現代にいきる浄土庭園、浄瑠璃寺
奈良現代にいきる浄土庭園、浄瑠璃寺
近鉄奈良駅より、浄瑠璃寺行き急行バスにのり、数十分。周囲を山に抱かれたところにある浄瑠璃寺。 ここは、堀辰雄の『浄瑠璃寺の春」(『大和路・信濃路』)にもでてくる美しいお寺です。 現代に残る、平安後期唯一の九体阿弥陀堂、内部には、定朝様の阿弥陀如来像が九体ズラリと並んで座っています。 池を挟んだ反対側にある三重塔から阿弥陀見る阿弥陀堂の美しさを、多くの方々に見ていただきたいです。 行政区画的には京都府に入りますが、どちらかというと奈良県の文化圏に入るため、奈良県に入れました。 ↓こちらにも、記事載せてます(^○^) http://ameblo.jp/naranouchi/entry-11950348721.html
浄瑠璃寺は九体阿弥陀堂で知られています。 浄瑠璃寺の建てられた平安後期は、末法到来の時期と考えられ、京都にはたくさんの九体阿弥陀堂が建てられました。しかし、その後の戦火の中、市内の九体阿弥陀堂はすべて灰燼に帰してしまいました。 当時の九体阿弥陀堂建築で、唯一の遺構が、この浄瑠璃寺阿弥陀堂です。静かな空気に満たされています。
ひなびた参道が楽しい
近鉄奈良駅からバスに乗り、浄瑠璃寺のバス停を降りると、お寺までひなびた参道を歩くことになります。 昔から変わらないお土産屋さんが数軒続き、お茶、お菓子、漬物から、焼き物の器、置物などいろいろと売っていて面白いです。
100円の無人スタンド
「元祖ワンコイン」ともいうべき、無人スタンド。100円入れて、いろいろ買えます。このあたりのあちこちにあります。
浄瑠璃寺の門が見えた
右側には馬酔木(あしび)の木が植えられており、春には可憐な花をつけます。 堀辰雄の文章にも書かれています。
春の馬酔木の様子
春のこの場所の馬酔木です。 少しピンクがかった可憐な色です。
門
小田原山浄瑠璃寺 と書いてあります。 入ってみましょう!
目の前には浄土庭園が
門を入ると、正面に池があります。独特の濁りのある池の水が、左右の堂宇や周囲の山とマッチしていて、それはそれは美しい。
九体阿弥陀堂
こちらが、平安後期の九体阿弥陀堂建築の唯一の遺構です。
阿弥陀堂内部
1,2,3、、と数えてみてください。九体の阿弥陀仏が座ってらっしゃいます。一体ずつ見ると、それぞれ違うお顔をしていますよ。 九体は、浄土教の九品思想に基づいています。それぞれの阿弥陀仏をを拝めるように、一体ずつ扉が造られています、
中尊だけは大きい
九体の真ん中、中尊の阿弥陀如来坐像だけは、大きいサイズです。 ボスキャラっていうところですかねえ!(^^)! 優しいお顔をしてます。
吉祥天
普段はお厨子の中に入っていて、非公開ですが、公開時期を選んで行けば、この美しい吉祥天のお顔を拝むことができます。 2014年は、11月30日まで公開されています。急いでね。
三重塔
池をはさんで阿弥陀堂と正反対側にある三重塔。 少し小高くなった上にあります。
三重塔から九体阿弥陀堂を見る
池の独特の濁りが、お寺の風景にマッチしていて、向かい側の阿弥陀堂がとても美しく見えます。 東側(此岸)のこちらから、西方(彼岸)を見る感じになります。 まさに、浄土の景観ですね。
浄瑠璃寺を後にして、先ほどの参道右手すぐにあるお店で一服。 風情のある門ですね。
お抹茶
寒い日にはお抹茶の温かさがちょうどよかった
レトロな店内
お店の中の壁は、色紙やら、写真やらと、一見雑然、しかしとてもレトロで懐かしい感じの壁でした。 きょろきょろしてしまいますよ。
こちらも店内
雰囲気ありますよねー
浄瑠璃寺、岩船寺を結ぶ道は、当尾の里と呼ばれ石仏が点在しています。 石仏を探しながら、歩いてみてください。 浄瑠璃寺から行くと上り坂になります。上り坂がきついと思う方は、岩船寺からスタートしてください。
やぶの中の三尊
三尊像の石仏です
あたご灯籠
お正月にはここからおけら火をとって、雑煮を炊く風習があったそうです。
わらい仏
京都府指定有形文化財。 代表的な石仏です。
一願不動
一つだけお願いを一心にお願いすればかなえてくれるそうですよ。
浄瑠璃寺から石仏巡りをしながら岩船寺に到着。 あるいは、浄瑠璃寺バス停で、コミュニティバスに乗り換えて、岩船寺にはじめにお詣りしてから、浄瑠璃寺まで石仏巡りをしながら歩くという順番でもよいと思います。 こちらのお寺は、浄瑠璃寺よりもさらに山奥にあります。 行基開創といわれる古寺です。 アジサイの寺としても知られています。
三重塔
ひっそりとたたずむ三重塔
阿弥陀如来坐像
こちらにも、阿弥陀如来坐像がいらっしゃいます。 大変に静かな場所です。 じっくりと阿弥陀如来と向き合って、静かな時間を過ごしましょう。
アジサイの季節
アジサイが美しいですね。