名古屋に行くならはずせない!おすすめ定番スポット10選
名古屋城
名古屋市街地の中心にそびえ立つシンボル「名古屋城」は、名古屋を代表する観光スポットの筆頭といえるでしょう。
1610年、徳川家康は我が子義直(よしなお)の居城として名古屋城を建てました。その後、徳川御三家のひとつの尾張徳川家の居城となりました。第二次世界大戦中の1945(昭和20)年5月の空襲で、天守閣と本丸御殿を焼失してしまいましたが、1959(昭和34)年、金のシャチをいただく五層の大天守閣と小天守閣が再建されました。
空襲での焼失がもっとも惜しまれたのが、天守閣の南側にあった「本丸御殿」です。近世城郭御殿の最高傑作と言われ、城郭としては国宝第1号に指定された建物でした。本丸御殿についても、江戸時代の文献や写真、実測図、障壁画などが残されていたことから、これらに忠実に従うかたちで2009(平成21)年より復元工事が始まり、2018(平成30)年6月に完成し、現在公開中です。
城門では、全国の武将隊ブームのさきがけとなった「名古屋おもてなし武将隊」が毎日お出迎えしてくれます。また、名古屋城正門と南門の2つのエリアにある「金シャチ横丁」は、19店が並ぶグルメ施設で、新旧名古屋めしグルメが楽しめます。
熱田神宮(あつたじんぐう)
名古屋市の南部に広がる緑豊かな「熱田の杜(あつたのもり)」にある「熱田神宮」は、昔から「熱田さん」と呼ばれて親しまれ、地元名古屋はもちろん全国から年間650万人に近い参拝客でにぎわう神社です。三種の神器の一つ「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」がご神体です。
約6万坪(約19万平方メートル)の広い境内には、数本の樹齢千年を超えるというクスの巨木をはじめ、ケヤキ、カシ、シイ、ムク、イチョウ、クロガネモチなど多くの種類の木々が育っています。花が咲いても実のならない「ならずの梅」茶人が愛好した樹齢300年をこえる「太郎庵椿(たろうあんつばき)」弘法大師(こうぼうだいし)のお手植えと伝わる「大楠」などがあります。さらに境内外には本宮と別宮以外にも、43の社がまつられています。
また「宝物館」では、皇室をはじめ全国から寄せられた奉納品が6,000点以上収蔵されています。そのうち、170点以上が国や愛知県の指定文化財に登録されている貴重な品々です。刀剣類、古神宝類、十二の舞楽面、菊蒔絵手箱、熱田本日本書紀、法華経涌出品(ゆじゅつほん)などの宝物が常設で公開されています。
東山動植物園
東山総合公園内にある「東山動植物園」では、500種類をこえる動物や約7,000種の植物を見ることができます。日本初のコアラの繁殖に成功した動物園としても注目を集め、最近では「イケメンすぎる」ゴリラの「シャバーニ」が話題となって、写真集やDVDが発売される流れにもなりました。
動物園では、人気のコアラ舎をはじめ、日本最大級のアジアゾウ舎でゾウのふるさとであるスリランカをイメージした建物の「ゾージアム」世界のメダカを集めた「世界のメダカ館」夜行性動物たちの様子のを見ることが出来る「自然動物館」小動物とふれあえる「ふれあい広場」などが楽しめます。
植物園には、国の重要文化財に指定されている「温室」や、世界遺産にもなった岐阜県の白川郷から移築した「合掌造りの家」などがあります。季節の花が咲き乱れるお花畑、野鳥の声が楽しめる日本庭園などもあって、見所がいっぱいです。
徳川美術館
「徳川美術館」は侯爵徳川義親の寄贈にもとづき、1935(昭和10)年に開館しました。徳川家康の遺品を中心に、家康の九男で尾張徳川家初代藩主の義直(よしなお)の時代から代々伝わる遺愛品、家族が実際に使用していたものなど、さまざまな大名道具を見ることができます。その収蔵数は1万数千点以上にのぼるのだそうです。
