鵜戸神宮ってどんなところ?
鵜戸神宮は日南市にある宮崎県南でもっとも有名な神社。海辺の崖にある洞窟の中に本殿が建てられているとてもめずらしい神社です。地元の人々には「鵜戸さん」と呼ばれ、親しまれています。縁結び、安産、育児、海上安全などのパワースポットとしても有名でたくさんの観光客でにぎわっています。
主祭神は日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)です。神武天皇のお父様と言ったほうがわかりやすいでしょうか。
海ぞいの参道をまっすぐ進んでいくと朱塗りの橋「玉橋」が見えてきます。ここを渡ると階段があり、その階段を下りたところに本殿があります。本殿前には崖があり、波に浸食されたおおきな岩に荒波がうちよせる姿はすいこまれそうな迫力。
この岩にある窪みに石をなげいれる「運玉」が有名で、参拝後は運玉を投げるのが定番となっています。
神社といえば、平地または階段をのぼったさきに社殿があるというのが一般的ですが、ここ鵜戸神宮は階段のはるか下のほうに社殿があるという珍しい形になっています。「日本三大下り宮」としても有名です。
本殿のある洞窟はおよそ1千平方メートル(約300坪)ほどあり、その大きさにおどろきます。長い時間をかけて少しずつ岩が削られてできた洞窟内にたつ朱塗りの色鮮やかな本殿は、八棟造・県指定有形文化財となっています。薄暗い洞窟のなかにある朱塗りの本殿は神々しさを感じるほど。
延暦元年の再興以来、何回となく修改築されており、近いところでは1968(昭和43)年におこない(257年ぶり)、1997(平成9)年にも改修をおこなっています。お参りはここで行い、作法は二拝二拍手一拝です。
主祭神のほかに五柱の大神様もまつられています。参道の途中には、海上安全のご利益があるといわれ漁師の方が多く参拝する波切神社があり、1月28日に例祭がおこなわれます。また、速日峯の山の頂上には御祭神のお墓(吾平山稜)があります。
見どころ
美しいオーシャンビューを楽しめる
国の名勝「鵜戸」
宮崎から鹿児島にまたがる国定公園日南海岸内にある通称「日南フェニックスロード」。日本の道100選にも選ばれている海岸線の道です。その途中にある鵜戸神宮もまた美しい景色が見られる場所として有名です。
日向灘に面しており、参道沿いに美しいオーシャンビューがつづきます。雄大な太平洋から朝日がまっすぐにあがっていく景色や夕日はとても感動的。2017年10月には一帯が国の名勝に指定されたというのも納得の絶景です。
天気のよい日には本殿までつづく海ぞいの参道をゆっくりあるくだけでパワーチャージされていくような気がします。
山窟前の嚴岩
鵜戸神宮ちかくの海辺にはさまざまな形状の岩がならんでいるのですが、その総称が「山窟前の嚴岩」です。その形状や色彩は美しく、これらをつくりだした自然の力におどろきます。国内にも海外にも類をみない神聖な場所となっています。
風のつよい日には太平洋の荒波が岩にぶつかりはげしい波しぶきがあがる迫力の景色をたのしめます。
鬼の洗濯岩
鵜戸神宮の駐車場にむかう道ぞいでは「鬼の洗濯岩」で有名な鵜戸千畳敷奇岩をみることができます。約1,000万年前から100万年前にかけて積もった地層が日向灘に面しており、長い年月にわたって浸食され現在の形になりました。県指定の文化財に指定されています。
「運玉」で運だめしをしよう
本殿でお参りしたあとには、ぜひ「運玉」を投げてみましょう。本殿前の崖下に主祭神の母である豊玉姫が出産のためにのってきたといわれる霊石、亀石があります。その岩の背中のくぼみに男性は左手、女性は右手で願いをこめながら運玉を投げ、うまく入れば願いがかなうといわれています。
かなり距離があるのでコントロールがむずかしいですが、くぼみのまわりには縄がかけられているので狙いやすいとおもいます。入るまで何度も挑戦する人もいるとか。
投げ入れるのに夢中になりすぎて願い事を祈るのを忘れがちなのでご注意くださいね。入ると思わず歓声をあげてしまうほど夢中になります。
