企画展開催!『民藝 MINGEI -Another Kind of Art 展』職人たちによる民衆的工芸を紐解く展示
2018年11月2日(金) 〜 2019年2月24日(日)
- 新旧さまざまな「民藝」が選び抜かれ、紹介される!
- 「民藝」の新たな表情を捉えた写真や貴重な資料を展示
- 「民藝」から今後のデザインのインスピレーションを得る
プロダクトデザイナーの深澤直人ディレクションによる「民藝 MINGEI -Another Kind of Art 展」が、21_21 DESIGN SIGHTにおいて2018年11月2日(金)より開催。
「民藝」とは
1925年、民衆の用いる日常品の美に着目した柳宗悦(1889-1961)が、無名の職人たちによる民衆的工芸を初めて「民藝」と名づけた。民藝の特徴でもある風土や風習を生かしたものづくりは、世代を超えて受け継がれていくなかで、素材、色、工程、用途、形などの独自性が際立ち、革新的で衝動的な、枠に捉われない創意工夫へと発展していった。
地域ごとの特色が失われ、ものへの愛着が希薄になりがちな時代だからこそ、民藝に宿る無垢な美意識と精神性は、使い手のみならずものづくりに携わるすべての人々に大きな衝撃を与え、新しいエネルギーを生み出すきっかけとなるのではないか。
民藝 MINGEI -Another Kind of Art 展
本展では、21_21 DESIGN SIGHTディレクターでもあり、日本民藝館館長を務める深澤直人が、同館の所蔵品を選び抜き、紹介する。
また、撮り下ろしインタビューや制作現場の映像、民藝の新たな表情を映し出す写真、日本民藝館設立時の貴重な資料などの多彩な展示を通して、これからのデザインのインスピレーションとなる「Another Kind of Art=民藝」を紐解いていく。
ディレクターズ・メッセージ
無垢なものづくりの態度にくぎ付けになる。
芸術家でも職人でもない人の無我な手から生み出されたものには、えも言われぬ魅力が潜んでいる。
「私があの子どもたちの年齢のときには、ラファエロと同じように素描できた。けれどもあの子どもたちのように素描することを覚えるのに、私は一生かかった」と語ったパブロ・ピカソ。これは柳宗悦に同じく、ひたむきな心が創作に与える純粋性を評した言葉だ。
現在も意欲的に活動を続ける柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)から「僕が求めるのは、染色家という肩書きや民藝というカテゴリーじゃない。『Another Kind of Art』なんだ」という言葉を聞いたとき、私は思わずハッとした。柳が提唱した「民藝」も、実はそのものづくりに携わる人々の生き方を示しているのではないだろうか。
実直な創作者たちは、とかくカテゴライズされることを嫌う。型にはめられそうになると、思わずそこからはみ出したくなってしまう。形式や様式にしばられない飄々とした態度。一定の仕上がりを求めない自由さが民藝にはある。
私たちは民藝を愛し、尊敬し、民藝に心を動かされる。作者が誰かとか、いつどこでつくられたのかとかいった情報は必要ない。ただ純粋にその魅力にくぎ付けになる。「これはヤバイ」と。
深澤直人
深澤直人
卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、国内外の大手メーカーのデザインとコンサルティングを多数手がける。電子精密機器から家具、インテリアに至るまで手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。デザインのみならず、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。英国王室芸術協会の称号を授与されるなど受賞歴多数。2018年、米ニューヨークのノグチ美術館(The Noguchi Museum)が創設した第5回「イサム・ノグチ賞」を受賞。多摩美術大学教授。日本民藝館館長。
開催場所
イベント情報
21_21 DESIGN SIGHT 企画展 民藝 MINGEI -Another Kind of Art 展
開催期間
2018年11月2日(金) 〜 2019年2月24日(日)
※休館日:火曜日(12月25日は開館)、年末年始(12月26日 〜 1月3日)
開館時間
10:00〜19:00(入場は18:30まで)
料金
入館料
一般:1,100円
大学生:800円
高校生:500円
中学生以下:無料
主催者
21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団