シカゴってどんなところ?
基本情報
「アメリカ建築の聖地」とよばれる、アメリカ第3の都市、シカゴ。シカゴは現在ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐアメリカ合衆国の大都市の一つで、中西部イリノイ州の北側に位置します。
元々ネイティブ・アメリカン達が住んでいた地が、17世紀にフランス人神父と探検家によって発見されたことをきっかけにヨーロッパからの移民が増え、1833年に「シカゴ」という都市として誕生しました。
アメリカの中心部、またミシガン湖が横にあるという地理的優位性により、鉄道・海運・航空が発達し、運輸業の拠点として栄え、金融業も発展していきました。ハリウッドでの映画産業の台頭前は、ロサンゼルスよりも大きな都市として栄えていた時期もありました。
現在ではアメリカ中西部で最大の都市となったシカゴには、「摩天楼発祥の地」、「ウィンディーシティ」(風の街)、「コンベンションシティ」などたくさんの称号がつけられています。
「摩天楼発祥の地」
1871年に起こった「シカゴ大火」で街の3分の2が焼失したことをきっかけに、近代的な高層ビルが建てられるようになりました。この被災からの再起が、シカゴを「摩天楼の発祥地」として世界中にその名をとどろかせるきっかけとなりました。現在では世界最古の高層ビルとされる建造物がシカゴ市内に残っています。
「ウィンディーシティ」
シカゴの真横にあるミシガン湖から吹く風が、摩天楼を通してビル風となるので、「風が吹く街」として知られています。しかしこのニックネームの由来には様々な所説があり、シカゴは「Full of Hot Air」=中身のない話をしたり、口約束ばかりの人が多いと、ある雑誌が批判したことが、元々のきっかけとなっているという説もあります。
「コンベンションシティ」
シカゴはアメリカ合衆国のほぼ中央に位置しているという地理的利点から、アメリカ中から人が集まるコンベンションや会議、産業見本市などが多く開かれることもあり、「コンベンションシティ」とも呼ばれます。ダウンタウンにある「マコーミックプレイス」は北米最大のコンベンションセンターです。
シカゴダウンタウンのエリア
ここからは、シカゴ市内の代表的な7つのエリアを紹介していきます。
ループエリア
シカゴのダウンタウンの中でも中心地が、「ループエリア」です。シカゴ川の南側にあたる場所で、高架鉄道が中心地をループ(輪)を囲むように走っていることからこのように呼ばれています。金融街やウィリスタワーを筆頭としたビル群、ミレニアムパークなど、シカゴの定番観光スポットが集まっているエリアです。
サウスループ
「サウスループ」エリアは名前のとおりループエリアの南側に位置し、ダウンタウンの中心地に比べるとビルなどがなく、閑静な街並みが特徴です。博物館や美術館、イリノイ工科大学などがあり、新しいコンドミニアムやアパートなども建ち、発展が続いているエリアです。チャイナタウンが人気で、アジア系の人々のみならず、中華料理店や食材店に多くの地元の人たちが集って買い物を楽しんでいます。
ウェストループ
ループエリアの西側に位置する「ウェストループ」は近年、シカゴ屈指の食のメッカとして発展しました。元々は精肉業でさかえたエリアで、現在では高級レストランからラーメン店まであるこのエリアは、常に地元民や観光客などが集まる賑やかなエリアです。
また、このエリアはギリシャ系移民が多く、日本ではあまり食べることのできないギリシャ料理が食べられるレストランやベーカリー、デリなどが立ち並びます。
リバーノース
シカゴのダウンタウンは、東西を横断して流れるシカゴ川によって北と南に分かれていて、南側はループエリア、北側をリバーノースと呼びます。ループエリアがシカゴ経済の中心地であるならば、リバーノースはシカゴで一番華やかな場所と言えます。
リバーノース内の「マグニフィセント・マイル」(魅惑の1マイル)とよばれるエリアは、観光客を引き寄せるシカゴ屈指のショッピング街です。また、有名なレストランやバーも立ち並ぶエリアなので、シカゴでどこへ行くか迷ったら、まずこのエリアへ向かいましょう。