建物は、外観デザインを公募して造られました。会館当初は、近代的設備を備えた画期的美術館としてヨーロッパの建築界にも紹介されたほどです。当時の展示棟と収蔵庫だった今の企画展示室(第7・8・9展示室)と南収蔵庫は、城閣を想わせるような帝冠様式建築(ていかんようしきけんちく)で、昭和初期の日本の美術館建築を代表する建造物として、国の有形文化財に登録されています。
収蔵品には国宝の「源氏物語絵巻」もあります。原本は保存のため、年間の展示日数はきわめて短期間に制限されていますが、映像システムや複製(レプリカ)を中心に鑑賞することができる展示室もあります。
また尾張徳川家に伝わる雛人形や雛道具が、毎年2月~4月にかけて展示されます。一つ一つに徳川家の家紋が入った雛道具は、実際の婚礼調度品を忠実にミニチュア化したもので、高さ約2メートル、幅7メートルにもなる豪華さです。
常設の展示とは別にさまざまな企画展も開催されていたり、ミュージアムショップでは、鑑賞の思い出にオリジナルグッズや展覧会図録やDVDなども販売されています。
名古屋市科学館
「名古屋市科学館」は、名古屋市中心部の白川公園内にある総合科学館です。2011年3月に内径35mの世界最大のギネス記録を持っているプラネタリウムドーム「ブラザーアース」を備えた新館がオープン。周りに立ち並ぶビルの中でもひときわ印象的な、銀色に輝く球体を抱えた外観が目をひきます。
ブラザーアースは最新技術を駆使していて、限りなく本物に近い星空が再現されていると注目の的になっています。そのテーマは月ごとに変わるので、何度通っても楽しめます。
他にもマイナス30度の部屋でオーロラ映像を体験できる「極寒ラボ」や、高さ9mの人工竜巻を体験できる「竜巻ラボ」など、エンターテイメント性豊かな4つの大型展示のコーナーもあります。
トヨタ産業技術記念館
繊維機械産業から自動車産業へとめざましい進化をして、現在では世界の自動車産業を牽引するトヨタグループ「トヨタ産業技術記念館」は、その発祥の地に残されていた大正時代の赤レンガの建物を保存しながら活用するために設立されました。
「繊維機械館」は、大正時代に建設された紡績工場や建屋がそのまま使われています。創業者の豊田佐吉氏が発明した「G型自動織」も展示されていて、近代日本の発展を支えた基幹産業の一つだった繊維産業の技術の進歩がうかがえます。
「自動車館」は延べ7,900平方メートルにもおよぶ広さで、館内は、まるで自動車工場が丸ごと入ったようです。本物の機械の動態展示やオペレーターによる実演など、自動車について目と耳で理解できるようわかりやすく紹介されています。
他にもものづくりの原理を感じながら楽しめるキッズコーナーやこどもライブラリーも併設。ミュージアムショップや、レストラン、カフェ、図書室もあって、こどもから大人まで一日楽しめます。
名古屋港水族館
「名古屋港水族館」は、名古屋港ガーデンふ頭にある人気の施設で、世界の海に暮らすさまざまな生き物たちの生態や進化を知ることができます。南館と北館の2つの施設に分かれています。
南館では「南極への旅」がテーマ。現在、名古屋港に永久係留されているオレンジ色の「南極観測船ふじ」そのふじが日本から南極へ至るコースに沿った5つの水域「日本の海」「深海ギャラリー」「赤道の海」「オーストラリアの水辺」「南極の海」にすむ生物を飼育展示しています。黒潮大水槽の「マイワシのトルネード」は大人気です。
そして北館のテーマは「35億年はるかなる旅〜ふたたび海へもどった動物たち〜」です。バンドウイルカやベルーガなどを飼育展示しています。約3,000人収容のスタンドを設置した日本最大のメインプールでは、イルカたちののびのびとしたパフォーマンスを見ることができます。
宝生院(大須観音)
「宝生院(ほうしょういん)」は1324年に創建された真言宗のお寺です。正式には「北野山真福寺宝生院(きたのさんしんぷくじほうしょういん)」といい、地元の人からは「大須観音(おおすかんのん)」と呼ばれ親しまれています。