昔は小銭を投げ入れていたらしいのですが、落ちた小銭を求めて崖に降りる子どもたちがいて問題になりました。賽銭にかわるものを試行錯誤した結果、1954(昭和29)年からは粘土の素焼きに「運」の文字がきざまれた運玉を投げ入れるようになりました。
運玉は5個100円。地元の小中学生やPTAが地域交流活動の一環として手作りしているそうです。一つ一つ手作りされているのも何だかありがたく、あたたかみやパワーを感じます。
残念ながら入らなかった場合でもご安心を。窪みに入らなくても、亀の背中に当たれば願い事がかなえられるとも言いつたえられています。
窪みに入った縁起の良い運玉は毎日回収されており、その運玉をつかったお守りも販売されています。たくさんの運玉の中から窪みに入ることのできた貴重な運玉。持っているだけで運気が上がっていきそうな気がします。
また、参道にはこの運玉をモチーフにした大きな石も飾られています。運玉を投げて触って運気アップを願いましょう。
運玉を投げる崖からの景色もすばらしいです。自然につくられた岩の不思議な形やそこにぶつかる荒波を見ているだけで、気持ちが洗い流されます。運玉に挑戦した後はぜひ景色にも注目してみてください。フォトスポットにもなっています。
おちちあめで安産・子供の成長をねがう
鵜戸神宮の由緒にちなむお菓子
そのむかし、山幸彦(ひこほほでみのみこと)が、兄の海幸彦の釣り針を探しに竜宮城に行き、海神のむすめ豊玉姫命(とよたまひめのみこと)と結婚しました。山幸彦が海宮から帰ったあと、身重になっていた豊玉姫命は「天孫の子を海原で生むことはできない」と鵜戸の地に。
鵜戸の洞窟に急いで産殿をつくっていましたが、鵜の羽で屋根を葺終わらないうちに御子(御祭神)はご誕生になりました。ゆえに、御名を日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)とされました。
その出産の際、山幸彦がのぞいてしまい、豊玉姫は故郷に帰らなければならなくなりました。お生まれになった主祭神への愛情と健やかな成長を願い、自分の両乳房を洞窟内にくっつけていかれたといわれています。
参考:http://www.udojingu.com/goyuisyo/
主祭神の母である豊玉姫(とよたまひめ)が産後はなれなくてはならなくなった子どものため、両乳房をご神窟にくっつけて行かれたとされる伝説の岩が「おちちいわ」です。洞窟の中にある本殿はぐるっと一周することができるのですが、本殿でおまいり後に薄暗い洞窟をすすんでいくと本殿の裏側に「おちちいわ」があります。
このおちちいわから滴り落ちる清水でつくられたのが「おちちあめ」。このあめを母乳がわりにして主祭神は育ったといわれており、今もなお絶え間なく玉のような岩しみずを滴らせて、安産・育児を願う人々の信仰の拠り所となっています。
今もこのおちちいわからからのお乳水を使ってつくられているおちちあめは縁起物として、妊婦や育児中の方へのお土産に大変人気があるようです。半透明のドロップのような飴で、母乳がよく出るようになるといわれています。素朴な甘い飴で食べやすいので、お湯に溶かして飲んでもおいしいです。
ちなみにこのおちちあめの原料である「お乳水」は本殿裏のおちちいわの隣で味わうこともできます。まるで神様のパワーをいただいているような気分になりますよ。
かくれキャラの「うさぎ」がいます
鵜戸神宮ではいたるところでうさぎに出会うことができます。神社には、ご祭神と最も近しい「神使」といわれる動物がいますが、鵜戸神宮ではうさぎが神使となっているのです。
一説によれば、主祭神・日子波限建鵜草葺不合命(ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト)の「鵜」の字から、「卯」と「兎」へと転じ、うさぎが神使となったとも言われています。
