奄美大島ってどんなところ?
奄美大島は、鹿児島県の南に位置するいくつかの島の集まりのことを指します。加計呂麻島・与路島・請島を含む奄美大島本島と、喜界島・徳之島・沖永良部島・与論島の5つの島で構成されています。1年間の平均気温は約20℃と温暖で、いつ訪れても過ごしやすい気温であることが特徴だといえます。
奄美大島の歴史は古く、その名が登場し始めるのは平安時代末期からです。壇ノ浦の戦いで敗れた平有盛が奄美大島に流れ付き、奄美大島や近隣の島に城を建てたところから日本史などで名前が登場し始めます。しかしその後は「琉球王国」が沖縄とともに、奄美大島や周辺の離島を支配していました。
その後、江戸時代になると薩摩藩が奄美大島の侵略を始め、支配していきます。当初は差別的な支配がありましたが、明治維新後に西郷隆盛が来島したことで、多くの文化が島に流れ込んだといわれています。戦時中は米軍に統治されていたこともありましたが、「鹿児島県」の「奄美大島」として扱われることを望み、現在でも奄美大島は鹿児島県となっています。
奄美大島旅行の見どころ
手つかずの大自然を体験
奄美大島といえば、なんといっても手つかずの大自然が見どころです。
滞在中はどこまでも続く美しい海を眺めたり、青々とした木々が生い茂る山やマングローブに触れたりと、普段はなかなかできない貴重な体験ができます。
奄美大島の素朴な自然は「東洋のガラパゴス」ともいわれるほどで、非日常を味わいたい場合にはピッタリの旅行先です。
美しい海でマリンレジャーを楽しむ
まわりを海に囲まれた奄美大島を旅行するのであれば、海を堪能できる「マリンレジャー」は外せない楽しみ方のひとつだといえます。
美しい青色をした海が魅力の奄美大島では、サンゴ礁を眺められるシュノーケリングやウミガメと一緒に泳ぐことができるダイビング、気軽にトライできるSUPやホエールウォッチングなど、たくさんのアクティビティを体験することができます。
奄美大島を旅行で訪れた際は、海を眺めることももちろんですが、海に入って楽しめるレジャーにもトライし、その魅力をたっぷりと堪能してみましょう。
島でつくられた地酒を堪能する
奄美大島の名産品のひとつに、黒糖でつくられた「黒糖焼酎」があります。黒糖焼酎は芋や麦でつくられた焼酎のような独特の臭みが比較的少なく、それでいて甘い風味をほんのり感じることができるため、飲みやすくて女性にも人気のお酒です。
また、黒糖焼酎は奄美大島でしかつくることが許されていません。国内に出回っている黒糖焼酎は、奄美大島にある30ほどの蔵元でつくられたものとなります。
したがって、焼酎好きであればぜひ本場で黒糖焼酎を堪能してみましょう。蔵元によっては工場が見学できたり、試飲も可能なので、お気に入りの1本を探してみるのもいいですね。
奄美大島の歴史が感じられるスポットを巡る
島内には、島がこれまで歩んできた歴史を物語るスポットが、今でも点在しています。古代南方型建築様式で造られた高床式の建造物である「高倉」が集まる「群倉」や、ビーチロックの板石でつくる方形の板石墓「ハヤ」など、一部の地域や奄美大島全体の歴史が感じられるスポットを巡るのも楽しみ方のひとつです。
また、歴史的建造物のほかに、奄美の自然や歴史、文化などを紹介する「奄美の郷」という資料館へ行くのもおすすめです。島の生活や風景を上映するシアターや、島の暮らしを紹介する総合展示ホールで、歴史に触れることができます。
島の伝統工芸・文化に触れる
奄美大島の伝統工芸には「泥染め」で染めた絹糸でつくる「大島紬」という織物などが挙げられます。大島紬は着物に用いられることが多く、1年近くかけて職人が手作業で仕上げることから、着物のなかでは最高峰だといわれています。
奄美大島でしか行なわれていない伝統工芸とあって、島内には大島紬でつくられた工芸品などを販売するショップが点在しています。ネクタイやぬいぐるみ、アクセサリーなど普段遣いしやすいようにアレンジされた商品はお土産にもぴったりです。
