呉海軍カレーとは
もともと海上自衛隊では、曜日感覚が無くならないよう毎週金曜日にカレーを食べる風習がありました。自衛隊にとってカレーは、週に1度必ず食べる平日の終わりを知らせる大切な存在。そんな海軍の生活を一般の人々にも知ってもらおうと、現在では全国各地の飲食店や土産物屋で海軍カレーが販売されています。
そんななか、注目を集めているのが広島県呉市の「呉海軍カレー(呉海自カレー)」です。呉市は古くから「海上自衛隊の街」として発展してきた土地で、町おこしの目的も込めて市内あちこちの飲食店で呉海軍カレーを提供するようになりました。それぞれの艦艇で味付けや材料は異なり、チキンカレーや野菜カレー、オムカレーなど種類は30以上にのぼります。
飲食店のなかには、海上自衛隊の料理長から調理法を教わっている店主もおり、お店で食べられるのは実際に自衛官が食べているカレーとほぼ同じもの。実際に、本物の自衛官からも「これはうちのカレーとまったく同じだ」と定評があるほどの再現度の高さです。また、自衛隊向けの料理というだけあって、味だけでなく健康にも配慮されているのが呉海軍カレーの嬉しいポイントでしょう。
呉市に訪れる観光客のなかには、ガイドブックを見ながらカレーのお店をはしごし、食べ歩きする人もいるほどの人気を集めています。呉市では海軍カレーのお店を巡るとシールがもらえる「シールラリー」が行われており、シールの枚数によってオリジナルグッズがもらえるので興味がある方はぜひ参加してみてください。
呉海軍カレーで特に人気のカレー
呉海軍カレーは種類が30以上あるため、観光で広島に訪れる方は「どれを選べば良いのかわからない」という方もきっと多くいることでしょう。こちらでは、呉海軍カレーのなかでも特に人気の3種類を紹介します。
いせカレー
「護衛艦いせカレー」は呉海軍カレーのなかでも最も人気で、呉海自カレーグランプリ&フェスタで初代グランプリを獲得しています。特徴は、2種類のルーが使われていることと、なかにキャベツが入っていること。さらに、味付けが甘めのため小さなお子様でも食べられるのがポイントです。
また、ほくほくのジャガイモがトッピングとして上に乗せられているところも、ほかのカレーにはないいせカレーならではのこだわりでしょう。
とわだカレー
「補給艦とわだカレー」は、特に女性から評判のおしゃれなカレーです。隠し味には桃やリンゴといった果物が使われていることから、通常のカレーと比べてまろやかさがあります。まろやかさが感じられる一方、カレールーはスパイシーでピリ辛な点がとわだカレーの魅力でしょう。
呉市のクレイトンベイホテル内レストランでも提供されており、レストランオリジナルセットでは温泉卵やサラダ、デザートが一緒に味わえます。
かしまカレー
最後に紹介する「練習艦かしまカレー」は、高級感のあるカレーを食べたい方におすすめです。「海軍カレーのなかで最も贅沢なカレー」と呼ばれることもあるほどで、皿のなかにはゴロゴロの牛タンがたくさん盛られているのが特徴。かしまカレーが豪華な理由としては、練習艦には若い自衛官が多く、食材をボリューミーにしているからだと言われています。
歯ごたえのある牛タンは、長時間かけてソテーされた玉ねぎと合わせることでより美味しく食べられるでしょう。
実際に食べてみた!
今回行ったお店は「港町珈琲店」
アレイからすこじま公園の目の前にある喫茶店です。潜水隊前駅(バス)より徒歩1分のところにあります。店内は陽気な音楽が流れていて、テラス席からは多くの潜水艦を眺めながら食事を楽しむことができます。
海軍カレーに使用されているお皿は販売されていて、お皿のほかにも、コップなど日常的に使えるものもありました。また、店内に飾られている海軍の帽子は、店員さんに声をかければ被って記念写真が撮れるので、呉の思い出に納めてみるのもいいですね。
コメント
こちらの海軍カレーは潜水艦「くろしお」のレシピを再現していて、サラダとドリンクがセットになっています。女性が喜ぶコラーゲンたっぷりの牛すじを使用したカレーで、中華風の味付けがポイント。後を引く辛さが、さらに食欲をそそられました。
隠し味として、広島にちなんだ材料がいくつか入っています。その中の1つ、お好み焼きソースが良いアクセントになっていました。普段よく口にするカレーとは一味違ったコクが感じられます。