釜山ってどんなところ?
日本海に面し、海の玄関口ともいわれる釜山は、日本の福岡や大阪から船で訪れることもできる街です。ソウルに次いで人気の観光スポットで、日本の主要都市から飛行機の直行便も就航しています。
空港から街の中心部も近く、市内の主なスポットへは地下鉄で移動が可能です。また周辺のエリアへはバスやタクシーで訪れることもできることから、1泊2日の気軽な旅行から長期滞在にもぴったりな街です。
釜山の代表的な観光スポットは、大きく3つに分けることができます。
西面(ソミョン)エリア
西面(ソミョン)エリアは釜山の若者に人気のエリアです。ファッションビルやデパートが建ち並び、夜遅くまで飲食店が開いていています。最寄りの地下鉄西面駅は1号線2号線が交差する駅なので1日の乗降者数がとても多い駅です。周辺にはゲストハウスからラグジュアリーなホテルまでたくさん立ち並んでいるので、観光の拠点におすすめのエリアです。
南浦洞(ナンポドン)エリア
南浦洞(ナンポドン)エリアはオシャレなお店が多く集まる近代的な場所がある一方で、昔ながらの釜山の風景を垣間見ることもできます。釜山の代表的な繁華街・西面(ソミョン)とはまた違った雰囲気で釜山らしい漁港の景色も楽しめます。
海雲台(ヘウンデ)エリア
海と山に挟まれた釜山の海岸線沿いに位置する海雲台エリアも、おすすめの観光スポットがたくさんあります。中でも海雲台海水浴場は人気の観光スポットで、1.5kmにわたって美しいビーチが続きます。周辺にはリゾートホテルやカジノ、水族館があり韓国国内外から観光客が集まります。
釜山の見どころ
昔ながらの暮らしが垣間見られる南浦洞(ナンポドン)エリア
チャガルチ市場
チャガルチ市場は、釜山の南東部に位置する二つの市場ビルと周辺の露店群で成る、韓国最大の鮮魚市場。漁港沿いの路地では、その日あがってきたばかりの魚を並べて売るアジュンマたちの快活な姿を見ることができます。
市場ビルは、1階に300以上の鮮魚店が並び、どこをみても新鮮なお魚や魚介類でいっぱいです。見たこともないような鮮魚も並んでいて、見て歩くだけでも楽しめます。
ちなみに気になったお魚は購入して、2階の食堂で調理してもらって食べることもできます。1階でお魚を購入しなくとも食堂だけで利用することもできるので、ぜひ立ち寄ってみましょう。
市場ビルの外、カラフルなパラソルが立ち並ぶ露店の中にもその場で魚介類をさばいて調理してくれるお店があります。日本語が通じるお店は少ないようですが、観光客に慣れているお店がほとんどなので、食べたいお魚を指差しやジェスチャーなどで交渉してみるのも、釜山旅行の楽しみ方のひとつです。
鮮魚以外を購入したい人は、チャガルチ市場隣にある忠武洞(チュンムドン)市場をのぞいてみましょう。観光客の多いチャガルチ市場よりもディープな雰囲気で、にんにく専門店や驚くほど種類豊富なキムチ専門店が並んでいます。お散歩するだけでも釜山の昔ながらの雰囲気を味わえます。
BIFF広場
釜山では毎年10月に「釜山国際映画祭」が開催されます。アジアの新人監督作品を中心に、約60作品が発表される大きな国際映画祭ですが、その開催を記念して整備されたのが「BIFF広場」です。チャガルチ市場からは道路を挟んですぐ北側にあり、映画館と劇場を挟んだ広場には、映画俳優の手形が埋め込まれています。
映画祭の時には上映会場として使われるBIFF広場ですが、普段は屋台が数多くならびます。BIFF広場から東西に伸びる道にも屋台が並んでいるので、見て歩くだけでも楽しめるエリアです。
また、BIFF広場を抜けた先にある光複路(クァンボンロ)通りは、南浦洞エリアのメインストリート。道の両サイドにはコスメや洋服、雑貨店や飲食店のビルが立ち並び、ショッピングにピッタリのスポットです。有名な韓国コスメのほとんどをこの光複路で購入することができます。
