ジェニバってどんなところ?
「ジェニバ」は、シカゴダウンタウンから東にあるエリアで、いわゆる典型的なアメリカの郊外といえます。こじんまりとした街ではあるものの、どこか懐かしく自然の溢れるエリアです。
ファビアン・フォレスト保護区やガナー・アンダーソン・フォレスト保護区など、大きな自然の保護区があることでも有名です。シカゴに住む人たちは、豊富な自然にふれてリフレッシュするために、週末などにジェニバ地域を訪れるのだそうです。
ジェニバの歴史
ジェニバは、元々ネイティブインディアンの集落だった場所を、ダニエル・ショー・ハイトが初めて定住し、その後1835年にへリントン兄弟に土地を売ったのが、歴史の始まりです。
1836年にニューヨーク州のジェニバ市からそのまま名前をとって、その地に「ジェニバ」という名前が付けられました。その前までは、“La Fox”や“Big Spring”と呼ばれていたのだそうです。
ジェニバを流れているフォックス川沿いでの経済活動が活発になり、ジェニバ市として発展しました。1856年に鉄道が作られたことによって、周辺都市とのつながりができ、人口も増えていきました。
1900年頃までは、スウェーデン系の移民が主な住民でしたが、20世紀初頭にはアイルランドやイタリア系移民たちの数も増え、また、周辺都市や州からの移民も増えたので、多様性も増していきました。
アクセス
シカゴのダウンタウンからジェニバへ行くには、レンタカーかタクシーで行くことをお勧めします。電車で行くことも可能ですが、2時間以上かかります。
- 車・タクシー:約50分~、オンライン配車サービスで$55~
- 電車:約2時間~、Union Pacific Westで$8.25~
ジェニバの見どころ
ファビアン・フォレスト保護区
ファビアン・フォレスト保護区は、ジェニバ市の南側、フォックス川沿いにある自然保護区です。元々はジョージ・ファビアンとネル・ファビアンが1900年初頭に所有していた土地です。
「リバーバンク」とも呼ばれたこの土地は、農園や温室、庭園などがあり、歴史を感じることもできれば、様々な動植物が生息ができる自然の溢れた保護区です。夫妻が住んでいた頃は、60人程度の庭師やメイドなどが住んでおり農園や庭園はもちろん、ヴィラのまわりにはある噴水やプール、動物園の管理に従事していました。
現在は保護団体によって管理されていて、一般の人々にも開放されており、ジョギングやサイクリング、釣り、ピクニックなどを楽しむことができます。
ファビアン・ビラ・ミュージアム
この保護区にはファビアン・ヴィラという、フランク・ロイド・ライトが改修設計をしたことでも有名な家があります。ジョージ・ファビアンとネル・ファビアンが約30年ほど住んでいた家で、今では「ファビアン・ビラ・ミュージアム」という博物館になっています。
現在、「アメリカ合衆国国家歴史登録財」の一つとして登録されているファビアン・ビラ・ミュージアムには、ファビアン氏のコレクションであるアジアからの工芸品や、動物の標本、ユニークな家具まで観覧することができます。
【ツアー】
ファビアン・ビラ・ミュージアムのツアーは30分ごとに開催され、45分のガイド付きで博物館をみてまわることができます。ツアーの料金は設定されていませんが、寄付という形で$3~$10ほどを払うのが入場とツアーの料金となります。
【営業時間】
5月5日から10月13日まで:水曜日13:00〜16:00
6月から8月:木曜日13:00〜16:00
土曜日と日曜日:13:00〜16:30
ジャパニーズ・ガーデン
1910年に完成された日本庭園は、1893年のシカゴ万博で日本の文化に感銘を受けたファビアン夫妻たっての希望で作られました。この庭園の設計に携わったのが当時シカゴに住んでいた日本からの移民、タロウ・オオツカという方です。
茶室や円月橋など、日本庭園らしい要素もあれば、ランタンやチューリップが植えてあるなど、西洋の要素もみてとれます。
夫妻が亡くなってから、この庭園は管理されていませんでしたが、1974年に「ジェニバ・ガーデン・クラブ」によってリノベーションされ、現在では一般の方向けに公開されています。
【公開時間】
5月5日から10月13日まで:水曜日13:00〜16:00
6月から8月:木曜日13:00〜16:00
土曜日:休園
日曜日:13:00〜16:30
ファビアン・ウィンドミル
「ファビアン・ウィンドミル」は1850年代からジェニバにあるオランダ水車で、現在はファビアン・フォレスト保護区の向かい、フォックス川の東側にあります。
1850年から1860年の間に、ドイツ人の職人によって作られ元々はジェニバではなく、ロンバードというエリアに置いてありました。当時使われていなかった水車を、ファビアン氏が$8000で購入し、ジェニバの今ある位置に置くようになりました。
専門家によると、オランダの伝統的な手法で作られた世界に数少ない水車のひとつで、オランダにあったとしてもその歴史的意義で保護されるべき水車なのだとか。劣化が進んでいた水車は、今ではすべて修繕され、今もなお機能するアメリカでは珍しい水車なのだそうです。
1979年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財にも登録され、その次の年にはアメリカの切手の絵柄にも採用されました。
【公開時間】
5月15日から10月15日まで:土曜日と日曜日の13:00〜16:00
ダウンタウン ジェニバ
