沖縄本島北部やんばるって?
那覇空港から車で2時間の沖縄本島北部やんばる。その中で、国頭村や大宜味村、東村からなる「やんばる3村」と呼ばれるエリアは、面積の約80%が常緑広葉樹に覆われた、世界自然遺産に指定されている自然豊かなエリアです。
生物多様性の評価により世界自然遺産登録がされましたが、これまでの日本の4つの世界自然遺産(知床、白神山地、小笠原諸島、屋久島)の原生的な自然環境と違い、やんばるは人と自然との距離が非常に近く、人とともに生物の多様性を育む森が形成されている、希少なエリアとされています。
また、日本の国土面積0.1%ほどの極めて小さなエリアに、日本で見られる鳥類の約50%(320種)、カエルなどの両生類は約35%(14種)が生息しています。ヤンバルクイナやノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネなどの多くの固有種が生息しており、亜熱帯地域でありながらも豊な森を有し、その豊な森によって小さな面積にもかかわらず、多くの希少種を含む多種多様な動植物が存在しています。
そのような希少生物も存在する環境は、世界中の多くの観光客を魅了する一方で、不法投棄や密猟など様々な違法行為の危険にも直面しています。
やんばるの自然を守る新しいツアー「AKISAMIYO」と新しいプロジェクト
やんばる型サステナブルツーリズムの実現を目指したクラウドファンディング
やんばるの自然を継続的に守っていくためのクラウドファンディングが実施されています。
下記で説明しているプロジェクトに賛同いただける方はぜひ支援をお願いします。
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保全体験型ナイトツアー「AKISAMIYO」
「AKISAMIYO」は、世界自然遺産となったやんばるの森を保全することを目的として、希少野生動植物などの発見や違法行動等を調査する環境モニタリング型のツアーです。調査によって記録されたデータが蓄積されて今後の保全活動にて活用されていくなど、世界自然遺産の希少な森を守る社会貢献度の高い取り組みです。
ツアー内容は、やんばるの森の自然、歴史、文化に詳しい「専属ガイド」の案内で、専用GPS機器を使用して、散策と環境モニタリング調査を進めていきます。車でモニタリングしながらの移動や、整備された林道の調査地での徒歩調査など、やんばるの森を守る自然保護官「レンジャー」のように自然環境調査を行います。ただ自然を見て回るだけでなく、その自然の保護にも貢献できる珍しいツアーです。
シン保全活動構築プロジェクト「ツチカゼ」
保全体験型ナイトツアー「AKISAMIYO」の開発により、これまでの「保全」中心の自然保護に関する考え方を、観光による「利用」を含めた新たな保全活動のあり方に転換していく取り組みが進んでいます。
世界自然遺産に認定されたこのエリアは、手つかずの自然から生まれた生物多様性ではなく、豊かな森の恵みを住民を含めた全ての生き物が適切に享受してきた結果で育まれており、このような共存文化を継承し、新たな保全活動を定着させていくことで持続可能な地域作りを目指しています。オーバーツーリズムを避けつつ、多くの人に関わって、知ってもらうことで、保護活動を浸透させていく取り組みです。
具体的な取り組み
①保全体験型ナイトツアーAKISAMKIYOの参加者拡大
多くの旅行客に参加いただくだけでなく、地域の保全教育に繋げていくために地域の子供たちのツアー招待なども取り組みに含まれています。地元の人たちとともに旅行者が自然に触れられる機会として準備されています。
②地域での保全活動の推進
生物多様性に大きく影響を与える「外来動植物」の防除活動を行い、防除した植物をペン作りに変える持続的な取り組みなどを進めています。
プロジェクトを立ち上げた背景
世界的にその価値が認められたやんばるの森ですが、そこにはその価値が損なわれるような様々な問題があり、どれもやんばるの生態系に悪影響を及ぼし、希少な動植物の絶滅につながりかねないものであり、全ては人間の手によってもたらされています。
世界自然遺産や国立公園になるよりも以前には、地元の森への不法投棄や、希少な野生の動植物が盗掘・密猟されていたり、過剰に採取されている実態がありました。このような状況に危機感を持った地域住民の有志や林業関係者が、環境省や専門家の協力のもとで始めた林道パトロール調査の活動が「AKISAMIYO」誕生に繋がりました。
AKISAMIYOを軸に、観光ツアーとしてやんばるの森を利用することで仲間を増やし、観光しながら豊かな生物多様性を育む森を保全していくことを目指すシン保全活動構築プロジェクト「ツチカゼ」が立ち上がっています。
ホリデーのおすすめポイント
沖縄北部は日本国内だけでなく、海外からも人気を集める注目のエリアです。やんばるエリアに至る道中にも、ハワイの高級リゾートの海外初進出となる「ハレクラニ沖縄」や、多くの観光客に人気の「美ら海水族館」があります。
より北部のやんばるエリアは、本文中にもあるように、沖縄の雄大な自然を楽しめる貴重な観光地ですが、一方で人間起因の様々な問題にも直面しています。ただ観光地として巡るだけでなく、今回のツアーのように、エリアの持続可能性に寄与できるような取り組みを旅行に組み込むことで、沖縄の新たな魅力を感じられる、心に残る旅にすることが可能です。
関連リンク
AKISAMIYO体験記事
【琉球放送】RBC NEWS
行き先は秘密!やんばるの森の保全と観光を掛け合わせた“ミステリーツアー” その魅力に迫る
やんばる型サステナブルツーリズムの実現を目指したクラウドファンディング
やんばるの自然を継続的に守っていくためのクラウドファンディングが実施されています。
プロジェクトに賛同いただける方はぜひ支援をお願いします。
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