浅草寺ってどんなところ?
今から約1,400年前、檜前浜成・竹成(ひのまえのはまなり・たけなり)兄弟が隅田川で漁をしていたところ、1体の仏像が網にかかりました。この像を持ち帰ると、これが聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)の尊像だということが明らかに。この尊像を祀るために建てられたのが、現在の浅草寺だと言われています。
現在浅草寺は東京屈指の観光スポットとして親しまれていますが、江戸時代には庶民が飲み食いをする行楽の場として楽しまれていました。それが明治維新後には公園として使われるようになり、時を経て現在の仲見世や飲食店が並ぶ観光地に発展したのです。
そんな浅草寺で最も有名なスポットである「雷門」と「仲見世」について紹介していきたいと思います。
雷門ってなに?
雷門の歴史
浅草寺の雷門は、浅草のシンボルだと言っても過言ではない重要なスポットです。「雷門」と大きく書かれた大提灯は、インパクトが強く観光客の写真スポットとして評判です。
この雷門が作られたのは942年で、その後1960年に大提灯が設置されました。この大提灯は、パナソニックの創業者である松下幸之助により寄付されたもの。松下幸之助が浅草寺で病気平癒の祈願をしたところ、体調が回復したことから感謝の気持ちを込めて送られたと言われています。
雷門のみどころ
風神・雷神像
「風神雷神」は赤い大堤灯の両側に設置されています。門の右側には風神の像、左側には雷神の像が置かれており、風神は風を司る神、雷神は雷を司る神として信仰されてきました。大提灯とともに浅草寺の見どころスポットとして人気を集めています。
風神雷神は、浅草寺を風や雷、また、水害や火災から守るための神でした。それが時代と共に、人々の五穀豊穣への願いや風水害・火災への恐れも結び付き、信仰に繋がっていったといわれています。
大提灯の底
雷門の大提灯の底には、多くの人が気づかないであろう見事な彫刻が隠れています。それが龍の彫刻です。隅田川で仏像が網にかかった際、龍神が金鱗を輝かせて現れたことから、浅草寺を見守る神様として信仰されてきました。
かつての浅草は、木造建築が密集する場所であり、非常に火災に弱い町でした。そのため雨を降らせて火事から人々を救ってくれる龍は、龍神として崇められてきたのです。パワーがみなぎっている場所ともいわれているため、浅草寺を訪れた際は、ぜひ訪れてみてください。
雷門以外もみたい「大提灯」
雷門といえば赤い大提灯が有名な浅草寺ですが、実は「雷門」以外にも多くの大提灯が存在します。雷門のほかに、本堂の「志ん橋大提灯」、宝蔵門の「小舟町大提灯」、鳥居の東側にある「二天門大提灯」があります。その中でも浅草寺二天門の大提灯は、周辺の数回にわたる戦災をまぬがれ重要文化財に指定されている提灯としても有名です。
なお4つの大提灯の中で、最も大きいのは本堂にある志ん橋大提灯。浅草寺を観光する際、それぞれの大きさの違いに着目しながら、提灯を巡ってみるのもよさそうですね。
雷門へのアクセス
最寄り駅
- 東京メトロ銀座線:浅草駅 徒歩1分
- 都営地下鉄浅草線:浅草駅 徒歩2分
- 東武スカイツリーライン:浅草駅 徒歩3分
- つくばエクスプレス:浅草駅 徒歩8分
バス
- 都営バス
- 京成タウンバス
- 台東区循環バスめぐりん
よくある質問
雷門の反対側にある像はなんですか?
門からみて左側が「天龍像(てんりゅうぞう)」右側が「金龍像(きんりゅうぞう)」です。金龍が女性で、天龍が男性の姿をしています。また、水をつかさどる龍神と呼ばれ、長年仏教徒を海の災難から守ってきた像としても有名です。参拝に訪れた際は、忘れず立ち寄ってみてください。
駐車場は利用できますか?
浅草寺には専用の駐車場がないため、近隣の有料駐車場を利用する必要があります。ただ、浅草寺周辺は観光エリアのため、駐車場が空いていない可能性が高いです。そのため特に事情がない場合は、公共交通機関で訪れることをおすすめします。
仲見世ってなに?
