「オクトパス・カード」は、旅の初めに購入すべし!
ほとんどの乗り物に使えるICカードが、「オクトパス・カード(八達通)」。日本の「Suica」カードと同じように、必要な金額をチャージして使うことができます。普通のカードタイプのほかに、キーホルダーにもなるミニサイズや時計型、ときどき発売される限定版なども。このカードがあるだけで、“旅行中のストレス軽減間違いなし!”なので、ぜひ手に入れて!
またショッピングセンターや、中環のエスカレーターに設置してある“港鐵特惠站(MTR FARE SAVERS)”を見つけたら、すかさずタッチしましょう。同日内にMTRに乗ると、自動的にHK$2割引になります。
なおエスカレーターは右側に立ち、急ぐ人は左側を通る仕組みです。日本のエスカレーターより動くスピードが速いので、高齢者やお子さんとの旅行の場合は、特に注意してください。またMTR車内での飲食は罰金対象となります。
それでは、乗り物別に交通手段をみていきましょう。
香港中心部をほぼ網羅する鉄道「MTR」
MTRは、香港初心者でも使いやすい交通手段の1つ。ほとんどが地下を走りますが、郊外へ行く路線は地上を走ることも。路線は色分けされており、料金は距離によって異なります。MTRが提供する公式アプリを携帯電話にダウンロードしておくと、ルートの検索がスムーズにできるので、旅立つ前にダウンロードしておきましょう。
駅名は英語と中文で表記され、車内アナウンスでも両方の言語が流れます。平日朝夕のラッシュ時間帯は、駅によっては混雑することも。切符は、タッチパネル式の自動販売機で購入できますが、プリペイド式の「オクトパス・カード」の購入がおすすめです。最初の購入時にHK$150必要で、このうちのHK$50はカードのデポジット(カードの返却時にHK$40払い戻される)となります。
残高が少なくなってきたら、MTR駅などにある自動加算機やコンビニエンスストアのレジ等でチャージできます。MTR運賃が割引となり、ピーク・トラムやコンビニ、スーパーマーケットでの支払いにも使えるので大変便利です。
MTRが24時間乗り放題になる「ツーリスト・デイ・パス」や、エアポート・エクスプレス往復または片道に、3日間MTR乗り放題がついた「エアポート・エクスプレス・トラベル・パス」なども展開しています。中環駅などの大きい駅の改札内には、パソコンが設置されたインターネットの無料アクセスポイントも。利用は1回15分まで。文字の入力は英語・中国語のみだが、URLアドレスを打ち込めば、日本語サイトも表示できます。
走行エリアによって車体の色が異なるタクシー
香港島と九龍地区のタクシーは赤い車体で、屋根に「TAXI」のサインがついています。料金はメーター制で、冷房完備。日本よりも初乗り料金が安いため、比較的気軽に乗ることができます。ただし、運転手には英語のできない人も多いため、行き先を広東語で表記したメモを用意し、Googleマップなどで行き先を明確にすることが必要です。
MTR駅周辺やショッピングセンターにタクシースタンドがあるほか、路上で流しのタクシーを拾うこともできます。ただし、道路脇の黄色い二本線は24時間停車禁止区域のため、タクシーを停めることができません。また一本線は、場所により停車禁止時間が異なります。
九龍地区と香港島では営業権が異なるため、ヴィクトリア・ハーバーの海底トンネルを通る場合には、料金に往復の通行料が加算されます。また荷物をトランクに入れる場合には、1個につき料金が加算されます。シートベルトは着用が法律で義務づけられており、違反者には罰金も。また運転が荒い場合も多くあるので、注意が必要です。
支払いは、「オクトパス・カード」には対応していない車輌が多いため、少額紙幣や小銭を用意して乗車することを忘れずに!また稀に、大回りをして高額な請求を行う悪質なタクシーも。隙を見せないように、またルートの確認やメーターチェックを心がけましょう。
香港全域をくまなく走る二階建てバス
大型バスは、主に「シティバス CityBus(城巴)」、「九龍バス KMB(九龍巴士)」が運行しています。ほとんどが二階建ての冷房付きバスで、それぞれに路線とバス停が異なります。料金は乗った場所から終点までの距離で変わり、運行時間は路線によって異なります。路線は複雑なので、事前にアプリやGoogleマップなどで、路線ナンバーとバス停の名前を把握しておくとスムーズでしょう。
バスが来たら、車体の前面に表示されている路線番号と行き先を確認し、運転手のいる前のドアから乗車します。料金は先払いなので、運転席前にある料金箱に表示額を投入するか、「オクトパス・カード」でタッチして支払いをします。現金で支払う際、両替やお釣りはないので、少額紙幣や小銭を用意するよう注意して。次の停留所で下車する場合は、座席横などにあるストップボタンを押すと停まります。
乗り合いのミニバス(小巴)はルートが複雑で、バス停が裏通りなどにあるので、言葉がわからないと難易度が高い乗り物です。バス停も厳密に決まっている訳ではなく、下車したい場所で運転手に告げるという仕組みとなっているので、香港初心者の人の場合は避けたほうが無難でしょう。
香港名物の二階建て路面電車「トラム」
香港島の目抜き通りを東西に走り、全長約13kmを一時間近くかけて走る「トラム」。空調はなく、座席も硬くて、運行スピードもゆっくりですが、レトロな趣や車窓の景色など、観光客にも人気の交通手段です。ビルの間を縫うように走り、賑わうマーケットの中、人をかき分けながら進んでいく様子は、香港ならではの光景です。
どこまで行っても均一料金で、降車ボタンはありません。基本的には、すべての停留所に停まるシステムとなっています。後ろのドアから乗り、前のドアから降りるので、バスの乗降とは逆になる点に注意が必要です。車体の前面に広東語と英語の行き先が表示されているので、よく確認してから乗り込みます。料金は後払いで、運転手隣の運賃箱にお金を入れるか、「オクトパス・カード」でタッチして支払いを済ませます。
プチクルーズ気分を味わえる「スター・フェリー」
ヴィクトリア・ハーバーに就航する「スター・フェリー」。尖沙咀~中環、尖沙咀~灣仔の2つの路線があり、所要時間は約9分。移動手段としてはもちろん、プチクルーズ気分が味わえる香港ならではの乗り物です。毎晩8時に開催される光のショー「シンフォニー・オブ・ライツ」と夜景を、船の上から見るのもおすすめ。尖沙咀と中環を結ぶ路線は便数が多く、利用しやすいでしょう。なお中環のスター・フェリー・ピア(埠頭)から中環中心部までは、空中通路でつながっていて、徒歩で10分ほどの距離です。