ストリータービル
「ストリータービル」は、シカゴ市民たちにとっての娯楽場である「ネイビーピア」やシカゴ近代美術館がある場所で、マグニフィセントマイルからも徒歩圏内で近く、とても賑やかなエリアです。ネイビーピアはレストランやギフトショップ、映画館やアミューズメントパークあり、一日中楽しめる場所です。
日系企業もこのエリアにオフィスを構えていることが多く、日本料理店の多い地域でもあります。
レイクビュー
観光に疲れ、地元の暮らしに馴染んでみたいと思ったら「レイクビュー」に行くことをお勧めします。
メジャーリーグ、シカゴ・カブスの本拠地であるリグレー・フィールドがあり、周りにはスポーツバーなどがところ狭しと並んでいます。昔ながらのバーや、レストランがいたるところにあり、シカゴのローカル情緒溢れる地域です。また、このエリアの南側にあるボーイズタウンと呼ばれる一角は、LGBTQ+コミュニティの聖地となっていて、ゲイバーなどが軒を連ねます。
シカゴの見どころ
「建築の都市」としての歴史
先述した「シカゴ大火」後に、フランク・ロイド・ライトなどの建築家やアーティストたちがシカゴに集まり、復興という名目のもと、シカゴを当時の建築業界の「実験場」とするようになりました。
その建築家たちによって数多くの高層ビルが設計され、また市が木造の建築を禁止したことをきっかけに、鉄骨が使われるようになったので、「シカゴ派」とよばれる鉄骨でできた超高層ビル群の建設が実現しました。この建築ブームの産物たちが、のちの名建築とよばれる作品となってゆくのです。
もう一つ、シカゴ建築史のターニングポイントとなったのが、1893年にシカゴで開催された「コロンビア万国博覧会」(シカゴ万博)です。このときに博覧会場の統括を任されたのが、ダニエル・バーナムという建築家です。バーナムはパリで建築を学んだこともあり、近代的で新しい建築様式ではなく、ヨーロッパの古典的な様式建築を博覧会場建設に用いました。
アメリカ独自の新しく近代的な建築様式を切り開いていこうという矢先、古典的な様式を用いたことに批判が向けられましたが、万博以後は超高層ビルがヨーロッパのゴシックデザインをまとうようになり、古い様式と新しいデザインが調和されるようになりました。このような経緯があり、近代的な高層ビルと、歴史情緒あふれるゴシック調の建物が現在のシカゴの「都市美」を成しているのです。
シカゴ市内で代表的な建築物は、世界で最も古い鉄骨ビルの一つでありフランク・ロイド・ライトが内装を手掛けた「ルッカリー」、アメリカの近代建築ではなくあえてヨーロッパのゴシックデザインで建てられた「トリビューンタワー」、1960年代に完成した斬新で近代的な住宅棟「マリーナシティ」があります。
シカゴの摩天楼を一望できる展望台
摩天楼の街として有名なシカゴですが、ダウンタウンにはビル群を見下ろすことができる展望台が2つあります。
一つ目は、「ウィリスタワー」の「スカイ・デッキ・シカゴ」です。
1973年に建てられたウィリスタワー(当時はシアーズ・タワー)は、1998年まで25年のあいだ世界一の高層ビル、2013年にニューヨークに新しいワールドトレードセンターが完成するまで、全米で一番高い高層ビルでした。地上高443m、アンテナを入れると全高527mを有するこのタワーは、2020年現在アメリカでは2番目、世界では13番目に高い高層ビルです。
展望台であるスカイ・デッキでは360°のパノラマが広がり、ミシガン湖の輝く水面はもちろん、約80km先、イリノイ州近隣の4つの州まで一望することができます。その中でも有名なアトラクションが、全面ガラス張りの小部屋「ザ・レッジ」です。地上412mにある小部屋に一歩踏み入れると、足元にはシカゴの摩天楼が広がり、まるで宙に浮いたような体験をすることができます。
二つ目が「ジョン・ハンコック・センター」の「360CHICAGO」です。
