれると東京のスカイツリーより高く、塔の上からの360度のパノラマは圧巻です。
ダッハシュタインスカイウォーク(Skywalk Dachstein)
シュタイヤマルク州側のダッハシュタイン氷河ケーブルカーの山上駅から行くダッハシュタイン・スカイウォークもまた、スリリングです。フーナーコーゲルの250mにわたる垂直傾斜の岸壁を越えバルコニーのようなつり橋が海抜2700mのところに掛かり、アルプスの山々のパノラマビューが楽しめます。
ダッハシュタイン南壁を訪れる勇気あるハイカーにとって、この吊橋はきっとハイライトとなるでしょう。100mの吊橋をダッハシュタイン山塊のギザギザした岩肌を眼下に望みながら、14箇所の狭い踊り場を通り、降りていくと小さな展望台があります。階段はガラス製の手すりに囲まれて、12%の傾きを持っており、オーストリアで最も高い吊り橋の一部となっています。
ファイブフィンガーズ(5Fingers)
ダッハシュタイン山塊のクリッペンシュタインの山上に突き出たファイブ・フィンガーズもまた、とてもスリリングなことで有名です。この展望台は、ダッハシュタイン・ケーブルカーの山上駅に近く、そこから歩道を通って行くことができます。
400m高い崖壁から8m先まで空中に伸びた5つの翼(片手の5本指を広げたような設計)からは、ユネスコ世界遺産のハルシュタットの湖と町の壮大な景色が望めます。
また、翼のデザインはとてもユニークです。例えば、完全にガラスでできた翼からは400m下に広がるクリッペンブルンの村が見られます。また別の翼のフロアにはのぞき穴が設けられており、その深さを直視することができます。5つの指の"中指"に当たる部分は通常は閉じられていて、時折利用されるバンジージャンパーのためにトランポリンになっています。
オーストリアの芸術や文化に触れられる博物館4選
ウィーン美術史博物館(Kunsthistorisches Museum)
ルーブル、プラドと並ぶヨーロッパ有数の美術館。絢爛豪華な館内にはハプスブルク家が収集した約40万点の美術品が並んでいます。
絵画ギャラリーのコレクションはルーベンス、レンブラント、デューラー、ティツィアーノ、ベラスケスと広範にわたり、中でもブリューゲルのコレクションは豊富で、「農民の婚礼」を始め主要作品のほとんどがここに展示されています。階段の間の壁面はクリムトが手がけました。
2013年に再オープンしたクンストカンマー(美術工芸館)は2200点もの魅惑的な美術作品が鑑賞できます。また、木曜の夜は館内でディナーを楽しむことができます。
チロル州博物館フェルディナンデウム(Tyrolean Folk Art Museum)
州立博物館フェルディナンデウムにはチロルの歴史が息づいています。土器・金属・ガラス製のさまざまな種類の考古学的発掘品、さらにチロルの石器時代、青銅時代、鉄器時代、並びにローマ時代、中世、また近世に至るまでの遺物が展示されており、チロルの多様性の生き証人となっています。
1823年の創立以来、フェエルディナンデウムはチロル州における文化・地域研究の記録や収集、コミュニケーションの中心的役割を果たしてきました。
博物館の活動には、先史時代、ローマ時代、中世そして近世の考古学的発掘品、石器・青銅・鉄器時代やローマ時代の記録、音楽のコレクション、修復ワークショップ、研究プロジェクト、遺跡の探検と復旧、特別展、コンサート、そして博物館の教育キャンペーンなどがあります。
オーストリア国立図書館(State Hall of the Austrian National Library)
オーストリア国立図書館は、約1100万点のコレクションを収蔵するオーストリア最大の図書館です。2018年には創立650年を迎え、貴重な所蔵品が展示されます。
1368年、金文字で書かれ、豊富な挿絵が入っているヨハネス・フォン・トロッパウの福音書が完成しました。これが今日のオーストリア国立図書館設立の起点とみなされています。ハプスブルク帝国のアルブレヒト公三世が委託したこの豪華な聖書は、650年にわたる文化史と図書館の歴史を語る旅の出発点です。