美濃の大須(現在の岐阜県鳥羽市大須)にありましたが、徳川家康の時代、名古屋城築城のときに現在の場所に移されました。東京の「浅草観音」や三重県の「津観音」と合わせて、日本三大観音の一つとされています。
なごや七福神のひとつである布袋像(ほていぞう)も安置されています。また、寺内の「大須文庫」には「古事記」の最古写本をはじめとする貴重な書を数多く保存しています。
ノリタケの森
「ノリタケの森」は、陶磁器メーカー「ノリタケ」が創立100周年を記念して、本社に隣接する工場跡地にオープンした複合施設です。施設内には、ノリタケの歴史や技術などを紹介する「ウエルカムセンター」工場見学や実際に絵付け体験ができる「クラフトセンター」オールドノリタケやデザイン画、テーブルウエアなどをを展示している「ノリタケミュージアム」があります。
噴水広場や煙突広場のほか、せせらぎやビオトープなど緑豊かな自然を感じる散策ができるゾーンや、赤レンガ建築の建物や6本煙突などからは歴史を感じることもできます。また、園内にはフレンチベースの創作料理が楽しめるレストランやカフェも併設されています。使われている食器はもちろんノリタケ製品です。
食器やテーブル周りの雑貨が充実したラインナップのノリタケ直営店ではショッピングも楽しめます。最高級陶磁器品から日常使いのアウトレット品まで多彩な商品がそろっています。
リニア・鉄道館
「リニア・鉄道館」では、東海道新幹線を中心とした車両の実物展示を通じて、高速鉄道の技術の進歩を紹介しています。歴代の新幹線をはじめ蒸気機関車や在来線、超電導リニアに至るまで、39両の車両の実物が展示されています。
鉄道ジオラマは日本最大級の面積で、東海道新幹線の沿線の風景が細かく再現されています。新幹線や在来線の運転シュミレータなどもあり、鉄道について、こどもから大人まで楽しく学ぶことができます。
同館を運営するJR東海がほこる最先端技術である超電導リニアについても、鉄道の世界最速記録をだした実物車両を展示するだけでなく、体験装置などでわかりやすく解説しています。ミニシアターでは、時速500kmの世界を疑似体験してみましょう。
たくさん撮りたい!SNS映えするスポット5選
オアシス21
名古屋市栄にある複合施設で「水の宇宙船」と呼ばれる、空中に浮かぶガラスの大屋根がシンボルです。ガラスの屋根の上には薄いベールのように水が流れています。大屋根の周囲は1周約200mの空中回廊で囲まれていて、地上14mの空中散歩が楽しめます。
「水の宇宙船」をとりまくように「緑の大地」が広がります。なだらかな芝生の斜面でくつろいだり、花壇の彩りや、春と秋で表情を変える木々を眺められます。ガラスの大屋根の真下にある吹き抜けの地下広場「銀河の広場」では、さまざまなイベントが開催されたり、周辺のショップで買い物や食事を楽しんだりすることもできます。
名古屋市営バス、名鉄バス、三交バスのほか、長距離高速バスが発着するバスターミナルも併設されています。明るく広々とした待合いスペースでは、待ち時間を快適に過ごせます。また、地下鉄栄駅や名鉄栄町駅へのアクセスも便利な立地です。
白鳥庭園
「白鳥庭園」は敷地面積約3.7ヘクタールと東海地区で最大級となる日本庭園です。中部地方の地形をモチーフに、源流から大海までの『水の物語』をテーマとしていて、築山(つきやま)を「御嶽山(おんたけさん)」流れを「木曽川」池を「伊勢湾」に見立てた庭園のつくりです。
本格的な数寄屋建築(すきやけんちく)の茶室「清羽亭(せいうてい)」は庭園のほぼ中央の流れのほとりにあります。外観は白鳥が舞い降りる姿をイメージしています。「汐入の庭」では汐の満ち干きを水と噴水で演出しています。一年を通じて花や紅葉、雪吊りといった、四季折々の風景を楽しむことができます。