また、泥染めは現地で実際に体験することもできますので、最高品質と称される泥染めにぜひトライしてみましょう。
笠利・龍郷町エリア
土盛海岸
笠利町にある「土盛海岸」は、奄美大島のなかでもトップクラスの美しさを誇るという海岸です。
白い砂と青い海のコントラストは「ブルーエンジェル」とも例えられるほどで、地元の人にも愛されているほか、フォトジェニックであることから旅行客にも人気のスポットとなっています。
また、土盛海岸ではサンゴ礁を見ることができるため、シュノーケリングをしながらサンゴ礁やカラフルな熱帯魚に触れてみるのもおすすめの楽しみ方です。
あやまる岬
奄美空港のすぐ近くにある「あやまる岬」は奄美十景のひとつであり、水平線を一望できる景勝地として知られるスポットです。
岬の周辺は観光公園になっていて、遊具が設置された広場やゴルフ場などがあります。お子さま連れやカップルなど、誰と訪れても楽しめるでしょう。
また、青空のもとで美しい海を一望するのも魅力ですが、あやまる岬は夕日を眺めるのにもピッタリだといえます。目の前に広がる大パノラマには、たっぷり癒やされること間違いなしです。
ハートロック
「ハートロック」とは、湖溜まりの海水がハートの形に見える自然現象のことを指します。干潮のときにしか見られないハートロックは、今や恋愛のパワースポットとして人気上昇中の場所と言われています。
また、1月~3月あたりの時期はハート型をした石の周りにあおさが生え、よりくっきりと美しいハート型を見ることができます。潮位によってきれいなハートが見られる時間帯があるので、事前に潮位表をチェックしてから見学に行くようにしましょう。
原ハブ屋
「原ハブ屋」とは、奄美大島に生息するハブを見ることができる施設です。奄美大島では自然の守り神といわれているハブですが、原ハブ屋では1日3回行われる「ハブと愛まショー」(予約制)が特に人気です。
また、施設内ではハブを使ったグッズなども多数販売されていて、あまり見慣れないグッズたちは旅の思い出にも、おみやげとしてもピッタリです。
名瀬・大和村・住用エリア
大浜海浜公園
名瀬にある「大浜海浜公園」は、奄美大島の公園のなかでも人気のあるスポットです。市街地から車で約15分ほどのところにあり、青い海と白い砂浜のコントラストや、海に沈む美しい夕日が眺められるサンセットスポットとして知られています。
トイレやシャワー、コインロッカーが完備された施設があり、ビーチで遊ぶこともできます。ほかにも、オーシャンビューが満喫できるレストランで食事をするのもよし、遊歩道をのんびりと歩くもよし、といろいろな楽しみ方ができるでしょう。家族、友人、カップルでの旅行など誰と一緒でも必見のスポットです。
大和浜の群倉(ぼれぐら)
「群倉」とは、奄美大島独自の建造物である高床式の倉庫「高倉」が集まったもののことを指します。釘を使用せずに建てられた群倉には、かつて穀物などが貯蔵されていました。
大和浜にある群倉には現在5棟の高倉が残っていて、これらは県指定の有形文化財にも指定されています。昔の島民の知恵が詰まった高倉は、一見の価値ありです。
マングローブ原生林
熱帯・亜熱帯地域の湿地帯や干潟に生息する植物の総称である「マングローブ」ですが、奄美大島には西表島に次ぐ規模を誇るマングローブ原生林があり、自然を満喫できるスポットとして人気です。
住用町にはマングローブ原生林が71ヘクタール以上にわたって広がっており、この一帯は国定公園特別保護区にも指定されています。カヌーやトレッキングなど、さまざまなツアーが用意されていますので、これらを利用することで手つかずの大自然をたっぷり堪能することができるでしょう。
宇検村・瀬戸内町エリア
アランガチの滝
宇検村にある「アランガチの滝」は、豊かな水量と二筋に流れる様子が特徴の滝です。霊峰湯湾を源流としていて、30メートルもの落差があります。
滝までは遊歩道が整備されており、滝の近くまで徒歩で向かうことができます。また、滝の近くには休憩できる場所もあって便利です。海や原生林とはまた違った自然に触れたい場合は、おすすめのスポットだといえます。
