この冬は信州諏訪でノンビリまったり過ごしてみよう!-下諏訪篇
長野この冬は信州諏訪でノンビリまったり過ごしてみよう!-下諏訪篇
長野県の中心に位置する諏訪地方。 上諏訪篇に続き、下諏訪篇をお届けしましょう。 JR下諏訪駅は上諏訪駅の隣。 ですが上諏訪は諏訪市、下諏訪は下諏訪町と自治体が分かれています。 そして両市町は別の街といっていいほど(ていうか別だけど)表情が違います。 下諏訪には諏訪大社下社の春宮と秋宮があります。 また、下諏訪は旧中山道の宿場町。 しかも、旧甲州街道の終点でもあります。 東京の板橋と新宿を出た両街道は、ここ下諏訪で合流するわけですね。 街道沿いには下諏訪温泉街が広がり、古風な街並みを堪能できます。 江戸時代創業の高級和風旅館からビジネスホテルなど廉価な宿まで揃っています。
下諏訪駅から東北へ約1km、春宮からも東へほぼ1km。 旧中仙道と甲州街道の分岐点という要所に鎮座しています。 社殿は二重楼門造りの拝殿と、左片と右片の両拝殿が横に並ぶ形。 現在の建物は1781(安永10)年に落成したものです。 拝殿の奥にある建物が宝殿、その奥が御神座や相殿。 御神木をお祀りする下社で最も重要な場所です。 上社は御神山を拝むのに対し、下社は御神木を御神体としています。
手水社ならぬ「手温泉舎」⁉︎
参拝前に手を洗う手水社も温泉なので、冷たくないですよ!
御柱
諏訪大社といえば奇祭「御柱祭」で有名。 4本の御柱が社殿を囲むように立ってます。
下諏訪駅から北西へ約1km、秋宮からも西へほぼ1km。 旧中仙道沿いに鎮座しています。 社頭から南に向かって真っ直ぐ伸びる大門通り。 かつては春宮の専用道路で、多くの武士達が流鏑馬を競った馬場だったそうです。 御影石製の大鳥居は1656(万治2)年建立と推定。 境外にある万治の石仏と同じ作者と伝わります。 社殿の配置は秋宮と同じです。 諏訪藩が春宮と秋宮の社殿を建て替えを計画した際、同じ絵図面を使用したらしく、大きさこそ違うものの構造は全く同じ。 現在の建物は1780(安永9)年竣工。 秋宮より後に着工して1年早く落成したそうです。
下馬橋
下馬橋は大門通りを途中で横切る御手洗川に架る橋。 下社では最古の建築物で室町時代の建立。 ですが建築様式は鎌倉時代のものだそうです。
近くの田んぼの中に鎮座する阿弥陀如来の石仏。 おにぎり型をした石の上に丸顔の石がちょこんと乗っているユニークな形状。 岡本太郎や新田次郎が絶賛したことで有名になりました。 参拝の方法は、まず正面で一礼し、手を合わせて「よろずおさまりますように」と念じます。 次に、願い事を心で唱えながら石仏の周囲を時計回りに3周します。 そして最後に正面へ戻り「よろずおさまりました」と唱えて一礼します。
諏訪大社といえば7年に1度行われる「御柱祭」。 万治の大仏のすぐ近くにある「おんばしら館よいさ」には、御柱祭に関する情報が一同に展示されています。 御柱を曳くルートの解説、祭りの様子を映し出すビデオ、祭りに用いる縄や法被など、普段テレビのニュースなどでしかお目にかかれない「御柱祭」を間近で体感することができます。
下諏訪駅から秋宮へと続く大社通り沿いに位置する観光拠点。 フロア内にある食事処「食祭」では地元食材を用いた料理が楽しめます。 また、下諏訪最大級を誇る土産物店には銘菓や酒、味噌、蕎麦など地元ならではの特産品がてんこもり。 屋外には源泉掛け流しの足湯もあるので、寒い冬でも無料で温まれますよ。
宿場関係の資料や下諏訪で起きた出来事などの資料を通じて、温泉と大社詣りで賑わった往時の姿を紹介している町営の資料館。 下諏訪は東に和田峠、 西に塩尻峠と二つの峠に挟まれた交通の要衝でした。 しかも諏訪大社下社への参詣客と、古くから湧いていた温泉が相俟って、とても賑わっていました。 明治初年に建てられた建物ですが、江戸時代の宿場の商家の特徴を良く残しているそう。 間口が狭くて奥行きが長く、奥に土蔵を配してある、宿場町の典型的な家造りです。
