奈良・桜井のいにしえスポットと大和三山
奈良奈良・桜井のいにしえスポットと大和三山
久々の奈良訪問!でもあいにくの雨でした…。でもかえって、新緑の勢いが増し一段とすがすがしさが感じられて気持ちよかったです。 今回は、ずっと行きそびれていた 西国三十三観音霊場の一つである「長谷寺」へのお参りがてら、行ってみたかった桜井市の神社やお寺、それと、万葉のふるさと「大和三山」を見てきました。 京都とはまた違った古都の風情を感じられる奈良…いろいろな出会いを体験できました。
朱鳥元年(686年)、道明上人によって初瀬山の中腹の西の岡に三重の塔を中心としたお寺「本長谷寺」を建立したのが長谷寺の起源だと言われています。その弟子である徳道上人が東の岡に巨大な十一面観音菩薩と、それを祀る本堂を建立し、神亀4年(727年)に「後長谷寺」として開山しました。平安時代に入ると、高貴な人々の「初瀬詣で」が流行し、次第に武家や庶民にも広がり、より多くの信仰を集めました。 季節の花が咲き誇り伽藍を彩ることから「花の御寺」とも呼ばれ参詣者に親しまれています。 本堂は、観音さまを祀る正堂と礼堂からなります。現在の本堂は、慶安3年(1650年)に徳川家光によって再建されたものです。
ぼたんがキレイに咲いてました
5月8日まで「ぼたんまつり」が開催されていました。境内のあちこちに鉢植えや露地植えのぼたんが咲き競い彩りをそえています。「抽選で100名に鉢植えぼたんプレゼント!」なるイベントもありましたよ。 他にも桜、蓮、あじさい、てっせんに秋の紅葉…四季を通じて花が絶えず咲くまさに、花の御寺です。
宗宝蔵(清浄院跡)
長谷寺六坊のひとつ。ここでは春と秋に長谷寺の国宝、重要文化財などの宝物を公開されています。ちょうどそれを拝観することができました。写真撮影不可だったのが惜しい~。仏像や真田家の写経、絵馬に曼荼羅絵…。コレ、無料で見られるの?と言わんばかりのすごいお宝でした。一見の価値ありです。
登廊(のぼりろう)
399段…長谷寺のランドマークにもなっている本堂への階段。平安時代、春日大社社司 中臣信清が病気平癒のお礼に寄進したもので、上中下の三廊に分かれています。上からは「長谷型」と呼ばれる灯籠をが吊るされてます。灯りがともるとなんとも言えないあたたかさなんですよ。
蔵王堂
中廊を上ったところに建つ蔵王堂。蔵王権現は吉野の金峯山寺のご本尊で、吉野からこの地に渡って来られたと言う伝説が残っているそうです。石造りの三鈷杵が置いてありました。「持ち上げないでください」とのこと。ムリです…。
祈りの鐘楼「尾上(おのえ)の鐘」
上廊を登り切ったところにありました。こちらの梵鐘は「尾上の鐘」と呼ばれています。今回は「熊本地震」の鎮魂と、復興のために鐘をつけるようになっていました。長い綱をゆっくり引っ張ってつきます。心をこめて撞かせていただきました。
ご本尊 十一面観音菩薩像
光背までの高さ1213cm、木造の仏さまでは日本一の大きさです。右手に錫杖、左手に水瓶を持ち方形の台座に建っておられます。現在のご本尊は、室町時代に大仏師運宗らによって造立されました。ほの暗い正堂に光輝いておられるそのお姿は圧巻です。 6月30日までは特別拝観として、普段は入れないご本尊のすぐそばまで行き、御足に触れることができるますよ。(入山料と別に1000円必要)
礼堂(らいどう)
正堂前の礼堂…外舞台から撮っています。びんづる尊者像が佇み近くまで行ってお参りできますよ。中央には観音さまが見えています。
懸け造りの外舞台から見る初瀬の峰
あいにくの雨でうっすら霧がかかっていましたが、それもまたいいものですよね。外舞台はかなりの高さでしたが、門前町や山々が見渡せとても気持ちいいです。
本長谷寺
天武天皇の勅願により、道明上人が建てられた長谷寺の起源となる精舎。天皇の病気平癒のため「銅板法華説相図」を鋳造しご本尊として祀られたと伝わります。
大黒堂
石でできた大きな打ち出の小づちと、福袋がドーンとお堂の前にありました。触ると福徳円満のご利益がいただけるのだとか。大和七福八宝霊場のひとつで弘法大師作のご本尊は思い描いていた大黒さまとはなんだか違うシャープな感じでした。
能満院(日限地蔵尊)
本堂のすぐ近くにある長谷寺の塔頭のひとつ能満院。本堂手前にズラリと並ぶ水子供養の小さなお地蔵さんがかわいい(^^♪ みな、赤い帽子をかぶっておられます。
天井絵がかわいい
奥にある日限地蔵尊は日を限ってお参りすれば願い事を叶えて下さると言うお地蔵さまです。 天井を見ると何やら水彩画のような絵が。昔話や、巡礼のお寺などが描かれているようです。ほのぼのとしていていい感じ💗
門前町の入り口に位置し長谷寺に最も近いお店です。お土産物が並び、お食事もできます。円の中に「酢屋長」と書かれたお店のマークがいい感じ♥
お座敷の向こうにお庭が
お食事処はそんなに広くはないのですが、テーブル席とお座敷があり庭園を眺めながらいただけます。緑がきれいです。
にゅうめんをいただきました
柿の葉寿司とセットになったにゅうめん。あっさりとしているのですが、おそうめんがいい具合にこしがあり、甘く炊いたしいたけがうまい!
