
播磨坂から小石川植物園へ〜極上の散歩道が奏でる奇跡のハーモニー
東京播磨坂から小石川植物園へ〜極上の散歩道が奏でる奇跡のハーモニー
…って、なんか高級マンションの宣伝文句みたいなタイトルになっちまいましたけど。 でもね、沿道にあるオシャンティーなお店を冷やかしながら、緩やかな坂道をユルユル下って行くと… その先にあるのが“暴れん坊将軍”こと徳川八代将軍吉宗にゆかりの深い「小石川御薬園」だってんですから! この組み合わせを奇跡と言わずして、何を奇跡と呼べばいいのでしょうか⁉︎
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東京メトロ丸の内線茗荷谷駅から歩いて約10分。 ここに“極上の散歩道”播磨坂があります。 もともと第二次世界大戦後に立案された都市計画道路「環状3号線」の一部として整備されました。 ちなみに播磨坂以外の「環3」には外苑東通り、言問通り、三ツ目通り等があります。 なお「環3」は残念ながら全線開通に至っていないのですが。 2020東京五輪に向けての浜松町再開発に合わせて、豊洲へ通じる部分の建設があるやも知れません。
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名称の由来は武家屋敷
名前の由来は、ここ一帯が常陸府中藩主松平播磨守の広大な上屋敷だったことに由来するそう。 常陸府中藩の松平家は“御三家”水戸徳川家の分家四藩「御連枝」(高松・守山・宍戸・府中)の1つ。 なので格式がムチャクチャ高い家柄ゆえ、藩主は江戸定府…つまり参勤交代の必要ナシ! お殿様は帰省することもなく、昔ここにあった超豪邸で江戸シティライフを満喫…していたかどうかは知りません。
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中央分離帯が遊歩道に変身!?
播磨坂は全長460メートル、幅40メートルほどの一般道。 出来た当初は幅の狭い中央分離帯のある片側2車線の道路でした。 ところが1990年頃から中央分離帯を公園みたいに利用する人が増加。 車の通行量もそんなに多くなかったこともあって、1995年に文京区が中央寄りの上下1車線ずつ潰し、そこに遊歩道を整備したのだそうですよ。
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文京さくらまつり
播磨坂といえば、なんといっても桜。 毎年3月下旬から4月上旬にかけて「文京さくらまつり」が開催されています。 1960年に坂道が舗装された際、中央分離帯と両側の歩道にソメイヨシノなどおよそ120本の桜が植えられました。 桜は地元の人々の手で育てられ、今では立派な桜並木に成長しています。
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今じゃ猫も杓子も「熟成肉」って喧しいですけど。 その先駆けとなったのが田園調布の熟成肉専門店「中勢以(なかせい)」。 元は京都の高級精肉店で、2008年に二代目が東京へ進出。 さらにここ播磨坂へ2店舗目を出店しました。 熟成庫で約4~8週間ほどジックリと熟成させ、旨味が俄然アップした牛肉や豚肉を味わえますよ。
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播磨坂の中勢以には北店と内店があります
同じ建物の中に「北店」と「内店」が同居してます。 北店は販売専門店で、熟成肉の様々な部位がショーケースに並んでいます。 その様子は精肉店というより、高級和菓子店とか宝石店みたいな感じです。
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内店のレストランで熟成肉の味わいに舌鼓
内店ではコース料理が1人1万円〜、2人以上から受け付けてます。 熟成肉のステーキは北店での小売価格の1.3倍で提供。 ほかにもビーフシチューとか豚肉のグリルとか、熟成肉料理のメニューがいろいろ。 ただし値段は相応、それほどお安くなさそうです。
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播磨坂の風景に溶け込んだ小さなトラットリア。 テラス席に陣取り桜並木を眺めながらランチに舌鼓を打てば、まるでイタリアの小さな町にでもいるような気分に浸れますよ。
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イタリアの伝統料理がお手軽価格で味わえます
北イタリアで修行したシェフがイタリアの家庭料理、地方料理に腕を奮います。 土日祝もランチあり、しかも午後3時ぐらいまで営業しています。 特にスペシャルコースランチは前菜、パスタ、メイン、ドルチェ盛り合わせ、コーヒーで4000円でお釣りがくるというコスパぶり。 ディナーコースでも6000円程度とリーズナブルです。
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播磨坂ってオシャレ系の店ばっかりで落ち着かないじゃん! という落ち着きのない方には、ここ「多摩山荘」がオススメ。 読んで字のごとく、昼は麦とろ中心の定食屋。 夜は多少の酒肴を揃えた一杯飲み屋にヘンシン! ちなみに、なぜ「多摩」山荘なのか? 先代の大将が青山にあった「麦とろ多摩山荘」で修行し、のれん分けをしてもらったからなのだそうです。
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ランチもいいけどディナーもね!