タエン浜海水浴場
「タエン浜海水浴場」は、エメラルドグリーンの美しい海が特徴の海水浴場です。ここでも、シュノーケリングやSUPなどが人気のアクティビティとなっています。
また、透明な水面をのぞくとサンゴ礁を見ることができるほか、堤防では釣りを楽しむことも可能です。さらに運が良ければイルカに遭遇できるチャンスもあります。
油井岳展望台
大島海峡の美しいリアス式海岸を見渡すことができる「油井岳展望台」は、奄美十景のひとつに数えられている絶景スポットとなっています。特に、海が夕焼けに染まる光景は息を呑むほど美しく、とても感動的です。
展望台からは加計呂麻島や請島、与路島をはじめ、晴れていれば徳之島まで見渡せることも。さらに駐車場から展望台までの距離が近いため、気軽に訪れることができるのも魅力です。
奄美大島のご当地グルメ
鶏飯
鶏肉や錦糸卵、しいたけなどの具材をご飯にのせ、丸鶏を煮込んだスープをかける「鶏飯」は、奄美大島の郷土料理です。お茶漬けのようにあっさりと食べられるヘルシーな料理であるため、地元でも幅広い年代の人々に親しまれています。
お店で食べる際はスープ・ご飯・具材が別々に出てきて、それらをセルフで盛り付けて食べることが多いです。また、島内には鶏飯の専門店もいくつかあり、お店によってスープのとり方や具材に違いがあるため、いくつかのお店をまわって食べ比べてみるのも面白いかもしれません。
油そうめん
「油そうめん」とは、茹でたそうめんを油とダシで炒め、さらに炒めた野菜や豚肉などを混ぜて食べる奄美大島の家庭料理です。入れる具材などに特に制限はなく、家庭で食べる場合は余った野菜などで手軽に作るのが一般的だそうです。
油で揚げたりせず、素朴な味付けが奄美の人々にも愛されていて、お祝い事などの席でも欠かせません。旧暦の8月に行なわれる八月踊りをはじめ、田植えや稲刈りなどの人が集まる場所でもよく食べられています。
やぎ汁
「やぎ汁」は、奄美大島から沖縄県にかけて食べられている郷土料理で、やぎの骨付き肉をじっくりと煮込んでとったスープです。
独特の香りと旨味があるスープの味付けは主に塩。具材を加えるとしてもネギやニラなどと、やぎの旨味が引き立つようにシンプルに味わうのが特徴です。
やぎは特に喜界島でよく食べられているそうで、島内にはやぎ料理を提供する名店もいくつかあります。やぎ汁のほかにもやぎの刺し身や定食などが食べられますので、一度はトライしてみてください。
黒糖
奄美大島の名産品といえば「黒糖」が挙げられます。黒糖を使った焼酎やかりんとうなどは空港の土産物店でも売られていて、奄美のおみやげとしても大変人気があります。
また、島内には黒糖を使ったスイーツ店などが豊富にありますので、おみやげだけでなく観光のお供としても人気です。黒糖を使ったジェラードは温暖な奄美大島を散策する際にピッタリですし、珍しい黒糖のケーキや生キャラメルなどはスイーツ好きにはたまりません。
おみやげとしてももちろんですが、奄美大島に旅行に来たからには、ぜひ現地で食べられる黒糖スイーツもあわせて堪能してみましょう。
みき
「みき」とは、お米・さつまいも・砂糖を発酵させてつくる奄美大島の伝統的なソウルドリンクです。発酵ドリンクであるため腸内環境改善に効果的で栄養価も高く、長寿が多いといわれる奄美大島で古くから老若男女問わず飲み継がれています。
昔は家庭でもつくられていたそうですが、現在は「みき屋」という、みきの専門店でつくられたものを購入するのが一般的です。とろみが特徴のみきは甘酒に近い優しい味わいで、お土産としても人気です。みき屋によって甘さや粘度などに違いがありますので、滞在中にお気に入りのみきを探してみるのもいいですね。
奄美大島への主要エリアからのアクセス・所要時間
奄美大島は離島のため、飛行機またはフェリーが主な移動手段となります。予算やスケジュールに応じて、最適な手段を選ぶようにしましょう。
北海道から
