世界有数の山岳観光地 立山黒部アルペンルート
富山世界有数の山岳観光地 立山黒部アルペンルート
中部山岳国立公園を貫く立山黒部アルペンルートは、公共交通機関のみで山間の通り抜けが可能で、道中には風光明媚な場所が数々あります。長野県側の拠点扇沢から富山県側の拠点立山駅までの片道通り抜けコースをご紹介します。 新宿から扇沢までの直行の夜行バスが出ています。長野駅からも急行バスがあります。
長野県側の始点、扇沢駅です。 長野駅や信濃大町駅からの急行バスが発着しています。今回は東京・新宿からの夜行バスを利用。早朝の5時過ぎに着きましたが、関電トンネル電気バスの始発が7時半で結構暇でした… ここから黒部ダムや室堂までの往復切符の他、富山県側の拠点である立山駅までの片道通り抜け切符が販売されています。価格は9300円と安価ではないですが、世界有数の山岳ルートを公共交通機関のみで通行できることを考えると、不当に高いというわけではないでしょう。
関電トンネル電気バス
電気で動くためCO2を直接排出しない、地球に優しい電気バスが第1走者。アルペンルートの公共交通機関は鉄道扱いであるため、この日は4台の運行でしたが、4両編成との案内がありました。
黒部ダム駅
クロヨン建設をさらに難工事にせしめた破砕帯や県境を通過し、乗車すること15分ほどで黒部ダムの駅に到着です。改札を出たら右側に進み、ダム展望台へ上がってみましょう!
富山県一大きい人工物。この展望台から見下ろす黒部ダムは壮大なものです!展望台までは数百段の階段が続きます。黒部ダムは黒部第4発電所として稼働し、位置エネルギーを利用した水力発電所を併設しています。関西電力が関西の電力を賄うために建設されたアーチ式コンクリートダム。6月の下旬から10月の中旬頃まで荒天時を除いて観光放水を実施してます。1時間くらい時間を取りましょう!
スポット内のおすすめ
黒部ダムには2億t以上の水が湛えられており、この日は毎秒10tほどが放水されていました。
スポット内のおすすめ
堰の上から下を覗く。落ちたらひとたまりもない!
黒部湖
黒部湖の全長は496m、ダムの高さは193m。 遊覧船の運行も設定されています。 今まで見た人工物のなかで、1番大きかったです👍
黒部ケーブルカー
ダムの堰を歩くこと15分ほどで黒部湖の駅に着きます。第2走者は黒部ケーブルカーで、黒部平まで私たちを10分で運びます。
黒部ケーブルカーと立山ロープウェイの結節点。 ここから標高がさらに上がります。
屋上展望台
雪景の立山連峰❄️
立山ロープウェイ
第3走者は立山ロープウェイ🚠 黒部平から大観峰までを10分あまりで結びます。 こちらのロープウェイは景観配慮や雪崩などの被害を受けないように、途中に支柱が一切ない珍しいものです。
さっきまでいた黒部湖を見下ろす。 大自然の中によく山岳交通を整備しましたね👏 そのおかげで、本格的な登山の装備なしで手軽に行けるわけなので、先人達を称えたいです!
残雪
2メートルはないくらいの残雪(7月上旬)
立山トロリーバス
第4走者は日本で唯一のトロリーバスです。電車と同じようにパンタグラフから電力の供給がされ、走るこちらも鉄道🚍つぎは〜 室堂、室堂です。
立山黒部アルペンルートの中でも、景色が良い室堂平。写真のみくりが池と雄山始め立山連峰がそびえ立ち、泰然とその雄姿を我々に見せつけています。 ルートの中でも1番標高の高い場所です。7月初旬、下界は25℃を越しているにもかかわらず、こちら室堂は13℃ほどで、雪景が広がっています。 こちらは最低でも2時間は必要かと思います。ここをすっ飛ばすのは勿体無すぎます!
スポット内のおすすめ
眼に映るものすべてが美しく、写真を撮るにも無駄な細工は必要なく、苦労はしません。どこを切り取っても素晴らしいのです!
スポット内のおすすめ
水が湧いており、そのまま飲むことができる。 冷たくて美味しいです。
地獄谷
現在、火山ガスが多く噴出しているため、地獄谷遊歩道に立ち入ることは許されていない。どことなく草津温泉のような硫黄の匂いがしていた。
室堂
ここの地名の由来となった室堂。室は山小屋を、堂は御堂のような宗教拠点を意味し、山小屋兼宗教施設となっています。立山は昔から信仰の対象となっており、崇め奉られているのです。
立山ホテルでランチ
カレーと迷いましたが、プラス300円で国産牛ステーキがいただけるので、こちらをチョイス。(1700円)
スポット内のおすすめ
第5走者は立山高原バス🚌美女平駅までの急行もありますが、時間があるならば弥陀ヶ原で降りてみましょう!弥陀ヶ原や称名滝、富山平野は室堂→美女平の場合、進行方向右側からよく見えます!
室堂と美女平の中間に位置する湿地帯。ここら一帯は2012年7月にラムサール条約の登録を受けました。国内の登録湿地のなかでは1番標高が高い。
スポット内のおすすめ
木道の上を進んでいく。コースは大きく分けて、内回りと外回りの2種類。外回りの一部が登録湿地なので、そちらまで行かれた方が楽しめると思います。
スポット内のおすすめ
名前はわかりませんが、高山植物も見られます。
スポット内のおすすめ
冬季に積もった雪が解け、水たまりを形成しています。釧路湿原や尾瀬ヶ原のように平らではありませんが、それらに勝るとも劣らない自然美でした!
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弥陀ヶ原から美女平駅の間には、4本の滝が連なる日本一の落差を誇る称名の滝があります。ちなみに日本一の落差を誇る一本滝は和歌山・那智の大滝。 残念ながら、ここを過ぎる時は霧に包まれ、見ること叶わず。
スポット内のおすすめ
途中、猿がバスの行く手を阻み、人間と猿の睨み合いは数十秒間繰り広げられましたが、猿が折れてくれました笑
高原バスを降りると大木二本が出迎えてくれます。
スポット内のおすすめ
美女平の標高は977m
スポット内のおすすめ
アルペンルート最後の乗り物は立山ケーブルカー。 美女平駅から立山駅間の標高差500mを1300mの距離で下っていく。斜度は20〜28‰の急斜面を駆けていく。 途中、材木石という岩石群がありますが、それ以外は特に見どころはないでしょう。
今回の終着、富山県側の拠点立山駅です。ここから富山の市街地まで富山地方鉄道で向かうことができます。こちらと扇沢ではマイカーの回送を頼めます。
スポット内のおすすめ
標高は475m
立山カルデラ砂防ダム
駅近には常願寺川をはじめとする川の砂防ダムの博物館。そのほかにもアルペンルートや自然災害についての展示がありました。
おわりに
中部山岳国立公園を貫く立山黒部アルペンルートは風光明媚な場所であり、国内外から多くの人々が訪れています。本格的な登山装備を必要とせず、お手軽に大自然を満喫できるのも魅力的。日本国内・本州にもこのような素晴らしい場所があることを大変誇らしく思います。