浅草寺の表参道のことです。雷門から宝蔵門まで長さ約250mにわたって、参道の両側に店舗が並んでいます。浅草寺のグルメやお土産品など見どころがたくさんです。
なお、「仲見世」という名前は、浅草広小路(現在の雷門通り)あたりに並ぶ店と浅草寺観音堂前に並ぶ店との中間、つまり「中店」ということからこの名で呼ばれるようになったともいわれています。
仲見世の歴史
雷門に加え、表参道の仲見世も浅草寺の見どころの1つでしょう。参道の両脇には多くのお店が並び、買い物をする観光客で賑わいをみせます。「日本最古の商店街」である仲見世は、1688年頃の江戸時代に出来ました。
江戸時代の仲見世も、現在のように玩具やお菓子、お土産が販売されていたと言われています。それが徐々に店舗数が増え、今では約90の店舗が営業中です。石畳の道に日本らしい装飾がされた仲見世は、日本文化が感じられるスポットとして国内外の人々から人気を集め続けています。
仲見世のみどころ
浅草寺を参拝するなら、本殿だけでなく同時に仲見世も堪能したいところ。仲見世通りでは、グルメや買い物など見どころが盛りだくさんです。特に人形焼きや鯛焼き、もなかなどの和菓子専門店が人気で、連日多くの観光客が店先でお菓子を味わっています。仲見世でお菓子を購入した後は、イートインスペースで味わうのが良いでしょう。
グルメの他に、仲見世では多くのお土産屋が営業をしているのが特徴です。特に扇子や箸などの日本らしい商品のラインナップが豊富で、お土産にはもちろんプレゼントにもぴったり。浅草寺へ訪れるなら、仲見世のグルメ巡りとお土産探しは外せません。
またお店が閉まった後の仲見世は、昼間よりも人通りが減り静かになります。夜になると仲見世はライトアップされ、昼間とは違った落ち着いた雰囲気が魅力的。人混みが苦手な人は、あえて観光客の少ない夜に訪れてのんびりと散歩するのも良いですね。
浅草寺の仲見世にあるお店
雷門周辺
雷門を抜けた直後は、特に観光客の密集するエリアです。すぐに通り過ぎたくなるかもしれませんが、この雷門周辺には人気のお店がいくつかあるためぜひチェックしてみてください。その中でも「浅草きびだんご あづま」は、和菓子好きからの根強い人気を集めるお店。江戸時代に実在したきびだんご屋を再現し、趣のあるお店は古き良き時代の日本を感じさせます。
浅草きびだんご あづまの他には、「大海屋 昆布海藻」もこの雷門周辺では注目の店舗です。約40年前に実演販売を開始し、今では浅草の老舗店舗として地域の人々からも愛され続けています。天然の利尻昆布は、味はもちろん栄養満点でお土産におすすめです。
中央エリア
仲見世をさらに進むと、「杵屋」というお店が目に入ります。杵屋は、揚げおかき・炭火焼せんべい・雷おこしをメインに扱っている店舗です。特にカリッと揚げられたおかきと、丁寧に炭火で焼かれたせんべいは観光客からの人気を集めています。
この杵屋を通り過ぎると目に入る「亀屋」も、仲見世のグルメスポットとして欠かせません。亀屋は人形焼きを取り扱うお店で、あんこがギュッと詰まった贅沢さが売り。手頃なサイズ感の人形焼きは、その場でサクッと食べられるのが魅力です。
宝蔵門周辺
仲見世の終盤、宝蔵門周辺にはお土産屋が多くあります。特に女性におすすめのお店が「コマチヘア浅草第三店」で、かんざしやカツラなど髪にまつわるグッズが販売されているのが特徴です。オーダーメイドも可能なため、興味がある人はぜひ注文してみてはいかがでしょうか。
その他にも革製品を取り扱う「れんがや」や、お土産物全般を扱う「わらびや」など、個性豊かなお店が軒を連ねます。商品を購入しなくても、日本文化が感じられるグッズの数々は見ているだけできっと楽しめるはずです。
仲見世へのアクセス
電車
- 東京メトロ銀座線:浅草駅 徒歩2分
- 都営地下鉄浅草線:浅草駅A4出口 徒歩5分
- 東武スカイツリーライン:浅草駅 徒歩2分
- つくばエクスプレス:浅草駅 徒歩7分
バス
- 都営バス
- 京成タウンバス
- 台東区循環バスめぐりん
よくある質問
仲見世のお店の営業時間は何時ですか?
営業時間はそれぞれの店舗によって異なりますが、最も早いお店で8時頃、最も遅いお店で20時過ぎまで営業しています。ほとんどのお店は9時から18時までが営業時間にあたるため、この時間帯に訪れるのが良いでしょう。もし個別の店舗の営業時間を知りたいなら、公式サイトで確認しておくことをおすすめします。
仲見世での食べ歩きはできますか?
現在、仲見世での食べ歩きは禁止されています。お店に設置されているイートインスペースで食べるようにしましょう。