園内では四季を通じて、花や植物、また日本文化と触れ合えるさまざまなイベントが開催されています。また、毎週土曜日にはガイドツアーを実施していて、庭園の見所や歴史、季節ごとの花や庭園で見られる鳥などをレクチャーしてもらえます。
東山スカイタワー
「東山スカイタワー」は、東山総合公園内の標高80mの丘の上にある、高さ134mの展望タワーです。周りに高い建物がないので、抜群の見晴らしです。地上100m(標高180m)にある展望台からは、名古屋テレビ塔やナゴヤドームといった市内の名所を一望できます。天気が良ければ、遠くに御嶽山(おんたけさん)や鈴鹿山脈の山並みを眺めることもできるそうです。
展望室やスカイレストランの揺れを減らして快適に過ごせるようにするため、4階展望室の中心には制震装置が設置されていて、その実物をガラス越しに見ることもできます。
日が暮れてからの夜景もすばらしく「日本夜景遺産」や「夜景100選」にも選ばれていて、国内有数の夜景スポットとして有名です。ロマンチックな夜景を見ながら、スカイレストランでの食事が楽しめます。
名港トリトン
「名港トリトン」は、名古屋港の中央を横切る伊勢湾岸自動車道にかかる3つの橋の愛称です。青の「名港東大橋」白の「名港中央大橋」赤の「名港西大橋」と、そのカラーも印象的で、港のシンボルの1つとなっています。世界的規模を誇る海上斜張橋で、阪神大震災級の大きな揺れや、伊勢湾台風級の強い風など100年に一度といわれるような大災害にも耐えられる安全性を備えた設計になっています。
名古屋港には毎年、メインマストの高さ約50メートルを誇る世界最大級の帆船「日本丸」と「海王丸」が寄港します。名港中央大橋の下を通過するために、その橋の高さは橋げたの下から水面まで55メートルの高さです。
また、名港中央大橋では秋の紅葉、冬は炎のイメージなど、季節に合わせたライトアップの演出がされています。ビューポイントは名古屋港金城ふ頭です。名古屋湾をめぐる遊覧船もあります。
ブルーボネット
「ブルーボネット」は、野生的な雰囲気を持つ草花「ワイルドフラワー」や美しい緑を眺めながら、四季を感じられる「自然風庭園」です。中部電力の火力発電所の排熱を利用して地面を温めているという、エコなスポットでもあります。
園内には22のテーマガーデンがあり、それぞれのガーデンスタイルを楽しみながら散策できます。イギリスのトップガーデンデザイナーが手がける「モデルガーデン」が設けられるなど、1つ1つ細部にまでこだわっているガーデンは、ガーデニング好きにとってもうれしいスポットです。
こどもも一緒に、家族みんなで楽しむスポット4選
レゴランド・ジャパン
名古屋のベイサイド金城ふ頭にある「レゴランド・ジャパン」は、2歳から12歳の子供を対象としていてご家族連れで1日中楽しめる、日本初上陸の屋外型キッズテーマパークです。家族みんなで乗り物に乗ったり、レゴモデルに触れたり作ったりと、レゴブロックの世界感をテーマにした7つのエリアに40を超えるアトラクションやショーがあります。
「ミニランド」では1,000万個以上のレゴブロックを使って、日本中から選んだ景色や街並みを再現。たった1日で、東京、大阪、京都、名古屋などの名所をすべて見られるのは世界中でもここだけです。大人の背丈ほどもある壮大な名古屋城は、有名な金のしゃちほこまで美しく再現されていて、必見です。
他にも飲食施設やショップもあり、ここでしか買うことができない商品もたくさんそろっています。レゴブロックを使って、楽しみながらいろいろ学べるワークショップも開催してますのでチェックしてみてください。
東谷山フルーツパーク
名古屋市の北東部、市内で一番高い東谷山(とうごくさん)は、70の古墳群に囲まれた自然と歴史の里です。「東谷山フルーツパーク」はそのふもとにある緑あふれる環境を活かした多目的農業公園です。リンゴ、ナシ、ウメ、カキ、モモなど15種類の「果樹園」では、約189品種900本あまりの果樹が植えられています。
