
ブラタモリからの「夢と魔法の町」浦安の歴史探索!
千葉ブラタモリからの「夢と魔法の町」浦安の歴史探索!
ブラタモリ本当に楽しい番組で学びがありすぎます。見観終わった後もいろいろ調べたりしてまとめたくなってしまうので、新しいプランを作ってしまいますね。今回の「#58 浦安」もメチャクチャ面白かったので是非観てみてください。テーマは浦安は江戸時代の昔から「夢と魔法の町」だったというもの。しかも、その後色々夢がわかっていく様子がドラマチックです。
現在の夢と魔法の国、浦安の象徴である東京ディズニーリゾートの玄関としてスタートは舞浜駅!
そしてまずはタモリさん開園時以来のTDLに開場前に誰もいない状態で入園してました。 今思うとビックサンダーマウンテンも、スプラッシュマウンテンも全然なかったわけですからね。 そしてトップ芸能人は30年間いったことないみたいになるんですね。ま、いいとも!やってたからかもしれませんが。
TDLをすぐにでて向かったのは元町地区。実は昔から夢と魔法の町だったということで公園に向かいます。
L字型の土地
このL字型の土地は旧江戸川の支流境川に面しています。タモリさんは「堀留?」みたいなことを最初言ってましたが、、、
船溜り
実は船溜り埋め立て跡とのことでした。昔は小型の漁船がたくさん繫留されていた船溜り。昭和の間ですら2000を超える船の数だったとのこと。凄い量です。それほどここでの漁師が儲かったということなのでしょう。主な漁獲はアサリやハマグリで、貝が湧くっていわれたくらいによい漁場だったようです。
公園の境川面
ここから東京湾にも旧江戸川にも出れる。これがポイントのようです。
スポット内のおすすめ
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境川が旧江戸川にぶつかるポイント。この旧江戸川に境川がぶつかるということをブラタモリでは「夢の魔法の漁師町」になる「1つ目の魔法」と呼んでいましたがどういうことでしょうか?
日本橋魚河岸への魔法のルート
実はこの境川きら旧江戸川への水路は日本橋魚河岸へと内陸で繋がっていたそうです。これが大消費地江戸への超特急ルートになっていたって驚きです。 東京湾ルートだと潮の満ち引きで出れたり出れなかったりします。安定した内陸ルートは波も少なく、鮮度が重要な魚介の運搬にはとてもよい魔法のルートなのです。
境川
境川の終点
西水門
新川
旧江戸川を少し上って新川に入っていきます。このルートで現在の江戸川区を越えて荒川に出ることができます。
小名木川
次に荒川から現在の墨田区を抜け隅田川まで抜けていくのですが、人工の直線運河である小名木川を使います。この運河で深川の高橋までいけば、そこはもう日本橋魚河岸は目と鼻の先というわけです。
荒川(正確には旧中川)と隅田川を結ぶ人口の運河で、徳川家康が行徳にあった塩田からの輸送を前提として作らせたものですが、浦安の漁民にとっても魔法のような水路だったというわけです。 進開橋は旧小名木川駅の目の前にある橋で小名木川の直線の様子が極めてよく見える橋です。写真はこの橋からの眺めで、見えてる橋は進開橋ではありません。
江戸時代(名所江戸百景「中川口」)
塩の輸送も魚介の輸送も東京湾を使うルートは砂州や浅瀬が広がり船がしばしば座礁するため、大きく沖合を迂回するしかなかったそうです。そのため家康が小名木四郎兵衛に命じて、行徳までの運河を開削させたということです。開削者の名前がつくなんて凄い!
このヘアーサロンハセガワのある地点はなんと昭和のフラワー商店街の入口!今は商店の「しょ」の字もなく見る影もない。
昔の商店街
パチンコ屋さんが見えたり。割と栄えてるのがわかります。漁師さんの船が2000艘もあれば地元商店街も栄えるかもですね。
栄えてる
栄えてますね、確かに。
現在の理容ハセガワ
店をたたまれた?