こちらは名物のよもぎうどん
よもぎがねりこんである太い目のおうどんです。これもおいしそう~。
初瀬のお土産GET
そうめんやよもぎうどんは乾麺でも販売されています。また、柿羊羹やごま豆腐などの奈良らしいお土産もそろってます。
隠国(こもりく)の里
初瀬は古くから「隠国の里」と呼ばれ、「初瀬」にかかる枕詞として万葉集にも記されている景勝地。山に囲まれた地…という意味もあるようです。
元々は明治時代創業の造り酒屋さん。今は名物の奈良漬と搗き立てお餅で作るくさもちを販売されています。 上質な酒粕とみりんかすに漬け込んだ本場3年ものの奈良漬。 この時期の新芽のみを摘んだ、よもぎをきね搗きで上用粉と搗き合わせ、自家製の粒あんを入れた昔ながらの懐かしい味のくさもちなどが買えますよ。
門前町をそぞろ歩きしているとたどり着きました。長谷寺を開いた徳道上人が晩年に隠棲したお寺、法起院。創建は天平7年(735年)。西国三十三観音霊場の開祖でもある上人のご廟もここにあるのです。また、長谷寺の塔頭のひとつでもあります。 ~極楽は よそにはあらじ わがこころ おなじ蓮(はちす)の へだてやはある~ 上人御詠歌です。意味は「極楽は遠くにあるものではなく、自分の心の中に求めるもの。この世に咲く蓮の花と、あの世に咲く蓮の花は同じであり決して違うものではありません。」自分をしっかり見つめてみましょう…と問いかけられているように思えます。
ぴったり寄り添ってました
山門近くに佇む石仏。前掛けをされていたのでお地蔵さまなのかも…。仲良くくっついてほほえんでいる姿に心がなごみます。
本堂
元禄8年に、長谷寺化主英岳僧正によって再建されているそうです。 総本山長谷寺塔頭、開山堂として現在にいたります。灯籠が長谷寺と同じ、長谷式燈籠ですね。
ご本尊・徳道上人像
上人自らが彫られたと伝わる像がご本尊となっています。
エクボが素敵な布袋さん
ふくよかで、おおらかな布袋さん。お寺の雰囲気そのものです。
上人御廟十三重石塔
本堂の左にあります。 塔の足元には、西国霊場各寺院の御砂が納められているそうで、一つずつ踏みしめてお参りできます。
ハガキに木に思いをかけて
十三重塔の奥にあるこの木…モチノキ科の常緑樹で、「多羅葉(たらよう)の木」と言います。葉のウラにとがったもので書くと、字が浮かび上がるのです。ハガキの由来になったとも言われています。願い事を書くと叶うそうであちこちの葉に書かれていました。
こちらを向いてる仏足石
お釈迦さまの姿を拝みたいと言う願いから御足を拝むようになった当時の信仰の形から生まれたと言います。仏像ができる以前はこう言う形式をとっていたようですね。 この仏足石はインドで制作されたものだとか…。
上人沓脱ぎの石
境内の端の方に置かれているこの石は、上人が松の木に上がり、法起菩薩に化身した時に足跡がこの石に残されたというもの。触ると願いが叶うと言われています。
法起院の前にあるぼたん堂さん。 初瀬の名物「くさもち」。門前町では、ほとんどのお店でくさもちが売られています。昔からの変わらぬ光景なのだそう…。 こんなにキレイな色がつくの?と感心するほど鮮やかなヨモギ色です。大きな鉄板でお母さんが焼いてくれました。 本来は、焼いてないくさもちが主流なのだそうです。そちらも買えますよ。
ついつい誘われて…
ぼたん屋さんの焼いたくさもちはこんがり芳ばしい香り。ヨモギの風味と、甘すぎない粒あんが絶妙にマッチしておいしかった~~!1個90円。ココ、他よりちょっとお安いデス。
おもてなしの看板がいいですね
ぼたんが描かれた「ようこそ長谷寺へ」の看板。門前町の街燈に掲げられていました。
門前町の中ほどにある湯元の井谷屋さんは、江戸時代末期の文久元年に創業された老舗旅館です。泉質はナトリウム炭酸水素塩泉、とってもあったまります。 *15:00~20:00open(無休ですが確認してみてね) 大人600円、小人400円
展望千人風呂