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諏訪湖に関する様々な資料を収蔵している博物館。 建物は湖畔にたたずむ舟をイメージしています。 常設展示は漁具、スケート、氷切りなど、独特の漁法や暮らしの文化について展示しています。
赤彦記念館
諏訪が生んだアララギ派の歌人、島木赤彦に関する資料を展示しています。
1864(元治元)年に建築されたと推定されている木造二階建ての旧商家を復元修理し、旅行者に休憩所として開放しています。 「伏見屋邸」という名の由来は、明治時代に商いを営んていた中村家の屋号が「伏見屋」だったこと。 建物は屋内に通り庭を設けた江戸時代の民家の形式が残ります。
江戸時代に食事や茶を供していた、甲州街道沿いに立つ茶屋の跡。 江戸時代に建てられた往時の姿が、ほぼ残ってます。 芸術作品のような蔵や調度品が素晴らしい古民家。 諏訪の殿様から譲り受けたと伝わる石灯ろうや松が庭先に残ります。 昭和中期にはユースホステルとして利用され、国内外から宿泊に訪れ若者から「サムライハウス」と呼ばれていたとか。
女性短歌社「明日香」の創始者として活躍したアララギ派の歌人、今井邦子に関する資料を展示しています。 邦子の実家だった下諏訪宿の茶屋「松屋」の建物を、当時の面影を可能な限り再現しています。
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日本近代時計発祥の地、下諏訪は「東洋のスイス」。 ここは時間や時計の歴史、技術を展示した博物館です。
水運儀象台
ここには機械式時計のルーツが世界で初めて完全復元されています。 900年前の中国北宋時代、当時の首都開封に建設された水駆動による大型の天文観測時計塔「水運儀象台」。 毎正時にデモンストレーションが行われ、内部も見られるとか。
時計づくり体験工房
国家検定資格を持つ技師の指導を受けながら、時計の組み立てが体験できます。
下諏訪温泉100%かけ流しの足湯「御柱神湯」
ここには下諏訪温泉100%かけ流しの足湯「御柱神湯」もあります。 入館料は不要です。
下諏訪町、実は世界のオルゴールの90%を生産してる「オルゴールの町」なのです。 ここは古典から現代まで貴重なオルゴールを一堂に展示した施設。 常設展示のみならず、オルゴール作り体験工房やティールームもあります。
1階は知的体験、2階は感動体験
1階は知的体験フロア。 カリヨン(教会の鐘)をイメージしたからくりオルゴール。 約200年前にスイスで発明されたシリンダーオルゴール。 約100年前にドイツで発明されたディスクオルゴールなど。 過去から現在に至るオルゴールの遍歴がアカデミックに体験できます。 2階は感動体験フロア。 1時間ごとに古典オルゴールが生演奏。オルゴール工房では世界で唯一のオリジナルオルゴールが作れます。
アンリ・ルソーに代表される「パントル・ナイーフ(素朴派)」の作品を常設展示している美術館。 「パントル・ナイーフ」とは純粋な視点から自由な感受性を表現している流派です。
ルオーやシャガールの版画に囲まれて耳を傾けるベーゼンドルファーの響き
ルオーやシャガールの版画作品を展示している「ティーセントホール」。 ここにはオーストリア宮廷御用達のピアノ「ベーゼンドルファー」が置かれ、音楽会が開催されたりしています。
下諏訪温泉郷には外湯が数多くあるのですが。 そのひとつが「遊泉ハウス児湯[こゆ]」。 江戸時代の中頃から親しまれていた日本三古湯のひとつ「綿の湯」が源泉。 ここは諏訪明神御神湯伝説に伝えられる女神が、化粧用の綿に湯を含ませて置いた所から湧いた湯と伝わっています。 その「綿の湯」が、良く温まる湯質で特に子宝に恵まれると評判が高かった「児湯」と合併。 1987(昭和62)年、児湯の跡地に新たな湯屋を建ててオープンしました。 地元住民のみならず観光客からの人気も高く、現在下諏訪温泉で一番人気の共同浴場。 なので時間によっては相当混雑していることもあるそうです。