「世界の熱帯果樹温室」は東谷山周辺に多数存在する古墳群のひとつ、前方後円墳をモデルにしていて大小2つのドーム型です。温室内にはバナナ、パパイア、ライチなど約100品種の熱帯や亜熱帯の果樹が植えられています。いろいろな果物を展示している「くだもの館」にはキッズコーナーもあって、家族で果物について学ぶこともできます。
売店の「フルーツパークマルシェ」では果樹園で収穫された果物を販売。生オレンジジュースや生グレープフルーツジュース、カットフルーツなどを楽しむこともできます。
さらにパーク内には約1,000本のシダレザクラがあります。春になると一斉に開花してサクラのトンネルができる様子は圧巻です。春は果樹園でもウメに始まり、アンズやモモ、スモモなどの花が順次開花する様子も見られるので、いろんな種類のお花見を楽しんでみてください。
でんきの科学館
「でんきの科学館」は、私たちのくらしに欠かせない電気について、実際に見て、触れて、体験しながら学べる参加型の科学館です。電気の基礎知識はもちろんのこと、環境やエネルギーについてさまざまな角度から探る「展示室」をはじめ、実験ショーや実験工作教室もあります。
350インチの大画面で見ることができる「オームシアター」では、顔認識の技術を使って自分の顔をゲーム内のキャラクターに反映します。まるで自分がそのシチュエーションの中に入り込んだような感覚でゲームやクイズに挑戦できます。
シーライフ ナゴヤ
「シーライフ」はスコットランド発祥の世界50か所以上で展開されている水族館ブランドです。そして、その日本初上陸となる「シーライフ ナゴヤ」は「レゴランド・ジャパン・ホテル」内に併設されたレゴブロックに囲まれながら「見て、さわって、学んで」体験できる水族館です。
施設内や水槽には日本オリジナルの装飾やレゴモデルがいたるところに配置されていて、海の生き物たちとのコラボレーションを楽しむことができます。5歳~12歳の子供をメインターゲットとしていることから、子供の目線に合わせて、水槽はすべて低い位置からでも見やすいように工夫されています。
サメやクマノミ、タツノオトシゴといった約150種3,500匹の海の生き物がいて、タッチパネルに触れると、生き物についての詳しい説明も知ることができます。ほかにも、愛知県を流れる清流・木曽川をイメージした、桜咲く「木曽川」エリアや、ヒトデやイソギンチャクなどの海の生き物にさわることのできる「ロックプール」、下を見ると魚たちが泳いでいるシースルーの通路など、さまざまな体験ができます。
世界のアートにふれるスポット3選
名古屋市美術館
名古屋市の中心部、伏見の広々とした白川公園内にある「名古屋市美術館」では、収蔵品を中心にした「常設展」や個人あるいはテーマに着目した「特別展」を観覧することができます。建物は愛知県出身の建築家・黒川紀章氏による設計で、建物自体がこだわりのアート作品ともいえます。
洋画家の三岸節子(みぎしせつこ)や日本画家の前田青邨(せいとん)川合玉堂(ぎょくどう)「画壇の仙人」と呼ばれた熊谷守一(くまがいもりかず)など、郷土を代表する作家の作品を幅広く収蔵しています。ほかにも「エコール・ド・パリ」「メキシコ・ルネサンス」や現代美術の作品も豊富です。さらに、年間を通じてさまざまな企画展を開催しています。
ヤマザキマザック美術館
「ヤマザキマザック美術館」では、18世紀から20世紀にかけてのフランス美術300年の流れがわかるコレクションが展示されています。18世紀のロココの時代から新古典主義、ロマン主義、印象派、エコール・ド・パリまでのさまざまな画家の作品は、額装からガラスが外され、作者と同じ目線で鑑賞することができます。
絵画だけでなく、工芸作品もあり、19世紀末にフランスを中心に花開いたアール・ヌーヴォーの時代をリードした作家であるガレ、マジョレル、ドームなどのガラス作品や家具、工芸品が展示されています。