1969年に完成した当初はウィリスタワーがまだ完成していなかったので、シカゴ一の高さ、ニューヨークの「エンパイア・ステート・ビル」に次いで世界2番目の高さの高層ビルでした。現在では、シカゴで4番目、アメリカで5番目に高いビルで、オフィスやレストラン、コンドミニアム(住居)が入っている複合施設となっています。
360CHICAGOでは、主にビル群の景色を楽しめるスカイデッキと違い、ミシガン湖により近い場所にあるため、緑と青のグラデーションが美しいミシガン湖とビル群の景色の両方を360°楽しむことができます。また、2014年春にオープンした「TILT(ティルト)」は、スタッフの操作で壁のガラスが傾き、地上300m地点から下をのぞき込むことができるスリル満点のアトラクションで、観光客から人気を集めています。
アメリカ中の文化が集まった音楽の街
シカゴは言わずと知れた音楽の街。シカゴスタイルのジャズやブルースなどを筆頭に、ヒップホップやR&B、ハウスミュージックなど様々なジャンルの音楽を楽しむことができます。
ミュージックシーンの形成には、アメリカ合衆国の中心部に位置しているという地理的条件が大きく影響しました。ニューヨークやニューオリンズ、ナッシュビル、そしてロサンゼルスなどからの影響が入り複雑にミックスされたものが、シカゴで聴くことのできる音楽といっても過言ではありません。
ジャズと聞くと、ニューヨークやニューオリンズを思い浮かべる人が多いかと思いますが、シカゴも全米有数のジャズの街です。ニューヨークやニューオリンズにはない、シカゴ派と呼ばれる独自のスタイルを生み出しました。また、「ブルースの聖地」としても世界中のブルースマンの憧れの地となっています。
シカゴの工業化が進むにつれて、南部の田舎で労働者、またはエンターテイナーとして働いていたアフリカ系アメリカ人たちが職を求めてやってきたことが、シカゴのジャズ、そしてブルース文化の発祥につながりました。
アメリカ南部での労働と抑圧の苦しみをうたったブルース、またその苦しみをお金や楽しみに変えるために作られたジャズが、シカゴで発展を遂げ、独自のコミュニティを作り広まりました。
そして現在のシカゴにも多数のジャズやブルースのライブハウスがあり、代表的なのが、「B.L.U.E.S」「バディ・ガイズ・レジェンズ」、「アンディーズ」、「ハウス・オブ・ブルース」、「ジャズ・ショーケース」などです。
80年代にはハウスミュージックがシカゴから全米、また世界中に広がっていきました。ニューヨーク出身のDJ、フランキー・ナックルズが1977年に開いた「Warehouse(ウェアハウス)」でかけられたビートを強調した音楽が、特に同性愛者の間で人気を博し、シカゴの夜を盛り上げました。ハウスミュージックの語源はこのウェアハウス(ウェアハウス・ミュージック)だと言われており、今日まで続く音楽の潮流として、多くのクラブミュージック愛好者に親しまれています。現在はシカゴ自体のハウスシーンは下火になっていますが、今もなお、現代のミュージシャンに多くの影響を与えています。歴史のあるナイトクラブとして「Smartbar 」と 「Spybar」 が挙げられます。始めは経験者や地元の方と一緒に行くと良いでしょう。
ハウスミュージックに代わり、現在シカゴで人気があるのがヒップホップです。チャンス・ザ・ラッパーの活躍でその存在を知られたシカゴのヒップホップシーンは、後に続いたチーフ・キーフなどにより生まれた「ドリルミュージック」で爆発し、全米の若者を熱狂させることになりました。決して豊かではない境遇から這い上がっていく生き方そのものが支持されているようです。ヒップホップの盛り上がっているエリアは治安が良くないケースが多く、興味本位で訪れるのは控えたほうが良いでしょう。
歩いてアート鑑賞ができる、街中が美術館
シカゴ美術館やシカゴ現代美術館など、アメリカを越えて世界屈指の美術館や博物館がそろうシカゴ。メトロポリタン美術館とボストン美術館と並ぶ、アメリカ三大美術館の一つであるシカゴ美術館には、歴史の教科書で見たことがあるような美術品がたくさん展示されています。
