
東京のメタボリズム建築を巡る!
東京東京のメタボリズム建築を巡る!
2011年9月から2012年1月まで「メタボリズムの未来都市展」が森美術館で開催されていたのを覚えている人もいると思いますが、東京には丹下健三、黒川紀章、菊竹清訓などの建築家が1970年前後に打ち出したメタボリズムの思想が体現された建築が残っています。社会の変化や人口の成長に合わせて有機的に成長する都市や建築を提案したもので、今となっては高度経済成長時代の遺物というべきものかもしれませんが、実現しなかった東京湾上の海上大都市プロジェクトとかSFとも言えるようなものが本気で語られていた提案には大きなロマンを感じざるをえません。メタボリズム自体は失敗と言われていますが、黒川、菊竹両巨匠の逝去とともに社会情勢に応じて変化させるという発想自体が再評価されたりしています。そんなメタボリズムの遺産を巡ってみましょう。
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1967年竣工の丹下健三さんによるメタボリズム建築の代表作。茶色い円筒部分のコアから箱形のオフィス部分が飛び出しているという構造になっています。
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スポット内のおすすめ
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東京湾海上都市プロジェクト
丹下事務所はこんなプロジェクトを構想していました。
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1972年竣工の黒川紀章さんの建築で世界ではじめて実用化されたカプセル型マンションです。アスベスト使用に絡んで建て替えを巡って訴訟になったりしている曰く付き物件ですが、カプセルが交換可能のまさにメタボリズム建築の代表作です。
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中銀カプセルタワーのカプセル住戸が埼玉県立近代美術館に寄贈されて、埼玉県立北浦和公園内に展示されています。このカプセルは森美術館で2011年末から2012年頭に行われた「メタボリズムの未来都市展」で展示されていたものです。
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カプセル内
未来感タップリのカプセル内です。
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メタボリズム提唱者の代表格である菊竹清訓さんの建築でメタボリズムの理念を直接的にぶつけたのは不忍池に隣接するソフィテルでしたが、独創的な形状過ぎたために短命で解体されてしまいました。同じように理念をストレートに表現したものとして江戸東京博物館がありますのでメタボリズムそのものではありませんがこちらを巡りましょう。こちらもかなり奇抜なデザインになっています。
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ソフィテル東京
菊竹さんのメタボリズムの代表作。2007年に解体されています。
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アクアポリス
現在の美ら海水族館の先に沖縄海洋博向けに造られたアクアポリスも菊竹さんの代表作です。博覧会後はしばらく使用法が模索されましたが124億かけて造られた施設は米国企業に1400万円で売却され上海に曳航され廃材として利用されたようです。
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