メニューは基本的に定食が中心。 それとサイドメニューが数品。 夜には酒肴も登場し、一杯飲み屋的なお店に。 ビールやサワーのほかホッピーもあり、ざっかけなさがグッとアップ!
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まだオープンして2年チョイという瀟洒なパティスリー。 フランスで修行を積んだ若きパティシエが生み出す色彩豊かなケーキは、見た目にも美味しそう。
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ちょっと小粋なトラットリア。 ここも土日祝にランチ営業しています。 ピーカンの休日はテラス席で桜並木を眺めつつ、ピザやパスタでランチを楽しめます。 また、ランチとディナーの間もティータイム営業しています。 甘いドルチェを味わいながらアフタヌーンティーでマッタリとした時間を過ごせますよ。
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平日のランチはセットメニューがオトク
営業時間はランチ、ティー、ディナーと3つに分かれています。 ランチは平日のみセットメニューがあり、祝祭日は一品料理でのメニューになります。 ティータイムといってもドルチェだけでなく、ピザやパスタの注文もOK。 ディナーはパスタやピザだけでなくアンティパスト(前菜)もアリ。 イタリアのワインやビール、カクテルなどのアルコールとともに美味しいイタリアンを味わいましょうかね。
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播磨坂を下り切る一本手前の横道を左側に入ると、ひっそりと佇んでいる小さなケーキ屋さん。 オーナーパティシエはイタリアやフランスなどで修行したあと、三軒茶屋にあるレストランのドルチェ部門で働いたのち独立、この店をオープンしました。 テイクアウトはもちろん、店内のイートインスペースで食べることもできます。
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看板メニューは「いちごのスフレケーキ」
元々レストランで働いていたオーナーをドルチェの世界へ導いたのが、このスフレケーキ。 シンプルなショートケーキに見えますが、この小さなデザートにオーナーのこだわりがギッシリと詰め込まれています。 ほかにもバラエティに富んだケーキ、自家製ヨーグルト、焼き菓子なども。 季節のフルーツを用いた無添加ジャムも販売。
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播磨坂を下り切り、共同印刷の前まで行くと姿を表すラーメン店。 ですが一見カフェと見まごうほどシャレオツな外観はラーメン屋の雰囲気ゼロ。 なので、女性一人でも気軽に入店できますよ。
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元「ちゃぶ屋」森住康二のお店です
フランス料理出身の森住康二が展開し、ラーメン界に新風を吹き込んだ「柳麺ちゃぶ屋」。 2012年4月に運営会社が破産、ちゃぶ屋は姿を消しました。 それから1年後の2013年7月、「WIRED CAFE」などを運営するカフェ・カンパニーとタッグを組んで復活し、東京ドームシティに1号店「もりずみキッチン」を出店。 その3ヶ月後の10月、ここに2号店「播磨坂もりずみ」がオープンしました。
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「ミシュランガイド東京」ビブグルマンに2年連続で掲載された実力店です!