特に有名なのが、印象派と20世紀アメリカ美術のコレクションで、スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」、ゴッホの「自画像」、またウッドの「アメリカン・ゴシック」などがよく知られています。そのほかにも2,000点もの展示品と30万点以上の収蔵品がある、世界最大規模の美術館です。
シカゴ美術館は英語で「The Art Institute of Chicago」と言い、直訳すると「シカゴ美術研究所」となります。これは、この美術館の前身が学校であったことに由来します。美術館の大学部門である「シカゴ美術館附属美術大学」も知名度が高く、世界的に著名なアーティストやキュレーターを輩出しています。本館は1893年のシカゴ万国博覧会の時に建てられており、また日本ギャラリーは安藤忠雄による設計、2009年に建てられた新館はレンゾ・ピアノによる設計と、建物を見るだけでも楽しめます。
このように美術館などの施設で作品を鑑賞することも楽しみの一つですが、街中にある公共芸術・野外アートの豊富さでも評判であるシカゴでは、歩いているだけでアート鑑賞ができるという楽しみもあります。
野外アートの代表的なものには、かの世界的芸術家パブロ・ピカソが寄贈した「シカゴ・ピカソ」、フェデラルセンターの広場にある「フラミンゴ」、ジョアン・ミロ作の彫像である「ミロのシカゴ」、そして「シャガールの四季」などがあります。
ここで欠かしてはいけない野外アートが、ミレニアム・パークにある「ザ・ビーン」と呼ばれる「クラウド・ゲート」と「クラウン・ファウンテン」です。
「クラウド・ゲート」は、インド出身の彫刻家アニッシュ・カプーアによって、168枚のステンレス板をつなぎ合わせて作るよう設計・デザインされ、一時は実現不可能とまで囁かれたそうですが、2006年の完成以来、シカゴの一番の観光スポットとして人気を集めています。
クラウン・ファウンテンも人気のアートで、向かい合っている巨大な2つのブロックに、シカゴ市民たちの顔がLEDプロジェクターによって映し出され、時々口から水が吹き出てくるという仕組みもあり、老若男女楽しめる作品となっています。
地元の人が熱くなるスポーツ
シカゴにはアメリカ4大プロスポーツ(野球・アメリカンフットボール・バスケットボール・アイスホッケー)がすべて揃っており、アメリカの中でも特に人気のあるチームが本拠地を構えています。市民たちのスポーツにかける思いも強く、シカゴのチームを応援する際の熱狂的な盛り上がりは有名で、スポーツを通じて地域の絆が強まっているといっても過言ではありません。
プロスポーツ以外にも、大学スポーツやマイナースポーツや独立リーグなども大変盛り上がり、一つのシーズンが終わると、また違うシーズンが始まるので、一年を通してスポーツの熱が覚めることがありません。スポーツ観戦をしながら地元人たちと一緒に熱狂してみるというのも、シカゴ観光の楽しみのひとつです。
シカゴを代表するプロスポーツチームには、野球の「シカゴ・カブス」と「シカゴ・ホワイトソックス」、アメフトの「シカゴ・ベアーズ」、バスケットボールの「シカゴ・ブルズ」、そしてアイスホッケーの「シカゴ・ブラックホークス」があります。
シカゴ・カブスの本拠地は「リグレー・フィールド」。全米で2番目に古い球場で、ミシガン湖からの風の影響を受けやすいことで知られています。シカゴ・ホワイトソックスは「ギャランティード・レイト・フィールド」を使用しており、こちらは構造上、ホームランが出やすい球場として有名です。メジャーリーグのシーズンは通常4月から9月がレギュラーシーズンで、勝ち抜いたチームがその後のプレーオフに進出します。チケットは球団公式のウェブサイトや球場、また日本から代理店経由で購入することが可能です。
シカゴ・ベアーズの本拠地は「ソルジャー・フィールド」で、NFL所属チームの中で最も古いスタジアムです。61,500人収容ながら、NFLの中で最も収容人員が少ないスタジアムでもあります。レギュラーシーズンは9月から12月、16試合のうち8試合のみがホームゲームとなるため、チケットの入手は非常に困難です。