本殿裏には鵜戸神宮ゆかりの「撫(な)でうさぎ」もあり、なでると病気の完治や開運などの願い事がかなうといわれています。薄暗い洞窟なので、見逃さずにしっかり撫(な)でてあげてくださいね。撫(な)でられすぎて色がはげてきていますが、それもいい味わいになっています。
撫(な)でうさぎは本殿裏ですが、ほかにも参道沿いの見逃してしまいそうな場所に寄贈でたてられたうさぎの像もあるので、何匹いるのか数えてみるのもたのしそうです。それぞれ表情やポーズが違ってかわいいですよ。
また、うさぎをモチーフにしたお守りや御朱印帳もあります。かわいいうさぎの刺繍がされたお守りは持っているだけでテンションがぴょんぴょんあがりそう。うさぎの絵馬にはかわいいイラストが描かれていて、その絵馬が並んでいる様子は思わずほっこりさせられます。
「卯」と「兎」に通じて毎月「初の卯の日」がご神縁の日としてご神威がもっとも高まる日とされており、ご神事「縁日祭」が開催されています。
シャンシャン馬に乗った美しい花嫁さん
この地域では江戸時代の中期から明治中頃まで、結婚すると鵜戸神宮へお参りする風習がありました。新婚夫婦は手甲脚絆にわらじ履きという旅姿で、七浦七峠と呼ばれる険しい道のりを美しく飾った馬に花嫁をのせ、花婿が手綱をとって鵜戸神宮にむかいます。
この時馬の首にかけられた鈴が「シャンシャン」と鳴ったことから、今では「シャンシャン馬」の呼び名で伝承されています。
現在ではこの風習はなくなりましたが「シャンシャン馬道中鵜戸詣り」を再現する行事が毎年おこなわれています。着物姿に手甲脚絆でわらじを履いた花嫁さんが馬の背中にのっている光景はとてもはなやかで、なかなか見ることのできない貴重な行事となっています。
この鵜戸詣りの道すがら歌われていた「シャンシャン馬道中唄」も有名で、宮崎観光の呼び物になっています。毎年3月には「シャンシャン馬道中唄全国大会」が開催されています。
参道の三ツ和荘でお買い物をたのしめる
三ツ和商店
第一駐車場をおりて参道にはいると左側に三ツ和荘という観光施設があります。そこには、三ツ和商店という雑貨店、レインフォレストカフェ、土産物店の八丁坂商店が入っています。
見るだけでも楽しくなる雑貨を取り揃えている三ツ和商店。帯に神様の名前や祀られている神社などが記載されている「日本の神様御朱印帳」などが販売されており、自分好みの御朱印帳をさがすことができます。他にも美しいパッケージが目を引くミニ線香や個性的なTシャツ・手ぬぐいも販売されています。
レインフォレストカフェ
カフェでは環境にやさしいこだわりコーヒーやスイーツ、ソフトクリームを楽しむことができます。参拝後にほっと一息休憩できる場所があるとうれしいですよね。海外の観光客に人気の抹茶ソフトや宮崎名物のマンゴージュースや日向夏ジュースもあつかっています。
八丁坂商店
おすすめはここでしか購入できない限定焼酎「鵜戸詣(うどまいり)」です。創業1835年から日南市京谷酒造で製造されていて、まろやかさに深みのあるうまみをもったオリジナル焼酎です。鵜戸神宮の参拝記念に購入される方も多いとか。
焼酎が有名な宮崎ですので、たくさんの焼酎もならんでいます。品ぞろえは充分ありますので、目的に合わせてゆっくりとお買い物を楽しめます。
店名にもなっている「八丁坂」はお店の前にある参道の名前です。一番古い参道で、吹毛井の港から神官の山門まで長さ約800m(八丁)の石段が続いています。その坂を上った所からの景色も一見の価値がありますよ。
おすすめの周辺スポット
鵜戸神宮から車で30分圏内でいけるランチ
鵜戸神宮と合わせて観光におすすめ
鵜戸神宮と合わせて観光におすすめの人気スポットには、車で10分の場所にあるモアイで有名なサンメッセ日南や車で30分の場所にある景観を楽しめる堀切峠、青島駅から徒歩15分の場所にあるパワースポットの青島神社などがあります。
サンメッセ日南
サンメッセ日南は伊比井駅から車で約15分の位置にあり、鵜戸神宮からも車で10分ほどで着きます。
世界で唯一、イースター島の長老会に許可を得て復刻されたモアイが有名な人気の観光スポットです。