露天風呂はありませんが、30人ぐらい入れる広い内湯が!千人風呂と言われるのがわかります。窓の外には初瀬の山々が見渡せます。
牡丹の湯
レトロ感あふれる浴室です。 こちらも広~い!!
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奈良に行った時は必ずと言っていいほど買います。おいしいんですよね。ヤマトさんでは、新鮮な北海道の鮭と、国内産の鯖を使って丁寧に作られています。 柿の葉寿司は、昔から吉野家や五条辺りでハレの日のごちそうとして親しまれてきました。海のない大和の国では貴重な魚を、保存のきく柿の葉で包むと言う先人の知恵が柿の葉の香りがさわやかに漂うおいしい柿の葉寿司を生み出したのです。 山里で食されていた柿の葉寿司をいち早く日本中に紹介したのは、昭和を代表する作家、谷崎潤一郎なんですって!
駐車場も完備
長谷寺へ行く途中の国道沿いにあるヤマトさん。是非、立ち寄ってみてください。
大神と書いて「おおみわ」と読みます。ご祭神は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と言い 三輪山に鎮まっておられるため、本殿を設けずに拝殿の奥の三ツ鳥居を通して三輪山に祈りを捧げると言うスタイルになっています。この神様は国造りの神として農工商業、方除け、治病、造酒、製薬、交通、結縁びなど人々の幸福を増し進める守護神として崇拝されています。近年はパワースポットとしても名前が知れていますね(^_-)-☆
大鳥居(一の鳥居)と三輪山
三輪山は神の山として『古事記』や『日本書紀』にも登場している美しい円錐型の山です。松、杉、檜などの大樹に覆われていて、一木一草に至るまで神宿るものとされているそうです。山中には磐座が点在し神の御座所とされています。大鳥居は昭和天皇の御親拝を記念して昭和59年に建てられました。耐久性はナント!1300年だとか!
二の鳥居
木製の風格ある二の鳥居。ここからは杉の大樹が両脇に並ぶすがすがしい参道。ふ~っと深呼吸したくなります!
心づかいに感謝
境内や三輪山登拝者が使える「杖」が手水舎の横にそっと置かれていました。
手水舎
ご祭神の大物主大神は蛇神さまと言うことからでしょうか…一般的な「龍」ではなく、「蛇」の口から水が流れ出ています。まさに「蛇口」ですね(^^)v
拝殿
寛文4年(1664年)徳川家綱公により再建された拝殿。本殿はなく、この拝殿から直接背後のご神体である三輪山を拝むと言う原初の神まつりの姿を留めています。
三ツ鳥居
拝殿のすぐ後ろにあるこがこの鳥居。拝殿と三輪山を区切り、本殿に変わるものとして神聖視されています。申込みをしないと拝観できないのですが。 拝殿と共に重要文化財に指定されています。
ご神樹のおすそわけ
せんりょうや南天の苗…境内に植えられている神聖な木々をわけていただけるようです。
敷地の最奥。三輪神の荒魂(あらみたま)を祀る神社がありました。病気平癒の神さまとして篤く信仰されているそうです。 緑に覆われた森の中に鎮座しています。鳥のさえずりが聞こえ心地よい空間になっています。
くすり道
狭井神社へ続く参道となる道で、いろいろな薬木や薬草が植えられています。みな、製薬会社など薬業関係者が奉納したものなのだそう。 点々と並ぶ燈籠にもそうそうたる会社の名が刻まれていました。
身近な木々にも薬効が…
クチナシ、ニッケイ、カリンなど薬効のある草木が植えられています。この木にこんな効果が?と発見も。そう考えれば私たちは様々なものに守られているんだなと感謝の念もわいてきます。
拝殿
十一代崇神天皇御代の創祀。荒魂とは、活動的なはたらきをされる神霊で、災害時などに顕著な働きをされるのだそうです。ありがたや~。
「薬井戸」のご神水をいただく
拝殿脇にある、万病に効くと伝わる薬水。三輪山から湧き出ているお水です。岩に数カ所蛇口がついていてペットボトルなどに汲めるようになっています。少し甘みを感じる清水…体の中がキレイになるかな?
