日本最古の神社「大神神社」に初詣へ参る幸せ
奈良日本最古の神社「大神神社」に初詣へ参る幸せ
このプランを作りながらテレビを見ていた時の話。 たまたま流れたJR東海の奈良キャンペーンCMを見てビックリ! 大神神社[おおみわじんじゃ]がドドーン!と登場したではないですか! 三輪山の神様から「早くプランを仕上げろ!」という御神託なんでしょうか?…まさかね{笑〕 でも、これも何かの縁なのかも知れません。 というわけで、大神神社へ初詣に行くためのプランを作ってみました。
大神神社は奈良県桜井市にある日本最古の神社です。 創建時期は不明ですが、それは最古ゆえに具体的な時期が特定できないからなのかも。 祭神の大物主大神[おおものぬしのおおかみ]は国造りの神様。 ご利益は農業、工業、商業、方位除け、治病、酒造、製薬、禁厭(まじない)、交通、航海、縁結びなど。 世の中のあらゆる幸福増進に霊験あらたかな人間生活の守護神なのです! 祭神の大物主大神は、出雲大社の祭神である大国主命の「幸魂[さきみたま]」と「奇魂[くしみたま]」。 幸魂は運によって、奇魂は奇跡によって、それぞれ人に幸を与える神様の霊魂。 なので大物主大神と大国主命は一般に同一の神様と見做されています。
大神神社に本殿はありません…三輪山そのものが神様です!
大国主命が国造りの旅をしている途中、パートナーだった少彦名命[すくなびこなのみこと]が突然いなくなってしまいました。 大国主命が出雲の海岸に座って途方に暮れていると、海の彼方から光り輝く神様が現れました。 それが大物主大神でした。 大物主大神は「大和国を青垣のように囲む山々の、東の山の頂上に私を祀りなさい」と大国主命に告げました。 なので大物主大神を祀った三輪山そのものが大神神社の御神体なのです。
病気の治療、製薬、酒造などにもパワーがありますよ!
大神神社は治病、酒造、製薬にもご利益があります。 崇神天皇の時代、世の中に凶悪な伝染病が蔓延しました。 すると苦悩する天皇の夢枕に大物主大神が現れ、こう告げたのです。 「疫病を鎮めたいのなら、三輪山に自分をキチンと祀るように」と。 多分キチンと手入れしてなかったので祟ったんでしょう。 言われた通りに祀り直したところ、疫病は退散したそうです。 これが治病、酒造、製薬のご利益の由来になりました。
神と人を隔てる扉…それが「三ッ鳥居」
三輪山そのものが御神体なので大神神社には本殿がなく、あるのは拝礼用の拝殿だけです。 でも拝殿の奥には、この“人世”と“神世”三輪山を結ぶ出入口があります。 それが国指定重要文化財「三ッ鳥居」。 普段は非公開で、自分も見ることが出来ませんでした。 ところがです! JR東海のキャンペーンに合わせて今年12月31日まで特別公開されるそうな! うーん…また行かなきゃ!
森正と森栄進堂の間の小径を突き当たったところにある神社。 正式名称は「大直禰子[おおたたねこ]神社」。 大物主大神の子孫、大直禰子命が祀られています。 だから「若宮社」なんですね。 でも、不思議な形状をしていると思いませんか? どこをどう見ても神社ではなく、まるで寺院の本堂そのもの。 それもそのはず。 ここは昔「大御輪寺[だいごりんじ]」というお寺だったのです。 しかし明治期の廃仏毀釈に直面し、堂宇のほとんどを滅失。 唯一残された本堂だけが若宮社の本殿として現存しています。 創建当初の部材も残り、貴重な遺構として国の重要文化財に指定されています。
国宝が縁の下に捨てられていた?
ではなぜ大御輪寺が大直禰子神社になったのか? ここに大直禰子命の御神像と本地仏の十一面観音像が合わせて祀られていたからです。 大直禰子命の御神像は今も御神体として祀られています。 一方、十一面観音像は廃仏毀釈の煽りで高欄の下に打ち捨てられていました。 その有り様を見た聖林寺の住職が機転を利かせて大御輪寺と交渉。 大八車に乗せて運び出すことに成功し、遥か南に位置する聖林寺へ“避難”させました。
和辻哲郎が「古寺巡礼」で絶賛した国宝「十一面観音像」は聖林寺で誰でも拝観できます
秘仏とされてきた観音像は哲学者フェノロサの手で禁が解かれ、美しい姿が初めて人前に披露されました。 明治30(1897)年に旧国宝制度が制定されると同時に国宝指定。 さらに和辻哲郎が「古寺巡礼」で「天平彫刻の最高傑作」と激賞、その名が広く知られるように。 戦後に新国宝制度が発足すると、ここでも第1回の国宝に選定。 そして今、聖林寺の国宝十一面観音像は拝観料を払えば誰でも拝むことが可能です。
JR桜井線桜井駅の隣にある大神神社の最寄り駅。 小さな無人駅で、ここから歩いて10~15分ほど。 桜井駅はJR線と近鉄線が乗り入れてます。 東京からだと新幹線で京都へ行き、奈良線、桜井線と乗り換え。 名古屋からだと近鉄名阪特急で大和八木へ行き、各駅停車で戻る格好になりますか。 大阪からは近鉄線が桜井まで直通しているので、これを利用すると便利です。
参道には三輪素麺や柿の葉寿司などのお店が軒を連ねます
三輪駅から大神神社へは、駅前商店街をグルリと回り込む必要があります。 改札から真っ直ぐ伸びる駅前通りを進み、この「みわ寿司」の角を曲がると参道です。 三輪素麺や柿の葉寿司などのお店が軒を連ねているので、食事をするなら大神神社近辺よりこちらのほうが便利です。
お正月には臨時改札口がオープンします!
降車だけですが臨時改札口が開きます。 大神神社へは、こちらからだと非常に近いです。
二ノ鳥居に向かって右側にある三輪素麺の食堂。 外見は大きな蕎麦屋といった風情で気の置けない雰囲気です。 大神神社は三輪素麺発祥の地。 ですが神社の周辺に三輪素麺が食べられる店は意外と少ないです。 先述の森正と、ここ福神堂ぐらいなものですかね。 三輪駅まで行けば、まだ数軒あるのですが。
名産品、三輪素麺の歴史は今から約1200年ほど前まで遡ります
起源は大神神社十二代宮司の大神朝臣 狭井久佐[さいくさ]の次男穀主[たねぬし]。 三輪の土地と清流が小麦の栽培に最適なのを知ったのが始まりです。 小麦粉を棒状に練って縄のように延ばし、素麺の原型を生み出しました。 鎌倉時代に入ると挽き臼の登場で製粉技術が進化。 油をつけて延ばす麺作りの製法が中国から伝わり、現在の形状へ。 江戸時代になるとお伊勢参りのネットワークに乗り、全国へ広がっていきました。
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