「ミシュランガイド東京」のビブグルマン(カジュアルレストランのカテゴリー)に、2015-16と2年連続で掲載されただけあって、その実力は折り紙つき。 メニューは醤油らぁ麺と塩麹らぁ麺の2種類。 そこに玉子と焼豚のトッピングを組み合わせます。
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ケーキとパンのお店。 テイクアウトはもとより、店内のイートインスペースで食べることもできます。 なお、この店は播磨坂の沿道にありません。 少し横道に逸れた、住宅街の中にひっそりと佇んでいます。 なので、ちょっと場所が分かりづらいかも。 店頭に掲げられたトリコロール(フランス国旗)が目印。 また、オーナーパティシエが孤軍奮闘中で営業時間は短め。 水〜土(週4日)の11〜19時しか開店してないので、昼間仕事をしている人が訪れるには厳しいかもですね。
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フランスっぽい時間が流れるイートインスペースで落ち着いたひとときを
元はケーキや洋菓子の専門店でしたが、後にパン作りにも注力し、現在では両方とも好評だそう。 店頭のショーケースにパンとケーキが並ぶ珍しいお店です。 フランスっぽい雰囲気の漂うイートインスペースで、ケーキセットを喫しながら落ち着いたひとときを過ごせますよ。
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播磨坂を下り切り、その先に伸びる小径を突き当たると、塀の向こう側に広大な森林が広がってます。 小石川植物園。 本当は「国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園」っていうんですけど。 そう正式に呼んでる人を今の今まで見たことありません。 そりゃそうだ、落語の「寿限無」じゃあるまいし。 それはともかく、ここは日本最古の植物園であり、世界的に見てもトップクラスの歴史を誇る植物園のひとつです。 ルーツは今から約333年前の貞享元(1684)年に徳川幕府が拵えた「小石川御薬園」。 明治10(1877)年に東京大学が設立されると附属植物園となりました。
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入口
東大大学院の付属施設だけに敷居が高く見えますが、そんなことはありません。 附属植物園になってからも、ずっと一般に公開されてきたからです。 入園料は大人ひとり400円。 なお5月4日の「みどりの日」は無料です。 開園時間は午前9時〜午後4時30分。 入園は午後4時にて締め切りです。
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「暴れん坊将軍」と「大岡越前」が作った都心の森
享保6(1721)年に“暴れん坊将軍”こと八代将軍徳川吉宗が御薬園の面積を約45,000坪まで拡張、ほぼ現在の形になりました。 翌年には御薬園内に吉宗と“名奉行”大岡忠相の手により、歴史に名高い「小石川養生所」が開設されます。 御薬園は幕末まで約5000坪に衰退したのですが、明治時代に東大の附属施設になると吉宗時代の広さに復活。 現在は文化財保護法による名勝・史跡に指定されています。
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柴田記念館
大正8(1919)年に建設された、植物園に残る最古の建物。 東大植物学教室の柴田桂太教授が学士院恩賜賞の賞金を基に建てた生理化学の研究室でした。 平成17(2005)年春、外装を改修し、内部も展示・講演を目的とした部屋に改装。 柴田博士や植物園の歴史を紹介する資料や、植物学関連の出版物などが展示されています。
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薬園保存園
既述の通り、もともと小石川植物園は徳川幕府の薬用植物園でした。 当時の姿を後世に伝えるべく、ここで栽培されていた約120種の薬用植物を栽培しています。 また、江戸時代に薬用で使われたサネブトナツメ、カリン、サンシュユといった樹木などが今でも残ってますよ。
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メンデルの葡萄の木
グレゴール・ヨハン・メンデルは遺伝に関する法則を発見した植物学者。 この葡萄はメンデルが実験に用いた木の分株だそうです。
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ニュートンの林檎の木
ニュートンがリンゴの木から果実が落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見したのは有名な話。 彼の生家にあったリンゴの木は接ぎ木によって世界各国の科学機関に分株されました。 この木は昭和39(1964)年、英国物理学研究所から贈られたものです。
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売店
おなかが空いたとか、のどが渇いたとか、そんな危機的状況に陥っても大丈夫! 園内には売店もあり、お菓子や軽食、お茶などを売ってます。 ドリンクやアイスの自販機もありますよ!
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東京大学総合研究博物館 小石川分館
植物園南西の角に立つ洋風建築。 明治9(1876)年に建築された旧東京医学校の本館です。 東大関係で現存する最古の建造物で国の重要文化財。 元は本郷の構内にあったのですが昭和44(1969)年に現在地へ移築。 現在は東京大学総合研究博物館小石川分館「建築ミュージアム」として一般公開されてます。 入館は植物園外部にある専用の入口からで、植物園内からは直接入れません。
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ある意味、なぜここでデートしないのか!?
デートにオススメの理由を箇条書きで説明しましょう! 1)公園と違い入園料が必要なので来訪者が少なく、園内が空いている。 2)動物園と違って子供達がウロウロしていないのでウルサくない。 3)動物園と違って雨が降っても臭くない。 3)敷地が広大なので小鳥の囀りをBGMに森の木陰でキスしても誰にも気づかれない。 でも東大の研究施設なので、破廉恥なマネは厳禁です!
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