ご神体の三輪山登拝口
ここからお山に登ることができます。狭井神社で申し込みをして、約束事を聞き登拝スタート。神様のお山です、敬虔な気持ちで登らせていただきたいものですね。
市杵島姫神社(いちきしまひめじんじゃ)
狭井神社の鳥居をくぐったらすぐ左にある赤い鳥居。九州の宗像神社より勧請された、市杵島姫を祀っています。水の守護神で、弁才天としても広く知られていますね。鎮女池(しずめいけ)の島に鎮座。雰囲気の良いお社でした。
ギンリョウソウ発見!
磐座神社辺の近くの参道で人だかりになっていたのでのぞいてみると、珍しい「ギンリョウソウ(銀竜草)」…別名ユウレイダケが!山手の湿った腐葉土のところに自生しているようでした。地元の方曰く、毎年ここに咲いて、ちょっと話題になっているのだそうです。真っ白!
京都・天橋立の切戸文殊、山形の亀岡文殊と共に日本三大文殊とひとつに数えられています。大化元年(645年)に左大臣・安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が創建。安倍一族の発祥の地と言われ、奈良時代の遣唐使・安倍仲麻呂(あべのなかまろ)や、平安時代の陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)の出生のお寺でもあり、ゆかりの遺跡が多く遺されています。 秋には、世界各国のコスモスが境内を彩ります。コスモスが咲き乱れる迷路があり楽しめますよ❤
国宝・渡海文殊菩薩群像
ご本尊は、獅子に乗った文殊菩薩さま。快慶の作だとか。4人の脇侍を伴っています。総高7mと文殊菩薩さまでは日本最大!獅子がなんともユーモラスなんですよね。拝観出来ます。迫力満点!抹茶とお菓子付きですよ~。
六角形の金閣浮御堂(仲麻呂堂)
文殊池に昭和60年に建立された金色の浮御堂。仲麻呂像、晴明像をはじめ、ご本尊の開運弁才天や九曜星の神々などが安置されています。また、厄を祓うと言う「七まいり」をする修行場にもなっています。
国指定の特別史跡「西古墳」
創建者、安倍倉梯麻呂のお墓とも言われている古墳。高松塚古墳、石舞台古墳、キトラ古墳と並ぶ、全国で7つしかない特別史跡に指定されています。四角い石室を進むと、お不動さんがおられました。ちょっとドキドキ…。
受験生必訪!「合格門」
「松」で作られた朱色の門。受験の前にここをくぐり、合格を「待つ」=「松」のだそうです。なるほど、シャレがきいてます。合格祈願にたくさんの方が訪れます。
安倍晴明堂
占いの開祖とも呼ばれる晴明の天文観測地。お社前にあるこの玉は、祈願しながら撫でると願いが叶うと言われています。また、ここからの眺めは最高で、大和三山から、二上山、金剛山までもが一望できるんです!