飛行機
新千歳空港 → 成田空港 → 奄美空港:片道約4時間〜
新千歳空港 → 羽田空港 → 奄美空港:片道約4時間〜
新千歳空港 → 鹿児島空港 → 奄美空港:片道約6時間
フェリー
新千歳空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約15時間30分
東京から
飛行機
羽田空港 → 奄美空港:片道約2時間25分
成田空港 → 奄美空港:片道約2時間45分
フェリー
羽田空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約13時間
成田空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約13時間
北陸から
飛行機
小松・富山・能登空港 → 羽田空港 → 奄美空港:片道約3時間30分〜
小松・富山・能登空港 → 成田空港 → 奄美空港:片道約4時間〜
フェリー
小松・富山・能登空港 → 羽田空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約14時間
小松・富山・能登空港 → 成田空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約14時間30分
東海・名古屋から
飛行機
中部国際空港 → 鹿児島空港 → 奄美空港:約2時間30分〜
フェリー
中部国際空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約14時間〜
関西から
飛行機
関西国際空港 → 奄美空港:片道約1時間30分
伊丹空港 → 奄美空港:片道約1時間30分
フェリー
関西国際空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約13時間〜
伊丹空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約13時間〜
中国・四国から
飛行機
松山空港 → 関西国際空港または伊丹空港 → 鹿児島空港 → 奄美空港:約4時間〜
フェリー
松山空港 → 関西国際空港または伊丹空港 → 鹿児島空港(空路)→ 鹿児島新港 → 奄美大島:約15時間〜
九州・沖縄から
飛行機
福岡空港 → 奄美空港:約1時間
那覇空港 → 奄美空港:約1時間
フェリー
鹿児島新港 → 奄美大島:約11時間〜
那覇新港・本部港 → 奄美大島:約13時間〜
奄美大島の空港・フェリー発着場所を紹介
奄美空港
奄美大島で唯一の空港が、奄美市にある「奄美空港」です。奄美大島は離島であるため陸を使っての移動ができず、飛行機は欠かせない移動手段となっていることから、多くの人が奄美空港を利用します。
国内の主要な空港と奄美空港との間には直行便が運行されていて、東京からであれば片道約3時間前後、関西地方からであれば片道約1時間30分ほどで移動することができます。空港に到着すると島唄が流れていて、奄美大島らしい雰囲気を感じられるのも魅力です。
空港内にはファミリーレストランやカレー屋さんがあるほか、名物の黒糖菓子などが買えるショップやマッサージ店などもあり、フライトまでの待ち時間も退屈することなく過ごせるでしょう。
さらに3Fには「送迎デッキ」という入場無料のデッキがあります。そこでは空港の滑走路が一望できるほか、晴れていれば美しい海やサンゴ礁と、青空を飛んでいく航空機とのコントラストを楽しめる穴場のスポットです。
名瀬港
奄美大島へ行く際は飛行機かフェリーを利用することになりますが、フェリーの主要な発着場所となるのが「名瀬港」です。中心街も近く、周辺にはホテルや旅館などが比較的充実しているため、約11時間もの長旅を終えてすぐにチェックインできたり、中心街を散策できたりするのは魅力のひとつだといえます。
また、待合室もきれいで快適に過ごせるほか、周辺にはコンビニやドラッグストア、飲食店なども充実していることから、帰りの船旅の前にも必要なものを買い揃えることが可能です。
