尾道ラーメンとは
尾道ラーメンとは、約80年前に生まれた尾道市を中心とする広島県東部のご当地ラーメンです。日本でラーメンが流行りだしたのが1945年頃からということを考えると、比較的老舗だと言えるでしょう。尾道ラーメンのルーツは、昭和初期に露店で販売されていた「中華そば」にあります。
当時の中華そばは、豚骨や魚介など店ごとに異なる出汁を使ってスープを作っていました。しかし、それが30~40年ほどかけて鶏がらベースの出汁に統一されるようになり、現在の「尾道ラーメン」として知られるようになったと言われています。尾道ラーメン最大の特徴はスープにあり、鶏がらをベースに小魚や昆布などで出汁をとり、最後にはミンチ状の豚の背脂を浮かべるのが特徴です。
この豚ミンチの背脂は、お店によってはネギで香りづけされていたり、揚げられていたりと様々で、主にスープの味をより濃厚にする役割を果たしています。豚の背脂が広がる濃厚なスープは、平打ちの細麺によく合うので、ぜひ尾道ラーメンを味わうときはスープと麺の両方を楽しんでみてください。
また、尾道を含め広島県東部のラーメン屋では、現在でも昭和初期に流行した「中華そば」を販売しているところがあります。中華そばからは現在の尾道ラーメンのルーツを知ることができるので、気になる方はぜひそちらにも足を運んでみてはいかがでしょうか。
尾道ラーメンとは似ているけど違う「広島ラーメン」
広島県には、尾道ラーメンのほかに「広島ラーメン」というご当地ラーメンがあります。この2つはよく混同されますが、まったく別のラーメンのため注意してください。わかりやすい違いでいえば、尾道ラーメンのスープは「鶏がらベース」であるのに対し、広島ラーメンは「豚骨と魚介ベース」という点です。
広島ラーメンはスープが白濁しているので、尾道ラーメンとはまったくの別物であることが見た目ですぐにわかるでしょう。また広島ラーメンは、尾道ラーメンのようにスープに豚ミンチの背脂は入っていません。豚骨ベースで細固い麺の広島ラーメンは、博多ラーメンの影響を受けているとも言われています。
このように尾道ラーメンと広島ラーメンは、味やルーツがまったく違うので、よく気をつけてお店を選ぶようにしましょう。もちろん広島ラーメンも広島県を代表する名物料理なので、お時間がある方は両方のラーメンを味わってみることをおすすめします。
実際に食べてみた!
今回行ったお店は「尾道ラーメン 壱番館」
JR尾道駅から歩いて10分ほどの場所にある、海岸通り沿いの尾道ラーメン店です。尾道駅周辺には尾道ラーメンを食べることができるお店はたくさんありますが、こちらのお店は通販の尾道ラーメンが人気で専門店として出店した少し変わったお店。店内は広くテーブル席も多いので、家族連れで行けるラーメン屋です。
コメント
今回はベーシックな尾道ラーメンを注文。醤油色のスープにネギとチャーシューとメンマ、そして大量の豚の背油が浮いている、これぞ尾道ラーメンという見た目です。まずはスープからいただくと、こってりと思いきや、濃すぎないコクのある醤油スープで魚介の風味を感じられ、意外とあっさりめでほんのり甘いスープでした。
麺は湯のびしにくく、のどごしのいい「平打ち熟成生麺」を使用しているため、最後までコシがあり、スープにもよく絡み、美味しかったです。尾道ラーメンの代名詞である豚の背油は、食感が良くスープとの相性も抜群で、思わずスープを飲み干してしまいました。
「壱番館」では、肉厚の角煮が入った角煮ラーメンが人気ナンバー1だそうです。ベーシックな尾道ラーメンはあっさりさっぱりとした味でしたが、角煮が合わさるとまた濃厚さが加わるのではないでしょうか。他にもキムチラーメンやネギピリカララーメンといったメニューもあったので、どれにするか悩んでしまいますね。
「壱番館」と言えば通販のラーメンで、家庭で作っても専門店と同じ味と好評。店内でも持ち帰り用のラーメンを購入できます。お土産に購入し、ご家庭でも尾道ラーメンは楽しむのはいかがでしょうか。
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