飛鳥の東、多武峰(とうのみね)の山中に位置する談山神社。大化の改新で知られる藤原鎌足(中臣鎌足)が祀られています。社名は、鎌足が中大兄皇子と蘇我入鹿を暗殺するための談合をした「談い山(かたらいやま)」からとったとされています。 漆塗極彩色、三間春日造りの本殿には鎌足像が祀られていて、日光東照宮の手本になったそうで「関西の日光」とも呼ばれています。重要文化財です。紅葉の名所として有名ですね。
重要文化財・十三重の塔
朱色の塔と紅葉のコラボがなんとも美しいですね。鎌足の菩提を弔うために建立された談山神社のシンボル。室町時代に再建され、木造十三重塔としては世界唯一だそうです。
蘇我入鹿暗殺の図
拝殿で拝観できる「多武峰縁起絵巻」の中の場面。入鹿さんが切りつけられて血がリアルに出ています…。この大化の改新の後、中大兄皇子は天智天皇となり 鎌足は藤原姓を賜り、一族が繁栄する礎を築いたのですね。
蹴鞠がつなげた縁
飛鳥寺で行われていた蹴鞠会で二人は運命的な出会いをし、大化の改新へとつながっていったと言われています。毎年春と秋には、古式ゆかしき鞠装束に身を包んだ保存会の方々によりけまり祭が華やかに行われます。
恋神社(東殿)
鏡女王(かがみのおおきみ)がお祀りされています。万葉の歌人だった額田王(ぬかたのおおきみ)のお姉さんで、恋の歌を残した歌人でもあります。また、鎌足の妻で、不比等の母でもあります。恋愛や結婚のみならず、良い人間関係を結ぶご利益も授けて下さるとか。
むすびの岩座
古来からこの岩には神さまが宿っていると言われています。そっとなでて「むすびの願い事」をしてみては?
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橿原市の中央にそびえる3つの独立峰。それぞれ天香久山(あまのかぐやま)、耳成山(みみなしやま)、畝傍山(うねびやま)と言い 総称して「大和三山」と呼ばれています。飛鳥時代、時の天皇であった持統天皇は三山周辺に「藤原京」を整備、大規模な坊条制を取り入れ、大極殿などの宮城が置かれました。 天香久山は山と言うよりは小高い丘と言った雰囲気で、太古の昔に多武峰山系から延びた尾根が侵食で残ってできた山だと言われています。三山の中では、最も神聖視された山でそのことからもこの名がついたようなのです。 ~春すぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干すてふ 天の香久山~ 持統天皇
天香久山神社
山の麓にある 知恵と占いの神さま、櫛真智命神(くしまちのみことのかみ)がご祭神の神社。神話にも登場する吉凶を占うのに用いる「波波架の木」が境内にあります。
国常立神社(くにのとこたちじんじゃ)
山頂には、大地の神さまである国常立神が祀られています。 左が国常立神で、右は竜王神なのだそう。
標高140mの小死火山。南側には耳無の池があり、きれいな森と周囲の桜が見事。市民の憩いの公園になっています。三山の中では、イチバン均整のとれた円錐型の山容をしていて、人の顔に例えたら耳がないように見えることからこう呼ばれているのだとか。 ~耳無の 山のくちなし 得てしがな おもひの色の 下染めにせむ~ 詠み人しらず
耳成山口神社
大山袛大神(おおやまつみのおおかみ)と高皇産霊大神(たかみむすびおおかみ)が祀られる社。耳成山はどこからでもよく見えるので古代より神体山として山麓から拝んでいたと言います。
藤原宮跡
16年間都として栄えた藤原京。一辺1kmの中に大極殿など政治や儀式を行う施設がや内裏がギュッと入っていたそうです。季節ごとに花が植えられ、菜の花、コスモス、蓮などを愛でながら大和三山、すべてを見渡せるビューポイントなんです。
「畝傍」とは、「火がうねる」と言う意味だそうです。実際に瀬戸内火山帯に属しているらしく、古代の人たちがこの山を火山と認識していたとも考えらているんですって。標高199mで三山の中で一番高い山で、周囲に天皇や貴族の陵墓が多く、橿原神宮や、神武天皇陵の森が広がり神聖な雰囲気が漂います。神武天皇が麓に宮を開いたとされています。 ~玉襷(たまだすき) 畝火の山の 橿原の 日知(ひじり)の御代ゆ あれましし~ 柿本人麻呂
橿原神宮
畝傍山の東南麓に鎮座。初代神武天皇と、皇后の五十鈴媛命をお祀りしている広大な敷地を有する神宮です。荘厳な雰囲気に包まれた本殿は、心が鎮まります。
本薬師寺跡のホテイアオイ
薬師寺の前身にあたるお寺。国の特別史跡に指定されています。寺域にある休耕田にはホテイアオイが植えられ、夏になると青紫色の花が一面を覆い尽くします。
万葉集の中の大和三山
中大兄皇子の歌にこんな歌が… 「香久山は 畝火ををしと 耳成と 相あらそひき 神代より かくにあるらし いにしえも 然にあれこそ うつせみも 嬬をあらそふらしき」 三人(三山)の恋争いの歌のようですな。