また展示室内は、それぞれの時代を彷彿させる優美な内装で、ゆっくりと作品と向き合えるようなゆとりある空間です。音声ガイドの無料サービスや、レストランやカフェなども併設されています。
白川公園
名古屋市の中心部、伏見の「白川公園」は、中央に広場と噴水があって、そのまわりをケヤキ並木に囲われた、季節を楽しめる公園です。公園内には名古屋市科学館と名古屋市美術館があって、1年を通して多くの人々が訪れます。
また「白川公園・彫刻の道」では、イサム・ノグチやバリー・フラナガンをはじめとする芸術家による現代彫刻5作品が並んでいます。緑を楽しみながら、彫刻作品を身近に感じることができる場所です。
名古屋の歴史を知るスポット4選
文化のみち二葉館
名古屋城から徳川園にいたる「文化のみち」には歴史的建造物が数多く並びます。そのエリアに、ひときわ目をひくオレンジ色の洋風屋根の館があります。「文化のみち双葉館」は、「日本の女優第1号」の川上貞奴(さだやっこ)と「電力王」と呼ばれた福沢桃介が、大正から昭和初期にかけて居住していた和洋折衷の建物で、当時は「二葉御殿」と呼ばれていました。
創建当時の姿に移築復元し、2005(平成17)年に開館しました。川上貞奴に関連する資料をはじめ、郷土ゆかりの文学資料のほか、当時の雰囲気を感じさせるステンドグラスや照明器具など調度品も展示されています。
徳川園
「徳川園」は、江戸時代に名古屋を治めた尾張徳川家に伝わる文化遺産の一つで、もともとは徳川御三家の尾張藩二代藩主光友の隠居所として1695年に造られました。江戸時代に主流だった大名庭園の様式の1つ「池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)」の日本庭園です。
総面積4.5ヘクタールという広大な場所に、清流が滝から渓谷を下って海に見立てた池へと流れる様子は、日本の自然の風景や景観を凝縮したものとなっています。
さらに、高低差の大きな地形や姿かたちをそのまま取り入れた樹林、立体的に迫る大きな岩組みなどによって、変化に富んだ景観を大胆に切り替える構成を用いていて、大名庭園の荘厳な景色を眺めることができます。
梅、桃、桜や新緑、紅葉、牡丹や花菖蒲の花々など、四季を通じて植物を楽しめます。また、季節のイベントやコンサート、祭りなど、徳川園の魅力を感じられるさまざまなイベントも開催されています。
建中寺(けんちゅうじ)
「建中寺」は、1651年に尾張藩二代藩主徳川光友が、父義直の菩提を弔うために創建した浄土宗のお寺です。それ以降、尾張徳川家の菩提寺となりました。現在も約1万坪の広さをほこる境内ですが、実際は5万坪の広さがあったと言われています。本堂裏には、愛知県の文化財に指定されている権現造り(ごんげんづくり)の霊廟(れいびょう)があって、歴代藩主の位牌が安置されています。
創建当時からある「山門」は、山間一戸の様式による重層楼門で名古屋市指定文化財です。また、本堂や鐘楼(しょうろう)など、多くの建物が、愛知県指定文化財、名古屋市指定文化財、文化登録文化財などの指定を受けています。
名古屋市市政資料館
建物は、名古屋控訴院、地方裁判所、区裁判所庁舎として、1922(大正11)年に建てられました。そのあと、1979(昭和54)年に現在の場所に移るまでの約60年間、中部地方の司法の中心として活動してきました。1984(昭和59)年には、国の重要文化財に指定され、1989(平成元)年から「名古屋市市政資料館」として開館し、現在も名古屋市の公文書館、市民の文化利用施設として使用されています。
この建物が出来上がった翌年には関東大震災が発生して、それ以降大規模なレンガ造りの建物が新たに建てられることはなくなりました。そのため、日本における最後の大規模なレンガ造りの建物とも言われています。
