木母寺
東京都墨田区堤通2丁目16-1
水神大橋と隅田川神社の間に立つ梅柳山木母寺。
平安時代中期の開基と云わる名刹です。
ここは能楽「隅田川」に謳われた梅若伝説ゆかりの寺。
平安中期、吉田少将惟房の子「梅若丸」が人買いに誘拐されます。
関東へ下る途中、隅田川のほとりで12歳の生涯を閉じました。
その後、一人の狂女が泣き叫びながら姿を現します。
京の都から梅若丸を探しに遥々やってきた母親でした。
天台宗の高僧忠円が供養のため築いた塚で法要を行うと、梅若丸の亡霊が現れました。
母が抱きしめようとすると、亡霊は腕をすり抜けて霧のように消えてしまいました。
この梅若塚が今も残るほか、浄瑠璃塚や落語家三遊亭円朝が建てた三遊塚もあります。