ジェニバのダウンタウンには140を超えるショップやレストランなどが連なっています。地元の人々が受け継ぎながら経営しているものが多く、どこか懐かしいぬくもりを感じられるスポットが多いです。
レストランの中ではPRIMO が有名で、アメリカのレストラン予約サイトで2017~2018年で賞を取っています。そのほかにもFresh Ground というコーヒーショップや、Penrose Brewing Compan というブルワリーなどが有名です。
また、元々ジェニバの地域に多かったのがスウェーデンからの移民なので、スウェーデンにまつわるショップやスポットなどが多く、毎年6月にはSwedish Dayとされるスウェーデン食や音楽などの文化を楽しめるイベントが開催されます。
ガナー・アンダーソン・フォレスト保護区
ジェニバのダウンタウンからほど近くに、「ガナー・アンダーソン・フォレスト保護区」があります。ファビアン・フォレスト保護区のような歴史的意義はないものの、そこに生息する動植物を観賞するために訪れる人も少なくありません。特に、バードウォッチングには最適な自然保護区なのだそうです。
ダウンタウンから近いことから、ジェニバの市役所などもこの自然区内に位置しています。
サクレッド・ハート・セミナリー・シュライン
ガナー・アンダーソン・フォレスト保護区の中に、「サクレッド・ハート・セミナリー・シュライン」があります。自然の中に突如あらわれる洞窟型の聖堂で、石や色のついたガラスを埋め込んで作られています。1920年から1970年代まで実際に使われていたようですが、今は森の中にひっそりとたたずむ、ジェニバの穴場スポットとなっています。
よくある質問Q&A
ジェニバの治安はどうでしょうか?
ジェニバは閑静な住宅街で、イリノイ州の中でも一番治安のいい地域のひとつです。
シカゴ市周辺は近年治安改善に力を入れていますが、現在も安全とは言い切れない地域があります。下記がシカゴ内で一番治安の悪いとされるエリアなので、極力近づかないようにしましょう。
- リバーデール(Reverdale)
- エングルウッド(Englewood)
- ワシントンパーク(Washington Park)
- フォラーパーク(Fuller Park)
- バーンサイド(Burnside)
しかし、これらの治安の悪い地域は、ほとんどシカゴから近い南部にあり、ジェネバからは程遠い位置にあります。ジェネバに滞在する分には安心できるかとおもいますが、シカゴ市内に観光する際にはくれぐれもご注意ください。
ジェニバのホテルの相場はいくらでしょうか?
ジェニバには3つのホテルがあります。Comfort Inn & Suites、Herrington Inn & Spa、Oscar Swan Country Inn、いずれも1泊2名利用で$80~ほど。
Comfort Inn & Suitesはアメリカでは有名なホテルチェーンなので、清潔感があり安心して滞在できるホテルです。Herrington Inn & Spaはスパが併設されているホテル、Oscar Swan Country Innは元々住宅だったものをホテルとしてリニューアルしたもので、アットホームなぬくもりのあるインです。
英語が話せないのですが、日本語が通じますか?
ジェニバやシカゴで日本語を話せる人をさがすのは、難しいです。ただ、地元の人々はフレンドリーなので、頑張って伝えようとすれば助けてくれるケースが多いかと思います。観光などに必要な英単語やフレーズは覚えておき、グーグル翻訳などのツールを常時使えるようにしておくと良いでしょう。
ジェニバを含むシカゴの気候はどうですか?どの時期にいくのがお勧めでしょうか?
シカゴは北緯約41度、北海道の函館とほぼ同じ緯度だと考えると、想像がつきやすいかと思います。春と秋は短く、夏は涼しく、冬場には1月でマイナス5℃、ときにはマイナス18℃まで下がります。
そのため冬場よりも、夏だと湿度が低くさわやかな気候なので、快適に過ごすことができます。また、夏には野外イベントが目白押しで、野外コンサートやエアーショーなどが開かれます。
9月に入ると街中の木々が色づき始め、色とりどりの紅葉が風に揺れる風景はとても綺麗です。しかしこの時期になると数々のコンベンションが開かれ、人の出入りが激しくなるのでホテルの価格も上がります。冬は寒いですが、12月になると街中がイルミネーションで煌めき、公園にはスケートリンクが現れ、クリスマス一色となります。
シカゴを含め、ジェニバを観光するには何泊くらいが最適ですか?
シカゴ行きのツアーは最短でも3泊5日が理想的です。シカゴの面積は約600平方kmで、東京都と大体同じ規模だと考えると想像ができるかと思います。アートや音楽、グルメからショッピングまで様々な魅力があります。またシカゴから電車で20~30分のジェニバ観光も満喫するには最低3泊が必要となります。
日本から直行便だと約12時間、乗り換え便を使うと15時間以上かかるので、飛行機の往復で24時間以上かかります。また、日本とシカゴの時差は15時間で日本が先を進んでいます。
このように移動に時間がかかるのと、時差のため、シカゴツアーのほとんどは移動時間を含めて、最短でも5日間が必要となります。
飛行機でどのくらいかかりますか?
日本からは、成田と羽田からシカゴ・オヘア国際空港まで直行便がでています。成田・羽田からだと、直行便で平均11時間50分を要します。大阪など東京以外の日本の都市からは成田・羽田か、アメリカ国内やほかの国の都市を経由する必要があります。乗り継ぎ便だと、最短でも15時間以上を要します。