シカゴ・ブルズは「ユナイテッド・センター」が本拠地です。マイケル・ジョーダンを擁した1990年代に2度の3連覇を果たして以降、チームの状況はあまり良くありませんが高い人気を誇ります。NBAはレギュラーシーズンが10月から4月、その後にプレーオフが行われます。チケットは、野球同様、球団公式のウェブサイトや球場、また日本から代理店経由で購入することが可能です。近年は成績が芳しくないためか、当日販売でも購入できることが多いようです。
アメリカではアイスホッケーも、野球、アメフト、バスケと同じく人気が高いです。シカゴ・ブラックホークスは5回の優勝経験がある名門チームとして知られています。シカゴ・ブルズと同じ「ユナイテッド・センター」が本拠地です。こちらのチケット取得方法も他のスポーツ同様です。
シーズン中に旅行される際には、スポーツの本場の迫力あるプレイを体感してみてください。
全米屈指の高等教育機関
シカゴとその近郊にある、「シカゴ大学」と「イリノイ大学」は、アメリカだけなく世界的にも評価が高い教育機関です。シカゴ大学はノーベル賞受賞者を90人あまり輩出している私立の名門で、バラク・オバマ前大統領夫妻や特に経済学を中心に著名な人材の出身校として名高いです。イリノイ大学は、アーバナ・シャンペーン校とシカゴ校、スプリングフィールド校からなり、電気および計算機工学、計算機科学にいて多くの優秀な人材を輩出しています。
確立されたシカゴスタイルのご当地グルメ
アメリカを代表する料理といえば、ハンバーガーやステーキ、バーベキューやホットドッグなどを思い浮かべるかと思います。シカゴではそれらのアメリカ料理がアレンジされ、シカゴ独自のスタイルの食文化が確立しました。
シカゴは元々、運輸業で発展した都市なので、中西部の農産物の集配地として機能していました。また食肉加工産業の中心地であったこともあり、お肉を使った料理が有名ということも特徴です。そのため、シカゴは特に牛肉と豚肉好きの人にはたまらないグルメの街です。
シカゴの代表的なご当地グルメの中には、厚さが5㎝ほどある「ディープディッシュピザ」、ホットドッグにピクルスや青とうがらし、トマトなどの野菜を入れ、マスタードをかけて楽しむ「シカゴドッグ」、牛肉の煮込みをパンに挟んだ「イタリアンビーフ」などがあります。
シカゴの地元民にとってソウルフードともいえるディープディッシュピザを食べられるレストランの中で、一番代表的なのが「ジノス・イースト(Gino's East)」。ジノス・イーストはシカゴで1966年に創業されたディープ・ディッシュ・ピザ専門の老舗で、アメリカのPeople誌のNo.1ピザに選ばれたこともある有名店です。
また、シカゴはクラフトビールが有名で、ビール醸造所の数は全米一位です。シカゴのダウンタウンや周辺地域にはブルワリー(ビール醸造所)が点在しています。ブルワリーでは見学や試飲をすることができるので、お酒好きの方はぜひ旅程に組み込んでみてください。
おすすめ周辺エリア
シカゴのダウンタウンのみならず、周辺にある郊外都市にもたくさんの魅力があります。
郊外には自然が多く、数々の国立森林公園や庭園などがあります。森林や湖、川などではカヤックやジップライン、ウェイクボード、ハイキング、サイクリングなどのアウトドアアクティビティを思う存分楽しむことができます。
また、アウトレットショッピングセンターや地元の人が営む雑貨店、ファーマーズマーケットでお買い物を楽しむことができます。観光客の中にはダウンタウンの雑踏から離れて、あえて郊外で地元民のように滞在することを選ぶ人も多いそうです。
ここからはシカゴ市の周辺地域のなかで、観光客でも楽しく過ごせる周辺エリアを紹介します。
オークパーク
「オークパーク」はダウンタウンから車で30分、電車で45分行った郊外の閑静で優美な高級住宅地です。摩天楼がひしめくダウンタウンの喧噪から離れて、緑を楽しめるエリアで、近年は地元の人々にも人気のあるエリアです。
