浅草寺のおみくじの種類
おみくじは、古代から日本で祭事や政治などの重要な現場で使われてきました。今では人々の運勢を占う娯楽として楽しまれていますが、昔は国の方針を決定する重要な手法だったのです。
浅草寺では「観音百籤(かんのんひゃくせん)」というおみくじが採用されていますが、これは比叡山延暦寺の元三大師によって広められたもの。観音百籤は、100本のおみくじの中に大吉・吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・凶の7種類が振り分けられているのが特徴です。この7種類の割合は寺社によって異なり、浅草寺では「凶」の割合が多いと言われています。
おみくじに書かれているのは、この7種類の運勢のいずれかとそれに対応する漢詩です。裏側には解説も記載されていますのでご安心を。
浅草寺のおみくじの特徴
「浅草寺のおみくじは凶が多い」という噂を聞いたことがある人も多いかもしれません。浅草寺以外の多くの寺社では、おみくじに含まれる凶の割合は10%から11%程度だと言われています。しかし浅草寺では、凶の割合が30%と他の寺社よりも圧倒的に高い割合。そのため「浅草寺のおみくじは凶が多い」という噂は、ただの噂ではなく事実だと言えます。
ただこの割合は、古来の観音百籤のおみくじをそのまま体現した結果でもあります。現在おみくじは、祭事や政治ではなく娯楽として使われるのが主な用途。人々が楽しむための娯楽にもかかわらず、凶を引いて気分が落ち込んでしまう人も少なくありません。
そのため多くの寺社では、凶の割合を意図的に低くして人々の気分を下げないよう配慮しています。しかし、古来の観音百籤と同様の割合で凶を入れる姿勢を崩すことがないのが浅草寺のおみくじ。むしろ「たとえ凶を引いても、誠実に毎日を過ごすことで吉に転じることができる」ということを、おみくじを引く人々に伝えようとしているのです。
凶でも心配はない
上記でもお伝えした通り、たとえ凶を引いても過度に心配をする必要はありません。浅草寺のおみくじでは、凶が出た時は「毎日を誠実に過ごすように」という警告の意味を表しています。つまり凶を引いても、自分自身の身の振り方次第で吉に転じさせられるということ。
浅草寺では、凶を引いた場合は境内の所定の場所に結ぶことを推奨しています。凶のおみくじを結ぶ行為には「観音さまとの縁を結ぶ」という意味があり、観音さまのご加護を願うことで、たとえ凶を引いてしまっても、観音さまが災いを遠ざけてくれると信じられています。また凶が多い浅草寺だからこそ、大吉などの良い運勢が出た時の喜びは大きいと言えるでしょう。
浅草寺のおみくじはどこで引けるか
おみくじは、宝蔵門(ほうぞうもん)を抜けた先で引くことができます。仲見世通りをまっすぐに進むと宝蔵門は見えてきますので、門を抜けた先の社務所でおみくじを引くようにしてください。
浅草寺のおみくじはどうやって引けるか
浅草寺のおみくじは、以下のプロセスで引くことができます。
1.浅草寺で参拝をする
2.100円を納める
3.箱を降り、中から棒を1本引く
4.棒に書かれた数字を確認する
5.目の前にある棚の中から、書かれた数字の引き出しを開けおみくじを引く
注意すべき点としては、おみくじの引き直しは原則認められていないということです。たとえおみくじの結果に納得がいかなくても、その運勢を受け止めるようにしましょう。
浅草寺のおみくじの価格
1回につき100円
浅草寺のおみくじの販売情報
浅草寺のおみくじは、24時間いつでも引くことができます。ただ、どの時間に引いても問題はありませんが、そもそもおみくじは寺社への参拝を済ませた後に引くもの。浅草寺は18時前後に閉門をしてしまうので、出来ることならそれまでに参拝を済ませてから、おみくじを引くようにしましょう。