現在のフラワー通り
普通の通りですね
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漁師さんたちが使っていた時代から続く銭湯。番組でもチラッと紹介されていました。昔はもっとたくさんあったとか。何気に旧大塚家住宅のすぐ近くですから大塚家も来ていたかもしれません。
営業
営業してますかね?
江戸時代から続く漁師さんの住居が史蹟として保存されていますりかなりリアルな蝋人形の漁師さんが網の手入れをしています。
立派な住居
結構立派な住居ですから、当時の漁師さんが結構儲かっていたことがわかります。
アサリ
道にはアサリの貝殻が敷き詰められていたそうですが、この家の庭でその様子が伺い知れます。
江戸時代から
境川を描いた浮世絵にも漁村がしっかり描かれていました。夢の町だった痕跡です。
漁師の蝋人形
表門
スポット内のおすすめ
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貝殻が敷かれてます
庭です。
アサリやハマグリの貝類の漁場としておおいに栄えていた浦安に魚市場があるのはある意味当たり前ですが、東西線の開通とともにその魚市場も移転し、現在の駅前の場所になったそうです。 以前は旧江戸川沿いにあったとか。その方が都合が良かった歴史的理由なのでしょう。
魚市場の中でタモリさんたちが堪能したのがこの焼きハマグリと焼きアサリ。食べたいなぁ。
おばちゃん達が
おばちゃん達が焼き鳥のように焼いてくれます。
どちらが好き?
タモリさんたちもアサリとハマグリどちらが好みか聞かれ「アサリかなぁ」って。む、む、む、食べたい。
焼き鳥のよう
焼き鳥のように焼きハマグリがうっています。
次に訪れたのがこのむき身屋さん。貝を食べやすいように上手にむくお店です。ここで剥かれてから江戸前の寿司のネタになっていったりしたわけです。
貝のむき身屋
とても大事な作業だし、コツがいります。
その昔
お母さん達は年間3万トンも剥いていた?
旧江戸川の河口
旧江戸川の河口に位置した浦安沖には、土砂が溜まりやすい上、その土砂が東京湾の海流にあたることで浦安側に広がりやすい地形的な特徴があったとのこと。浦安の部分が少し飛び出していたことで右に広がったんですね。 なので遠浅の広大な浅瀬が誕生したわけです。それが潮の満ち引きで干潟になった。
山本周五郎氏
浦安に居を構えたことがある山本周五郎さんは東京湾の沖に広がる広大な干潟を捉えて「沖の百万坪」なんて呼んだとか。古き良き景色です。 これをブラタモリでは夢のための「2つ目の魔法」と呼んでいました。
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肥沃な広大な浅瀬/干潟が生み出している、貝の湧く漁場で夢を掴む漁師たちを、高度経済成長期に悪夢のような出来事が襲います。旧江戸川の少し上陸にある製紙工場からの排水でこの漁場の魚介が死滅してしまったのです。 番組では明らかにしませんでしたが、事件を起こしたのは本州製紙の江戸川工場。そののち王子製紙に統合させ現在は王子マテリアルの江戸川工場となっています。
漁師さんたち
番組では実際の漁師さんたちも出演して当時のことを語っていました。 実際にこのあたりの浦安公害問題は2009年のTBSテレビドラマ「官僚たちの夏」第6話でも取り上げられました。ちなみに官僚たちの夏はNHK版もあるのですが、ブラタモリでは官僚たちの夏の話は出ませんでした。
廃業
このことをきっかけに漁師たちは次々と廃業していったそうです。貝が湧く夢と魔法の漁場が消えてしまったわけです。
浦安の古い漁師の漁港を再現した施設がある浦安市郷土博物館です。番組では直接取り上げられませんでしたが、この施設でここまでのだいたいの解説をみることができます。
黒い水事件についても
本州製紙の黒い水事件についても詳しい資料があります。
あさりの時代
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大塚家住宅が漁師の家ならこちらは商家。商家はブラタモリの流れに関係なかったので番組ではスルーしましたが、本来はセットで見学するようなものです。
外観