19世紀後半に流行した建築様式の「ネオバロック様式」で建てられていて「中央階段室」にその様式が表れています。左右対称のつくりで、2階から3階までが吹き抜けになっています。4か所にはマーブル塗りの漆喰(しっくい)でできた黒い柱があります。柱の下の部分は、大理石が使われています。
また、階段室の正面を見上げると、ステンドグラスがあります。図柄は「罪と罰」を表しています。公平な裁判が行われることを示していて、かつての裁判所のなごりを感じさせます。
名古屋めしといえばコレ!定番グルメ4選
ひつまぶし
うなぎの生産王国愛知で生まれた「ひつまぶし」は、今や「名古屋めし」を代表する料理となっています。細かく刻んだうなぎの蒲焼きをおひつに盛ったご飯の上に敷きつめてあってボリュームがあります。
そして、その食べ方も独特です。一品で3つの味を楽しめます。茶碗によそって、1杯目はそのままで食べ、2杯目はわさびやネギ、のりなどの薬味をきかせ、3杯目は、お茶漬けであっさりサラサラといただきます。
明治の頃、料亭のシメとして大勢でも取り分けやすく、またさっぱりしめくくられるようにとの思いから考案されて、出前で運びやすいように木のおひつを使うようになった、と伝えられています。
「名古屋なまずや」は、その昔、中山道沿いの御茶屋「なまずの蒲焼き」を営んでいたのが発祥とされていて、1951(昭和26)年、名古屋の地で営業をはじめた、うなぎ料理店の老舗です。
きしめん
名古屋地域でよく見かける平らな麺「きしめん」は、関東風と関西風の間のつゆに、みりんを少し加えて、ちょっと甘口に仕上げています。薄いかまぼこにほうれん草のおひたし、油揚げが具として使われ、食べる前にかつお節を上にまぶしてあるのが一般的です。
名古屋ではうどんやそばと同じく、きしめんもよく食べられている麺類のメニューのーつです。温かいきしめんのほか、ざるに盛ったきしめん(ざるきしめん)もあって、暑い時期などは人気です。最近では、パスタの代わりにきしめんを使われたりもしていて、きしめんは進化し続けています。
「名古屋めし」の代表格のひとつであるきしめんですが、その歴史は意外と古く、江戸時代にはすでに食べられていたことが複数の書物にも記載されています。そのころからすでに名古屋めしの代表だったことがうかがえます。
そんな歴史あるきしめんが食べられる「宮きしめん」は発祥の地が熱田神宮です。熱田神宮の「宮」の字をもらう形で宮司さんから「宮きしめん」と命名していただいたという、1923(大正12)年創業のきしめんの老舗です。
味噌カツ
「味噌カツ」は「赤味噌ダレ」と「トンカツ」をあわせた、コラボレーション文化の名古屋を象徴するような名古屋めしの1つです。甘辛い味噌だれは、東海地方特産の豆味噌に調味料を調合していて、それぞれのお店が工夫を凝らしておいしさを競い合っています。
ルーツは戦後の屋台といわれています。串かつを、これまた名古屋めしの1つに数えられているホルモンを赤味噌で煮込んだ鍋料理「どて煮」の味噌につけて食べるとおいしいと評判になって、いつの間にか広まったと伝えられています。洋食店やとんかつ専門店、食堂などにも広まり、今では名古屋および愛知県内でとんかつを出す店では、ほぼもれなく味噌かソースを選べるほど浸透しています。
タレにはカラシやマヨネーズ、ごまなどを加えたり、また、味噌カツをどんぶりにした『味噌かつ丼』もバリエーションの一つとして人気があります。
天むす
「天むす」とは、小さなエビの天ぷらを握りこんだおにぎりのことです。普通のおにぎりよりもサイズが小さい一口サイズで、何個でも食べられます。天ぷらにはプリプリ食感の赤車エビを使っていて、ふんわりと仕上げた衣も味を引き立てます。巻いた海苔の間からエビ天が顔を出す可愛らしさと、ひと口サイズ冷めても味が落ちないことから、お弁当としても人気があります。
天むすは三重県の津市が発祥と言われていて、天ぷら店のまかない料理がはじまりとされています。また、付け合わせの「きゃらぶき」は、独特の塩辛さがあって、天むすの甘さを引き立てる名脇役です。