奄美大島の年間イベント情報
1月
節田マンカイ
奄美市笠利町節田集落で行われる「節田マンカイ」は、旧正月の伝統行事として知られる賑やかなイベントです。
かつては笠利町の全域で行われていましたが、今では節田集落にのみ現存している貴重なイベントです。
マンカイとは「福を招く」という意味があり、男女が2人1組で向かい合って座り、手踊りをすることで福を招くことができるといわれています。
また、会場では手踊りのほかに宴会の場も設けられていて、伝統料理や歌を楽しみながら地元の人と交流することもできます。
紬の日のつどい
奄美市では、基幹産業である大島紬の振興を願って1月5日を「紬の日」と定めていて、毎年この日になると「紬の日のつどい」というイベントが町の広場で開催されます。
イベントでは島唄や餅つき、その年の“紬美人“のお披露目会などが行われるほか、大島紬でつくられた華やかな衣装を披露するファッションショーや抽選会などのプログラムが用意され、毎年たくさんの人で賑わいます。
また、紬の日は大島紬の認識を深めることを目的としているため、地元の人々が積極的に大島紬をまとう日でもあります。
大島紬でつくられたこだわりの1着をまとって街を歩き、魅力をPRする光景は今や奄美市の正月の風物詩といえるでしょう。
3月
宮古崎つつじウォーク
毎年3月上旬に大和村で開催される「宮古崎つつじウォーク」は、絶滅の危機にある宮古崎のツツジを植樹しながら5キロにわたってウォーキングを楽しむイベントです。
歩きながら眺められる岬の景観はとてもダイナミックで、奄美の大自然を思う存分満喫できるとあって毎年島内外から多くの参加者が集まります。
友人や家族と環境保全のための植樹をしながら、大自然のなかで思い思いの時間を過ごすという貴重な経験は、旅の思い出づくりにもぴったりです。
7月
奄美シーカヤックマラソンin加計呂麻
7月〜8月になると多くのイベントが開催される奄美大島ですが、なかでも7月上旬に開催される「奄美シーカヤックマラソンin加計呂麻」は、シーカヤックマラソンイベントとしては日本最大級の規模を誇るとあって、人気イベントのひとつに挙げられます。
奄美の青く美しい海をたくさんのボートが疾走する光景は、奄美大島の夏の風物詩ともいえるでしょう。日本中からたくさんの参加者が集結するとあって、加計呂麻島の人々も島をあげてバックアップするイベントです。
レースの最中には加計呂麻島の人が太鼓を叩いて声援を送ったり、おにぎりや黒糖などを振る舞ったりと、お祭りのような雰囲気も魅力。大会後の後夜祭では島唄やダンスを披露したり、ステージパフォーマンスを楽しむこともできます。
龍郷ふるさと祭り(たつごうふるさとまつり)
奄美大島の夏祭りのなかで最も早く開催されるのが「龍郷ふるさと祭り」です。
ステージで行なわれる芸能大会や、花火大会などのさまざまなプログラムが用意されていて、島内外からお客さんが集まります。そのなかでも特に人気があるのは「舟こぎ競争」。参加者たちの迫力ある試合は、ぜひ見ていただきたい名物イベントです。
ほかにも、会場の屋台で奄美大島の名物グルメなどを味わえたり、「八月踊り」と呼ばれる踊りでは参加者全員が一体となって盛り上がります。夏の訪れを感じることができる龍郷ふるさと祭り、ぜひ旅行で訪れた際は足を運んでみてください。
8月
やけうちどんと祭り
毎年8月に2日間にわたって開催され、ステージイベントや抽選大会などが行なわれる「やけうちどんと祭り」も、奄美大島の夏を彩る人気イベントのひとつです。期間中は島内外から沢山の人々が会場を訪れ、屋台の料理を楽しみながらパレードや宝探し大会などのさまざまなプログラムを堪能します。
そのなかでも一大イベントとなっているのが、最終日の夜に実施される花火大会です。約3,000発もの花火が湯湾港に打ち上がり、その規模は奄美大島随一とされています。奄美大島の壮大な海をバックに上がる美しい花火を眺めながらゆったりとした時間を過ごせば、貴重な旅の思い出になること間違いなしです。
