伊勢といえば赤福、全国ブランドの名物餅。 1707年(宝永4)創業とはいうものの、これは正確ではなく「少なくとも、その年には存在した」というべきもの。 神宮の早朝参拝にあわせて 数百年もの間、5:00から営業、無休を守ってきた(唯一の例外が、10年ほど前の不祥事の一時期)。 毎月1日に販売する朔日餅、夏の赤福氷、冬の赤福善哉も人気。
1565年(永禄8)伊勢の古市にて創業、1971年(昭和46)に現在地に移転。 秀吉公に献上して「旨い」と褒められた、という記録もある。ただし、この時の餅は三日月型の焼き餅だったという。
太閤出世餅
歴史もあり名前の縁起もよいが、知名度は赤福に劣る。
個別包装
お土産に配りやすそう。
1910年(明治43)創業。 岩戸餅は、小ぶりのひとくちサイズ。ただ その歴史は1968年(昭和43)からと、伊勢の餅の中では かなり歴史が浅い。 名物はむしろ、創業以来の生姜糖というべき。
お多福が目印
包装にも お多福が描かれている。
日の出の生姜糖
冷蔵技術の発達していない時代には、日持ちのする生姜糖は 格好の土産だった。
勢乃國屋の前身 中村太助商店の創業は、1909年(明治42)。 神代餅の商標登録は1930年(昭和5)だが、それ以前から長く販売していたという。
神代餅のセット
神代餅、焦がし餅、御幸餅(2個)。
1575年(天正3) 創業、伊勢近隣ではもっとも長い歴史を持つ。 尾張、遠江など海路の参拝客は、伊勢湾から勢田川を遡り、二軒茶屋の船着場で一服してから、神宮参拝に向かったという。 当時この辺りは一面の芦原で、餅を売る茶店「角屋」と うどん・すしを売る「湊屋」だけがぽつんと建っていたとか。
二軒茶屋餅
きな粉をまぶしてある。
風情のある外観
実は赤福よりも古い という歴史を持つ。
元禄年間(1688〜1704年)に創業。 伊勢の本街道と熊野街道との辻にある。
まつかさ餅
昔ながらの黒砂糖の餡が特徴。 この形の餅は「いがもち」とも呼ばれた様子。伊賀地方の餅だからとも、いがぐりのようだからだとも。
昔の街道沿いにある
長瀬智也 主演ドラマ「高校生レストラン」にも ちらりと登場していた。
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1775年(安永4) 創業、かつての参宮街道沿い、宮川のほとりに立つ。 当時のタクシーである貸し馬を降りた参拝客が、宮川を渡る前にこの店で休憩したところから、「返馬餅」の名が付いた。
へんば餅
両面に焼き色を付けてあるのが特徴。
さわ餅
平たくのばした餅に餡を挟みこんである。 さわ餅はこの店に限らず販売しており、広く松阪〜志摩で食べられている。
旧街道沿いの本店
向かいに駐車場がある。
昔の鞍
「返馬餅」にふさわしく、美しい螺鈿の鞍が 飾られている。
1832年(天保3)創業、伊勢神宮と滝原宮を参詣した旅人が親しんだのが おきん餅。 おきん婆さんが、近くで摘んだよもぎで餅を作り、供したのが評判を呼んだという。
おきん餅は とても柔らかい
現地に買いに行かねば食べられない やわらかな餅。現在は 旧店舗の向かいの新しい店で販売しているが、こちらは 茶屋というより地元の食堂といった風情。 店内の飲食スペースは食事客用。空いていれば、そこで餅を食べることもできる様子。
200年ほど前に、渡しの客に向けて宮川堤に茶屋を出したのが始まりとか。 宮川に橋が架けられたのをきっかけに、1883年(明治16)に、海水浴客らで賑わう二見に移転。
見た目、赤福餅にそっくりでした
最近の包装紙は、夫婦岩に変わったらしい。 味は、赤福よりあっさりしている。 夏のアイスが人気。
二見の店舗
赤福の二見支店の すぐそばなので、食べ比べもできる。
1893年(明治26)、二見の地に創業。 二見は全国初の海水浴場であり、夫婦岩周辺は、新婚旅行のメッカとしても賑わっていた。
くうや観助餅
紅白の餅の取り合わせは、地元では祝い餅として有名。