食べて歩いて触れ合って、深川で街の魅力を再発見
東京食べて歩いて触れ合って、深川で街の魅力を再発見
ないものを探すほうが難しい。21世紀の東京は、新陳代謝が激しい一方で、 見慣れたコピーとパターン化された情報によって、ある意味思考が停止している。 そんな日常から抜け出して江戸時代の町民文化にタイムスリップ。 そこにしかないものを食べて、いつもとは違う場所を歩き、はじめて会う人と触れ合う。 そうやって再び現代に舞い戻ったとき、あなたが日常として認識していた風景は、 とても誇らしく思えるようになる。 首都としての東京から、あなたが住む街としての東京に変えていこう。 ここ深川は、街と共に生きる姿が見られる数少ない場所のひとつである。 今日は、私トラベルサポーターの小田和尚が下町の魅力をたっぷりお伝えしよう。
1627年に創建された江戸最大の八幡様である。庶民の信仰は大きな歴史の変転を経た現代でも変わることがないと言われている。とりわけ、毎月1日、15日、28日は縁日で大きな賑わいを見せている。
みこっちに会える
空前のゆるキャラブームは寺社にまで浸透。これぞモダンと古風の同居と言えるだろう。歴史を知りながら現代の流行に触れるのも、寺社巡りを楽しむコツである。
深川不動堂は大本山成田山新勝寺の東京別院である。江戸時代の中期に成田山への信仰が浸透したことがきっかけで、歴史の変遷を経て1881年に建立。都内外から毎年たくさんの参拝者が祈祷や供養に訪れている。
本堂
本堂の中に祭られている果てしない仏像と梵字を見たとき、あなたの感情は一気に解き放たれる。強烈なパワーが得られる何とも不思議な空間である。
深川公園
隣接する深川公園は、この街で暮らす人たちの憩いの場としての役割を果たしている。園内には足つぼロードなど健康遊歩道もあり、ちょっとした休憩を楽しめる場所である。
折原商店
参道沿いにある角打ちのできる和酒の店で江戸の町民文化に触れ合えるスポットとして人気を集めており、日本酒好きにはたまらないラインアップである。
日本五大銘飯のひとつである「深川めし」。新鮮なあさりを特製の味噌でさっと煮立て、汁ごとかけた「ぶっかけ」と、お醤油味で炊きこんだ「炊き込み」がある。江戸前の伝統的な食をとくと味わえるお店である。営業時間は11時から17時。定休日は毎週月曜日と第3火曜日。
東京メトロ東西線・都営大江戸線の門前仲町駅からわずか1分という場所にあり、間口9尺50MというY字の路地に32軒ものお店が連なる飲み屋横丁である。お店のオーナー同士がとても仲良しで、入ったお店の隣客がとなりのお店を経営しているなんてことは珍しくない。下町らしいナイトライフ楽しめるのが特徴である。
池の周囲に築山や名石を配置した回遊式林泉庭園で、東京都指定名勝に指定されている。関東大震災以降、三菱の三代目社長の岩崎久弥氏が土地と寄贈したことがきっかけで1932年に開園したスポットで、園内には岩崎氏が全国から集めたとされる名石が無数に置かれているのも特徴である。
江戸の歴史というと、両国にある江戸東京博物館のほうが大規模な施設として有名だが、町民文化の歴史がより細かくわかるのはこの深川江戸資料館のほうである。実際に、私も少年時代に祖母に連れられて何度か来訪したが、タイムスリップの臨場感を覚える場所としての印象が強い。
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日本に押し寄せたコーヒー第3の波。2015年2月にオープンしたここブルーボトルコーヒー(清澄白河店)はこの街のバランスを見事に保っている。江戸の町民文化が残る場所に出現した新たなスポットは、良い意味で深川のイメージを変えてゆくのかもしれない。