NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町ってどんなところ?
「NIPPONIA HOTEL」は、各地の歴史的建造物をホテルとしてリノベーションし、その土地の歴史や文化を体験できる複合宿泊施設として再生する取り組みをしているホテルです。
今回宿泊した「NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町」も、その取組の一環として2019年8月に「たけはら町並み保存地区」内にオープンしました。「その町に暮らすように泊まる」がコンセプトの分散型ホテルで、フロントとレストランがあるHOTEI棟と、宿泊棟であるMOSO棟、KIKKO棟が保存地区内に点在しています。
竹原に昔からある古い建物をリノベーションしており、建物のみどころも3棟それぞれで異なります。
HOTEI棟
フロントとレストランがある共有スペースの棟です。江戸期に創業し、1975(昭和50)年頃まで料亭として営業していた「旧水儀本店」をリノベーションした建物です。宿泊者はまず、こちらの建物でチェックインする必要があります。またレストランは、宿泊者以外も利用可能ですので、宿泊せずとも入ることができます。
MOSO棟
HOTEI棟向かいにあるMOSO棟。明治期に「旧芸備銀行(現広島銀行)」として建てられ、その後「旧水儀旅館」として営業していた建物をリノベーション。
建物の随所に銀行や、旅館の名残が残され、歴史に思いを馳せることができます。リノベーションには竹原の名産「竹」が多く使用され、棟の名称は竹の種類である孟宗竹(もうそうちく)が由来とのこと。
こちらには4名定員の部屋が5部屋、2名定員の部屋が1部屋の合計6部屋があり、各部屋個性豊かなデザインが施されています。2階には、たけはら町並み保存地区の中心的な存在「西方寺普明閣」を窓から望むことができる部屋もあります。
KIKKO 棟
MOSO棟と同じく宿泊棟であるKIKKO棟。HOTEI棟とMOSO棟とは少し離れ、たけはら町並み保存地区のちょうど真ん中の位置に建っています。
明治期に造り酒屋として、大正から昭和にかけてはビリヤード場などの娯楽施設として竹原の賑わいを支えてきた建物とのこと。こちらもリノベーションには竹原の名産「竹」が多く使用され、棟の名称は亀甲竹(きっこうちく)を由来としています。
4名定員の部屋が3部屋、2名定員の部屋が1部屋の合計4部屋あり、すべて1階、2階に分かれたメゾネットタイプの部屋です。2名定員の部屋は蔵をリノベーションした離れの客室となり、より町に住んでいる感覚を楽しめそうです。
ホテルがある「たけはら町並み保存地区」ってどんなところ?
竹原は平安時代には京都の下鴨神社の荘園として栄えたことから、「安芸の小京都」とも呼ばれています。江戸時代には製塩業や酒造業で発展。その当時の町並みを、重要伝統的建造物群保存地区として残しているエリアが、「たけはら町並み保存地区」です。
今も多くの人が暮らし、個人所有の家々から町並みが成り立っているとのこと。町を歩いていると地域のみなさんの営みも感じることができます。
南北にほぼ真っすぐな約400mほどの「本町通り」を中心に広がっており、さほど広くはありませんが、この場所に重要文化財がぎゅっと詰まっています。
また本町通りには電線や電柱が無く、テレビのロケ地として多く使用されています。最近ではNHKの連続テレビ小説「マッサン」のモデルになったニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝の生家「竹鶴酒造」がロケとしても使われたことで話題となりました。酒造は製塩と並ぶ竹原の発展に書かせない産業で、今も保存地区内には3軒の酒蔵があります。
時代を感じる大瓦、飴色になった格子窓、歴史ある建物をリノベーションしたカフェや商店、製塩業で財を成した旧邸宅などが混在し、じっくり歩いているとあっという間に時間がたってしまうエリアです。
NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町に宿泊
フロント
まずはフロントのあるHOTEI棟に向かいます。HOTEI棟の扉を開けると目の前にフロントがあり、そこでチェックインの手続きをします。その際にホテルでの過ごし方だけでなく、たけはら町並み保存地区の歴史や見どころを詳しく説明してくれました。ホテルのスタッフの説明を聞いた上で町歩きをすると、また違った目線で楽しむことができますよ。
受付カウンターの隣には待合空間もあります。
MOSO棟入り口
チェックインが済んだらいよいよ部屋へ。ホテルのスタッフが建物の特徴説明とともに部屋まで案内してくださいます。
扉を開けた先は天井が高い土間空間。宿泊した2月には正面にお雛様が飾ってありました。これは「たけはら町並み雛めぐり」というイベントの展示の一部で、保存地区の各所にお雛様が飾られています。
雛めぐりで飾られているお雛様の中には、江戸時代のものもあり、各時代によって人形の顔つきが全く違っていて、見ごたえあり。こういった町ぐるみのイベントにも参加されているのが「NIPPONIA HOTEL」らしさでもあります。
