修学院離宮
京都府京都市左京区修学院藪添
薫は、浮舟の弟を坂本の小野にいる浮舟のもとに僧都の手紙を持たせて行かせる。
浮舟は、弟の姿を遠くに見ながら世話になっている僧都の妹尼に、母君一人だけには対面いたしたく存じます。この僧都がおっしゃっている大将殿とやらなどには、さらにさらにわたくしのことを知られとうないと、そう思うております。なにとぞして、お人違いであったとでもなんとでも、うまく申し上げてくださるようにして、ここにわたくしがおりますことをお隠しくださいませ、と訴える。
小野の里は、現在の一乗寺、修学院あたりから八瀬大原あたりまでの、比叡山の麓。