呉まで来たらついでに江田島へ行こう
広島市の隣にある呉市は古くからの港町です。かつての軍港でもあり造船の中心地だった歴史を感じさせ、瀬戸内の美しい風景を楽しみながら観光が楽しめます。
そして、呉市の沖合い約6kmほど、広島県南西の広島湾に浮かぶ江田島・能美島といくつかの島からなる江田島市は、音戸大橋、第二音戸大橋、早瀬大橋が架かっているので、呉市から陸路で行くことができます。呉を訪れたら、ぜひ江田島にも足を伸ばして、観光を楽しみましょう。
ドライブで江田島に行くなら音戸大橋を利用しよう
呉市警固屋町と倉橋島(音戸町)の間には、幅90mの海峡「音戸(おんど)の瀬戸」が流れています。平安時代末期の1162年に平清盛が新しい航路として切り開いた海峡で、わずか10ヵ月で工事を完成させたと言われています。
工事最後の日、その日のうちに完成させたかった清盛が沈みかけた太陽に向かって扇を振ったところ、太陽が戻り、思いが叶ったという「日招き伝説」が残っています。
海峡を行き来する渡し船もありますが、ドライブであれば海峡に渡る2つの橋を利用し、倉橋島を経由して江田島に向かいましょう。
1962年に建設された「音戸大橋」は、らせん式とループ式の取付道路を持つ高架橋です。「第二音戸大橋」は2013年に完成したもので、重量約3,500tもあるアーチの中央部は国内最大級の海上クレーン船で一括架設されました。「日招き大橋」の愛称で親しまれています。
どちらの大橋も鮮やかな赤ですが、これは清盛が建立した厳島神社の朱色にちなんでいるとのこと。せっかくなので行きと帰りでそれぞれの橋を通ってみるのもいいですね。無料で通行することができます。
また、橋を渡って江田島に行く手前にある「音戸の瀬戸公園」は、音戸の瀬戸と音戸大橋が一望できる公園で、写真映えスポットとしても人気です。また、3月下旬から4月上旬には2,000本以上の桜、また4月下旬から5月上旬にかけては約8,300本のツツジが咲き誇る花の名所でもあります。
車がなくてもフェリーや高速船で江田島にアクセスできる
ドライブで橋を渡り陸路でアクセスできる江田島ですが、呉や広島市宇品(うじな)からフェリーや高速船で20〜30分ほどでアクセスすることができます。また、音戸の瀬戸を片道3分で結ぶ渡し船もあります。こちらは人だけでなく自転車やバイクも乗船可能。
瀬戸内をめぐるサイクリストがフェリーなどを利用する際に割引運賃で乗船できる「せとうちサイクルーズPASS」が使える航路もあります。詳細は下記HPにてご確認ください。
江田島市 海上交通【航路・運航事業者一覧】
呉市 音戸渡船
せとうちサイクルーズPASS
江田島でのおすすめの過ごし方
広島には「しまなみ海道」をはじめとするサイクリングコースが各地にあり、江田島にも呉市からの「かきしま海道」と呼ばれるサイクリングコースがあって多くのサイクリストが訪れます。海に囲まれていることから海水浴はもちろん、様々なマリンスポーツが楽しめるスポットやサービスも充実しています。ハイキングやドライブで山に登れば、瀬戸内海を望む絶景が堪能できます。
大自然の中でのアクティビティが盛んですが、かつて海軍兵学校が置かれていたことから、旧海軍関連の史跡や慰霊碑、砲台跡などその歴史を物語るスポットが豊富なことでも有名です。巡りながら当時に思いを馳せてはいかがでしょう。
冬場(例年11〜3月頃)の江田島産かきは有名なご当地食材です。新鮮な海の幸をはじめ土地が育む食材も豊かなので、グルメも見逃せません。好きなアクティビティに歴史、グルメを盛り込んで充実した旅にしてください。
なお、公共の施設は月曜日が休館日となっているところも多いので、その点に考慮した観光プランを立てましょう。
江田島の定番観光スポット
レンタサイクル貸出スポットは6ヵ所、サイクルステーションも数多くある