光複路通りの西の端には、ロッテマートが併設されたロッテ百貨店もあり、お土産を買うのにも事欠きません。ロッテ百貨店の13階屋上には、釜山の街の景色を360度楽しめる屋上テラスもあります。そこから見られる街の景色や夕日は美しく、夜には釜山大橋のライトアップも見ることができます。屋上にはアートオブジェが置かれており、写真撮影も楽しめるのでぜひ立ち寄ってみてください。
国際市場(クッチェシジャン)
釜山・南浦洞エリアを代表する観光スポットとして、映画の舞台にもなった国際市場(クッチェシジャン)も外せません。生活用品・照明器具・ファッション雑貨やグルメ、お土産店などが軒を連ね、観光客はもちろん、地元の人達も買い物に訪れる場所です。
戦後のヤミ市から発展した国際市場。本来はアーケードと2階建ての建物が複数並ぶエリアだけが”国際市場”でした。しかし観光客が増えるにつれ、本来の建物だけでなく、周辺の大小様々なお店も含め「国際市場」と呼ばれるようになり、現在では約7,500坪の広さに1,200ほどのお店があるそうです。
市場の中に入ると同じような造りのお店が多いので迷路に迷い込んだ感覚になりますが、探検気分で散策してみるのもおすすめ。気になるお店は柱などについている番号を覚えておくとまた訪れるときに迷うことが少ないようです。
国際市場から東へ抜けた通りには洋服屋さんと屋台が並ぶエリアがあります。地元の人たちと肩を並べて、美味しい屋台グルメを楽しむのも釜山観光の醍醐味。ショッピング中に小腹が空いたらぜひ利用してみましょう。メニューは看板に記載され、日本語も載っているので、指差しでも購入することができます。値段もしっかり設定されていますし、代金は都度支払うこともできるので、ぼったくりの心配もありません。
ちなみに屋台には飲み物は売っていませんので持参が必要です。キムパッや甘辛のコチュジャンをあえた刺身など、お酒のあてになりそうなものもありますが、韓国では外で立ち飲む人は見かけません。持ち帰りも可能なので、お酒と一緒に食べたい人はホテルに持ち帰って食べましょう。
空港から約25分。釜山の中心地、西面(ソミョン)エリア
テジクッパ通り
釜山のB級グルメ代表といえば、「テジクッパ」。豚肉を煮込んだ白濁のスープにご飯を混ぜて食べる釜山の郷土料理です。ソウルでは、牛肉の”ソルロンタン”が人気のグルメですが、釜山では豚肉のテジクッパがポピュラーです。豚の各部位を煮込んだスープに、ご飯と豚肉を入れた料理で、柔らかい豚肉が堪らなく美味しい一品です。一緒に配膳される塩やアミエビ、豆味噌やキムチを入れて自分好みに味付けをしながら食べましょう。
テジクッパが食べたいなら、西面駅の1番出口と7番出口からすぐの場所にある「西面テジクッパ通り」がおすすめ。有名なテジクッパのお店が数軒並んでおり、いつも店頭から湯気が立ち上がっています。
テジクッパ通りのお店は24時間営業のところも多いため、朝から深夜までいつでも美味しいテジクッパを食べることができ、地元の人や観光客でいつも賑わっています。
お酒のつまみにはスユッ(茹で肉)やスンデ(腸詰め)を。単品でも注文できますので、ビールやソジュ(韓国焼酎)で晩酌するのも釜山旅のおすすめのひとつです。釜山内には西面のテジクッパ通り以外にも美味しいお店がたくさんあります。お店によって少しずつ味が違ってくるので、食べ比べてお気に入りのお店を見つけるのも楽しいですよ。
田浦(チョンポ)カフェストリート
続いてご紹介するのは、「田浦カフェストリート」。韓国旅行の楽しみのひとつとして、カフェ巡りがあげられます。
カフェといえばソウルですが、最近は釜山にも個性豊かなカフェが増え、お手頃価格でコーヒーのテイクアウトができるスタンドタイプのカフェも色々なところで見かけるようになりました。