奄美まつり
奄美大島の玄関口にあたる奄美市で行なわれる夏のイベントといえば「奄美まつり」が挙げられます。毎年8月、4日間にわたり開催されるこのお祭りは奄美大島で最大級の規模を誇るビッグイベントです。
奄美まつりは「シマあすびの夕べ」を皮切りに、「花火だよ!全員集合」とよばれるプログラムや「花火大会」などが前半の2日間に行なわれ、後半では「舟こぎ競争」や「八月踊り」、「MBC奄美やちゃ坊相撲大会」「パレード」と豊富なプログラムで構成されています。
期間中は街がお祭りムード一色となり、いつにも増してにぎやかな奄美の雰囲気を楽しむことができます。また、地元のラジオ局が特別番組と称して奄美まつりの模様を実況中継しているため、ラジオ片手にお祭りを楽しむのもいいですね。
9月
諸鈍シバヤ(しょどんしばや)
加計呂麻島(かけろまじま)で旧暦の9月9日に披露される「諸鈍シバヤ」とは、諸屯集落に古くから伝わる伝統的な芸能のことです。男性のみの出演者で構成される諸屯シバヤは、旧暦の9月9日に行なわれる大屯神社祭のなかで踊られています。披露される11種類の演目は800年も前から受け継がれ、今では国指定重要無形文化財にも指定されています。
もともとは源平合戦で敗れた平質盛が、住民らと交流するために教えたのがはじまりだとされている伝統芸能。かつて20種類ほどあったといわれる演目のなかから11種類が現代に残っています。
特徴的な仮面と陣笠風の紙笠をかぶり、囃子や三味線を演奏する「リュウテ」とよばれる人々の伴奏に合わせてバラエティに富んだ演目が行なわれるとあって、島内外から訪れた多くの人で賑わう人気のイベントです。
思わず笑ってしまうような寸劇や華やかな踊り、人形劇などと豊富な演目であることから、誰と訪れても楽しめるイベントだといえるでしょう。
奄美大島観光の移動手段
路線バス
奄美大島では電車が走っていないため、公共交通機関を利用したい場合は路線バスを利用することになります。奄美を走っている「しまバス」や「大和村直行バス」、「瀬戸内海浜バス」という路線バスを利用することで、奄美北部から南部間をはじめとする各地への移動が可能です。
ただ、路線バスの料金は少し高めに設定されています。そのため路線バスだけで観光するとなると、かえって交通費がかさんでしまうことも。したがって、しまバスを利用する場合は「路線バス乗り放題券(フリーパス)」を利用するのがおすすめです。空港との往復もできて便利な移動手段ですので、お得な方法で上手に活用しましょう。
タクシー
奄美大島では、タクシーも主要な移動手段のひとつになります。荷物が多く移動が大変なときや緊急時などに加え、バスがない場所への移動などに便利なタクシーは、賢く利用することで効率的に観光できます。
流しのタクシーを利用する場合、空港をはじめ奄美市名瀬の商店街や飲み屋街などでは簡単に見つけることができます。しかし、ほかの地域でタクシーに乗りたいときには電話をして配車をお願いする必要があるでしょう。
一部のタクシー会社では観光タクシーなども運行していますので、奄美大島を知り尽くしたドライバーによる観光地巡りも楽しみ方のひとつといえます。定番のコースはもちろんですが、スケジュールに応じたオリジナルのルートでまわってくれることもありますので、活用してみるのもおすすめです。
レンタカー
小さい子供がいる家族や荷物が多いとき、大人数での観光時にはレンタカーを利用するのもおすすめです。路線バスのように時間に制限されることもなく、のんびりと観光を楽しむことができるでしょう。
また、大人数で利用することでタクシーなどよりも費用を抑えることができるほか、バスやタクシーを使うよりも楽に移動できる場合があります。さらに、郊外などのあまり交通網が発達していないエリアに行く場合にも活用することができます。