オークパークはシカゴを代表する2人の著名人のゆかりの地として有名です。一人はアメリカ文学を代表する作家であるアーネスト・ヘミングウェイで、彼が生まれた地として、もう一人は近代建築の3代巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトで、彼が設計した邸宅や作品がこの地域に点在しています。
フランク・ロイド・ライトはプレーリースタイルという建築デザインを生み出したと言われていて、日本語にすると「草原様式」という名のとおり、水平のラインを意識し視覚的な広がりをつくることで大地と一体化したような、安心・安定感を印象としてもたらすデザインです。
ライトが提唱したのは「有機的建築」という建築理念で、「箱」としての住宅建築ではなく、「自然と建物の一体化」を目指しました。大地や緑、風などを室内に招き入れ、また外観も自然と溶け込み、「外から内へ、内から外へ空間を連続させる」デザインを追及しました。
オークパークにはフランク・ロイド・ライトが本人の邸宅もあり、現在では見学用のスタジオとなっています。
アクセス
- 車・タクシー:約20分~、オンライン配車サービスで$15~
- 電車・地下鉄:約50分~、Red Lineで$2.25
オーロラ
「オーロラ」はシカゴ市に次ぐ、イリノイ州第2の都市です。シカゴ市ほどの大都会ではないものの、ショッピングやエンターテイメント、そして自然も豊かな魅力あふれる地域です。1881年に街灯を全て電力にするというアメリカでも新しい取り組みを行ったオーロラは、別名「光の都市」とも呼ばれています。
オーロラは、ダウンタウンシカゴから車で西に1時間ほど行ったところに位置しています。アウトレットのショッピングモールやエンターテイメント、アウトドアアクティビティなども楽しめる魅力満載の郊外都市です。
オーロラで一番の有名なスポットが「ファーンズワース邸」で、シカゴを代表する建築家ミース・ファン・デル・ローエが設計し1951年に完成した家・別荘です。50年代に建てられたとは思えない近代的な外観で、ミース・ファン・デル・ローエが提唱した「より少ないことは、より豊かなこと」を見事に体現した建築物ともいえます。
周りの自然と溶け合いながらも幾何学的でミニマリズムを反映させたこの建築物は、歴史的建造物としてナショナル・トラストの対象となっています。
アクセス
- 車・タクシー:約50分~、オンライン配車サービスで$55~
- 電車・地下鉄:約80分~、BNSF Railwayで$9.50
ノースショア
シカゴ市から車で30分ほど北にある地域「ノースショア」は、高級住宅地でもあり多様性に満ちた文化スポットでもあります。ノースショアには世界的に有名でアメリカ屈指の植物園である、シカゴ植物園があり、種類の多さにおいてアメリカ国内でトップクラスの植物園です。
ノースショアでもう一つ有名なのがバハーイー教の礼拝堂です。19世紀にイランで始まったとされる宗教「バハーイー教」の礼拝堂は世界に8つしかなく、アメリカで唯一の、かつ世界最古のバハーイー礼拝堂が、ノースショアのものです。
ノースショアはシカゴ周辺エリアでも屈指のグルメスポットで、「ザ・バーン・ステーキハウス」は高品質のステーキを堪能できるということで地元でも人気のスポットです。
アクセス
- 車・タクシー:約30分~、オンライン配車サービスで$25~
- 電車・地下鉄:約60分~、Red LineとPurple Lineで$2.25~
ロックフォード
シカゴのダウンタウンから北東へ車を約90分走らせたところにある「ロックフォード」。自然や文化が調和するこの地域には、イリノイ州屈指の自然博物館であったり、アウトドアアクティビティを楽しめる自然公園などがあります。
「庭園の街」とも呼ばれているロックフォードには多数の公園や公共の庭園があり、それらをあわせた総面積が約 4,000ヘクタールになります。その中でも有名な庭園がアンダーソン日本庭園で、「北米で最も質の高い日本庭園」と称されるほどです。庭園には滝、池、小道など、日本庭園ならではの要素が至る所に散りばめられており、日本人にとってはどこか懐かしい雰囲気が流れる場所です。