図書館の他にもプルンクザール、地球儀博物館、エスペラント博物館、パピルス博物館、文学博物館、オーストリア歴史館など見どころがたくさんあります。プルンクザールにはサボイのプリンツ・オイゲン公の1万5千冊のコレクションを含む、1501年から1850年までの20万冊以上が展示されています。
オッフェネス・クルトアハウス文化センター(OK Center for Contemporary Art Austria)
リンツにあるOKと呼ばれるオッフェネス・クルトアハウス文化センターでは、屋上でアート作品を楽しむことができます。リンツがヨーロッパ文化都市となった2009年以来、市内の建物の屋上や高所を歩いてアート作品を楽しむ「ヘーエンラウシュ」と呼ばれる展示イベントが開催されています。
世界各国の芸術家たちがこの珍しい展示スペースにインスタレーションを設置していて、全長20メートル、高さ17メートルの巨大な揺れる帆船などが展示されています。
また、高さ86メートルの木製の塔がランドマークとして建てられていて、上がることができます。上がると、リンツの街を一望できる素晴らしい景色を見ることができます。
神聖な空気を感じよう!オーストリアの教会3選
シュテファン大聖堂(St. Stephen's Cathedral)
シュテファン大聖堂はウィーンのシンボルで、オーストリア最大のゴシック建築の教会です。ウィーン旧市街のまさに中心に建っていて、大寺院の広場からは様々な有名なストリートが広がっています。最も古い部分は13世紀のもので、シュテファン広場から入る門となっています。北塔60.6mへはエレベーターで、南塔136.7mは途中まで階段で登ることができます。
聖カトライン教会(St. Katorain Church)
1492年ゴシック様式で建設された聖カトライン教会はオーストリアの南に位置するケルンテン州にある有名な温泉保養地バード・クラインキルヒハイムのシンボルです。
小さな教会は泉の上に設計され、現在は洗礼チャペルとして使われています。泉Augenquelleから湧き出す温泉は36度あり、ラドンとラジウムが含まれています。この水で眼を洗うと視力が良くなったり、目の疲れを癒してくれる効果があります。そのため昔からこの地の人々は、農作業や草刈りや太陽の明るさで眼が痛むと、この水で眼を潤したり、洗ったりして、気分を回復させてきました。
現在バート・クラインキルヒハイムにある温泉施設や温泉ホテルはこの泉から湧き出る水を使用し、多くの常連客から愛されています。
アドモント修道院(Stift Admont)
シュタイヤマルク州にあるアドモント修道院は芸術と出会える場所として人気の修道院です。7万冊の修復された本、天井フレスコ画、彫刻が豪奢な図書館ホールなどを見学することができます。
アドモント修道院は現代芸術博物館を開館することによって、100を超える芸術家の作品のために近代的な環境を作り上げ、それぞれのテーマに沿って特別展を開くことに成功しました。
また、常時行われているコレクション収集の補足として実践されている「アーティスト・イン・レジデンス・プログラム」の一環では、若い世代と中間世代の芸術家が修道院に現地に特化した芸術作品の製作のために招待されています。
美しい景色が味わえる自然スポット7選
ハルシュタット(Hallstatt)
ハルシュタットは、景勝地ザルツカンマーグート地方の奥にそびえるダッハシュタイン山塊の山麓に位置する小さな町です。ハルシュタット湖の湖畔に家々が並び立つ景観は、世界でも最も美しい湖畔の町の一つとして知られていて、世界遺産にも登録されています。
町の外れには、古代ローマ以前にまで遡る岩塩坑があります。この塩坑から古代の墓地遺跡が発見され、ハルシュタット文化の由来となりました。トロッコに乗って、坑内深くまで行くことができたり、現役の作業員から話を聞くことができます。また、ダッハシュタインの氷穴・洞窟も観光客に人気です。
ワッハウ渓谷(Wachau)
ドナウ川の自然史と文化史が融合するなかで形成されたワッハウ渓谷は、温暖な気候に恵まれ、最高の白ワインの産地でもあります。その美しい文化的景観は「ドナウ川の真珠」とも呼ばれ、世界遺産にも登録されています
。
さらに、メルクからクレムスまで33キロに及ぶドナウ河岸には、数多くの歴史的建築が残されています。渓谷全域には数多くのレストランやガーデンレストランがあり、郷土色豊かで美味しい伝統料理が楽しめます。