レンタカー会社によっては空港までの無料送迎や、空港周辺の宿泊施設などへの送迎・配車に対応しているところもありますので、旅行計画や行き先、体調などに合わせて積極的な利用を検討してみましょう。
レンタサイクル
奄美大島でそれほど遠くないエリアをまわる際には、レンタサイクルを活用するのも手段のひとつです。場所によってはアップダウンが激しく、体力が必要な場合もありますが、市街地周辺など散策する場合には便利だといえます。
また、宿泊施設によっては自転車を貸し出している場合もありますので、宿泊先で自転車を借りて近所を散策するのもいいかもしれませんね。
お得なフリーチケット
しまバス乗り放題フリーパス
「しまバスフリーパス」は、しまバスの運行区間である奄美本島内の全路線が乗り放題になるフリーチケットです。
【対象のエリア】
- しまバス全路線
【料金】
- おとな:1日券2,100円、2日券3,150円、3日券4,200円
- こども(小学生)・障害者:1日券1,050円、2日券1,580円、3日券2,100円
【購入できる場所】
- 奄美空港総合案内所
- しまバス本社(名瀬)
- 港町待合所(名瀬)
- 瀬戸内海浜バス営業所
- ネット購入(「バスもり!」アプリで購入可能)
【特典】協賛施設でフリーパスを提示することで、以下の特典が受けられます。
- 原ハブ屋:「ハブと愛まショー」鑑賞料金10%OFF
- 大島紬村:見学・体験が500円から300円に割引
- ハブセンター:ショー見学料金がおとな500円→400円、こども300円→200円に割引
- 半潜水船:10%OFF
- マングローブパーク:カヌー体験が10%OFF
- マングローブ茶屋:カヌー体験が10%OFF
- アイランドサービス:カヌー体験が10%OFF
奄美大島のおすすめ旅行プラン10選
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よくある質問Q&A
奄美大島の気候はどうですか?
自然の宝庫である奄美大島は亜熱帯海洋性の気候で、暖かい海に囲まれています。そのため、平均気温が約20℃ほどと1年を通して温暖であるほか、降水量が多く湿度も高めであることが特徴です。街歩きをするのであれば春、海を楽しむのであれば夏がベストシーズンだといえます。
また、冬の平均気温だけでみると約15℃前後となることが多く、もしかしたら時間帯や日によって少し肌寒いと感じることがあるかもしれません。したがって、訪れる時期によってはサッと羽織れる上着などを1枚持っていると重宝するでしょう。
さらに奄美大島は降水量が比較的多いエリアですので、最低限の雨具を用意しておくと安心です。特に10月〜11月あたりは雨が降りやすいため、観光中は必ず雨具を携帯しておきましょう。
何泊くらいが最も楽しめるでしょうか?
東京から飛行機で3時間前後で行ける奄美大島は、島自体が南北に長く、観光スポットが点在しているのが特徴だといえます。さらに自然を活かしたアクティビティなどもたくさんありますので、少なくとも「2泊3日」ほどは確保しておくとよいでしょう。
2泊3日の場合は、主要な観光スポットや美しい海が見える海岸を巡る、カヌー体験をするなどの過ごし方が人気です。しかし、3日以上滞在する場合にはダイビングにトライするのも楽しみ方のひとつです。ダイビングをしたあとは最低でも12時間以上経過しないと飛行機に乗ることができないため、滞在期間に余裕があるからこそできるアクティビティだといえます。
奄美大島には美しいサンゴが生息するエリアなど、ダイビングにうってつけのスポットがたくさんあるため、日程に余裕がある場合にはトライしてみてはいかがでしょうか。
奄美大島の観光において気をつけておきたいポイントはありますか?
比較的温暖であるとはいえ、雨が降りやすかったり、朝晩で気温差があったりする場合もあるため服装や持ち物には少し注意が必要です。
観光をする際は外で過ごすことが多いため、持ち歩いてもかさばらない雨具や、カーディガンなどの上着を持っているといざというときにも対応できて安心だといえます。