ロックフォードは、質の高いゴルフコースがあることでも有名で、全米および世界中からゴルフ愛好家たちが集まる地域です。
アクセス
- 車・タクシー:約90分~、オンライン配車サービスで$105~
- 長距離バス:約2時間~、グレイハウンドで往復$25~
ジェニバ
シカゴダウンタウンから東にあるエリアが「ジェニバ」で、いわゆる典型的なアメリカの郊外といえます。こぢんまりとした街ではあるものの、どこか懐かしく歴史情緒の溢れるエリアです。
ジェニバで有名なスポットが、「ファビアン・フォレスト保護区」で森林と川が溶け合い、公園全体に静寂が流れ、イリノイ州の憩いの場となっています。ファビアン・フォレスト保護区には日本庭園があり、タロウ・オオツカが設計して以来、100年以上にわたり地元の人々に愛されてきました。
アクセス
- 車・タクシー:約50分~、オンライン配車サービスで$55~
- 電車:約2時間~、Union Pacific Westで$8.25~
シカゴへの主要エリアからのアクセス
日本からは、成田と羽田からシカゴ・オヘア国際空港まで直行便が出ています。成田・羽田からだと、直行便で平均11時間50分を要します。大阪など東京以外の日本の都市からは成田・羽田か、アメリカ国内やほかの国の都市を経由する必要があります。乗り継ぎ便だと、最短でも15時間以上かかります。
シカゴ・オヘア国際空港
「シカゴ・オヘア国際空港」はシカゴ郊外に位置しており、空のハブとして確立しています。2005年までは離着陸回数が世界一を誇っていました。現在でもアメリカの150都市、世界中の60都市を繋いでおり、年間約7,000万人もの旅行客が利用する巨大空港です。
オヘア国際空港には4つのターミナル(1、2、3、5でターミナル4はない)があり、カナダ以外の国際線はすべてターミナル5に到着します。そのため、日本からの飛行機も例外なくすべてターミナル5に到着です。その他、ターミナル1、2、3には国内線とカナダからの飛行機が到着します。
空港での過ごし方
空港内にはレストランやお土産屋さん、免税店などが豊富に揃っているため、シカゴを出る際に念のため早く空港に着いたとしても、十分に時間を有効に使うことができます。
空港内で購入できる人気のお土産は、やはりシカゴを本拠地としているスポーツチームグッズです。その他にも、日本でも人気のあるシカゴ発祥のポップコーンショップ「ギャレットポップコーンショップス」や、こちらのシカゴ発祥の高級チョコレートショップ「ボージュオーショコラ」などが揃っています。
また空港内には、先ほど紹介したディープディッシュピザの老舗「ジノス・イースト」や、世界の空港レストラン第3位にも輝いた「TORTAS FRONTERA(トルタスフロンテア)」などがあるため、シカゴならでは美味しい食事を楽しむことができます。
ダウンタウンへのアクセス方法
シカゴ・オヘア国際空港からダウンタウンへのアクセス方法と料金は下記です。
- Uber(オンライン配車サービス):所要時間は約30分~(渋滞時は1時間以上かかる可能性あり)、料金は$35~
- 正規タクシー:所要時間は約30分~、料金は$40~+チップ
- Go Airport Express(シャトルバス):所要時間は約40分~、料金は$30、朝4時から夜23時半まで10から15分間隔で運行
- CTAトレインのブルーライン(電車): 所要時間は約1時間~、料金は$5
就航している航空会社
日本からの直行便を運航する航空会社
全日空(ANA)
日本航空(JAL)
ユナイテッド航空
アメリカン航空
乗り継ぎ便・その他シカゴまで就航している航空会社
デルタ航空
大韓航空
中国国際航空(エア・チャイナ)
エールフランス
エミレーツ航空
ターキッシュ・エアラインズ(トルコ航空)
など
よくある質問Q&A
シカゴの治安はどうでしょうか?