そんな釜山で、こだわりのある素敵なカフェが集まった「田浦カフェストリート」は、カフェ好きには特におすすめスポットです。
元々は町工場が立ち並んでいた地下鉄2号線の田浦(チョンポ)駅近くの場所に、約30軒ほどのお店が集まっています。町工場の雰囲気も残しつつ、オシャレに改装されたお店は各々力のいれているメニューが異なり、こだわり焙煎のコーヒーがメインのお店やパニーニの専門店、フルーツタルトが一押しのお店など様々です。
西面駅からも徒歩でもアクセスできるので、お買い物の休憩に少し足を延ばして訪れてみましょう。
リゾート気分も味わえる海岸線エリア
海雲台(ヘウンデ)
海雲台海水浴場は、高級ホテルや飲食店も並ぶ釜山一のビーチリゾート。1.5kmも続く美しい砂浜に夏場は海水浴客向けのパラソルが立ち並びます。
海水浴場の周辺にはクルーズや水族館、カジノや射撃場もあり、子供から大人まで楽しめるアクティビティが多くあります。飲食店も屋台の軽食から高級レストランまで揃っていて、不便に感じることがありません。
ビーチリゾートと聞くと夏に訪れたくなりますが、海雲台は10月に釜山国際映画祭が開催、冬にはライトアップイベントも行われ、1年中楽しめる観光スポットとなっています。
ちなみに冬の韓国は日本よりも寒いですが、冷えた体は釜山最大のスパ施設”新世界スパ”の温泉とチムジルバンで温めるのもおすすめです。
海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)
海東龍宮寺は海岸沿いの岩場に建てられた美しい寺で、多くの参拝客が訪れる韓国の三大観音聖地の一つです。釜山市内からはバスかタクシーでアクセスが可能で、海雲台駅前のバス停から181番バスを利用して約30分。タクシーだと海雲台から約20~30分ほどです。
どちらの方法でもお寺への参道を10分程歩く必要がありますが、参道には露店や屋台がびっしりと並んでいるのでお土産の物色しながら歩いていてあっという間に感じられます。
海東龍宮寺で祀られているのは、海水観音大仏と呼ばれる全長10mの観音像。ひとつの石で作られたこの観音像は韓国の観音信仰の聖地として厚い信仰の対象となっています。心から祈ることで誰もが願いごとを1つだけ叶えてもらえるという言い伝えがあり、熱心に拝む人たちの姿も見受けられます。そのほかにも、十二支の像や金色の布袋様、歴史ある建物、また季節ごとに姿を変える風景もこの海東龍宮寺の見所です。
その他、周辺のおすすめスポット
機張(キジャン)郡
釜山の北部に位置する機張(キジャン)は、釜山中心部から日帰りで気軽に旅を楽しめる場所に位置し、美味しい海鮮が食べられる場所としておすすめのグルメスポットです。
特に機張市場は冬になると、ズワイガニやタラバガニなどを食べに各地から訪れるほど、カニで有名な市場です。お店の水槽には獲れたてのカニがたくさん並びます。ロシア産が多いですが、釜山の街中に比べるとお手頃価格で茹でたてのカニが食べられるとあって、それを楽しみに訪れるお客さんで賑わっています。
機張市場は、カニだけでなく、地元の人の台所として山の幸や加工品も売られています。市場をぐるっと見て回るだけでも韓国の台所事情を知ることができます。日本では知られてないような韓国のマイナー食材も見つけられるかもしれません。
機張郡エリアのおすすめスポットは、先ほど紹介した海東龍宮寺からタクシーで10分ほどの場所にある「ヨナリ海女村(ヘニョチョン)」です。美味しい海鮮が食べられるグルメスポットのひとつで、海辺に並ぶ屋台で新鮮なお刺身や海鮮粥を食べることができます。
