毎年恒例の根付彫刻新作展が、西武池袋本店において開催される。
昨今「超絶技巧」と呼ばれる高度な技術と豊かな創造性に裏付けされた細密作品が大きく脚光を浴びている。根付もまさに超絶技巧の技が集約された、掌中に収まる最小の彫刻作品で、その高い芸術性は広く海外にも認知されている。現代根付作家による渾身の作品の数々を展示する。

作品例

森　哲郎　「宮本武蔵」　●サイズ：高さ5.2cm　黄楊材

江戸時代初期の剣豪として広く知られる宮本武蔵。
二刀を用いる二天一流剣法の開祖として有名ですが、この作品でも二刀を持ち、相手を睨みつけるような形相で仁王立ちしている。

髙木　喜峰　「ねェこまッた」　●サイズ：高さ4cm　鹿角材

見た目の可愛い猫又。「猫の手も借りたい」との要望には答えたいが、うかつに貸すと妖力のある手はかえって迷惑かも知れない。

福山　恒山　「小夜」　●サイズ：〈根付〉幅5.4cm、〈緒締〉幅0.9cm　鹿角材

夜も更けて雲の間から月も出て、そんな中を蝙蝠が飛び交っている。蝙蝠は縁起物。

岩田 知幸　「飛龍」　●サイズ：幅5.6cm　黄楊材

古典の定番の形を参考に制作。 巾着袋などを手で掲げた時に、手の当たりがよい形にしようと心がけた。

出品予定作家（順不同・敬称略）：

黒岩 明、宮澤 彩、藤井 安剛、福本 圓左、桶屋、中村 和明、若林 寛水、髙木 喜峰、栗田 吉水、森 謙次、岩根 幸、福山 恒山、小野里 三昧、小針 樹生、青木 昭、寺戸 松香、桑原 仁、金井 閃、川本 泰、横山 大眞、井上 猛、中川 忠峰、平賀 胤壽、森 哲郎、工藤 道齋、田神 十志、池田 朝重、岩田 知幸、谷口 博山、平山 晴美、中西 宏明、髙木 睦仙、阪井 正美、青木 光行、芳月 三帆、石井 夢峰、庄司 明幹、多々羅 幽山、野﨑 将道