見所はワッハウ渓谷の東の玄関口にあたるクレムスとシュタインです。クレムスはゴシック、ルネサンス、バロックの街並みが見事に保存された美しい町で、13世紀のゴッツォブルク城、16~18世紀の市庁舎、初期バロック様式の教区教会など、美しい古い建物が見られます。シュタインは、モーツァルト研究家ルードヴィヒ・ケッヘルの生まれ故郷です。
グリーンレイク(Green lake)
シュタイヤマルク州にあるガラスのように透き通った湖、グリーンレイクは、春になると現れる不思議な湖です。冬には普通の散歩道。春になると地下に貯まった雪解け水が地表に湧き出て湖を形成します。
エメラルドグリーン色の湖は水深50メートルまでの透明度があります。このすばらしい水質はたくさんある水源のおかげです。人々を惹きつけてやまないのは魅力的な静かな湖面と、高い透明度により見ることができる湖底や湖畔に横たわる大きな白亜の岩群や植物です。
飲料水源として、また自然保護区のため、ダイビングの許可は制限されていますが、ダイビングができる時期、湖に潜ると湖畔の生い茂った樹木が水中に漂い、不思議な風景をもたらし、感動を与えてくれます。
クリムルの滝(Krimml Waterfalls)
ザルツブルク州にある小さなクリムル村にあるクリムルの滝は、オーストリアの中で最も高い滝です。氷河の渓流クリムラー・アッヘから流れ出した山の水は、三段の滝となって380メートルの高さから落下し、さらにその下流へと渓谷を流れ下ります。
村の南の外れから徒歩約30分で、ザルツァッハ渓谷の上流部を通るコースの最初の展望ポイントである、下部の滝に到着します。ライマンカンツェルと3番目の展望ポイントは、わずか5分しか離れていません。さらにライマンカンツェルを進むと、中の滝へと導かれ、文字通り瀑布の迫力を直に感じることができます。
クリムルの滝のすぐ近隣には、水のテーマパーク、ヴァッサー・ヴァンダーヴェルトがあり、水に関わる様々な形のアトラクションが楽しめます。
グロースグロックナー山岳道路(Grossglockner mountain road)
オーストリアの最高峰グロースグロックナー(標高3798m)の鞍部を越えていくグロースグロックナー山岳道路の道中には、車で行ける道路として、これだけ多くの山岳や氷河を楽しめるところはヨーロッパでも希少で圧巻です。
グロースグロックナー山岳道路は、展望台があるフランツ・ヨーゼフス・ヘーエまで通じています。1935年に開通したこの道路はホーエ・タウエルン国立公園の中心部を貫くもので、全長20キロ、最高点の標高2500メートルに達するまでに、熱帯以外のすべての植物相の中を通ります。
また、道路沿いにはいくつかの博物館があり、この地域の自然の素晴らしさをさまざまな角度から知ることができます。
ノイジードラー湖(Neusiedler Lake)
ノイジードラー湖は、長さ36キロ、幅7〜15キロの、中部ヨーロッパで唯一のステップ湖です。2001年には世界遺産に登録されました。オーストリアとハンガリーの国境線が湖の真ん中を走っています。
こちらの湖は約280種の鳥類、数多くの植物に最後の生息地となっていて、世界的に重要な生態系を形成しています。ノーベル賞を受賞したコンラート・ロレンツはこの湖を主な研究対象としました。水深1.5m、湖水は僅かに塩分を含んでいて、周辺に広がる130ヘクタールの葦原が湖を幹線道路から隔てているため海のような景色となっています。
また、ノイジードル・アム・ゼーには湖の生態系を紹介するノイジードラー湖博物館があります。
ホーエ・タウエルン国立公園(Hohe Tauern National Park)
中央ヨーロッパ最大のホーエ・タウエルン国立公園は、ケルンテン州、チロル州、ザルツブルク州の3つの連邦州にまたがっている広大な国立公園です。アルプス地域最大の動植物保護区であるホーエ・タウエルン国立公園には、何種かの非常に希少な野生動物が生息しています。そのため国立公園のレンジャーの助けを借りれば、珍しい動植物が観察することができます。
国立公園のレンジャーは、どこへ行けば野生動物を見ることができるか熟知しているので、ガイドツアーに参加すれば目的の動物と遭遇する確率がグッと上がります。