園内は「いやされ・みたされ・よみがえる」をテーマにしており「地球感謝の鐘」や「二十一世紀出発の灯」「愛善無怨灯」、また、一番の観光スポットである「モアイ像」など、メッセージ性のあるモニュメントが点在しています。
7体あるモアイ像にはそれぞれ左から「仕事運/健康運/恋愛運/全体運(夢叶う)/結婚運/金運/学力運」のジンクスがあるということで、モアイ像に訪れた人は自分の叶えたい願いにあったモアイ像に寄り添って写真を撮っています。
このモアイ像のほか、園内にある「恋人の丘」にはカップル向けのパワースポットとして「最愛(もあい)」と呼ばれる2体のモアイ像があり、また、海を見下ろす丘の途中にある「縁切りモアイ」は苦しみや悪縁を断ち切るパワースポットとされています。
モアイ以外にも可愛い動物とふれあったりすることができるなど、絶景にパワースポットにSNS映えに動物と、様々な楽しみ方ができるよくばりなスポットです。
堀切峠
堀切峠は折生迫駅から車で5分の位置にあり、鵜戸神宮からも車で30分ほどで着きます。
一年中美しい花々が咲き誇り南国情緒いっぱいの堀切峠はその景色の素晴らしさで人気のスポットです。
眼下に広がる太平洋、海岸線に続く波状岩、フェニックス並木などその景色は日南海岸随一です。かつて1960年代におこった新婚旅行ブームでは一大観光地としてその名が知れ渡りました。
堀切峠から南へ約1kmの場所にある道の駅フェニックスは日南海岸ドライブの休憩スポットとなっています。1階ではアシタバやエビ、マンゴーを使ったソフトクリームなど地元の特産品が販売され、2階はレストラン、3階は展望フロアとなっています。
青島神社
青島神社は青島駅から徒歩15分の位置にあり、鵜戸神宮からも車で35分ほどで着きます。
「青島」という小島にあり、「縁結び」「安産」「病気平癒」「家内安全」「海上交通安全」はもとより、あらゆる願いをお供えできるとされていますが、その中でも特に縁結びの神社として人気のスポットです。
本殿には「山幸彦(やまさちひこ)」「豊玉姫(とよたまひめ)」「塩筒大神(しおづつのおおかみ)」の三神がまつられており、日本神話に描かれた三神にまつわる恋物語が縁結びのご利益のゆえんとされています。とくに「夫婦守り」はSNSでも話題となり、お守りを求めて参拝される方も多いそうです。
また、青島神社は多彩な神事があり、アトラクションのように願掛けをすることもできることで話題となりました。サイコロを転がして運気を占うものや、焼き物のお皿を投げて願掛けをするもの、貝殻に願いを込めて願掛けをするものなど、様々な神事を楽しんで行うことができます。
さらにおすすめ
アクセス情報
電車で行く場合
- JR日南線伊比井駅より約12km(路線バスで約20分)
- JR日南線油津駅より約14km(路線バスで約20分)
車で行く場合
- 宮崎市内から約40km(約60分)
- 日南市内から約15km(約20分)
- 宮崎ICから約38km(約50分)
- 田野ICから約43km(約50分)
バスで行く場合
- 宮崎交通バス「鵜戸神宮」下車徒歩約10分
よくある質問Q&A
駐車場はありますか?
専用駐車場があります。第一駐車場が一番近いです。
参拝にはどのくらい時間がかかりますか?
駐車場から本殿まで歩いて15分ほどかかりますので、最短でもそのくらいの時間はかかります。
ベビーカーで本殿まで行けますか?
参道は舗装されていてベビーカーも使えますが、本殿に降りには階段しかないので途中からはベビーカーは使用できません。
公共交通機関以外にアクセス方法はありますか?
観光タクシーがあります。ゆっくり観光を楽しみたい方におすすめです。
基本情報
鵜戸神宮
【営業時間】4月から9月は6:00〜19:00/10月から3月は7:00〜18:00
【料金】参拝無料
【住所】宮崎県日南市大字宮浦3232番地
【TEL】0987-29-1001
【駐車場】有
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