シカゴというと、昔からマフィアやギャングの街として治安が悪いことで有名でした。2010年初期までみても、シカゴの南側では傷害事件が絶えなく、アメリカ全土で一番危険な地域ともされていたほどです。現在の統計を見てみると、殺人や強盗は以前と比べると大幅に減っていますが、スリなどの窃盗などは現在でも横行しています。
シカゴ内でも治安の良いエリアと悪いエリアで安全性は大きく変わります。観光客は大抵ダウンタウン周辺に滞在しますが、このエリアではやはり窃盗などが多発しています。観光をする際は、高価なものは身に着けず、必要最低限の荷物を持ち歩くようにしましょう。
シカゴの北部にいくと、高級住宅街などがあるため、比較的に治安はいいです。ただ、夜に一人で出歩くのは避けましょう。
一番注意が必要なのは、シカゴ南部です。南部の中でもハイドパークとよばれる地域にはシカゴ大学があるので、学生の街として閑静で安全なエリアですが、シカゴ大学より南、シカゴブルズとブラックホークスの本拠地であるユナイテッドセンターより西側は、シカゴ内でも最も危険なエリアになります。
下記がシカゴ内で一番治安の悪いとされるエリアなので、極力近づかないようにしましょう。
- リバーデール(Reverdale)
- エングルウッド(Englewood)
- ワシントンパーク(Washington Park)
- フォラーパーク(Fuller Park)
- バーンサイド(Burnside)
英語が話せないのですが、日本語が通じますか?
シカゴで日本語を話せる人を探すのは難しいです。ただ、シカゴの地元の人々はフレンドリーなので、頑張って伝えようとすれば助けてくれるケースが多いです。観光などに必要な英単語やフレーズは覚えておき、グーグル翻訳などのツールを常時使える使えるようにしましょう。
シカゴの気候はどうですか?どの時期にいくのがお勧めでしょうか?
シカゴは北緯約41度、北海道の函館とほぼ同じ緯度だと考えると、想像がつきやすいかと思います。春と秋は短く、夏は涼しく、冬場には1月でマイナス5℃、ときにはマイナス18℃まで下がります。「ウィンディーシティ」(風の街)とも呼ばれ、ミシガン湖からの風が摩天楼の合間でビル風となり激しく吹くので、体感温度はさらに低く感じます。
そのため夏は湿度が低くさわやかな気候なので快適に過ごすことができます。また夏には野外イベントが目白押しで、野外コンサートやエアーショーなどが開かれます。
9月に入ると街中の木々が色づき始め、色とりどりの紅葉が風に揺れる風景はとても綺麗です。しかしこの時期になると数々のコンベンションが開かれ、人の出入りが激しくなるのでホテルの価格も上がります。
冬は寒いですが、12月になると街中がイルミネーションで煌めき、公園にはスケートリンク現れクリスマス一色となります。
何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
アメリカ・イリノイ州の都市、シカゴ行きのツアーは最短でも3泊5日が理想的です。シカゴの面積は約600平方kmで、東京都と大体同じ規模です。アートや音楽、グルメからショッピングまで様々な魅力があるため、シカゴを満喫するには最低3泊が必要となります。
また日本から直行便だと約12時間、乗り換え便を使うと15時間以上かかるので、飛行機の往復で24時間以上かかります。また、日本とシカゴの時差は15時間で日本が先を進んでいます。
このように移動に時間がかかるのと、時差のため、シカゴツアーのほとんどは移動時間を含めて、最短でも5日間が必要となります。
飛行機でどのくらいかかりますか?
日本からは、成田と羽田からシカゴ・オヘア国際空港まで直行便がでています。成田・羽田からだと、直行便で平均11時間50分を要します。大阪など東京以外の日本の都市からは成田・羽田か、アメリカ国内やほかの国の都市を経由する必要があります。乗り継ぎ便だと、最短でも15時間以上を要します。