また天井を見上げると、黒い板が。これは銀行として使用されていた当時、警備員さんがここを歩いていた通路だそう。今でも十分天井が高いのですが、銀行当時はもっと高く、明治の建物としてはとてもめずらしい設計だったとか。
その後の旅館時代に天井が設けられ今の状態に。建物全体は、旅館時代の趣が多く残っているのだそうです。
今回は専用庭の付いている、103号室に宿泊しました。土間を上がって廊下の奥、階段に隠れている扉になります。廊下も明るくとても気持ちのいい空間でした。
部屋へ
103号室はコの字型の形をしており、3方に窓がある日当たりの良い部屋。障子に映る影もとても素敵です。わかりにくいですが、右側の壁にはコート掛けがあります。
部屋に入ってまず目に飛び込んでくるのが、専用庭!圧巻の広さがあります。部屋の一部は畳になっており、ゆっくりと寛げるスペースです。座布団の上にはブランケット。さりげないですが、ありがたいサービスですね。
部屋の奥へ進むと、そこはベッドルーム。こちらの部屋からも庭を眺めることができます。ベッドはセミダブルで、小さなお子様がいてもゆったりと添い寝ができるでしょう。
部屋の各所にコンセントは設置されていますが、もちろん枕元にもしっかりコンセントがあり、スマホの充電をしながら就寝できます。またベッドの近くに部屋の照明スイッチも設置されています。
ベッドの上には浴衣一式が置いてあります。足袋まであり、履いてみるとなんともいい履き心地です。ダイニングでの食事には浴衣のまま愉しめるとのこと。土間にある靴箱には下駄も置いてあるので、移動に利用すると一層雰囲気が増しますよ。
庭
ここ103号室の見どころはなんと言ってもプライベートのお庭です。料亭だった当時からこの設えだったとのこと。縁側の先にある扉の先には3帖ほどの個室もあり、それもこちらの部屋専用スペースです。
部屋にはテレビや明るい照明が設置されていませんが、このお庭を眺めながら贅沢な時間を過ごすことができます。
お風呂
お風呂は、職人さんが作ったこだわりの檜風呂です。全室に完備され、どの部屋に宿泊しても楽しむことができます。香りがとても良く、つい長風呂してしまいました。部屋に付いている冷蔵庫の中にはお風呂にいれる為の酒粕がサービスで置いてあり、檜の香りと酒粕の香り、どちらにも癒やされることができます。
ユニットバスではなく、洗い場が独立してあるのが嬉しいポイントですね。また入浴しながら庭を眺めることが出来る上、お風呂から縁側へ出ることもできます。
洗面台
お風呂の手前には洗面台があります。足元には脱衣かごが設置されています。写真には写っていませんが、正面にあるすりガラスの窓の一部が鏡になっていて粋なデザインです。
アメニティ
お風呂周りのアメニティはシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、石鹸、ボデイタオル、シャワーキャップ、ボディローションがありました。また洗面周りにも歯ブラシ、髭剃り、綿棒、ヘアブラシ、コットンとアメニティが一通り揃えられていて快適です。
トイレ
寝室のすぐとなりに独立したトイレがあります。個室内に手洗い場と空気清浄機が設置されており、細部までありがたいサービスが行き届いています。
デスク
部屋の中にはデスクが2台。床にはちゃぶ台もあるので、一緒に来た人と机の取り合いになることはないでしょう。入口近くのデスクには鏡も置かれているので、女性はここでお化粧など身の回りをととのえることができます。また後ろには全身鏡があり、なんともありがたい配置。
冷蔵庫
入り口近くのデスク下の冷蔵庫の中には、竹原の3つの酒蔵のお酒が置いてあります。左から「藤井酒造」「竹鶴酒造」「中尾酒造」の日本酒です。有料となりますが、竹原に来たらぜひ飲み比べをして楽しみましょう。
お茶・コップ
また入り口近くのデスクの端には、電気ケトルとコップ類、お茶などのティーバッグが準備されています。電気ケトル手前にあるのは、なんと湯煎式の熱燗器!竹原自慢の日本酒を熱燗でも飲めるようにと置いてあります。寒い季節は縁側でしっとり熱燗を楽しむ・・・なんてこともできますね。
電話・Wi-Fi
デスクにはスマートフォンタイプの電話も設置されています。ガイドもありましたので使い方に迷うことはないでしょう。部屋にはフリーWi-Fiも飛んでおり、通信に関しても安心して過ごせる環境です。
金庫
ホテルの必需品、セーフティボックスもデスクの一部にしっかり設置されていました。
加湿器・空気清浄機
客室は歴史的建造物を再生しているため、断熱性や気密性は高くないとのことですが、部屋にはエアコンが2基、他にも加湿器と空気清浄機も置いてあり、至れり尽くせり。ベッドには毛布も置いてあり、2月の夜でも寒さを感じることなく過ごすことができました。
サービス
部屋のアメニティでもサービスを感じられましたが、他にも個人的な都合にも出来る限り対応してくださいます。今回は早朝の出発で朝食を食べられない旨をお伝えしたところ、前日に朝食を用意してくださいました。
宿泊時の混雑状況にも左右されると思いますが、困りごとがあれば相談してみるときっと真摯に対応してくださることでしょう。
その他の部屋もちょっと拝見
「NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町」は全10室ある客室、それぞれデザインが違う部屋です。今回はMOSO棟の「蔵」と呼ばれる2名定員の部屋も拝見させていただきました。こちらは1階と2階に分かれているメゾネットタイプ。全体的にコンパクトにまとまっています。
名前の通り、元は蔵の部分を改装した部屋で、天井にある梁など、蔵の名残を随所に感じることができます。
1階にあるこちらの空間は、なんと銀行時代に使用していた金庫。中には椅子とテーブルが設置されていて、金庫の中でくつろぐという貴重な体験をすることができます。どことなく隠れ家のような雰囲気もあり、わくわくするような感覚です。
NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町のレストラン
ダイニングはHOTEI棟の2階にあります。朝食とランチ、デイナーを食べることができ、ランチとディナーは食事のみの利用も可能。瀬戸内海に面した竹原ならではの食材を活かしたメニューが評判です。ディナーでは竹原の老舗酒蔵の個性的な銘酒の飲み比べセットも用意されており、食事を通して竹原を感じることができます。
また室内の細かいデザインにも注目です。床窓や格子窓もひとつひとつデザインが違っていて、凝ったつくり。天井付近に目をやると、様々な装飾が施されている欄間も目に入ります。ふすまで仕切られた部屋ごとに違ったデザインが用いられており、それぞれの部屋を見て楽しみたくなります。
窓のすりガラスも様々なデザインが組み合わさっていて個性的。
廊下の窓の格子は不規則に格子が並んだ変わり型格子戸。窓手前にある手すりとも組み合わさり、モダンな雰囲気を感じます。食事とともに、日本建築の美しさを堪能することができます。
NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町へのアクセス方法
電車で
- JR呉線「竹原駅」より徒歩約10分
バスで
- 芸陽バスかぐや姫号(広島センター〜竹原フェリー間)利用の場合
「竹原中央」バス停より徒歩約8分
- 広島空港よりリムジンバス(広島空港〜竹原フェリー間)利用の場合
「JR竹原駅」バス停より徒歩約10分
よくある質問Q&A
フリーWi-Fiはありますか?
あります。宿泊時に案内してもらえます。
用意のあるアメニティを教えてください
- 室内着(着物・足袋・羽織)
- お風呂関係(シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・石鹸・ボディタオル・シャワーキャップ・ボディローション)
- 洗面周り(歯ブラシ、髭剃り、綿棒、ヘアブラシ、コットン)
- タオル類(バスタオル・フェイスタオル)
早朝チェックアウトしたいです
フロントの営業時間外の場合は、前日のうちにお会計を済ませておく必要があります。
おすすめの過ごし方を教えてください
たけはら町並み観光をより楽しめるよう、アクティビティが用意されています。事前予約が必要となりますので、宿泊予約の際にホテルに相談すると良いでしょう。
2020年3月現在行われているアクティビティは以下です。
- 塩づくり体験(竹原)
- きもの着付け体験(竹原)
- 竹細工制作体験(竹原)
- 陶芸体験(竹原)
- 絵付け体験(竹原)
- 魚飯に舌鼓
- 牡蠣収穫体験(大崎上島)
- 醤油蔵見学(大崎上島)
- 酒蔵見学(竹原・藤井酒造)
- プライベートチャータークルーズ
ルームサービスはありますか?
現在、ルームサービスは用意されていません。
子供は宿泊できますか?
0歳のお子様から宿泊可能です。予約時にお子様の年齢と人数を伝えましょう。
クレジットカードは使えますか?
一括のみですが、利用可能です。VISA / MASTER / JCB / AMEX / DINERS / 銀聯 に対応しています。
駐車場はありますか?
専用はありませんが、近隣の駐車場を案内してくれます。車で向かう旨を事前に伝えておきましょう。
近くにコンビニなどはありますか?
たけはら町並み保存地区内にはコンビニがありませんが、ホテルから徒歩約8分の場所にセブンイレブンがあります。
荷物は預かってもらえますか?
可能です。チェックイン前やチェックイン後はフロントにて預かってもらえます。
夜に外出をしたいのですが、何時まで出入り可能ですか?
門限はなく、出入りは自由です。
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基本情報
NIPPONIA HOTEL 竹原 製塩町
【住所】広島県竹原市本町1丁目4-16
【電話番号】0120-210-289 ※VMG総合窓口(11:00〜20:00)
【チェックイン】15:00〜19:00
【チェックアウト】10:00まで
ツイン
ダブルベッドのあるハリウッドツインの洋室です。4名まで利用可能。
専有面積 :48〜66平方メートル
客室数 :8室
定員 :最大4名
蔵
ロフトタイプの立体的なお部屋で上下段計4つのシングルベッドがあります。
専有面積 :42〜57平方メートル
客室数 :2室
定員 :最大2名
※この情報は2020年2月20日(木)時点のものです。