岩国寿司とは
岩国寿司は、四角に整えられた酢飯に色とりどりの具材が乗せられた山口県岩国市の郷土料理です。山口を代表する名物グルメとして知られていますが、その人気の秘密は華やかでボリューミーな見た目にあると言えるでしょう。
酢飯と魚のすり身を混ぜたものを木枠に詰め、その上に錦糸卵やシイタケ、でんぶ、蓮根などを乗せ華やかに飾り付けます。この美しい飾り付けが完成した後は、さらにその上にまた酢飯とすり身を混ぜたご飯を盛り、具材の飾り付け。この工程を何層も重ねていき、最終的に巨大な押し寿司を完成させます。
あまりにも重ねすぎると形が崩れてしまうため、一般的な岩国寿司の高さは最大でも5層が限界です。しかし、5層の岩国寿司に必要なお米の量が約5升ということを考えると、岩国寿司を1度作ると約100人前もの量が完成することに。
実際にはここまで大がかりな岩国寿司を作るお店は限られていますが、岩国市の由緒正しい料亭などでは未だに100人前の岩国寿司を一度に作る機会も少なくありません。
巨大な押し寿司を1人前ずつ四角形に切り分けた姿は「殿様寿司」とも呼ばれ、山口ではお祝いの席などでよく提供されます。全国での知名度こそあまり高くはありませんが、「全国郷土料理百選」に選出されるなど、山口に訪れたらぜひ味わっておきたいご当地グルメの1つだと言えるでしょう。
岩国寿司と一緒に味わいたい岩国グルメ
こちらでは、岩国寿司と一緒に味わいたい岩国の郷土料理を紹介します。岩国寿司とセットで提供している飲食店も多いため、ぜひ合わせて堪能してみてください。
大平
大平は、岩国寿司と一緒に提供されることが多い岩国の家庭料理です。「大平碗(おおひらわん)」という大きめの茶碗によそわれて提供されることから、大平という料理名がつけられました。
茶碗のなかには鶏肉やサトイモ、こんにゃく、シイタケ、高野豆腐、ゴボウなどの煮込まれたものが入っており、鶏肉や野菜の出汁でさっぱりとした味付けがされています。
岩国寿司同様に大平も量が多く、大平碗の中に入った大量の具材を大勢で取り分けながら味わうのが主流の食べ方。すまし汁のような薄めの味付けのため、単品で注文するのではなく岩国寿司と合わせて注文するのがおすすめです。
岩国蓮根
岩国蓮根は、岩国寿司や大平などの郷土料理によく使われている食材です。通常の蓮根よりも穴の数が多く、「見通しが良い=縁起が良い」として祝い事でよく提供されます。柔らかめの食感は煮物と相性が良く、糸を引くような粘りけが特徴的です。
最近では、郷土料理だけでなくパスタやカレーの材料として使われることも増えてきているので、山口へ訪れた際は岩国蓮根が味わえる飲食店をぜひ探してみてください。
岩国寿司を実際に食べてみた!
今回行ったお店は「よしだ新館」
JR川西駅より徒歩約17分のところにあるお店です。日本三名橋の1つである錦帯橋からもアクセスが良いので、観光した後に寄ってみても良いですね。店内はレトロな雰囲気が漂っていて、魚が泳ぐ水槽もありました。2、3階には大宴会場もあるので大人数での食事も可能です。
コメント
今回は単品で岩国寿司を注文したのですが、存在感があり華やかな見た目に思わずうっとり。酢飯の上に乗った岩国れんこんと鰆が良い歯応えで、酢飯の酸味を玉子の甘みが和らげてくれて最後まで飽きずにいただけます。押し寿司なので、小さいながらもかなりボリュームがあり、非常に満足感がありました。