江田島でサイクリングするならレンタサイクルを利用するのも手軽でおすすめです。江田島のレンタサイクル貸出スポットは6ヵ所。直営の「ふるさと交流館」のほか、切串(きりくし)港西沖桟橋、小用(こよう)港、中町港、三高(みたか)港の4つの港、沖美町是長のサンビーチおきみにあるリゾートホテル「Uminos Spa&Resort」です。
自転車の種類もクロスバイクや電動アシストつき、タイヤサイズが小さめのミニベロなどいろいろあり、目的に合わせて選ぶことができます。坂道もあるので電動アシスト付きがおすすめです。基本的には同じスポットに返却する流れになりますが、別のスポットに返却することも可能です。ただし別のスポットに返却する場合、移送手数料として1台あたり1,000円かかるのでご注意ください。
サイクリストをサポートしてくれる「サイクルステーション」も数多くあります。休憩に利用できるほか、サイクリング中にアクシデントがあっても簡単な工具の貸出や空気入れの装備もあるので安心です。
「切串」〜「小用」間はチャレンジしたいサイクリングコース
江田島のサイクリングコースはいくつもありますが、なかでも切串と小用を結ぶコースはぜひチャレンジしてほしいおすすめのコースです。コースは他と比べると高低差がありますが、海沿いの景色を満喫することができます。また、有名観光スポットである海上自衛隊第一術科学校(旧海軍兵学校)の前も通過します。
切串は広島宇品からのフェリーも発着している場所です。広島市内からフェリーで切串に向かい、すぐ近くにある「切串港西沖桟橋」のレンタサイクル貸出スポットで自転車を借りて、すぐにサイクリングに出発することができます。
自転車を降りて街並みを楽しむなら、海上自衛隊第一術科学校付近がおすすめ
サイクリング途中に歩いて街並みを楽しみながらの散策はいかがでしょう。海上自衛隊第一術科学校は旧海軍兵学校跡地に建てられたもので、当時の雰囲気を感じさせる古い建物が残されています。学校周辺にも歴史を感じさせる建物があります。
海友舎は旧海軍兵学校関連施設で、術科学校敷地外に明治期の1888年に建てられたもので、空襲も免れた歴史ある木造建築物です。内部は普段は非公開ですが、開館日に見学ができますので下記のHPにてご確認ください(※要予約)。
学校前にある「ふるさと交流館」は、観光案内所でサイクルステーション、休憩・喫茶スポットにもなっています。また、旧海軍兵学校の制服や卒業証書、当時の写真などが展示されています。兵学校の生徒が休日にくつろげるよう民家などを活用した橋中生徒倶楽部を模した建物で、レトロな外観です。
江田島でマリンスポーツを楽しもう
海に囲まれていることから海水浴をはじめとする様々なマリンスポーツが楽しめます。特に江田島の中心には江田島湾があり、比較的波が穏やかなことから、シーカヤックやSUP(サップ)も楽しめます。
SUPとはStand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)の略です。その名の通り、ボードの上に立ってパドルを漕いで水面を進むアクティビティで、人気があります。初心者でも楽しめる体験レッスンなどもあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
マリンスポーツスポット
瀬戸内海を見渡せる絶景ハイキングスポット!!江田島6峰
江田島には標高300〜400mクラスの山々があります。「江田島6峰」と呼ばれ、ハイキングスポットとしても人気です。頂上からは瀬戸内海の多島美が一望できます。砲台山(三高山)は頂上付近に旧陸軍が広島湾防衛のために設置した砲台の遺跡が残っていて、歴史を感じながらの散策も楽しめます。
一部の山には頂上付近まで車で行くこともできるので、ハイキングの時間が取れないとか、体力的に難しいのであれば、ドライブで訪れて絶景を堪能してもいいですね。
江田島6峰
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