大人も楽しめるひな祭りスポット
松尾大社(まつのおたいしゃ)
阪急嵐山線「松尾大社」駅を下車してすぐのところにあります。701年に建立された京都市内でも古い歴史を持つ神社で、お酒の神様として有名です。
松尾大社の「ひなまつり」は、神事の後、松風苑の曲水の庭で、雅楽の調べとともに「流し雛」が行なわれます。流し雛とは、人の形をした「形代」に穢れを移し、それを海や川に流すことで厄を祓うというものです。曲線を描く水路を短冊がゆっくりと流れていく様子は、平安時代の優雅な貴族の遊びを彷彿させるような情緒があります。
そのほか、折り紙で雛人形を折ったり、飾られた雛壇で記念撮影も楽しめます。
下鴨神社
京都市左京区にあり、正式名称を「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」といいます。鴨川の下流にまつられているお社というところから、「下鴨さん」などと呼ばれ親しまれています。
3月3日の「流し雛」は、「さんだわら」に乗せたひな人形を「みたらし川」に流し、子供たちの無病息災を祈ります。流し雛の多くは、色紙などを使って作った男女のきわめて簡素なものが用いられ、一般の人でも流すことができます。
下鴨神社の流し雛は、まずは桟俵(さんだわら)を買って家に持ち帰ます。それを一年間家に飾り、翌年に流すのがポピューラーです。もちろん買ってその場ですぐに流すこともできます。
市比賣神社(いちひめじんじゃ)
女人の厄除けの神様を祀っている全国でも珍しい神社です。女性の守り神とされ、女性全ての願い事にご利益があると言われています。
また、ひな祭りも独特で有名です。大きなひな壇を作り、その上に本物の人間が扮する「男びな」、「女びな」、「三人官女」、「五人ばやし」が勢ぞろいします。官女の舞、十二単の着付けの実演や貝合わせが披露されます。
桜まつり
平野神社
平安京遷都にともない、桓武天皇の命によって、大和国から三神(今木神、久度神、古開神)を遷座・勧請して創建されました。
桜は生命力を高める象徴とされ、平安時代から植樹されたと伝わり、平野神社の神紋にもなっています。京都でも屈指の桜の名所で、毎年4月10日に「桜花祭(おうかさい)」が行なわれます。985年に花山天皇が後胤(こういん)繁栄を祈るために行幸され、臨時勅祭が行われたことに始まる、由緒ある祭事です。
2時間半ほどかけて、ゆっくりと氏子地域を巡行する「神幸列発輿祭」では、騎馬や織姫達で一層華やかになります。境内にはソメイヨシノをはじめ、さきがけ桜、桃桜、シダレザクラなど、約45種類もの桜が咲き誇ります。
哲学の道
京都市左京区にある歩道で、若王子神社から銀閣寺付近までの約1.5kmの小道を指します。春にはこの道沿いに、桜の花が華麗に咲き誇ります。定番の散策コースにもなっているので、特に春には大勢の人で賑わいます。
1922(大正11)年、大正から昭和にかけて活躍した日本画家・橋本関雪さんとよね夫人が300本の桜を寄贈したのが始まりとされています。ソメイヨシノを中心に大島桜・八重桜・枝垂れ桜など約400本植えられています。
京都府立植物園
まさに「生きた植物の博物館」と言われ、癒やしのスポットになっています。なじみ深い植物から、珍しい植物まで約1万2千種、12万本以上の植物を見ることができます。大輪の花を咲かせたり、ひっそりと足下から顔を出していたり、夜にしか咲かないものなど興味深いものばかりです。
桜の木は450本、種類は約150品種と多いため、長期にわたり花見を楽しむことができます。3月中旬のカンヒザクラに始まり、4月上旬のソメイヨシノ、ヤエベニシダレ、4月下旬のキクザクラなどがあります。
桜を見ながら食事ができるスポット
無碍山房(むげさんぼう)
八坂神社近く、老舗料亭として有名な「菊乃井」の新店で、2017年4月にオープンしました。古民家をフルリノベーションしたという外観はどことなく懐かしい雰囲気が漂います。
本店の大将が毎年咲いていた桜を気に入り、桜を眺めながらコーヒーを飲める店づくりを心がけたのだそう。カウンター席からは、手入れの行き届いた中庭が一望できます。
抹茶を使ったこだわりのパフェが自慢です。最高の宇治抹茶だけをふんだんに使って作られ、抹茶のゼリーやアイスはこの上ない濃厚さを味わえます。甘さに癒やされながら、心置きなくまったりできることでしょう。
高瀬川 くりお
高瀬川を眺めながら京食材をいただけるお店です。「美味しい料理とくつろぎの一時」をコンセプトとしていて、食の原点を見つめ直し、素材、産地、製法、調理方法にこだわっています。名物は「葱柚子雑炊」と「土鍋豆腐」です。
桜が見える特等席は、高瀬川沿いにあたる窓際です。1階席では足元に高瀬川が、見上げればソメイヨシノの枝が目の前に迫ってくるようです。2階席では、視線と同じ高さにソメイヨシノの花が見え、また違った感覚を味わえます。好みの席を探してみるのも楽しいです。
茶寮 八翠(はっすい)
かつては亀山離宮の桟敷殿が存在したといわれ、築100年を超える歴史的建造物 旧「八賞軒」の伝統を現代に継承する「茶寮 八翠」。テラスから景勝地・嵐山の景色を望めます。
甘味と食事が楽しめるアフタヌーンティセットや、かわいいスイーツを少しずつ味わえるものなど、一息するのにもってこいのスポットです。