最近では、ヒルトンホテルが機張エリアに開業。アウトレットモールもあるため、機張郡は第2のリゾートエリアとして注目を集めています。チャガルチ市場とはまた違ってのんびりとした雰囲気の海辺のスポットもぜひ旅のプランに加えてみては。
甘川洞文化村(カムチョンドンムナマウル)
釜山の海側から山側に目を向けると、山肌に立ち並ぶ家屋が見えます。釜山にはそのような集落がいくつもあるのですが、その集落のひとつに町おこしとしてアートプロジェクトを立ち上げ、町ごとアートスポットとして人気となった村があります。それが「甘川洞文化村(カムチョンドンムナマウル)」です。南浦エリアから市内バスで20分、そこから徒歩かマウルバスというローカルバスで村の入り口にアクセスが可能です。
甘川洞文化村は入り組んだ路地から釜山のマチュピチュと呼ばれており、町おこしのプロジェクトも「マチュピチュプロジェクト」と名付けられました。家屋はすべてカラーリングされ、町の至る所にアートオブジェが並びます。
オシャレで可愛らしいカフェやショップなどもあり、海外からの観光客だけでなく、地元の若者たちにとっても「今をときめく」流行りのスポットになっているようです。チマチョゴリをレンタルしてお散歩もできるので、SNS映えする写真がたくさん撮影できます。
甘川洞文化村は、見どころが多く写真スポットもたくさんあるので半日以上の時間をとってゆっくり見て回るのがおすすめ。集落全体の高低差や傾斜が激しいのでスニーカーなどの動きやすい靴が必須です。
影島(ヨンド)
次にご紹介するのは、ここ最近釜山の若い人たちからデートスポットやアートスポットとして注目され始めている影島(ヨンド)です。南浦洞からいくつかの橋で繋がっている島で、元々海の景色を楽しめるスポットとして展望台などがありましたが、観光地としてはあまり有名ではありませんでした。
そんな影島が注目されだしたのは、リニューアルされた灯台や第2の甘川洞文化村として人気を集める集落”フィンヨウル文化村”など新しいスポットが生まれたことがきっかけでした。フィンヨウル文化村は海岸へと続く傾斜を利用した細い路地に白を基調とした色合いの家が連なった集落で、「韓国のサントリーニ」とも形容され、若者の間で再注目されています。
そのほかにも、海洋博物館がオープン予定など、これからの開発が楽しみな影島。地下鉄が通っていないためアクセスが不便ですが、南浦洞エリアからのお散歩観光におすすめです。
慶州
釜山から高速バスかKTXでアクセス可能な歴史文化地区・慶州(キョンジュ)。春は桜、秋は紅葉など自然の風景と歴史的建造物のコラボレーションが素敵なスポットです。東洋一古い天文台や遺跡などが数多く残る歴史的にも重要なエリアで、国内外から観光客がたくさん訪れます。点在する歴史遺産を観光するならレンタルサイクルもおすすめで、外国人でも借りられます(要パスポート)。長めに釜山に滞在するなら慶州に足を延ばすのもおすすめです。
アクセス情報
飛行機
日本国内主要空港からJAL、大韓航空、エアプサン、T-way、Jinair、jeju航空、イースタージェットが就航
【所要時間】約1時間30分~約2時間30分
高速船ビートル
福岡港より約3時間(直行便の場合)
よくある質問Q&A
質問:日本語は通じる?
回答:有名店に行くと日本語を話すスタッフもいますが、基本的には韓国語と若い人は英語を話せる人が多いです。
質問:両替はどこでするのがお得?
回答:現地の有名両替所が一番レートが良いです。日本の空港より現地の空港の方がレートがいいので、到着してから交通費などの分だけ空港で両替して残りは両替所で替えるのが良いですね。
質問:夜に一人で出歩いても平気?
回答:治安は日本とあまり変わりません。西面などの繁華街では夜遅い時間まで人通りがありますが、それでも一人で出歩くときは用心が必要です。