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商家入り口
奥の間からの庭
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二階
二階
一階脇の作業場
案内板
このように江戸から昭和へ夢と魔法の漁師町だった浦安は公害によって一度衰退します。しかしこの後、「新しい夢と魔法の町」になっていくと番組では続けます。その最初のきっかけがこの段差道路です。
防波堤=昔の海岸線
この段差が防波堤の跡であり、昔の海岸線を意味することが明らかに。
段差道路が海岸線
上空からみるとわかりやすいのですが、まさに段差道路がそのまま昔の海岸線にらなっています。
埋め立てが作る「新しい夢と魔法」
埋め立て側はより高い面になっているのでわかりやすいです。この後ほんの15年間で浦安市は4倍の大きさに埋め立てられていくという歴史を辿るのですが、これが新しい夢を形づくります。そうです高度経済成長期のサラリーマンたちのマイホームの夢です。 昭和44年に東西線が開通すると都心までの時間の短さから、浦安にマイホームを持つサラリーマンたちが誕生します。このマイホーム用地がこの埋め立てられた宅地でした。
4倍に
浦安市の面積が4倍に広がったことがわかります。そしてらこれが新しい夢へと繋がって行きます。 旧江戸川河口沖に広がっていた遠浅の干潟は埋め立てに適した場所として広大な宅地を形成していったのです。
実際行ってみると
埋立地に誕生した住宅地は必然的に平坦な土地に広がっていくのですが、そんな住民の憩いの場としてこの「浦安富士」が公園として作られます。 まさに住宅地のシンボル的な存在で、「高低差好き」のタモリさんも人々は高低差に癒されるんだとご満悦でした。
標高15m
埋立地わ遠くまで見渡せる浦安富士の標高は15m。子供だちが駆け上がったり、ロング滑り台を滑りおりたり楽しめます。
埋め立て当時の姿
まさに埋立地に大量の土をわざわざ運び込んで作られています。
行ってきた!
人は高低差に癒されるんだとタモリさんが言っていた浦安富士です。
上から
上からの景色も。新浦安の駅方面に抜けて見えます。 ちなみにおもってたより隣は高速でした。
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番組の最後で、いよいよ現在の「夢と魔法の国」東京ディズニーランドが出来た理由を探りに船でアプローチをします。 船は釣宿として現在も釣り船で稼働している吉野屋さん。あの山本周五郎さんもよく利用していたという船宿です。
釣り船
吉野屋さんの釣り船です。これでディズニーランド周辺まで外からアプローチ。
遊覧
釣り船ですが遊覧も可能?
埋め立てやすい環境
大三角州と小三角州があった旧江戸川河口の小三角州の全部と大三角州の一部がディズニーリゾートとして組み込まれ周辺が埋め立てられていきました。
海に囲まれている
今の「夢と魔法の国」東京ディズニーランドは中から外の建物が見えないように設計されています。これは逆に外から中をみることが出来ないということでもあったりします。そういう意味で船で回っても外からはスペースマウンテンやシンデレラ城の一部しかみることが出来ません。 周りに建物がない埋め立て地で海の先端に作られたからこそ出来ることであり、埋め立て地として4倍の面積になった浦安だからこそ理由です。
実際には
結構目立つ船屋さんです。
舟も
ありますね。
蒸気河岸
その昔結構大切な通運であった蒸気船が定期運航していたこうろだったとか。
ディズニーランドを船で周遊する際に、象徴的な光景が飛び込んできます。あの夢と魔法の漁師町の象徴とも言える「沖の百万坪」に生い茂る葦が埋め立てちであるディズニーランドホテルの脇の護岸にまた生い茂り始めているという光景です。
ディズニーランドホテル
旧江戸川の現在の河口はまさに東京ディズニーリゾートであり、その護岸にディズニーランドホテルを背景に生い茂り始めている葦はこの河川の生態系の力強さを示していますね。
沖の百万坪
山本周五郎氏が「沖の百万坪」と呼んだ干潟に群生する葦。
一般には公開されていないようですが、ディズニーランドはもちろん今回取り上げた埋めた地の全体が一望出来ます。広大な住宅地や中央公園の浦安富士などが確認できタモリさんも満足げでしたね。