定番観光に飽きた方におすすめの穴場スポット3選
ログナー・バード・ブルマウ(Rogner Bad Blumau)
ログナー・バード・ブルマウは、広大な面積を誇る温泉施設です。温泉やプールの他に、テニスコート、サイクリングコースを完備しています。
ホテルのスイートやアパートメントを収容した施設は、緑色の屋根、丸い形、カラフルなファサードや、金色のドームなどを特徴とする独特なデザインです。建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが、親しみやすい彫刻と温泉を併せ持つ、常に成長を続けるこの芸術作品を創り上げました。
屋内と屋外にある11種類の温泉プールは、合計水面積2,724平方メートルを誇ります。スパ・エリアでの特別マッサージと治療には、自然のヒーリング治療用製品が使われています。
アルムドルフ・ザイナーツァイト(Almdorf Seinerzeit)
アルムドルフ・ザイナーツァイトは、ケルンテン州のノックベルク山の高地にある山小屋ホテルです。アルプスの大自然の中に独立して建つ21棟の山小屋、4棟の「インペリアル・ハンティング・ロッジ」と、プライベート・サウナと湯気上る温水浴槽を玄関の真ん前に備えた3棟のシャレ―が備えられています。
食事は、世界一小さなレストランと言われる「木こりのキャビン」でとることができます。ここでは、直火で料理するいくつかのコース料理のメニューが用意されています。
また、ゲストは、ベーコンをスライスしたり、丸太を切ったり、地方料理を習ったりと、季節毎の地域の伝統的な体験コースにも参加できます。野生生物を観察するサファリ探検や、ガイド付きハイキングもあります。
バウムホテル(Baumkronenweg)
バウムホテルは、樹の上に造られたヨーロッパで一番長い小道にあるツリーハウスです。このホテルはヴァルトクローネンヴェーク自然体験公園の中心にあります。
「木のホテル」は、地上から約10メートル、見上げる樹上に支柱に支えられて建っています。72段の階段を登ると、家具やキチネット、ダイニングスペース、ベッドルーム、シャワートイレを完備した、居心地の良いツリー・シャレ―にたどり着くことができます。
公園内には5000平方メートルもの広さを誇るプレイグラウンドやホテルレストラン「ヴァルトガストホーフ・オァヒカッツル」があり様々な楽しみ方ができます。また、夏季にツリーハウスに宿泊すると、ガイド付きナイトツアーや、ロマンチックなディナー、快感マッサージなどを組み合わせたプログラムなど、様々な体験ができます。
基本情報
飛行機
ウィーン〜成田(東京)を結ぶ直行便は夏期にオーストリア航空が就航し、ウィーン〜羽田を結ぶ直行便は2019年2月17日(日)よりANAが毎日就航するので日本からのアクセスはとても便利になります。
また、オーストリアにはウィーン、ザルツブルク、インスブルック、グラーツ、リンツ、クラーゲンフルトに国際空港があり、ヨーロッパの各国の空港と結ばれています。
通貨
オーストリアでは欧州連合(EU)に加盟する28カ国のうち19カ国共通の単一通貨「ユーロ」が流通しています。
ユーロ紙幣:5、10、20、50、100、200、500ユーロの計7種類。
表裏とも12ヶ国共通デザインで、すべてオーストリア人ロベルト・カリーナ氏が考案しました。
気候
夏にあたる7〜8月には最高気温が35℃にも達することがありますが、日本のように湿度は高くないので蒸し暑いと感じることはほとんどなく、朝晩は一般的に涼しく、しのぎやすいです。
また、冬は12月から3月にかけて、谷で雪が積もり、標高1800m辺りでは11月から5月まで雪に覆われ、2500m以上では万年雪となります。ウィーンなど平地部でも、12月下旬〜3月ごろまで雪が積もる場合が多いですが、除雪作業が行われるので観光に差し支えることはありません。
言語
公用語はドイツ語、国民の98パーセントがドイツ語を母国語としています。
オーストリア南部および東部には、国から認定された6つの少数民族が住んでいます。東部には、クロアチア語、ハンガリー語、チェコ語、スロバキア語などを母国語とする人々、ケルンテン州南部とシュタイヤマルク州南部には、スロベニア語を母国語とする人々が居住しています。